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ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。

情報文明の日本モデル
坂村 健

 直接スポーツ医学とは関係がないが、本誌で片寄氏が連載しているテーマと重なること、また誰もがITを避けて通れない時代であるため、この本を選んだ。副題は、「TRONが拓く次世代IT戦略」。
 TRON(The Real-time Operating system Nucleus)を考案した著者の最新刊の書である。TRONはすでに携帯電話などで広く実用化されているオープンシステムであるが、ここでは、それについてより、別の観点で興味深いところを紹介しておきたい。
 著者は冒頭、「アメリカ・モデルを追いかけても意味がない」と言い、IT革命で世界をリードしたアメリカを見習う論調に首をかしげる。2000年1年間でアメリカのドットコム企業は220社以上が廃業、2001年は8月までで410社以上が破綻。ウェブでの無料サービスも、無料ニュースサイト、無料プロバイダもすべて失敗。このモデルを追求しても、だめだ。日本のモデルを創造することが必要だと言う。
 そこで、著者は遺伝子研究から、脳内物質のセロトニン受容体が少ない人は保守的で、新しいものに挑戦したがらないという傾向が強いという結果を掲げ、そのセロトニン受容体が少ない遺伝子を持つ人はアメリカでは全体の約50%、日本では90%以上にのぼるという事実(どう確かめたかは不明)を挙げる。だが、日本はチームでやれば、独創的なこともやってのける。そのよさを活かそうと言うのだ。
 また、多くの人がよく指摘する日本人の戦略のなさ。これについて、「それ以上に問題なのは、戦略の前提として『何のために勝つのか』という哲学もないことである」と喝破する。
 スポーツでは「勝つために」がすべてのことが多い。「何のために勝つのか」と問う人はいない。勝つことを目標とするのが、スポーツだからだと。だから、負ければ終わりだが、勝っても終わりである。それもよさだが、一度は「何のために勝つのか」と考えてもよいかもしれない。
 意外にこの本、情報だけを扱ってはいない。いや、そもそも「情報文明」とはそういうものだということだろう。

新書判 226頁 2001年10月29日刊 600円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)

出版元:PHP研究所

(掲載日:2001-12-15)

タグ:情報 
カテゴリ その他
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「わかる」とは何か
長尾 真

 「あいつはわかってない」「それでわかった」「そうだろうと思うけど、でも分からない・・・」
 私たちの日常「わかる」という言葉を頻繁に使う。「分かる」は「分ける」であるとも言われる。だが、「わかる」とはいったい何がどうなることか。
 このテーマに、現在京都大学総長である著者が平明な記述で挑んだ。著者の専攻は「情報科学」であり『人工知能と人間』『電子図書館』などの著書もある。
 当然、1つの科学分野のみで語れる話ではない。大きな章題を並べると、「社会と科学技術」「科学的説明とは」「推論の不完全性」「言葉を理解する」「文章は危うさをもつ」「科学技術が社会の信頼を得るために」の6つ。
 その「言葉を理解する」の章で、著者は「わかる」というレベルを説明し、「第一のレベルは、言葉の範囲で理解することであり、第二のレベルは、文が述べている対象世界との関係で理解することであり、さらには第三のレベルとして、自分の知識と経験、感覚に照らして理解すること(いわゆる身体でわかる)というレベルを設定することが必要であろう」と記している。
 そして、科学技術の文章においては、第二のレベルまでの理解でよいとしつつも、第三のレベルの理解が必要という場面も出てきたとする。「たとえば遺伝子操作、クローン生物、臓器移植、脳死判定といった問題になると、理屈の世界でわかっただけでは私たち人問は納得できず、感情的体験的世界においても納得することが必要であり、これを避けて通ることができなくなっているのである」日々接する情報の量は夥しいが、「わかる」ものは実は少ない。「わかること」から考える必要は確かにある。
(月刊スポーツメディスン編集部)

出版元:岩波書店

(掲載日:2002-01-15)

タグ:科学 理解 
カテゴリ その他
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図説NPO法人の作り方
鶴田 彦夫

 本書では「はじめに」で明確に「21世紀はNPOが主役の時代である」と記している。また「NPOは、企業や行政では扱いにくいニーズに対応する活動を自発的に行う組織であり、第三の組織を築いている。また、人々が交流し、地域に新たな活力を生み出す核にもなり、21世紀の社会でも大きな役割を果していくものと期待されている」と言う。
 この意味で今注目されるのが、スポーツNPOであろう。本書はスポーツNPOにスポットを当てて書かれたものではないが、書名の通り、これからNPO法人を作ろうとしている人には非常に参考になる。つまり、多くの人が得意としない分野、簿記、会計、税務を詳しく解説している。
 著者はドラッカーの次の言葉を引用している。「非営利組織(NPO)は、よき意図をもってよいことをしたいということだけでは十分ではない。成果をあげ、この世に変化をもたらすために存在しているのだ……そのためには、すぐれたマネジメントが必要である……非営利組織には、ビジネスと違って業績を測るための利潤というものさしがないからである」
 この言は、月刊スポーツメディスン34号で紹介した河村剛史氏の講演内容とぴったり重なる。優れた実務書である。

A5判 236頁 2002年2月15日刊 1550円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)

出版元:PHP研究所

(掲載日:2002-05-15)

タグ:NPO 
カテゴリ その他
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イルボンは好きですか?
山田 ゆかり

 月刊スポーツメディスンで連載中の山田さんの最新の書。写真は原山カヲルさん。著者は、週刊朝日の仕事で韓国のスポーツ選手を取材、毎月韓国に行く生活を過ごしてきた。その中で、スポーツ選手のみならず、特に「新世代」と呼ばれる高校生、大学生に興味を持ち始めた。この本はその新世代75人へのインタビューをまとめたものである。
 タイトルの「イルボン」はもちろん「日本」の意味だが、韓国の若者に、日本の国のイメージ、日本人のイメージなどをどんどん聞いていく。著者は当初、日本の若者と同じだと思ったのが、やはり違う点を見出していく。その彼らの素顔を原山さんがカメラに収めていく。
 ワールドカップを機に日本と韓国の交流は以前より盛んになりつつある。互いの国に対するそれぞれのイメージがあるが、やがてそれは変貌するかもしれない。
 サッカーのワールドカップは単にスポーツイベントではないと言われる。それが本当にどういうことかがわかるのは間もなくである。
(月刊スポーツメディスン編集部)

出版元:朝日ソノラマ

(掲載日:2002-06-15)

タグ:文化 インタビュー 韓国 
カテゴリ その他
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史上最も成功したスポーツビジネス
種子田 穣 本庄 俊和

 この本ではNFLがいかにアメリカ国民にとっての文化となりえたか、そのためのブランディング戦略について書かれている。ブラックアウトやマンデーナイトフットボールといった、日本のプロ野球やJリーグでは行われていないNFL独自のものが紹介され、大変興味深い。
 本の中で、強い感銘を受けた点はNFLが、ブランディングやスポンサーシップの獲得に際して、アメリカンフットボールというスポーツの持っている要素を、商品やサービスに込められたコンセプトと結びつけて考えている点だ。たとえば、ボールを敵陣に運ぶために戦略や情報を用いるというアメリカンフットボールの特性を物流企業のコマーシャルに提供するといったことを行っていたり、フラッグフットボールのキットを日本各地の中学校に寄贈し、スポーツが苦手な子でも戦略を考える役ができるといったようなアメリカンフットボールの特性を提供したりしている。日本人選手がNFLに誕生するのはまだ先のことと見るや、日本人でNFLチームに所属するチアの方のドキュメンタリーをつくり、異国での生活や家族との葛藤を描いたりしている。
 スポーツ団体にとって、そのスポーツを普及させるために行っていることは、そのスポーツがいかに面白いかを訴えているケースが多い。しかし、NFLは、アメリカンフットボールの面白さを訴えるだけではなく、世の中にNFLというブランドの持つ価値を投げかけている。
 このように、スポーツを通じた何かで社会に訴えるという点が日本には欠けており、野球やソフトボールが五輪競技に復活できなかった理由もこの点に一因があるのではないかと私は考えている。スポーツビジネスを勉強している方だけではなく、スポーツを普及させたいと願っている方にもぜひ読んでもらいたい。
(松本 圭祐)

出版元:毎日新聞社

(掲載日:2011-12-10)

タグ:スポーツビジネス NFL アメリカンフットボール 
カテゴリ その他
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史上最も成功したスポーツビジネス
種子田 穣 本庄 俊和

はっきり言って歴史の違い
 私の蔵書の中に「THE PICTORIAL HISTORY OF FOOTBALL」というのがある。要するに、アメリカンフットボールの歴史を写真で追ったものだ。そして、この本の最初に「CAMP」なるタイトルのついた章があって、そこには口ひげをはやし、左手を後ろに回して直立姿勢で立っている男の写真が大きく掲載されている。
その男こそが現在のフットボールの原型となるルールを確定したウォルター・キャンプその人である。その写真の説明には「ウォルター・キャンプは1878年にエール大学のキャプテンとなった。彼は革新的なアメリカンフットボールのルールを背景に、大いに活躍した」と記されている。
 1878年は、日本で言うと明治11年である。この年、日本では明治新政府の立役者であり、版籍奉還や廃藩置県を断行した参議兼内務卿の大久保利通が東京紀尾井町で刺殺されている。まだまだ国の存亡ままならぬ状況の中で、ましてスポーツなんぞという時代であった。
 1892年、米国ではアメリカンフットボールは人気スポーツとなり、初のプロプレーヤーが誕生したと本書に書かれている。日本では明治25年に当たる。この年日本には本格的テニスコートが東京・日比谷の英国公使館の中庭にでき、これをきっかけにテニスが盛んになったという。でも、フットボールではないのだ。
 日本で初めてアメリカンフットボールの試合が行われるのは、それから43年後の1935年(昭和10年)。東京・明治神宮外苑で横浜選抜と在日外人チームの試合が第一戦であった。そのころ、米国では現在のNFLは既に組織されていたし、1934年にはNBCラジオで全国向けに初めて放送が行われたという。そして、1935年には現在も行われているドラフト制度ウェーバー方式を導入したという。やはり、はっきり言って歴史が違うのだ。

スポーツと体育の違い
 本書は、新市場開拓の原則として次の2つを挙げている。
(1)ファンデベロップメント、即ち顧客の開拓、(2)メディア展開、即ち如何にしてメディアへの露出度を増やすか。
 両方とも納得だが、特に(1)の顧客の獲得には大変な時間を要するという。
つまり「特にプロスポーツの場合、人々がファンとなるスポーツは、自分が過去にプレーしたことのあるスポーツであることが多い」という。
これも納得。つまり、日本の場合、過去におけるスポーツ経験とはイコール学校体育でのスポーツ経験となるので、NFLジャパンでは現在日本でのNFLファン獲得作戦の一環としてフラッグフットボールという安全で誰もがフットボールゲームを楽しめるプログラムを全国小学校に展開中という。これも納得。
 因みに、何を隠そう私もこのフラッグフットボール経験者の一人で、年齢、男女混合チームでゲームをやる気分は格別です。 読者諸君、一度経験すべし。
 閑話休題。しかし、これらのNFL顧客獲得作戦には大事なものが抜けている。それは、スポーツはやるものと同時に観るものだとういう視点だ。残念ながら、今までの日本のスポーツ教育には、ここが決定的に欠けていた。つまり、教育・教材としてのスポーツ、体育だったのである。
 事実、全国の小・中学校のグラウンド、体育館に観覧席が用意されている学校が何校あるか? あるのはスポーツをやるためだけの施設ばかりだろう。私自身、もう10年以上前になるが、娘のミニバスケットボールの試合を体育館の外から、狭い出入り口に沢山群がる他の保護者に混じって立ちながら応援したのを覚えている。
観覧席があったら、もっと楽しめただろうに。
 NFL関係者の皆さん、そんなに史上最もビジネスを成功させた余力があり、あくなきビジネス精神の元、さらに日本、そしてアジアとビジネスチャンスを目論むなら、全国の小・中学校に観覧席を寄付して下さい。
 そうすれば、必ずや日本人はスポーツを観る楽しみを理解します。そして、アメリカのように、会場近くでバーベキューパーティーもやるようになります。なんせ、史上最もマネがうまい国民ですから。

(久米 秀作)

出版元:毎日新聞社

(掲載日:2002-12-10)

タグ:スポーツビジネス NFL アメリカンフットボール 
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ここ一番!の集中力を高める法
児玉 光雄

 いろいろな局面での「ここ一番!」に強い人と弱い人がいるが、その差は「集中力」によって異なるという。一流のスポーツ選手からビジネスマンに至るまで、具体的な例を挙げ、集中力を高める方法が満載の実践書。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東洋経済新報社

(掲載日:2003-01-10)

タグ:メンタル 集中力 
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スポーツ解体新書
玉木 正之

スポーツを“解体”する
 私は“解体新書”というとまず日本最初の西洋解剖学書の訳本を思わずにはいられない。“解体”には物事をバラバラにするとの意味もあるが、この場合は“解剖”を意味する。従ってこの「解体新書」というタイトルは、素直に読めば「新しい解剖書」という真にシンプルなタイトルになるところだ。
 しかし“新書”という言葉に込められた意味を私なりにこだわれば、この言葉には新しい分野や秩序を築こうとするときの緊張感がこめられていると思う。
 誰も到達したことのない領域に達し、それを世に現すことを許された者だけが使える“新書”という言葉。
 この言葉がタイトルに踊る本を読み開くとき、私は期待感にワクワクし、緊張感で胸をドキドキさせながら頁をめくる。
 さて、今回ご紹介するのは“スポーツ”の解体新書である。本書は、今まで既成事実として君臨(?)してきたスポーツに対する概念規定をことごとく“解体”して新しい概念を構築しようとする意欲作である。私の“新書”への期待感も裏切らない。
筆者の新たなスポーツ秩序の道すじをつけようとする情熱が、熱波となって頁をめくるごとに襲ってくる。

