最新スポーツ医科学ハンドブック
坂本 静男
英語のタイトルは“Benefits and Hazards of Exercise”。
この訳が副題(スポーツの効果とリスク)に該当する。
「スポーツ医科学ハンドブック」と解するより、副題のままだと思ったほうがよい。
内容もほとんどが内科的な問題を扱っている。
例えば、キーワードで拾うと、健康増進、身体活動、プライマリケア、突然死、高齢女性、高血圧、糖尿病、オーバートレーニング、ウイルス疾患など。
監訳者の坂本氏は本誌の連載も執筆中で、その第1回(2月号)で本書の内容について触れ、「スポーツ施設での運動より、むしろ家の周辺で自由にできる運動を勧めたほうが継続性が高い」という叙述を挙げている。
このように、本書は「効果とリスク」のみならず、身体活動について心理学的側面からもアプローチしている。
また、カコミ欄の内容が面白い。
例えば「米国および英国の公衆衛生責任者は、……“すべての成人は1週間のうちほとんど毎日(5日間)、中等度の強度の身体活動を30分間以上行うべきで ある”という、健康メッセージを奨励してきた。このメッセージにもかかわらず、英国人(70%)、および米国人(60%)の多くは非活動のままである」 (P.42)。
各章には問題と解答が用意され、理解を助けるのに役立つ。"
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:ナップ
(掲載日:2001-11-24)
タグ:内科 スポーツ医学 リスク
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:最新スポーツ医科学ハンドブック
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:
最新スポーツ医科学ハンドブック
e-hon
スポーツ内科アカデメイア スポーツを科学的に実践するために
賀来 正俊
“スポーツ疾患”と聞けば、まず最初に思いつくのが整形外科疾患ではないだろうか。しかし、これらは受傷機転や部位、程度など比較的“外”から見て特定しやすく、早期治療を受けやすい。
本当に気を付けなければならないのは、実は監督やコーチ、家族、そして自身さえも気がつかないうちに潜在的に進行していく内科疾患のほうである。
皮肉なことに、スポーツ現場において内科疾患は少なくなく、整形外科疾患よりも重篤な状態に陥りやすいといっても過言ではない。時には選手生命のみならず、本当の命までも落とすことになりかねないのだ。
本書は、“より健康に、より長いスポーツ生命を維持し、生涯においてスポーツ・運動を愛好してもらいたい”という著者の思いをもとに、さまざまなスポーツ内科疾患の実例や、一見とっつきにくい内臓疾患なども、スポーツ現場で起こりやすい問題を絡めてわかりやすく書かれている。文章も硬すぎず、後半に著者の体験談なども盛り込まれ、非常に楽しく読める一冊である。
(藤井 歩)
出版元:南江堂
(掲載日:2014-03-26)
タグ:内科学
カテゴリ スポーツ医学
CiNii Booksで検索:スポーツ内科アカデメイア スポーツを科学的に実践するために
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:
スポーツ内科アカデメイア スポーツを科学的に実践するために
e-hon
medicina 2020年 6月号 特集 運動・スポーツ×内科 内科医に求められるスポーツ医学とは
田中 祐貴
1人のアスリートが訴える悩みが1つとは限らない。スポーツ現場では、骨折・脱臼・脳振盪など外科的なものだけでなく、貧血・喘息・月経不良など内科領域まで幅広い対応力が求められる。
本書はスポーツ内科の総論にはじまり、上記のような内科的疾患はもちろん、「息切れがします」「疲れが抜けません」など、悩み別の検査・治療方法、疾患を持つアスリートへの運動指導やドーピング予防まで詳細に解説されている。診療科どうしの連携についても述べているが、その範囲は皮膚科・耳鼻科・精神科・口腔外科まで及ぶ。「内科医に求められる」スポーツ医学とは、内科領域だけではないのだ。
さらに巻末にはトレーニングとして確認問題まであり、「読んで終わり」にさせない親切設計。月刊誌であるがスポーツ内科の入門書としておすすめできる一冊だ。
(川浪 洋平)
出版元:医学書院
(掲載日:2022-01-17)
タグ:スポーツ内科
カテゴリ スポーツ医科学
CiNii Booksで検索:medicina 2020年 6月号 特集 運動・スポーツ×内科 内科医に求められるスポーツ医学とは
紀伊國屋書店ウェブストアで検索:
medicina 2020年 6月号 特集 運動・スポーツ×内科 内科医に求められるスポーツ医学とは
e-hon