図解 成人病の運動処方・運動療法 虚血性心疾患編
伊賀 六一 波多野 義郎 野矢 久美子
先月の「スポーツドクター・インタビュー」の頁で南谷和利・順天堂大学教授が、西ドイツとアメリカの心疾患患者のリハビリテーション施設を紹介、日本はまだこの方面では立ち遅れているとの指摘があった。
その数少ない日本の施設として、虚血性心疾患の運動療法を行う「PFセンター」(Physical Fitness Center)と名づけられたものが社会保険埼玉中央病院にある。そこでの運動療法を中心に、図、写真、表を駆使して、非常に視覚的にわかりやすくまとめられているのが『図解 成人病の運動処方・運動療法 虚血性心疾患編』(伊賀六一、波多野義郎編、伊賀六一、野矢久美子著、医歯薬出版)である。
“図解”と銘打たれているだけに、文章より図版のほうが多い。PFリーダーの設置など、これからのこの分野に対する提言も多く含まれている。日本における心臓病は、脳卒中を抜いて、死亡率2位となった。専門家だけでなく、一般にもこういった知識の必要性は高まっている。どんな人にも抵抗のない手引書である。またそれだけに医学の広まりもうかがえる本だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:医歯薬出版
(掲載日:1986-12-10)
タグ:成人病 運動処方 心疾患
カテゴリ スポーツ医科学
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器質か心因か
尾久 守侑
内科外来も行う精神科医が、臨床において「器質か心因か」、つまり身体疾患かそうでないかの見分けを日々迫られる中で、二元論ではない見立てと治療を整理する。
症例を読むと、器質でも心因でもあり、そのどちらでもないときもあるというような複雑さに驚く。また、非身体疾患として治療するにも、本人への伝え方1つとってもさまざまな配慮が必要だという。器質か心因かを見分ける技術技法はなく、最終的には目の前の患者といかに向き合うかになる。正解はない。患者という「人間」の見方は、詩人でもある著者ならではかもしれず、興味深い。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:中外医学社
(掲載日:2021-04-10)
タグ:疾患
カテゴリ 身体
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