「体育」と「読売巨人軍」
 筆者はこの2つが日本のスポーツを、本来のスポーツの意味から遠ざけたと言っている。明治において欧米文化を取り入れることに躍起だった日本にスポーツが輸入されたとき、残念ながら日本には 受け皿となるスポーツの社会基盤(インフラストラクチャー)がなく、結局大学が主な受け皿となる。しかし、世間の学生に対する目は厳しく、学生の本分は学問(精神活動)であるとして身体活動であるスポーツを“遊び”として認めずしょうがなくスポーツを「精神修養の道具」として世間へ認知を図るのである。
 その後「“下級学校”に配られた結果日本では、スポーツが体育へと変貌しスポーツと体育が同種のものとして考えられるようになった」と言うのである。それ以降スポーツは学校体育の専売特許となり、学校教育だけのものとなる。その結果、スポーツ本来の年齢に関係なく誰もが楽しめ、どこででも行えるというスポーツ観は、日本で育つことがなくなってしまったわけである。
 読売巨人軍は、もちろんプロ野球のジャイアンツのことである。数々のスーパースターを生み出し、日本のスポーツ界の頂点に立つこのチームも、筆者に言わせれば日本のスポーツをダメにしているという。
 一民間企業が、その企業の宣伝効果のみを優先させて運営しているところに、形こそ違うがメジャーリーグやヨーロッパのクラブチームの運営形態と決定的に違うことを指摘する。さらに、特定のメディアが特定のチームと結びついていることに、筆者は大きな疑問を寄せている。
 筆者は、最後に次のような言葉で本書を締めくくっている。
「日本のスポーツ界が(とりわけ、日本人に絶大な人気のある野球界が)過去のしがらみを断ち切つて変革に手をつけ、たとえ小さな一歩でも未来にむけて新たな出発を始めるとき(中略)日本の社会が、真の豊かさの獲得に向かって歩み始めるとき、といえるのではないでしょうか」
 そういえば、どこかのワンマンオーナーがようやく引退というような記事が最近あったように思うが、これで少しでも日本のスポーツ界が変わるといいですね、玉木さん。
(久米 秀作)

出版元:日本放送出版協会

(掲載日:2012-10-08)

タグ:スポーツの意味 
カテゴリ その他
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シマノ 世界を制した自転車パーツ 堺の町工場が「世界標準」となるまで
山口 和幸

堺の町工場から世界標準へ
 本書は、自転車部品メーカー「シマノ」が世界一の自転車「パーツ屋」になるまでのノンフィクションドラマである。
 株式会社シマノは現在大阪府堺市に拠点を置く。創業は1921年。鉄工所の職人であった島野庄三郎が島野鉄工所として興した会社である。
 当初島野鉄工所ではフリーホイールというギヤパーツを製造していた。しかし、その初代社長庄三郎が逝去した頃には第一次サイクリングブームも終り、会社は経営の建て直しを迫られる。
 そんな会社を引き受けたのが庄三郎の長男尚三である。そして、彼と弟の敬三、三男の喜三が会社経営に乗り出してからは、三兄弟は才覚と社内での役割を三者三様にこなし、これが“三本の矢”となって会社を大きく飛躍させていくことになるのである。

ブレーキにシフトレバーを載せろ
「おい長、あれ困るんちゃうか?」
 7400の企画を担当していた長義和が、島野敬三専務に呼ばれた。長はSIS(シマノ・インデックス・システム)と呼ばれる変速機の位置決め機構を7400に搭載した際の中核となった人物で、それ以前自転車選手時代はミュンヘン五輪とモントリオール五輪に出場。モントリオールでは日本自転車界初の6位入賞を果たした日本短距離界の名選手であった。
「SISできてええねんけど、上りで立ち漕ぎするやろ。そしたらハンドルから手が離せないから、変速できへんやろ」
「まあ、できませんね」
(中略)
「あれって因るんちゃうか。アタックされるでしょう、こっちが変速しているすきにね」
「まあ、それもヤツらの作戦ですから」
「チェンジレバー、手元にあったらいけるんちゃうんか」
 シマノを世界的自転車企業に躍進させた原因は、こんな発想の柔らかさにあったようだ。

ストレスフリーという名の自転車
 この物語はシマノの商品開発に対する先見性とそれに注ぎ込む情熱が中心であるが、実は本当の主人公はここに出てくる社員一人一人なのである。
 前述の会話にもあるように、選手の実績を持つ社員と会社のリーダーが直接意見をぶつけ合う。リーダーは常に誰でも乗りやすい、人間にとって限りなくストレスフリーな自転車を想像する。それを、技術者であったり、元選手であったりした人々に実現するように指示する。そして、この会社では指示を受けた人々が実に誠実に、満身に力を込めて実現しようとしている。ここにシマノの世界一たる所以がある、と著者は看取する。
 翻って考えれば、スポーツ現場においてもコーチは技術者(選手)-人一人に先見性を持って技術の進歩・実現を望むべく指示を出し、選手が誠意を持って答えを出そうとしたときに最高のパフォーマンスが生まれる。
 実業界とスポーツ界の違いはあれ成功の秘訣は同じところに潜んでいることに、本書を読んでいると気づかされる。
 私事で恐縮だが、実は8年ほど大阪に在住していたことがあり、その間にシマノのレーシングチームで体力測定やら実走中のベタルにかかる力(踏力)の測定やらを手伝ったことがある。
 残念ながら、我がデーターはまったくシマノの世界的躍進には役立たなかったようだが、本書中にも当時レーシングチームをまとめておられた岡島信平氏の名前や辻昌憲監督の名前を拝見し、妙な現実感を持ちながら本書を読ませていただいた。
 日本は技術立国であると言われているが、本書を読んで改めて納得した。日本はまだいける、と勇気をもらえる一冊である。
(久米 秀作)

出版元:光文社

(掲載日:2012-10-08)

タグ:開発 自転車 パーツ 
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日本人大リーガーに学ぶメンタル強化術
高畑 好秀

「選手の指導」に効く薬
 今この書評を目にしている方々は、なんらかの形でスポーツの指導に携わっていらっしゃる方々だと思うので、選手の指導に関しては、一方ならず苦労があることは重々承知のことと思う。私事ながら苦節20年この世界に身を置いて、何度“選手指導の特効薬”はないものか思い悩んだことか……。
 なんだか新年早々しみじみした話になってしまったが、特効薬はないにしても、スポーツ指導で成功するための黄金律は存在するのではないかということは薄々感じるのである。そして、その存在を知るには“我々は人間を指導している”という、ごく当たり前の事実に気づくことが重要なのではないだろうか。
 人間を社会的動物とみた場合、「マズローの欲求段階説」によれば、人間には5段階の欲求があると言う。この5段階とは下位から生理的欲求、安全・保障の欲求、社会的欲求、自我の欲求そして最高位の自己実現の欲求のことである。
 こうしてみると、スポーツ指導の場面においても一選手の持つ欲求はこの段階に沿っているようにみえる。例えば、そのスポーツを始めるにあたっては、今まで自らが満たされないと感じていた部分を満たしてくれそうだという生理的欲求が動機として強く働いたと考えられるし、次にそのスポーツを継続するには未来への安定つまり生活の安全や保障欲求が満たされることが重要である。
 そして、次第に欲求は高位へと高まり、そのスポーツに携わっていることへの社会的認知が得られ、人々から尊敬されることで自我の欲求を満たし、理想的な自己の確立を成し得ることで、果たしてそのスポーツに携わった喜びを得ることになるのである。
 選手には、選手という以前に、一人間としてこうした欲求があることを先ず指導者が理解することこそが指導の“特効薬”ではないだろうか。

メンタル強化術
 さて、今回ご紹介する本書では、選手指導の特効薬的方法論として“人間の心理”を理解することをテーマとしている。
 内容は、場面設定の多くが会社の上司と部下の関係における心理、つまり部下に如何に余計なストレスを感じさせずに仕事に集中させるかとか、部下のやる気を育てるには上司はどのような発言や行動をとるべきかというような形で書き進められているが、これはこのまま指導者または監督と選手の関係においてもありえることであるので、本書の内容は十分スポーツ指導現場において応用可能である。
 これについては著者も意識したのであろう、各章の最後には日本人大リーガーを含めた大リーガーたちのメンタル強化術について触れられており、大リーグの指導者やトップ選手が本書に述べられているような心理作用をどのように指導や自らのメンタルコントロールに用いているかについて興味深い話を載せている。
 著者が現在まで、イチローら多くの一流プロ野球選手のメンタルトレーニングを指導した経験がここに生かされているようだ。
 スポーツにおけるメンタルコントロールについては、日本はまだ欧米からみるとようやく端緒についたばかりに思える。
 しかし、今後日本の一流選手がTV画面を通して、メンタルな面を強調したコメントをより多くすれば、必ずやそれを見ている次世代の子どもたちは、新鮮なスポーツ感覚を磨くことであろうし、これは結果的に日本におけるスポーツという文化の深遠を深め、発展に繋がることになるであろう。
 今年はこれを期待しながら、スポーツ関係者の皆さん、一年頑張ろうではないか。
(久米 秀作)

出版元:角川書店

(掲載日:2012-10-08)

タグ:メンタル 
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ファイブ
平山 讓

バスケットボール稗史(はいし)
「バスケットボール部を今年限りで休部とする」。平成7年から4連覇を含む5度のJBLスーパーリーグの優勝を果たした名門いすゞ自動車バスケットボール部に、平成14年1月30日リストラの風が吹いた。しかしこの事実を頑なに拒否し、「ファイナルで優勝したら、休部の話がなくなることだってありますよね」と執拗に会社幹部に食い下がった男がいる。その男の名は佐古賢一。ポジションはポイントガード。愛称「ミスターバスケットボール」。その名の通り、彼は中央大学時代に日本代表入りを果たし、平成9年にはアジア選手権(兼世界選手権アジア予選)で準優勝し、31年ぶりに日本を世界選手権に導いた中心的人物である。さらに、その間リーグ戦においても6年連続ベストファイブとMVPを3度受賞している。まさに「ミスター」の名にふさわしいこの男が、今リーグファイナルで戦っている。相手は初優勝を狙うトヨタ自動車アルバルク。試合は残り15秒。得点は66対63、いすゞ3点のビハインドだ。「『おい』と長谷川の肩を掴んだ。長谷川が驚いたように振り向き、佐古を見た。(ボールを)『俺によこせ、ぜったい、俺によこせ』」(中略)「長谷川が小さく頷いた。試合が再開された。時計が動き出し、カウントダウンが始まった。」佐古は、残り2秒、シュートを放つ。「入った!これまで幾千、幾万と打ったシュートの経験から、指先の感触で、佐古はそう感じた。」しかし、その感触が間違いであったことに気づくのに、そう時間はかからなかった。

アイシン・シーホース
 捨てる神あれば拾う神あり。鈴木貴美一は、休部するいすゞ自動車にとって最後の試合を観客席から見つめていた。彼はアイシン精機という自動車部品メーカーが雇ったプロのバスケットボールコーチだ。当時、JBLにおいてアイシン・シーホースという名はそのまま“弱小”の代名詞となっていた。しかし、鈴木は人材を見定め、虎視眈々と日本一の座を狙っていたのである。佐古は、鈴木の目にとまった5人目の男であった。
 この物語は、一人の男が名門チームの廃部によって優勝経験のない弱小チームへ流れ着くノンフィクション・ストーリーであるが、稗史(はいし)つまり小説のような風情を持った物語だ。
 そのチームには、佐古と同じように親会社からリストラされて引退の危機にありながら、やはり鈴木に拾われた個性豊かな4人のベテラン選手がいる。「本書は、ある地方の小さなバスケットボールチームから、もう一度自分自身への存在証明を試みたもの達の心の有様を探求した」泥臭い、いや汗臭いスポーツノンフィクションなのである。
 現在の日本のスポーツライターの原流は、1980年4月に発刊された「Number」(文藝春秋社)にあるという人がある。その最新号(11月25日号)には、Jリーグ、MBLに混じって“Yuta Tabuse”の特集が組まれていた。日本人初のNBA選手としてフェニックス・サンズの開幕アクティブロスター入りした彼の今後の活躍は間違いなく日本のバスケットボール界に喝を入れてくれるはずだ、と原稿を仕上げようとしていた11月25日の読売新聞朝刊に「バスケにプロリーグ」の見出しが躍った。田臥の喝が早速利いたようだ。
 スポーツはよく感動を呼ぶと言われる。その感動は瞬間という時間の中で冷凍され、それがファンの刹那的な情熱によって解凍されたときに初めて得られるものではないか。だとすると、やはりスポーツにファンは欠かせない。“見るスポーツ”同様“読むスポーツ”にも本書を機として多くのファンがつくことを望みたい。我が国のスポーツのさらなる成熟のためにも。
(久米 秀作)

出版元:NHK出版

(掲載日:2012-10-09)

タグ:バスケットボール ノンフィクション 
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スポーツ倫理学講義
川谷 茂樹

