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第6回 日本スポーツ視覚研究会

サッカーワールドカップがブラジルで開催され、また2020年東京オリンピックに関連する話題も増えてきています。今年も選手たちのトレーニングの中心施設である国立スポーツ科学センター(JISS)で研究会を開催することになりました。今年は3人の先生方に御講演をいただきます。わくわくするようなスポーツへ気持ちの高まりを感じられると思います。奮ってご参加下さい。

日本スポーツ視覚研究会代表 東京女子医科大学東医療センター眼科教授 松原正男

日時 2014(平成26)年8月23日(土)午後2時から

場所 国立スポーツ科学センター2階 会議室
東京都北区西が丘3-15-1、都営地下鉄三田線 本蓮沼駅下車徒歩10分または
JR赤羽駅からバス
・5番乗場「トンネル経由 赤羽車庫」行き 国立西が丘競技場下車徒歩3分
・4番乗場「池袋」・「日大病院」行き 国立西が丘競技場北門下車徒歩5分

講演

1)眼優位性(利き眼、優位眼)の機能的役割

国際医療福祉大学 保健医療学部 視機能療法学科長・教授 新井田 孝裕

 眼優位性の存在は経験上よく知られており、スポーツ競技においても射撃やアーチェリーなど照準を定める種目では眼優位性の強さが重要であり、さらに種目によっては利き手との関係(同側性、交差性)が成績に影響を及ぼすと言われている。眼優位性は sighting, sensory, motor の3つに大別されるが、個体差が大きい上に、同一個体でも用いられる課題や方法によって結果の異なる場合が多く、その機能的役割については十分に解明されていない。今回は、指さし法を用いた眼優位性の評価と頭位変化、空間的注意と眼優位性の関連に関して自験例に文献的考察を交えて述べる予定である。

2)眼球運動と人の行動解析

東海大学情報通信学部情報メディア学科教授 山田光穗

 眼前の広範な視覚情報から必要な情報を取捨選択するために眼球運動は不可欠である。眼球運動が誰にでも使えることを目指し、キャリブレーションの自動化、小型化、可搬化をめざし取り組んできた。その成果として取り組んだスポーツ選手の視線分析から、追従眼球運動の追従特性、奥行き知覚と輻輳眼球運動の特性、広い視野から視覚情報を取得するためには不可欠な頭部運動と眼球運動の協調特性について紹介する。さらに、最近取り組んでいる眼球運動測定装置の小型・可搬化、頭部運動を含めた視線分析装置への取り組みについて述べる。

3)動きを「みる」の熟達

鹿屋体育大学体育学部・講師 中本浩揮

 スポーツにおいて、視覚による情報処理はとりわけ重要である。本話題提供では、「他者の動き」と「高速移動物体の動き」という2つの異なる動きに対する視覚情報処理をテーマに、心理学において明らかになってきたスポーツの熟達に関わる「みる」の特徴について紹介したい。「他者の動き」の視覚情報処理に関しては、近年の重要な研究トピックであるミラーニューロンシステムをキーワードに、動きを「みる」ことと「する」ことの関係について考察したい。また、「高速移動物体の動き」の視覚情報処理では、Representational momentumという錯視現象をキーワードに、熟練野球打者がどのように高速移動物体を視覚処理し、タイミングよく運動反応を行うのかについて考察したい。

参加を希望される方は、メールにてお知らせください。

問い合わせ先 えだがわ眼科クリニック 枝川 宏

edagawa@ganka.net(全角の@を、半角の@にしてメールしてください)

会費 1,000円