 まず「倫理学」で躊躇する。「講義」で、う~んと思う。それに「スポーツ」がついているので、「ま、読んでみるか」と開いた。ところがである。「これは」と思い、ついに読みきることとあいなった。以降、「この本、読んでおいたほうがいいよ」と各方面に薦めることになる。
 冒頭、著者はこう言う。
「スポーツの存在がたとえ自明の事実であるとしても、スポーツそのものは必ずしも自明ではない。別の言い方をすれば、一度考え始めるとなかなかうまい解答が見つからない、多くの問題がスポーツには存在する」
 その問題とは「相手の弱点を攻めるのは卑怯なことなのか」「いついかなるときもルールを守らなければならないのか」「格闘技などで暴力が容認されているのは、なぜか」「ドーピングはなぜ悪いのか」である。「これらの問いは、総じてスポーツに関わる行為の道徳的善し悪し、あるいはその根拠への問い、すなわち倫理(学)的な問いである」
 本書は、スポーツマンシップについて3講義、スポーツと暴力、スポーツの本質、スポーツの周辺、スポーツの「内」と「外」の各講義、計7講義からなる。スポーツマンシップとは勝利の追及が大原則と言う著者の切れ味は鋭い。「スポーツとは何か」が本書の大きな問いだが、哲学者がそれを考え、答えている。刺激に満ち、再び考える芽をいくつも伸ばしてくれる1冊。改めてお薦めしたい。
(清家 輝文)

出版元:ナカニシヤ出版

(掲載日:2012-10-09)

タグ:スポーツ倫理 倫理学 
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老人自立宣言!
村山 孚

 70歳代末に『明るくボケよう』という本を書いた著者の最新刊書。「介護制度が整えば整うほど、老人自身がそれに見合った『自立の心』を鍛えておかないと、心身ともにひ弱な老人になってしまう」という著者は今80歳代半ばで、中国研究家でもあり、至るところに中国での経験や古典の話が出てくる。何十冊もの本を書いてきたなかで、この本が一番楽しかったとか。
「心身の衰えとともに、残念ながら身も心も他者の支えを必要としてくる。…だが、その現実のままに流されていたら『老い』のつらさは増すばかりだ。ここは人生の最後のふんばり、痩せ我慢の抵抗精神で『自立』をめざそう」(本書より抜粋)
 そして、「やはり、老い方には五十代の準備体操、六十代の助走がものをいうようである」という。著者はこうして「老人自立宣言全文」を記すことになる。全6項目。一、感謝はするが甘えず、心の自立を忘れまい。二、身も心もシャキッとしよう。三、自分の体、自分が責任を持とう。四、好奇心を持ち続けよう。五、自信を持て! 自分にしかできないことがある。六、「死」に馴染んでおこう。
 誰でも歳をとり、やがて死ぬ。できればこういう本を読むか書くかしてから旅立ちたいものです。
(清家 輝文)

出版元:草思社

(掲載日:2012-10-09)

タグ:高齢者 
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乳幼児期の健康
前橋 明 田中 光

 西日本法規出版発行による健康福祉シリーズの第2弾。身体、こころ、運動機能の発達から、歯科保健、安全対策、生活習慣まで、乳幼児期の子どもの健康について様々な角度から考察されている。早稲田大学教授の前橋明氏が監修、洗足学園短期大学幼児教育科専任講師の田中光氏が編著した一冊。
 「最近の子どもは……」と不満を言うことが口癖になっている方もいると思うが、著しく変化しているのは子ども自身ではなく、置かれている環境であると言えるだろう。乳幼児期であっても、両親が共働きであるなどの家庭事情があれば、「食卓にレトルト食品が並ぶ」「夜型の生活を強いられる」など健康に育つとは言いがたい環境を受け入れざるを得ない。
 子どもの都合に合わないことが増えていて、その結果が身体とこころに現れているのは事実である。しかし、誰が、何が悪いと考える前に、子どもに何が起きているかをまず知る必要がある。本書では、問題点を指摘するだけでなく、子どもを健康に育てるために必要な情報を数多く紹介している。

前橋明監修、田中光編著
(長谷川 智憲)

出版元:西日本法規出版

(掲載日:2012-10-09)

タグ:健康 発達 
カテゴリ その他
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大旗は海峡を越えた
田尻 賢誉

おめでとう、駒苫ナイン!
 今回の書評はこの試合を見てから書こうと心に決めていた。第87回全国高校野球選手権大会決勝戦。南北海道代表の駒大苫小牧対京都代表の京都外大西の試合である。駒大苫小牧は、ご存知のように昨年のこの大会の覇者である。「04年夏、駒大苫小牧は全国4146校の頂点に立った。甲子園での北海道勢初めての優勝。第1回大会から89年。ついに、深紅の大旗が津軽海峡を越えた。あれから1年が経とうとしているー。」こんな文章から始まる本書は、もちろん昨年の駒大苫小牧のこの快進撃の理由を克明に追うことを旨として書かれたものだ。
 監督の香田誉士史は弱冠35歳。彼は北海道生まれではない。佐賀出身。大学も東京の駒沢大学を出た彼は、出身はおろか教員としても監督としても北海道とは縁もゆかりもなかった。その彼に駒苫の監督を勧めたのは駒大時代の恩師太田誠野球部監督だ。「『当時の子たちには悪いから、あまり言いたくないんだけど……』と前置きしながら、香田監督は赴任当時の印象をこう話す。『信じられない。これが第一印象ですね。ウチの10年前を知ってる人であれば誰でも言うと思うんだけど、これはちょっとキツイなと』」。現在の栄光の陰には信じられない過去がある、といった話はよく耳にする。グラウンドすらなかった、練習おろかグラウンドに選手すら集まらなかった等など。私事ながら監督を始めて約20年。当初私も、自分より足の遅い選手、脂肪腹を突き出して息切らして走る選手を見て何度となくため息をついたものだ。しかし、若さと夢があった。だから……そう、香田監督もだからこそできたことがある。今だからこそできることがある。スローボール打ちに雪上ノック。通常のバットの1.3倍の長さの竹バットを使ったティー打撃。「長ければ長いほど最短距離で出さないと芯に当たらないんです。これによって、ヘッドを利かせるイメージをつけたい」本書の中には、こんな香田野球の秘密がいたるところに語られている。

“コーチ”という仕事
 コーチ(Coach)という言葉が普及し始めたのは1500年代と言われている。そして、この言葉は当初屋根付の四輪馬車のことを指していた。そしてここから、コーチという言葉には「人を望むところに連れて行く」という意味合いが含まれるようになったと言われる。その後1800年代には、イギリスで大学受験を指導する個人教師やスポーツの指導者にこの言葉が使われるようになったようだ。この頃でもやはり、コーチは人の望みを叶えるお手伝い的意味合いが強い。しかし、いつの間にやらコーチは助言者よりも指導者の色合いを深めることとなる。とくに日本においては何故か“監督”者の意味合いが強い。しかし、香田監督には選手を“監督”している意識はない。「外野手もキャッチャーと同じ。バッターみて、スイングや特徴を(自分で)見極めろ。(中略)失敗してもいい。思い切りやることが大切だ」。コーチの仕事は、選手の話に耳を傾けることだ。君の夢はなんだ? どんなプレーをしたい? なるほど、わかったと相槌を打ち、じゃあこうしたらどうだと助言をする。そして、最後に「君ならきっとできる」と肩をポーンとたたいてグラウンドに送り出してやることだ。こうなれば選手は自ら行動を始める。つまり自らオートクライン(気づき)を始めるわけだ。
 本書は最後にこういって締めくくっている。「北海道中が再び歓喜にわく日は、そう遠いことではない。」奇しくもその願いは1年後に叶った。香田監督は勝利監督インタビューで大きなからだを小さく丸めてこう言った「自分はいつものようにどきどきしながら見守ることしかできなかった。……選手にありがとうと言いたい」さぞかし彼の眼には、自らの判断で自由に動き回る選手たちが眩しく映ったのに違いない。
(久米 秀作)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2012-10-09)

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医師が実践する保存療法SPAT
鹿島田 忠史

 誠快醫院院長、鹿島田医師が開発した短時間骨盤矯正法SPATをまとめた本。SPATは橋本敬三医師(1897~1993)の筋骨格系のバランス回復法を中心とした健康法・医療哲学「操体法」を近代西洋医学、東洋医学、代替療法などの区分をせずに治療に取り入れ発展させたものである(詳しくは月刊スポーツメディスン72号を参照)。
 本書は、第1章「SPATとは」に始まり、第2章「SPATの実際」、第3章「SPATの適応」、第4章「SPATを取り入れた治療の実際」、第5章「セルフSPAT―患者が自分でできる骨盤自己矯正法」と続き、第6章「健康のキーワード『息・食・動・想+環』」で締めくくられる。SPATを構成する「動診」「SPATバランス法」「SPAT骨盤矯正法」を中心に解説している。
 鹿島田医師は『感覚』が最先端のセンサーであると捉えているが、常にからだの感覚を大事にし、その感覚に基づいた行動をする必要があると言えるだろう。本書はDVDも付いている。さまざまな治療に先立ってSPATを実践し、その後の治療を受け入れやすい準備をしてみてはいかがだろうか。

2005年6月28日刊
(長谷川 智憲)

出版元:ダイナゲイト

(掲載日:2012-10-10)

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隠居学
加藤 秀俊

 副題に『おもしろくてたまらない ヒマつぶし』とある。帯には「読んだら何ともいえないいい気分。あらゆる世界をめぐる好奇心 自由な隠居になる願望をもつ著者の知的冒険!」と記されている。隠居というのは日本のよい制度で、よく知られた「ご隠居さん」は落語の世界に頻繁に登場する。落語のご隠居より、もっと知的で好奇心に満ちていて、話を聞いているだけでトクをした気になるが、よく考えるとそんなにトクでもない。でも、読んでよかったと思う本である。
 著者の専門は社会学で、京都大学、学習院大学、放送大学などで教鞭をとり、現在は中部大学学術顧問である。冒頭「つぎはぎの世界」の章(というほどかしこまってはいないが)では、知り合いから韃靼そば茶をもらったことから話は始まる。そこでまず白川静先生の『字通』で「韃靼」を調べる。タタール、突厥が出てきて、タルタルソースが浮かび、そばの話になり、今はアフリカ産のそばが信州で手打ちにされて食されていることにつながったりする。ま、いわばこういう話ばかりの本である。高齢になっていくにつれ、運動量が減るのは仕方がないが、頭の運動量は増えていく可能性がある。そういう日々は楽しいだろうし、そうありたいと思わせられる。何よりも好奇心を失うのが生命力低下の第一歩と知るしだいである。

2005年8月29日刊
(清家 輝文)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-10)

タグ:隠居 好奇心 
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駅伝がマラソンをダメにした
生島 淳

怪物番組
 タイトルが刺激的だ。これが『マラソンは駅伝によってダメになった』ではいけない。多分、書店で何か面白い本はないかと探していた読者にとって、“駅伝”の文字は真っ先に目に飛び込んでくるし、好感も持つはずだ。「駅伝かぁ。最近すごいよなぁ。正月の名物になったもんなぁ。番組の視聴率もすごいんだろうなぁ。怪物番組だね、きっと」てなところで、次の“マラソンをダメにした”に目が移る。「そう言えば、最近日本のマラソンは女子はよいけど、男子はさっぱりだね。これは、駅伝のせいなのか? でも、駅伝ってだいたいマラソン選手を育てるのが目的でやっていたんじゃなかったっけ!? 変だな、面白そうだなぁ、この本買ってみようかぁ」となる。読者にわかりやすい言葉で、なおかつ適度に興味を刺激するタイトル。その点で、本書は先ず合格点。このほかに著者には「スポーツルールはなぜ不公平か」といったタイトル本もある。こういった著者のスポーツに対する独特の着眼点には感心しきりである。
 さて、話をもとに戻そう。先ほど本を買うことにした読者の疑問の答えは?“駅伝って、マラソンの強化策?”なのか。本書は「ひと昔前、箱根駅伝は、極論すれば選手たちの息抜きのための大会だった」の一文から始まる。「1912年、日本はストックホルムで開かれた第五回オリンピックに初参加したが、マラソンを走った金栗四三氏は残念ながら棄権してしまった。そこで、駅伝という名前はまだなかったものの、ロードをリレーしていく競技を作って長距離の強化を図ろうとしたと伝えられている」。どうやら、読者の疑問は正解だったようだ。

メディアとスポーツ
 タイトルにこだわるようだが、よいタイトルは読者の期待も裏切らない。では、なぜ駅伝はマラソンをダメにしつつあるのか。著者はその原因に“箱根中心のスケジュールが陸上競技界を席捲しつつある”ことを指摘する。「取材を進めていくと、箱根に出場するにはとても10月からの練習では間に合わないことがわかってくる。とにかくほとんどの学校が、1月2日と3日にチームのピークを持ってくるように調整を進める」そのため「駅伝に力を注いでいる学校はインカレを軽視する場合も多い」のが現状だ。つまり、トラック種目が軽視され始めた結果、マラソンに必要な基礎的な走力を身につける機会が減ってきていると言うのだ。「(マラソン日本最高記録保持者)高岡寿成は、(中略)箱根とは無縁の生活を送り、日本のトラックの第一人者(3000m、5000m、10000mの日本記録保持。2005年11月現在)となって、マラソンに転向してからマラソン日本最高記録をマークしている」の例や世界のトップマラソンランナーの経歴を挙げて、著者はトラック競技の重要性を説く。
 しかし、現状ではまだまだ“箱根優位”は変わらない。そこには巨大なメディアが関与しているからである。「そして最近は、箱根を走ることがゴールだと考える選手も増えてきた。それだけテレビ中継の影響は大きいということである」。それはそうだろう。正月に真剣勝負である。学生(アマチュア)スポーツである。波乱万丈もある。涙あり、笑いあり、人情もある。これほどの日本人の心をくすぐる最良ソフトをメディアがほっておくわけがない。さらに、大変な広告媒体でもある。視聴者はひたすら選手の走る姿を観る。だから、出場校には絶好の宣伝の場となる。高校生も箱根を走りたがる。かくして、日本のお家芸と言われたマラソンには誰も見向きもしなくなる!? であろうか。来年は大阪で世界陸上が、2008年は北京オリンピックだ。しかし、世界陸上やオリンピック種目には駅伝はない。世界のトップにいてこそ、駅伝の魅力も増すというものである。駅伝の魅力は理解しつつも、井の中の蛙にならぬようにしてもらいたい、と著者も思っているに違いない。
(久米 秀作)

出版元:光文社

(掲載日:2012-10-10)

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温泉教授の湯治力
松田 忠徳

 日々の生活や運動後、疲労やストレスを感じたときに行きたいなと思うのが温泉である。誰に教わったわけでもないが、温泉の魅力は不思議と日本人のこころを引きつける。この本は、温泉教授として、またモンゴル研究家としても著名な松田氏が伝統的な「湯治」について紹介している。副題は『日本人が育んできた驚異の健康法』。
 第1章「湯治は日本人の『ヴァカンス』だ!」は、江戸時代から現在までの湯治にまつわる歴史とトピックについて、第2章「湯治の本質は『ホンモノの温泉』にあり」は温泉定義や効能について、第3章「現代版・湯治指南――宿の選び方、湯治場での過ごし方」には湯治の実践的な要点が記されている(松田氏が薦める全国の温泉宿145選も収録)。
 湯治は、お湯につかることを目的に温泉場に滞在し時を過ごすことであるが、現在は観光旅行の一環として温泉地を訪れることが主流となっている。その一方で、がんなどの難病を治すことを目的に湯治客として温泉場に長期滞在する人も増えている。健康づくりの一手段として、運動や食事による日常生活の改善に加え、湯治もうまく活用したいものだ。この本を読むと、「温泉に行きたい」という思いが一層強くなる。


2005年12月20日刊
(長谷川 智憲)

出版元:祥伝社

(掲載日:2012-10-10)

タグ:温泉 
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健康社会学への誘い
桝本 妙子

 30年近くにわたり保健師として、また保健師の教育に従事している桝本氏の博士学位論文を加筆・修正したのが本書である。健康について社会学的に考えて行動することを「健康社会学」と定義し、健康社会学を保健師の地区活動に応用すると何ができるかを考察、理論、実態分析、実践提示を関連させて論じている。副題は『地域看護の視点から』。
 本書の特徴は、1979年にアーロン・アントノフスキーが発表した「健康生成論」に着目している点である。第4章「健康生成論からみた地域住民の健康実態」では、同氏が開発した「調和の感覚尺度」(Sense of Coherence:SOC)を用い、都市部と都市部近郊の住民の健康実態を紹介している。ここではWHO憲章に基づく身体的・精神的・社会的健康、QOLとの比較検討もされており、健康生成論の有用性が示されている。少子高齢化に伴う健康問題において、「人間の生きる力そのものを強める発想、つまり『創る健康』が重要な考え方になってくる」と桝本氏は指摘するが、本書を通して「健康とは何か?」を再考させられる。

2006年3月20日刊
(長谷川 智憲)

出版元:世界思想社

(掲載日:2012-10-10)

タグ:健康 
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生老病死を支える
方波見 康雄

 北海道空知郡奈井江町の開業医である方波見(かたばみ)医師が書いた本。40年にわたって地域医療に尽力してきた経験を織り交ぜながら、奈井江町による開業医診療所と町立病院の連携による開放型共同利用や自身の老いについての考え方、病気体験などを綴っている。副題は『地域ケアの新しい試み』。
 方波見医院では、82歳で亡くなったある患者が残した「子どもを嫌うな/自分も来た道じゃ/老人をきらうな/自分も行く道じゃ」という書を外来待合室に掲げている。本書では、この言葉を紹介したうえで「わたしたちは、世代別に分断された人生を生きていて、うかつにも自分とは違う人生の段階(ライフステージ)を見知らぬふりをして暮らしているのである」と記し、忘れがちな人生の継続性と全体における自分自身の位置づけについて再考を促す。
 一読するだけで、方波見医師の患者本位の姿勢とその熱意がひしひしと伝わってくる。“このような医師に診てもらいたい”と思わずにはいられなくなる。

2006年1月20日刊
(長谷川 智憲)

出版元:岩波書店

(掲載日:2012-10-10)

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神戸スポーツはじめ物語
高木 應光

 4つの兵庫県立高校に勤務し、各校でラグビー部監督・顧問を歴任した著者が定年退職を機にまとめた本。当時の神戸におけるスポーツの「はじめ」を歴史的にアプローチし、ゴルフ、テニス、バスケットボール、ラグビーなどの競技を通して日本と諸外国との関係を描き出している。
「スポーツ」は明治初期に日本へ入ってきたとされ、その後、日清・日露戦争を経て「体育」に変容した。当時の神戸ではスポーツ本来の形が存在していたとされ、それは自分たちで会費、会員制を用いることによってクラブを運営する取り組みであり、その教育理念も「アスレティシズム」(スポーツによる人格の育成)の影響を受けていた。
 日本においてスポーツ=体育と認識されがちであるが、本書は両者の異なる点を再考することができる。

2006年4月17日刊
(長谷川 智憲)

出版元:神戸新聞総合出版センター

(掲載日:2012-10-11)

タグ:歴史 神戸 
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99.9%は仮説
竹内 薫

 光文社新書の1冊。副題は「思いこみで判断しないための考え方」。
 プロローグで「飛行機がなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない」ときた。「ン? 本当に?」と誰でも思うが、本当。一応説明はされているが、科学的根拠はない。
 しかし、著者はこう言う。「よく『科学的根拠』がないものは無視されたりしますが、それはまったくナンセンスです。なぜなら、科学はぜんぶ『仮説にすぎない』からです」。したがって、仮説だから、ある日突然くつがえる。
 もうひとつ、本誌の読者なら「局所麻酔についてはメカニズムが詳しくわかっているのですが(もちろん、根本原理まではわかっていませんが)、驚いたことに、全身麻酔については、ほとんどわかっていないのです!」という箇所にうなずく人もいれば、驚く人もいるだろう。教科書には、いかに全身麻酔が効くか、いかに全身麻酔薬を用いるべきかは書いてある。しかし、なぜ効くかについてはほとんど書かれていない。
 どんどん恐ろしい話になっていくが、天才物理学者リチャード・ファインマンの「科学はすべて近似にすぎない」という言葉も含め、本書を読めば、「世の中はすべて仮説でできていること、科学はぜんぜん万能ではないこと、自分の頭がカチンカチンに固まっていること」を知ることになる。科学が身近になり、首をかしげることの大切さがわかります。

2006年2月20日刊
(清家 輝文)

出版元:光文社

(掲載日:2012-10-11)

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スポーツマッサージ
福林 徹 溝口 秀雪

 軽擦に始まり軽擦に終わる。私も学部時代はコンディショニング論でマッサージの講義を受けたことがあるが、いざ基本的な知識を現場で使おうとなると、種目別にはどういった箇所の障害が多いとか、またそれにたいしてどのようなアプローチしていいのかわからなかった。
 本書ではマッサージの歴史的変遷にも触れ、その意義や基本的な知識とともに、マッサージを種目別・部位別に触れる筋肉がわかりやすい図や絵を用いて説明している。また手技の知識では本文と平行し付録のDVDでスポーツマッサージに用いられる手技や、全身のスポーツマッサージ法にも触れ特殊なスポーツ傷害予防目的のコンディショニングエクササイズも紹介されている。いずれのマッサージ法もアスレティックトレーナーが現場で実践している手法であり、現場で培われたノートのようになっている。(M)

福林徹著、溝口秀雪編集
2006年9月25日刊
(三橋 智広)

出版元:文光堂

(掲載日:2012-10-11)

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MBAが会社を滅ぼす
H・ミンツバーグ 池村 千秋

 副題に「正しいマネジャーの育て方」とある。もちろん、これはビジネス界の話。スポーツ医科学の関係者にはあまり関係がない、とは思わない。その理由は2つある。
 まず、ビジネス界でマネジメントを行うことは、スポーツ界やその他団体や組織のマネジメントを行うことと同じあるいは共通することが多いという点。
 もうひとつは、本書では日本のビジネスのマネジメントの話がたくさん出てくる。日本のやり方のよさを知るのは、どの世界の人にも参考になるという点。
 本書は2部立てで、Part 1は「MBAなんていらない」、Part 2は「マネジャーを育てる」。Part 1は、ビジネス界でもてはやされているMBA教育のあり方がいかに間違ったものかを筆鋒鋭く、痛快なまでに論じていく。「そうだ、そうだ」と思う人も少なくないだろう。それをアメリカ人が書いているのがまた面白い。Part 2は一転して、建設的になる。まさにマネジャーの育て方を述べていく。実際に行われているプログラムで、Part 1と比べ、痛快さはさほどない。しかし、じっくり読めばこちらのほうが奥深い。構成力見事な書である。(S)

H・ミンツバーグ著、池村千秋訳
2006年7月24日刊
(清家 輝文)

出版元:日経BP社

(掲載日:2012-10-11)

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複雑さを生きる
安冨 歩

 人間関係、ハラスメント、組織の運営からテロリズム、環境破壊、または職場での苦悩、恋愛、家庭の不和など、現代の諸問題を複雑系科学の立場から読み解いている。副題は「やわらかな制御」。
 本書の内容を深めていくためには、まず“知ることとはなにか”を考察し明らかにする必要がある。そのキーワードが1章「知るということ」、2章「関係のダイナミクス」の基礎となる部分。ではその複雑さをどう生きていくのか、それを明らかにしていくのは3章「やわらかな制御」、4章「動的な戦略」になる。正直に言うと、この内容の拡がりは読み解いていくのに大変な作業であった。著者も「めまぐるしい銀河鉄道の夜のような旅」とこの本を振り返る。しかしながら5章の「やわらかな市場」まで読み進めていけば、問題が整理されてくる。
 この複雑社会に私たちは生きていて、それを解いていくことが現在必要とされている気がする。それと同じように私たちの身体とは何か、この問いを深めていくことも大きな意味を持つのではないか。

2006年2月22日刊

(三橋 智広)

出版元:岩波書店

(掲載日:2012-10-11)

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交渉力
団 野村

 著者は、あまり知られていないがヤクルトスワローズに在籍していたことがある。その後渡米し、マック鈴木選手と最初の代理人契約を結んだ。しかしその名を一躍広めたのは、なんと言っても、95年野茂英雄投手を近鉄からドジャーズ入団を支援したこと。その後も伊良部秀輝、吉井理人投手などの日本人メジャーリーガー誕生に貢献した。
 著者は、自分では交渉は下手だという。しかし、好きだという。交渉とは何か。著者は「納得」だと考えている。一方の要求がすべて通るというケースはまれ、しかし双方が納得できることは十分にあり得る。これが著者の言う「交渉」の要諦。「妥協」では、「しかたがない」という印象になる。そうではなく、互いがハッピーになるよう、納得できるようもっていく。そこにはクリエイティビティと駆け引きをゲームのように楽しむ感覚が必要だとも言う。
 著者が挙げる交渉でのポイントは、ほかに、「最悪の状況を想定し、複数のプランを用意しておくこと」「市場を知ること」そして「ルールを熟知し、相手の弱いところを突く」など。 交渉は、ビジネス全般はもとより、何かをしようとしたとき、必ず生じることである。プロの代理人の世界は参考になる。

2007年1月10日刊
(清家 輝文)

出版元:角川書店

(掲載日:2012-10-11)

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力士はなぜ四股を踏むのか?
工藤 隆一

 副題は、大相撲の「なぜ?」がすべてわかる本。
 タイトルにもあるように、力士はなぜ四股を踏むのかについては本書を読んでいただきたい。工藤隆一氏はフォーミュラ・ワン(以下F1)での担当記者を務めていたときに、その競技の仕組みが大相撲と似ていると感じるようになったそうだ。F1は一つのチームが一座を組んで世界を興行している点がサーカスを連想させる。一座の巡業のことを英語で言うと「サーキット」、ゴルフ、テニスでも試合で世界を周ることをサーキットと呼ぶ。このようにヨーロッパのF1や日本の相撲は、トップスターから縁の下で働くものまでの“一座”で動くという特徴があるのだ。この他にも『からだのやわらかさこそ大成のカギ』、『大きさよりも「瞬発力」と「敏捷性」』、など相撲界で勝っていく条件や、『なぜ塩をまくのか』、『相撲・芝居・落語に共通する大衆文化』など歴史的な視点でもまとめられている。

2007年5月10日刊
(三橋 智広)

出版元:日東書院

(掲載日:2012-10-12)

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ハラスメントは連鎖する
安冨 歩 本條 晴一郎

読んで「ハラスメント」を受けた
「本書によりハラスメントを受けた」。これが、本書の過激とも言える導入部分を読んでいるときの率直な感想だった。本書は日常に巣くうハラスメントという「悪魔」を振り払うために、それを理解するためのものであるはずなのに。たとえば親子関係の中に存在しうるハラスメントの話があげられているが、親子の愛情という大事な部分を汚されたような気分になった。ひとつふたつの事象を取り上げて、愛されない、愛せないとは言えないだろう。同一人物が同一のメッセージを同一の行動や言動によって伝えようとする場合でも、そのコンテキストは日々の身体的、精神的揺らぎの中で常に変化する。また、受け止める側にも同じことが言える。私はそれが人間というものだろうと考えている。私にとって人間は不完全で不安定な存在であり、過ちを犯す存在だ。常に誰かの魂を傷つけ、誰かに魂を傷つけられる危険性を持っている。矛盾に満ち、虚実が入り乱れている。だからこそその中でよく生きることにこだわりたいとも思う。受け止める強さを持ち、立ち向かう強さを持ちたいと思う。己がどうあるべきかを追求すれば、時に自らの魂に疑問を持ち、改めていくことも必要だ。こんなことを考えていると、身の丈で生きることが精一杯になり、それが自然なことだと私自身は感じる。

深くえぐっていく
 しかし、世の中ではそんなささやかな決意など簡単に吹き飛ばすような出来事が確かに頻発している。国が関わる大きなことから、日常目にする小さなことまで枚挙にいとまがない。尊い命が失われる事態になることも少なくない。メディアが視聴者や読者を小馬鹿にした情報を垂れ流し、悪質なハラスメントを行っていることもあれば、自ら進んでレッテルを貼られることで安心し、幸せを感じる人も多い。
 本書の筆者は、対人関係でみられるその部分をより深く掘り下げていく。過去から現在に至る数多くの事例、文献を読み解き、そして何より己の心の中から目を背けることなく、さながら痛みにのたうちながらえぐっていくかのように。考える力が旺盛だということは大変なことだ。その理論は難解であるが、確かに興味深い。十分読み解いているかは正直言って私自身疑問だが、賛同できる部分も多い。しかし同時に、ネガティブな側面からの論述や、典型的で一方的な断言が多いことが気になるのだ。私自身は筆者にはお会いしたことはないが、「大変な時代で、向き合うべき問題は山積している。でも人間はそんなに捨てたもんじゃないんだよね。たとえばこんないい話もある」というような一言がもらえれば、それだけで救われる人も多いように思う。お気楽すぎますか。

スポーツで考えると
 さて、スポーツというフィールドにおいて考えてみると、本書の内容の典型例として、指導者と選手との関係があげられる。確かに極端な例であれば、自分のことを有能だと思っているが実は無能な指導者のために選手が犠牲になるケースもある。また、自らの理論を他の理論を否定したうえで選手に押しつけることも問題視していい。私はアスレティックトレーナーとして、そのような例を聞くたびに、自分に何ができるかということを非力ながら自問する。また、高野連の特待生問題に対する取り組みなども、教育という名を借りた若者の可能性の芽を摘む組織によるハラスメントだと感じずにおれない。もちろんその制度を私益のために悪用する存在や、その制度により一般の学習を軽視するようなことが起こっていたのであれば、もちろんそこには別の問題がある。
 しかしその一方で、試行錯誤を繰り返し、間違いを犯しながらも、懸命に選手のために尽力しようと努力を惜しまない指導者も数多く存在する。指導者の存在を実態以上にとらえず、うまくつきあい、自分たちのために必要な取り組みができるたくましい選手たちも数多く存在する。局面だけ見ればハラスメントに見えることでも、大局的に見れば選手が指導者を乗り越えていく結果を生み出すこともあり、また1つの目標に向かう大きな原動力になることもある。
 確かに問題視すべきことも多いが、そこだけを取りざたすほど過敏にはなりきれない。

のび太にとっての「天使」
 余談になるが、本書を読んでいて、その内容は「ドラえもん」という教材の中にも発見できるように感じた。ジャイアンというハラッサー(ハラスメントを仕掛ける人)、のび太というハラッシー(ハラスメントを受ける人)、スネ夫というハラッシーハラッサー(ハラスメントを受けた結果、自らをハラッサーと化す人)。ただ、ドラえもんはのび太のそばにいることでは、ハラッシーを救う「天使」にはなれなかった。最終回(数ある中の1つ)に彼は未来に帰ることでその存在を消し、のび太はそこでようやく自分自身で自分を脅かす存在に立ち向かうことになる。彼はその存在を消すことでのび太にとっての「天使」になれたのだ。この自立をいかに体得するかが、問題解決の1つになる。言うは易し行うは難し、だが。
(山根 太治)

出版元:光文社

(掲載日:2012-10-12)

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アマチュアスポーツも金次第
生島 淳

お金をめぐって
「人生に必要なものは、勇気と想像力、それとほんの少しのお金だ」とはチャールズ・チャップリンの「ライムライト」の中での言葉。「金は必要だが重要ではない」という人もいれば、「金で買えないものはない」という人もいる。金にはそれを扱う人間を映し出す力がある。
 本書のタイトルは「アマチュアスポーツも金次第」である。アマチュアスポーツと金の関係にネガティブな印象を与える言い回しだ。西武の裏金問題そして高校特待生問題で、アマチュア野球界が揺れている時期に合わせてキャッチーなコピーになるような意図があったのだろう。ただ、これは短編集の中から一編の題名をそのまま本のタイトルにしたような格好で疑問が残る。その実、松坂のポスティングシステムやサッカークラブ経営についての話が後半部分を占めている。しかもアマチュアスポーツにおける金の話も、断罪されるべき不透明な金と、強化費としての金、あるいはビジネスとしての金の動きが同列で扱われている印象がある。
 西武の裏金問題と野球特待生問題にしても、本来、両者は別問題として議論されるべきものだろう。それが、金儲けのためにあざとく両者をつなげていた連中が存在するおかげで、同列に扱わざるを得ない事態になってしまった。それにしても朝日新聞や毎日新聞のトップの方々を最高顧問に戴く日本高等学校野球連盟が、特待生制度について当初ヒステリックとも言える対応に終始したのは、正直驚きを禁じ得なかった。いや、もちろん憲章に背くルール違反をしていたことは確かではあるのだが。現在は、10月初旬までに提言をまとめるべく、第三者委員による議論が行われている。この態度を軟化させた高野連の譲歩により、他の競技にも好影響を与えるだけのクリーンな基準づくりができれば素晴らしいことだ。

健全な流れを
 とにかくアマチュアスポーツといえどもお金はかかるのだ。競技レベルが上がれば上がるだけその金額は跳ね上がる。本書でも再三述べられているとおり、これは事実だ。しかし、すべてをひとまとめにして「金次第」と切って捨てることに今さら意味はない。スポーツビジネスとはスポーツという舞台でどのようにお金が流れているのかを分析し、またどのようにお金を生み出すことができるのかを論じるだけのものではないはずだ。する側よし、観る側よし、支える側よし、スポーツ界ひいては世の中よしという健全なお金の流れをつくる学問でもあるはずなのだ。優秀な指導者にはブローカーのような真似をしなくても正当な報酬が渡り、自らの才能によってお金を生み出すことのできるスポーツ選手には優良で健全なビジネス感覚を身につけさせることも、その分野の果たすべき役割ではないだろうか。
 プロとアマチュアのつながりも、プロ選手が将来を夢見る子どもたちに指導するイベントなど、素晴らしい試みも数多く行われている。金の流れの整備が終われば、光が当たるべき側のプロとアマチュアの関係がよりよく発展することを願う。5月末に、「侍ハードラー」為末大選手が丸の内のオフィス街で行った陸上イベントは、素晴らしいお金の使い方ではないか。あの種のイベントにより、興行側が投資以上の儲けを得て、さらに面白いイベントや新しい試みにつなげられるのであれば素晴らしいことだと思う。そのような金は、やはり違って見える気がする。
(山根 太治)

出版元:朝日新聞社

(掲載日:2012-10-12)

タグ:プロ アマチュア お金 
カテゴリ その他
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貧乏人は医者にかかるな!
永田 宏

 過激なタイトルと感じた方がいるかもしれない。しかし日本の未来はもっと過激なものかもしれない。
 副題にあるように焦点は医師不足が招く医療崩壊。日本の医師不足は、地方における病院で2000年前後を境に叫ばれるようになり、ここ2~3年では都心部においても医師不足は問題視されるようになった。しかもアルバイト医師が急激に増えている現状がある。
そもそも医師はなぜ不足していると言われているのか。厚生労働省が主催する検討会でまとめられた2005~2006年度の報告書ではこうある。2004年で、医師の勤務時間を週48時間として必要医師数を計算すると医療施設に従事する医師数が25.7万人。それにたいしての必要医師数は26.6万人とある。つまり2004年の時点で9,000人の医師が不足の状態にあるのだ。現場での実感としては数万人不足しているという感覚。だが現時点の結論として(医師の需要の見通しとしては平成34年(2022年)に需要と供給が均衡し、マクロ的には医師数は供給されるという。
 本書を読み進めていくと、国が考える医療の問題点は医師不足とはどうやら別のところにあるようである。今医療はさまざまな点で転換期にある。

2007年10月22日刊
(三橋 智広)

出版元:集英社

(掲載日:2012-10-12)

タグ:医療 
カテゴリ その他
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スタバではグランデを買え!
吉本 佳生

 本書は経済学者である吉本氏が、生活の裏側から社会のしくみを紐解いている。
 とくに私が注目したのは医療費の問題。現在は少子化を受けて、地方自治体で子どもに対する診療費や治療費を無料化にしようとする動きがある。
 しかし、医療費が無料となれば小さなことでも診療を受けようと普通の人は考えるはず。また診察を受ければ薬も無料、つまり病院に行けば診察を受けたうえに市販されている薬を買わなくて済むわけだ。こうして単純に症状の小さな患者が増えると、診察時間までの時間が長くなるだけでなく、診察を受けるにあたって長期間を要する場合もある。それに加え日本の医師不足の現状は深刻化をたどっている。病院側も小さな症状を訴える患者が増えるため、あまり収入につながらないというサイクルができてくる。しかもその税金は今の子どもたちに後回しされるだろう。つまり著者が重要視する生活における取引コストは、あまりよくないということだ。
 意外とわからないことが多い生活における取引コスト。本書は他にもさまざまな観点で経済を捉えている。私も買い物をする際に、サービスや商品はなぜこの値段なのかと考えるようになった。

2007年9月13日刊
(三橋 智広)

出版元:ダイヤモンド社

(掲載日:2012-10-12)

タグ:経済 
カテゴリ その他
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ピアニストは指先で考える
青柳 いづみこ

プロの世界観は面白い
 何かの“プロ”が書いた本は、分野を問わず面白いものが多い。
山下洋輔というジャズピアニストの影響だ。プロの話にはその世界に本気で身を置いた者にしかわからない感覚や独自の物の見方が反映され、未知の世界に連れていってもらえるのが面白い、というような話が確か氏のエッセイにあった。
 フリージャズというジャンルのただならぬプロである氏のエッセイ集も当然面白く、登場するミュージシャンたちの波乱に満ちた日常と、それを巧みに描写する文章力。そして何よりも文章のあらゆるところにただよう知性と教養に私は完全にノックアウトされ、昼夜を問わず読んでは笑いころげたものだ。
 プレーヤーの文章には、人柄だけでなくその人のプレースタイル(この場合、演奏スタイル)が出るように思う。氏の文章は、隙間が見えないほどに文字が多い。しかし絶妙の抑揚とともにスピード感にあふれ、ぐんぐん加速するように話の世界に引き込まれる。と思っているうちに急転直下、畳みかけるように話題を展開させたと思ったら猛烈な盛り上がりをみせ、時には静かにフェードアウトするような余韻をもって、終わる。読み終えた後には心地よい高揚感が残る。実によく“スィング”する。彼の音楽もまた、まさに文章から受ける印象と同じように聴こえるのだ。

同じ印象を受ける演奏
 今回紹介するのはクラシックのピアニストが書いたものだ。帯には「ピアニストの身体感覚に迫る!」「身体のわずかな感覚の違いを活かして、ピアニストは驚くほど多彩な音楽を奏でる」などとある。
 どうも最近、“身体感覚”とか“身体を通して考える”といった記述があると、読みたくてたまらなくなってしまうクセがある。音痴なうえにピアノも弾けない私だが、未知の世界の身体感覚を味わってみたくて仕方がない。おまけにピアノの“プロ”が書いた本だ。面白いに違いない。
 著者は、ドビュッシー弾きで、同時に研究者でもあるピアニストだ(近くにいた哲学の先生に聞いた)。文章から受ける印象は、まず、リズムとテンポが心地よい。どのページも文字の配置が美しく、字面からとても軽やかで華やかな景色が浮かぶ。音楽を聴いてみると(哲学の先生からCDを借りた。クラシック通なのだ)、おぉ! 果たして、そこには文章から受けた印象と同じ! 美しい音楽が響き渡るじゃないの!
 ピアニストという人たちは実にいろいろなことを考えながら演奏をしている。指使いはもちろん、腕や脚、つま先や踵といった身体の部分のこと、もちろん全身の使い方、身体とピアノとの関係のこと、さらには演奏用の椅子、会場や聴衆の雰囲気といった環境などに加え、作曲家の意思や昨今の名ピアニストによる名演の歴史まで考えたり感じていたりして弾いている。要するに、クラシック音楽の学問体系を背負って弾いていると考えられる。にもかかわらず、恍惚の表情を浮かべたり、無心のまま指はあたかも自動的に動いているように見えたりすることもあるのだ。
 ピアノは競技と違って、速く弾けるほうがよいとか、大きな音で弾いたほうが勝ちとかで勝敗を決めるものではないが、これらの技術は演奏の表現力を左右することもあるためピアニストにとって重要なファクターの1つとなる。手(手のひら、手指の長さ)も大きいほうが、どうやら有利に働くようだ。

勝ち負け以前に
 こうなると、「ピアニスト」を“アスリート”に置き換えて読みたくなってくる。
 アスリートたちも、当然いろんなことを考えたり感じたりしながらスポーツをしている。外国人選手に比べて不利な身体特性を克服するため日々涙ぐましい努力を続けていることなど、共通点が多いように思う。出版物やブログから読みとる限りにおいて、計り知れない精神力や知性を感じさせるアスリートも数多く存在する。
その一方でアスリートの場合、教養だの科学だの品性だのを無視し、大学で何を勉強したのか、どうやって卒業したのかわからないようなヤカラでも、“プロ”になれたり、“世界”と戦えたり、“オリンピック”に出場できたりすることも、残念だがあり得る。ピアニストの場合、音楽の体系や教養を身につけることなく演奏の技術だけに優れていたとしても、大成することなどあり得ないだろう。
 本書は一見難解な部分でも、確かな理論と教養に裏づけられた説明が、平易な文章で丁寧になされている。したがって、ピアノの経験やクラシック音楽の知識がなくても読むのに心配はいらない。ただし、専門的な知識や経験があったほうがより深いところに理解が及ぶであろうことは、ほかのどんな分野にも共通することとして容易に想像がつく。
 スポーツを行うということは、勝ち負け以前に、身体運動を通して教養を身につけようとする行為にほかならない。才能やガムシャラな肉体的努力だけでなく、ちゃんとした教養を身につけるための努力が必要だ。そのほうが、アスリートである前に“人”としての人生が、実り多いものになるだろう。自戒の念も込めてそう思う。
(板井 美浩)

出版元:中央公論新社

(掲載日:2007-12-10)

タグ:身体感覚 ピアノ  
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スポーツニュースは恐い
森田 浩之

 著者の森田氏は“スポーツマンニュース”にたびたび見られる日本人のイメージ作りが、ときに不自然に感じるという。たとえばシーズンオフに日本からMLBに移籍する選手に対して、「日本食が食べられるか」という食事の心配や、「言葉は大丈夫なのか」と、日本人だからこその心配をする。それをメディアは毎回のように取り上げ、情報を受け取る側の人間に対して私たちが日本人であることを確認させる。だが実際、MLBに移籍をすれば日本食に困るということはあまりないし、英語を話せない他外国の選手はいくらでもいるし、それはもう特別なことではない。だがそうした小さな心配をきっかけに、メディアは物語をつくり過剰に日本人を意識させ、イメージさせる。
 著者が何を言いたいのかというと、スポーツに関するニュースをきっかけにメディアリテラシーを養っていくことが大事ということだそうで、楽しいスポーツニュースだけに限らず多くの情報の中には、ステレオタイプに、またサブリミナル的に「日本人」が供給されているという。だからこそ情報をうのみにせず、批判的に見ていく姿勢も必要となる。メディアリテラシーはもはや、学校教育に限定されたものではない。

2007年9月10日刊
(三橋 智広)

出版元:日本放送出版協会

(掲載日:2012-10-12)

タグ:メディア リテラシー 日本人 
カテゴリ その他
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日本人はなぜシュートを打たないのか
湯浅 健二

どれだけcommitできるか
 以前私がトレーナーとして帯同していた高校ラグビー部には2人のニュージーランド人留学生がいた。その年、彼らは地区新人戦から選抜大会優勝、そして全国高校ラグビー大会準決勝で同点抽選の末、決勝進出権を逃がすまで、公式戦無敗でシーズンを終えた。留学生がいることで批判もあった。確かにゲームプランを考えるうえで彼らは核となることができたが、2人の存在だけで強いチームがつくれるかと言うと、それほど単純な話ではない。逆にスター選手がチームをつぶしてしまうことも往々にしてある。
 この2人は自分の力を誇示することなく、チームのために自分の役割を果たすことを理解していた。周りの選手も彼らを中心に、各々の持ち味を活かした攻撃や防御を展開することができた。何より多くの選手が、何故そうするのか、いつ何をすべきだということを、高校生としてはよく理解していた。このような状況をつくり出すことができれば、チームは指導者の思惑を超える力を発揮するようになる。このチームの理念の1つにCommitmentという言葉があった。「覚悟」と訳していたが、己を賭けた物事にどれだけcommitできるのか、これは自分自身の生き方を問われることでもある。

有機的な連鎖
 さて、本書「日本人はなぜシュートを打たないのか?」では題名にある問いに狭義で答えるものではない。「さまざまな意味で何が起こるかわからないサッカー。だからこそ選手個々の判断力、決断力、そして勇気と責任感にあふれ、誠実でクレバーな実行力が問われ」、そしてそれらのプレーがオフェンス、ディフェンスにかかわらず「有機的に連鎖」したときに、シュートを放ち得点するという目的に向かってチームがハイレベルで機能する、ということを、自身のドイツ留学体験を中心に説いている。年来のサッカーファン、サッカー関係者にとってはとくに目新しいことはないかもしれない。しかし、当たり前のことを当たり前にできるようになるということは、競技レベルが高くなるほど、そして実力がある個性の強い選手が集まるほど困難になる。そしてこの理念はサッカーだけではなく、ほかのあらゆるチームスポーツに共通する。そのことを再認識するにはいい本かもしれない。
 伝統的な精神論を語るつもりは毛頭ないが、体力、スキル、戦術といった試合でのパフォーマンスを左右するどの要素も、突き詰めれば総合的なメンタルマネージメントがその原動力になる。つらいフィットネストレーニングにどれだけの目的意識を持って「誠実に」取り組めるのか、ゲームで最大活用するための創造力をどれだけ持ってスキルアップに努められるのか、どれだけの「責任感」を自覚して「勇気」を持って戦術を「クレバーに」遂行し、またその戦術に囚われることなく臨機応変の「判断力、決断力」を発揮できるのか。優秀な選手、そして優秀な指導者はこの土台が安定しているのだろう。この点、メンタルトレーニングなどでその一部を鍛えることもできるだろうが、結局は個々の生き方、人生哲学が色濃く反映されるように思われる。そしてそれがフィットする仲間に巡り会ったとき、「有機的な連鎖」は生まれるのだろう。

生き方を問い続ける
 これは試合に出場する選手だけの問題ではない。ゲームに出場できない大多数の選手たちが、それでもチームの一員としての自覚と責任感、そしてモチベーションを保つことができるのか。指導者にとってもチャレンジすべき難しい問題だろう。試合中や練習中に、そして普段の生活の中でも、チームにおいて果たすべき責任を自覚せずに「汗かきプレー」や身体を張ったプレーなどできるべくもない。よくも悪くも己の行動が周りにどのような影響を及ぼすのかを自覚し、自分のやるべきことにいかにcommitするのか。これは自分の生き方を問い続けることと同義である。
 人生の中で、真にcommitできることに出会い、仲間やライバルの存在も含めてお互いを刺激しあい、生き方のレベルで「有機的に連鎖する」巡り合わせは、そう度々お目にかかるものではない。スポーツが人々に感動を与えるのは、実社会では忘れがちなそんな姿をストレートに見ることができるからなのかもしれない。
(山根 太治)

出版元:アスキー

(掲載日:2012-10-12)

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レッドソックスはなぜ松坂投手をとったのか
佐山 和夫

 みごとにワールドシリーズ優勝を果たしたボストンレッドソックス。昨年から松坂投手を獲得することで日本でも話題は大きなものになった。
 ボストンは古くから、清教徒が集まる街として、また世界的な大学があるアカデミックな街として知られ、住民も白人層が多い街である。チームも白人選手を中心に集めてきた。そんなレッドソックスが、独占交渉権に5,111万ドル(約60億円)、選手契約に6年5,200万ドル、合計額1億311万ドル(約123億円)と、なぜそこまでして松坂が欲しかったのか。
 著者はアメリカ野球学会にも所属する佐山和夫氏。アメリカスポーツ史のなかでもあまり知られていないニグロベースボールについての書籍も出している。そんな同氏がメジャーリーグの歴史でも伝統あるレッドソックスを、歴史的な視点から触れていく本書は、国際化をはかるレッドソックスの本当の戦略が見えてくる。

2007年10月1日刊
(三橋 智広)

出版元:三修社

(掲載日:2012-10-12)

タグ:野球 
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裏方の流儀 天職にたどりついたスポーツ業界の15人
小宮 良之

スポーツ科学の主役は誰か
 骨格筋は無数の筋線維の集合体である。筋線維には速筋線維と遅筋線維があって各人固有の割合(筋線維組成)を持っている。“速・遅”二大タイプの比率は生まれつきのもので変えることはできないが、速筋線維のサブタイプ間では持久力に優れた筋線維へと、後天的なトレーニングにより移行することがある云々、というような話は皆さんご存知のことと思う。
 各種スポーツにおける一流アスリートの筋線維組成についての研究が1970~80年代にかけて大いに流行した。とくに陸上競技などは筋の出力特性と競技成績が結びつきやすいため盛んに研究された。若いうちに筋線維組成を調べ、好き勝手な種目を選ぶより、より適性の高い種目を選ぶべきであるというような空気も一部の研究者の間にはあった。「バカを言っちゃ困る。科学の名を借りてそんな横柄なことはやめてくれ」と思ったものだ。どんな一流アスリートでも最初は初心者なのだし、あるスポーツをやってみたらうまく行ったとか、何か感じるところがあったとか、血が騒いだりしたことがそもそもの始まりだと思うのだ。たまたま人に勧められて始めたスポーツがいつの間にか好きになって、どんな苦労があってもなぜか続いてしまったなんてこともあるかもしれない。
 ほぼ“自然選択”で適性のあるスポーツを選んで強くなった人たちの筋線維組成を調べて平均を出したら、たまたま種目ごとの差が生じたというだけのことである。個人間のバラツキは非常に大きいし、筋の出力特性はトレーニングによって多様に変化するものなのだ。スポーツの成績は1つの素質だけで決まるものではない。そして何より種目の選択にいたっては、筋線維組成がどうとかいう以前に個人の自由の問題だ。そこを履き違え“科学原理主義”に陥ってはならない。スポーツ科学の主役は誰かをよく考えてデータや理論の解釈をして行くべきだ。好きな種目をトコトンやればいいじゃないか。向いているのいないのと他人から言われる筋合いはないのだ!

教科書ではない指南書として
 さて、スポーツはアスリートだけで成り立っているのではない。これもご存知のことと思う。本書は、さまざまな「裏方」と呼ばれる人たちにスポットを当てたものだ。
「スポットライトを浴びるアスリートたちが最高のプレーをするために、人生を賭ける。脇役に徹して、粛々と己の仕事をやり遂げる」人たちのことを裏方という。中には、今まで日本にはなかった職業とか、日本人では初めてその職業に就いた人もいる。既存の制度の有無を問わず、いずれ劣らぬ“クリエーター”ばかりが登場する。
 登場人物の誰もが“好きで”自身の仕事を選び、独自の工夫を凝らしながら仕事にいそしんでいる。アスリートたちにとって、なくてはならない役割を担い業務を超えて己を律するその姿は、立場こそ裏方ではあるけれども表とか裏とかの区別を超えた存在として輝いている。
 経緯はそれぞれ異なるが、ほとんど皆“まわり道”をして現在の職業に至っている。その経験が今の“好きな仕事”の礎になっているようにも思える。最小の努力で最大の効果を得ようということ、すなわち“効率”のよいことが科学的トレーニングなのだと学校の授業や理論書の多くで教えてくれる。しかし、まわり道の重要性とか、どうやって食っていったらよいのかということは教えてくれない。でもまあ考えてみれば、まわり道という“有機的無駄時間”の過ごし方など、そもそも誰かに教えてもらうものではなかった。
 本書は、そうやって天職にたどりついた15人が、まわり道は決して無駄道ではないこと、スポーツの喜びは舞台の表側にだけ存在するものではないことを教えてくれる。しかし教えてくれるのはそこまで。その先は、これを読んだ若者が自身の未来をどう展開させて行くのか、自らの力で切り開いて行きなさいと励ましているように思う。
(板井 美浩)

出版元:角川マガジンズ

(掲載日:2012-10-12)

タグ:裏方 スポーツを支える 
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野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス
データスタジアム

 本書はスポーツのデータを集積し分析を行う(株)データスタジアムの企画編集。
 野球ゲームなどでも優れた選手を選択する際の目安となる、打率や打点、本塁打。投手ならば防御率や、勝利数、奪三振数など、こうした明確な数字は記憶にも残りやすい。
 実際に野球選手の多くは、こうした成績で査定され年棒へと置き換えられることが多いが、しかしながら必ずしもそれがチーム編成を考えた場合にベストな選択とは言えない。
 そこで、これまでとはまったく異なるアプローチでの戦略補強を行うというのがセイバーメトリクスである。たとえば出塁率に目を向けてみるととても優れた選手がいる。ヒットで出塁しなくても、結果的にはベースを踏む確率の高い選手ということだ。つまりヒットと四死球で出塁することの価値は、数字的に見れば同等。セイバーメトリクス的な考えでは、総合的に出塁率が高い選手がよい選手ということになる。
 このようにセイバーメトリクス的な考えならば、ちょっと違った見方で一味違うベースボールを観察できるかもしれない。

2008年3月22日刊

(三橋 智広)

出版元:宝島社

(掲載日:2012-10-12)

タグ:分析 セイバーメトリクス 野球 
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ルポ 貧困大国アメリカ
堤 未果

 日本でも問題になったサブプライムローン。これは単に金融界の話だけではなく、過激な市場原理が経済的「弱者」を食い物にした「貧困ビジネス」の一つだ、と著者は述べている。つまりこれは貧困層をターゲットにして市場拡大するビジネスを指すが、現在のアメリカでは大学に行きたくても行けない若者たち、ローンの返済に追われる人々、健康保険がないために病院に行けない人々、移民法を恐れる不法移民たちなど、こうした人々が今、戦争ビジネスのターゲットになっている。
 問題は戦争だけではない。たとえばニューヨークの医療費は、盲腸手術の1日入院で平均243万円という高額。中流階級と呼ばれる層においても安心な生活も脅かされかねない。そして学校の民営化がもたらす子どもたちの食事の内容は、ジャンクフードなど加工食品に頼らざるを得ない状況で、小さいときから肥満になりやすい環境下におかれやすくなる。とくに貧困層の地域ほど給食の内容は栄養価の低い高カロリーの食事傾向にあり、調理器具のない家庭ではお弁当を持たせることも困難。
 アメリカだけでなく、日本でも起こりつつあるこの現実。是非一読願いたい。(M)

2008年1月22日刊
(三橋 智広)

出版元:岩波書店

(掲載日:2012-10-12)

タグ:アメリカ 貧困 
カテゴリ その他
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8人のキーマンが語る ジャパンラグビー革命
上田 昭夫 大元 よしき

キーマンへのインタビュー
 2009年6月、20歳以下の世界大会「IRBジュニアワールドチャンピオンシップ 2009」が日本で開催される。この大会は、2015年および2019年度ワールドカップ開催国に立候補している日本にとって重要な試金石となる。両ワールドカップとも日本以外に7カ国が立候補しており、その発表が2009年7月28日、同時に行われるのである。次世代を担う若いチームが世界中から集い、熱戦を繰り広げるこのジュニア大会をどう運営するか、その手腕がワールドカップ開催地決定に及ぼす影響は大きい。
 本書はそんなラグビー界を改革せんとする8人のキーマンへのインタビューをまとめたものである。インタビューを行った著者の1人、上田昭夫氏は元日本代表選手であり、かつて慶應義塾體育會蹴球部を日本一に導いた名将でもある。上記の「ジュニアワールドチャンピオンシップ 2009」ではトーナメントアンバサダーに就任している。
 8人のキーマンとなるのは日本代表ヘッドコーチであるジョンカーワン氏はじめ、日本代表GM、トップリーグ最高執行責任者、大学指導者、高校指導者など、さまざまな立場の方々である。タイトルの「革命」という言葉は誇張があるにしても、ラグビー界は今どこに進もうとしているのか、その現状についてそれぞれの立場で語られる内容は、時折相反する考えも見え隠れし興味深い。

ラグビー界活性化に期待
 日本代表の強化、日本ラグビーを牽引するトップリーグの運営、この競技に注目を集め、しかも大規模な収益を見込める国際的イベントの招致、学生ラグビー界の取り組み。これらが競技人口増加や集客率向上、ひいてはラグビーという競技の隆盛につながればと、今は草ラグビーに興じるだけの我が身でもそう思う。ラグビーが盛んなはずの大阪府下の高校生大会でも、合同チームの数が増えているし、トップリーグのメディアへの露出がまだまだ少ないことにも寂しさを感じているのだ。
 さて、ラグビー界でそれぞれ重要なポストに就いている8人のキーパーソンの中で、個人的に最も注目したいのは、ATQコーチングディレクターという立場の薫田真広氏だ。ATQ(Advance to the Quarterfinal)とは、ワールドカップ2011年大会でベスト8に入ることを目標に、ユース世代を中心とした選手、コーチ、レフリー、競技スケジュールおよびスタッフを強化・育成するプロジェクトのことである。薫田氏は東芝ブレイブルーパスを常勝軍団につくり上げた後勇退し、現職に就いている。その手腕が若手育成に一石を投じ、高校ラグビー界や大学ラグビー界にもよい波を広げることを期待する。
 そして将来の代表の軸となる選手の育成は、トップリーグの新陳代謝活性にもつながるはずだ。ベテランと若手が混在するチーム編成も見応えがあるし、長年トップに君臨し続けるビッグネームプレイヤーも畏敬の念を持って応援したい。しかしそれ以上に、ベテランプレイヤーに引導を渡す若い力が次から次へと顔を出す、そんな活性化されたラグビー界も見てみたい。
(山根 太治)

出版元:アスペクト

(掲載日:2012-10-13)

タグ:ラグビー スタッフ 
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感受性を育む 現象学的教育学への誘い
中田 基昭

 本書においては、神谷美恵子ほか、そしてサルトル、ブーバー、メルロ‐ポンティ、ハイデッガー、フッサールの思索を紹介しながら、段階的に「感受性」に迫っていく。
 著者は教育実践の場に関わりながら、知的障害をこうむっている子どもたちの他者関係、あるいは小学校における教師と子どもたちの関係を現象学に基づいて解明するということを研究テーマとしている。先人の言葉を手がかりにしながら、意識とは何か、身体とは何かという問いを深めていくのである。この深みのある読みから導かれるものが、読み手として抱える問題と、うまくリンクした瞬間、読み手自身の立ち位置とそれを取り囲む構造が立体的に意識できるようになる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東京大学出版会

(掲載日:2012-10-13)

タグ:教育 感受性 現象学 
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世界を制した「日本的技術発想」
志村 幸雄

 関節鏡が日本で生まれたことは本誌(月刊スポーツメディスン)でも紹介したことがあるが、こうした医療機器やその技術、あるいはスポーツ現場におけるトレーニングにおいても、「日本的技術発想」をみることは少なくない。
 本書を読んで、いかに日本人が「精緻」であること、「厳密」であることを目指し、実行してきたかがよくわかる。
「パウダーパーツ」という部品をご存じだろうか。文字どおり、粉のように小さい部品である。愛知県のプラスチック加工メーカーでは、歯が5つあるプラスチック製の歯車で重さ100万分の1gのものを作っている。直径0.147mm、幅0.08mm。世界最小、最軽量は言うまでもない。これを「パウダーパーツ」と呼んでいる。開発に要した資金は2億円。何に使うか。社長が言うには「小さすぎて、用途はまだない」。これで終わりではない。「次の目標は、「1000万分の1g」だそうだ。
 なぜ、日本ではそのようなことが実行されるのか。この本を読んで知ると、必ずどの仕事にも役立つだろう。

2008年11月20日刊
(清家 輝文)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:技術 
カテゴリ その他
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ヒューマンエラーを防ぐ知恵 ミスはなくなるか
中田 亨

 人間によるエラーを防ぐことは、人間にしかできない。一方で「型にはまらないエラーをしでかすのも人間」であるという。多くの事故が過去に起こり、それを教訓として安全対策が取られてきた。事故防止の戦いは尽きることがない。本書では、ヒューマンエラーの本質について平易に述べ、事故を防ぐためのさまざまな方策が紹介される。スポーツ現場での安全管理などにも応用可能かもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:化学同人

(掲載日:2012-10-13)

タグ:エラー スポーツセーフティ 
カテゴリ その他
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理系バカと文系バカ
竹内 薫 嵯峨野 功一

 日本では人を「文系」「理系」と分けて考えるところがある。その鍵は「数学」にあるようだ。数学を理解するか、あるいは数学的思考ができるかどうかで、理系、文系が決まるところがある。だが、よく知られているように、いろいろな組織のトップは文系が多い。その文系は、因数分解など社会に出たら不要だと確信している。一方で、理系のほうが人間としては文系より上であると思っている理系の人も多い。いずれもこの著者によれば、「理系バカ」「文系バカ」ということになる。
 橋爪大三郎によれば、日本の理系・文系の定義は、明治時代に旧制高校が作ったものだとか。黒板とノートだけで学べる文系に比べ、理系は実験設備にお金がかかる。お金のかかる学部を理系、お金のかからない学部を文系と分類し、お金がかかる学部の生徒数は絞らざるを得なかったというのだ。そこで数学の試験をして、文理が振り分けられた。
 これを読んだだけで「ムッ」ときた「文系」の人もいることだろう。しかし、著者は、理系自慢をしようというわけではなく(著者は東京大学理学部物理学科卒の理学博士、理系だが、サイエンスライターという文系でもある)、「文理融合」がこの本で言いたいことである。「知」はバランスのなかにある。これが結論だろう。

2009年3月30日刊
(清家 輝文)

出版元:PHP研究所

(掲載日:2012-10-13)

タグ:知識 教養 
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「脳科学」の壁 脳機能イメージングで何が分かったのか
榊原 洋一

 巷にはさまざまな脳を鍛える学習ツールやゲームソフト、書籍にあふれ、さらにテレビ番組に至るまで、脳科学は一種のブームとなっている。
 この一種の脳科学ブームを、子どもの発達と神経疾患を専門とする小児科医の著者が、昨今行き過ぎた脳科学ブームに踊らされない、きちんとした視点を持てるようにと冷静に解説しているのが本書である。
 脳科学はどうして今のようなブームとなっていったのか、これまで話題となった「脳内革命」「唯脳論」やゲーム脳、さらに前頭葉ブームにまで着手する。しかし、著者が「はじめに」に記してあるように、決して脳科学を非難、否定しているわけではない。たとえば、ある実験に関して、どのように行われ、なにが問題なのか、さらにその実験が示すデータはなにを物語っているのか、それを脳科学から考えると私たちの捉え方は正しいのかを1つ1つ解釈している。少しでも脳の機能を高めようといろいろと購入し試しているみなさん、脳科学の現実と限界を知ることができます。

2009年1月20日刊
(田口 久美子)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:脳科学 
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描かれた技術 科学のかたち サイエンス・イコノロジーの世界
橋本 毅彦

 銅版画、絵、スケッチ、設計図など、過去の科学技術が描かれたものを、技術史の立場から語っている。当時の最先端の考え方、時代の要請について細かく述べてあり、それらが生まれる過程と必然性がよくわかる。地域的には西洋、東洋を問わず、またさまざまな年代にわたってトピックが取り上げられている。
 一枚の絵から、ここまでの豊かな背景が読み取れることに驚く。現代に生きるわれわれも、後世からみれば当時の最先端と呼ばれるような何かを、絵や図の形で残していくのであろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東京大学出版会

(掲載日:2012-10-13)

タグ:技術史 
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葆光
加藤 直克

深みを与えてくれる啓示
 俳句のことを“世界で最も短く、最も美しい詩の形である”と評したのは確かジョン・レノンだが、五七五のたった17文字であらわされる俳句には、一切の虚飾を排除する潔さが必要であるといえる。クドクドとした説明や言い訳が許される余地はないのである。彼のつくった歌(詩)とくに“イマジン”の中には、俳句の美しさに影響された要素が強く感じられるらしい。
 さて、今回は一冊の句集を紹介させていただく。同じ職場に身をおく哲学の教授の手になるもので、内輪の人間が著したものを取り上げるのは元来反則かとも思うが、何とぞお許し願いたい。スポーツ・競技という行為の場に深みを与えてくれる啓示がたくさん含まれているように感じるのである。

本当の姿を
 題名「葆光」は「ほうこう」と読む。「暗く柔らかな光」という意味なのだそうだ。「『荘子』斉物論篇にある言葉」とのことだが、詳細について紙面の関係上省くことにする(本当は私の無教養が理由。言い訳です)。
 ただ、想像するに「暗く柔らかな光」の下では“見よう”として見ないことにはあらゆるものが見えないという世界のことか。あるいは、見え難くなっているのは、暗さに“包まれている”せいであると考えてもよいのかもしれない。だからこそ、より丁寧に心をこめて対象を見つめ、本当の姿を見極めようとする意図がこの題名に込められているのではないだろうか。加えてこの題名には、穏やかで柔らかくはあるけれど、毅然とした姿勢を貫いている作者の人柄をもうまく反映しているように思うのである。
 作者が俳句をつくるきっかけとなったのは「二十一世紀を担う100俳人(『俳句α増刊号』2000)」の一人、五島高資という才人の存在が大きいとのことである。時々、時間を忘れて二人で俳句談義をしている姿を見かけるのだが、私にとっては知の巨人同士の会話を間近に見てミーハー心が満たされる瞬間だ。

俳句とは“命”を詠むもの
 横で聞き耳を立てていても難しくて実はよくわからないところのほうが多いが、多少なりとも理解できたこと、考察したことをまとめてみると次のようになる。
 まず、俳句とは“命”を詠むものである。では命とは何か。ここでいう命とは“場”を共有すること、意思の疎通をはかろうとする気持ちのことであると考える。したがって俳句の世界では、人や動植物だけでなく、物質や自然現象あるいは遠い過去や未来に至るまで、森羅万象に命を吹き込むことができることになる。逆に、たとえ生きていても孤立無援の、他者と“場”を共有しようとしない者には命があるとは言えない、とも考えることができる。俳句を詠むということは、だから“命を見つめる”ということになるのだと思う。
 等々と考えていたところ、ふと、この感触はスポーツや運動競技の場の味わいと似ていることに気がついた。競技の場とは、命と命の交感(交歓か)の場であると言えないだろうか。真剣勝負の場であればなおのこと(たとえ身体の接触はなくとも)命のやりとりがなされていると感じる人は多いのではないかと思うがどうだろう。
 本書は、九つの章立てで約360の句からなる。分際をわきまえず各章から一句ずつ選んでみた。

群青を一息に塗り込める秋
雪止みて天目に月刺さりけり
墓洗うおまえは誰と問われけり
逃げ水の逃げるあたりに生まれけり
初紅葉ひそかに見つけられるまで
存在の柔らかき重き春歩む
野に集(すだ)く虫に並べる枕かな
舞いながら舞を脱けゆく秋の蝶
齧られし柱に消えるうさぎかな
(本文では「齧」に「口偏」が付く)

 たった17文字の裏側に秘められた何かに感動するのと同じように、一瞬のパフォーマンスに込められた命を大切に共有したいと思うのである。
(板井 美浩)

出版元:文學の森

(掲載日:2012-10-13)

タグ:俳句 
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おやじファイトLOSER 勝っても負けても明日からまた仕事。
熊谷 美由希

 おやじファイトは、基本的に33歳以上に限定されたボクシング大会である。これは、そんなおやじファイターたちの写真集である。日常の普段の仕事の様子とともに、試合時の表情が切り取られている。
 ホテルマン41歳、営業マン47歳、消防士39歳、建築業50歳など、紹介文は職業と年齢のみ。まさに無名選手という扱いであるが、それによってどのような顔をして仕事に向かい合い、そしてボクシングに打ち込んでいるか、浮かび上がる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:有峰書店新社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:ボクシング 写真集 
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近代スポーツのミッションは終わったか 身体・メディア・世界
稲垣 正浩 今福 龍太 西谷 修

 スポーツ史、文化人類学、哲学というそれぞれ異なる分野から、スポーツの果たしてきた役割について語り合うもの。複数回のシンポジウムでの発言をもとに書籍化している。メディアとの関係性、世界情勢の影響をどのように受けるかなどが立場が違う分、広がりを見せている。
「近代スポーツは、すでにその役割を終えているのではないか」といった指摘もあり、興味深い。エッセイ的なコラムや、各人の思い出として語られた部分から、考える手がかりは身体そのものにあるということが読み取れる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:平凡社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:スポーツ史 文化人類学 哲学 
カテゴリ その他
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フットボールの文化史
山本 浩

 この本には、民衆のフットボールがどのように、パブリックスクールでのフットボールに変遷し、現代のフットボールの形になったかが描かれている。英国でのエリート教育にフットボールがどのように用いられ、パブリックスクールの卒業生らによるルールの整備、審判の登場の経緯、観客の登場、リーグ戦、プロ化といったことがわかりやすく説明されており、スポーツ史を学ぶ人にとっての入門書として最適だろう。
 オフサイドの説明をできる人はたくさんいるだろうが、オフサイドがなぜ反則なのかを説明できる人は多くないだろう。われわれ日本人にとって、ルールは「あるもの」「決められるもの」であって、自分たちで議論して「つくるもの」ではないように思う。
 なぜ、それがいけないことなのか。なぜ、そのルールがあることにより、平等や公正が保たれるのかを考えないがゆえに、ルールの変更の議論に、日本人は参加できる交渉力を持たないように思う。そして、ルールが変更されるたびに日本不利のルール変更がなされたとマスメディアは叫ぶ。
 どのような時代背景や価値観があるか、主導権は誰が(どの地域の人間が)握っていて、それを日本が握られない理由はどこにあるのか。そういったことを理解すれば、スポーツの国際的競争力を不当に貶められることはなくなるだろう。
(松本 圭祐)

出版元:筑摩書房

(掲載日:2012-10-13)

タグ:スポーツ史 フットボール 
カテゴリ その他
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強い者は生き残れない 環境から考える新しい進化論
吉村 仁

 本書は、環境という面から生物の進化について深く考察したものである。
 環境の変化としては身体面や用具が大きく改善していき、ルールも頻繁に変わっていくという現状がある。これは、生物にとって常に変化しつづける環境への適応と似通った方向性が、各チームや個人に求められるということでもあるだろう。すなわち、生き残るのは強い者、つまりその時点での環境に完全に適応した者ではない。真に生き残るのは、環境の変化にしなやかに対応できる者ということになる。ビジネス面での危機感を述べた経営者の言葉が紹介されているが、スポーツの世界においても、最も強いチームや個人が毎年勝ちつづけるというのは、なかなか難しい。進化学や生物学の分野の書籍ではあるが、ライバルに打ち勝とうと日々努力が重ねられているスポーツにおいてもヒントとなるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:新潮社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:進化 
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消費者の「隠れたニーズ」を見つけ出す 「空気読み」企画術
跡部 徹

 本書は、日々企業や消費者に対して企画を考え、その実現を目指す人達(企画立案者)を対象に、具体的な立案方法を紹介し、よりよい世の中の創造へ貢献することを目的として執筆されたものである。
 企画立案に際し、最終的な提案対象となる消費者の周辺環境は、時間経過とともに大きく変化した。以前までは、未解決、不満足というような、消費者自身が自覚できる「顕在的ニーズ」が多く存在し、それを解決、満足の方向へ向かわせることが企画立案者の主な取り組みであった。しかし現在は、以前までの満たされないものの多くは解決済みになってきており、消費者自身が本当に必要としているものや、より豊かなものにするために必要なものを明確に捉えることが困難になってきているようである。
 このことから、現在の企画立案者には、消費者の中に存在する「潜在的なニーズ」を見出す能力が求められてきていることを提言している。そして著者は、この能力を獲得する行為を「空気読み」と定義し、潜在的ニーズを的確に捉えて実現に結びつけるための企画立案術を紹介している。
 具体的には以下の4つの段階に構成され、これらを適切に実行することによって、「空気読み能力」を獲得しようとしている。
 1つ目は、「情報収集と蓄積方法」である。ここでは、さまざまな視点から物事を捉えることの大切さと、その具体的方法を紹介している。2つ目は、「潜在的ニーズを獲得する技術」である。ここでは、「空気読みフレームワーク」という概念を用いて、潜在的ニーズの具体的な獲得方法をわかりやすく紹介している。3つ目は、「企画のつくり方」である。ここでは、企画立案者と関わりを持つ一般消費者(C)と企業(B)の両者にメリットを生み出すように、「B to Cモデル」、「B to B to Cモデル」を活用した企画の考え方や視覚化の方法を紹介し、より関係者との共有促進を目指している。4つ目は、「協力を獲得できるプレゼンテーションのコツ」である。企画実行による課題解決のストーリーをよりよく伝えるために、企画書を用いた具体的な進め方のコツを整理している。
 本書は、全体を通じて具体的なノウハウが多く、企画立案者にとっては非常に役立つ内容であると同時に、指導現場におけるトレーニング指導者にとっても有用なノウハウが紹介されている。また、それだけでなく、本書の底流に流れる「消費者の課題を解決する」「社会の役に立つ」というメッセージを見逃すことはできない。そして、この部分がトレーニング指導者として、「指導対象に対して、いかによりよい提案をするか」について学ぶことができるように感じる。
 トレーニング指導者とは、指導対象の目的に応じて、科学的根拠に基づく運動プログラムを作成し、これを効果的に指導・運営する能力を持ち合わせた存在である。そして、その提案対象となる指導現場も時間経過によって変化していることを実感するのである。
 以前は、指導現場にトレーニング指導の専門職が存在していることが多くはなかった。したがって、指導現場が自覚できる未解決や不満足について、解決や満足の方向に向かうことで一定の評価を得られたように思う。しかし、指導現場における専門職の存在が一般化してきたことと、競技スポーツの高度化によって、「指導現場の自己実現欲求」がより進んだのではないだろうか。そして、指導現場の専門職もまた、本書の企画立案者と同様に、指導対象の中に存在する「潜在的なニーズ」を見出す能力、「空気読み」を必要としているように感じるのである。
 昨今、「KY(=空気読めない)」という言葉を耳にするが、その背景には、日本人が「場の背景となる文脈」をつかむことを重要視してきた歴史的側面も存在するようである。そして、本書は目標達成に向けて、具体的な文脈の読み解き方を段階的かつ丁寧に紹介してくれているのと同時に、上記の4段階は、トレーニングの指導現場における取り組みの提案について、そのまま活用可能であると感じた。指導現場における共有の促進や、効果的な指導・運営方法に行き詰まりを感じている指導者の方にお勧めする一冊である。
(南川 哲人)

出版元:日本実業出版社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:ニーズ 
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スポーツ留学 in USA
岩崎 由純 峠野 哲郎

 本書では、海外へ留学したい方のために、留学するためには何が必要であるのか、アメリカでの生活はどのようなものなのかについて、実際に海外で勉強をされた経験のある著者が留学の魅力を語る。
 内容は、選手、アスレチックトレーナー、監督・コーチ、アスレチックディレクター、エクイップメント・マネージャー、スポーツ・マネジメントという分野に分け、それぞれの仕事内容や資格を説明している。さらに、学校の選び方やカリキュラム、奨学金制度などが丁寧に書かれている。
 日本のスポーツ界だけではなく、アメリカのスポーツ界を知ることによって視野が広がる。「こんなこともあるんだ」というようなことがたくさん書かれており、日本では行われていないことやアメリカならではの魅力や厳しさがある。とくに、大学でスポーツをするためのさまざまな規定や学生としてのあり方。また、一流選手を出すための環境や選手が自立をするための教育システムがとても印象的である。
 スポーツに関わっている人であれば留学に憧れることは珍しくはないであろう。アメリカ留学を考えている方はもちろん、そうでない方もぜひ本書でアメリカでの学びの魅力を知っていただきたい。
(清水 歩)

出版元:三修社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:留学 
カテゴリ その他
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スポーツ生活圏構想
電通総研スポーツ文化研究チーム 加藤 久

 スポーツを24の指標から分析し、さらに都道府県別で総合順位を算出している。ここでいうスポーツは、運動競技を差しているわけではなく、いかに一般の方々が運動に興味があるか。その場所は、かける費用は、機会はということがデータとして分析されている。
 出版は一昔前だが、その提案の中には、現在でも問題とされていることもある。たとえば「する」と「見る」をいかに近づけるか。各競技の普及においても頭を悩ませる問題である。
(澤野 博)

出版元:厚有出版

(掲載日:2012-10-13)

タグ:調査研究 
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野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス
データスタジアム

 本書の題名でもある「セイバーメトリクス」という言葉をご存知だろうか?
これは野球における選手やチームのデータを統計学の視点から見つめ直し、新しい評価法や戦略術を生み出す学問である。
 野球では、打率や防御率といった数字で成績が表される。選手の評価も数字上の成績で行われる事が多い。打率3割の打者、防御率1点台の投手など、その数字が評価基準となる。つまり、10回打席に立って3回ヒットを打てる打者は好打者。9回を投げて2点も取られることがほとんどない投手は好投手なのである。シーズンを通じたその結果で、首位打者や打点王、最多勝などの表彰が行われるのだが、あなたがチームの監督ならば、どういった観点で選手を評価するだろうか。  打率3割のバッターが同じ10打数3安打でも、打ち損じたボールが外野手の前に落ちたヒットであれ、特大のホームランであれ、1安打として計算される。これでは正確に選手を評価できないのではないか、より公平なデータの取り方はないか、といった考えがセイバーメトリクスを生み出した。
 フォアボールを多く選んで出塁できる打者、長打を打つ確率が高い打者、少ない投球で三振を奪える投手、ホームランを打たれにくい投手など、セイバーメトリクスの視点では様々な角度から野球を見ることができる。野球経験者の私でさえ、その細かい分析には驚いた。メジャーリーグの強豪チームが選手評価の方法として取り入れたのもうなずける。
 しかし、セイバーメトリクスはまだまだ発展途中の学問で、課題も多いのだという。例えば投打の分析はある程度行えるが、守備に関してはそれが難しい。エラーやファインプレーは、守備位置やシチュエーションによっても変わるからだ。
 本書は2007年の日本プロ野球の記録を基にそれぞれの数値を算出しているが、数字だけでも野球の奥深さが垣間見えてくる。もちろん、筋書きのないドラマと言われるのも野球で、全てが公式や数字で片付けられるものではない。ただ、この様なより深いデータを知ることでオフシーズンの選手の移籍に関する動向など、その選手の成績と評価が相応なものかといったことも考察することができる。従来の評価だけでは見えない部分もセイバーメトリクスで比べることができるので、より優秀な選手を見つけ出すことができ、チーム運営にも効果的だ。
 監督のあなたにはセイバーメトリクスを用いて、お気に入りの選手を見つけ出してもらいたい。野球にあまり関心がなかった方にも、ぜひ一度手にとってみてもらいたい一冊だ。
(山村 聡)

出版元:宝島社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:データ分析 
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これ一冊でわかる 着衣泳実技トレーニング
荒木 昭好 野沢 巌

“着衣泳”という単語は多くの人にとっては耳慣れない言葉かもしれないが、服を着たまま泳ぐこと、と聞けばおそらくは容易に水難事故のシチュエーションをイメージできるであろう。本書は水中で自らの生命を維持するための、文字通りサバイバル・スイミングとしての着衣泳指導書である。
 猛暑に見舞われた今年も各地で水難事故が発生しているが、そうでなくとも水辺であればさまざまなシチュエーションで水難に遭遇する危険性は存在する(ちなみに2009年を通じての全国での水難事故発生件数は1540件)。そうした際に、サバイバル・スイミングとしての着衣泳を経験しておけば「なんらかの対応ができる可能性が高まる」(本文第1章より)のは自明の理である。
 そもそも、着衣で水に落ちたらどんな状態になるか? どんな泳法でどのように泳いだらよいか? 水中での脱衣は必要か? etc…といった点についての知識や経験がわれわれ一般人は余りにも少ない。水泳そのものの教育は学校体育や全国のスクールで盛んに行われているのにもかかわらず、である。本書の序盤から語られている通り、着衣泳の練習をプールで行っても水質衛生面ではなんら問題ないことなども踏まえて、学校や施設側は積極的にこのサバイバル・スイミングの練習を取り入れてもよいのではないだろうか。
 本文中ではこのほかにも、教科書の入っているバッグが水に浮くことやTシャツやジーパンなどさまざまな衣服の水中における重量変化データ、水着と着衣での泳距離比較など、知識として知っておけば実際のサバイバル・シチュエーションで大きな助けとなるであろう内容が段階を踏んだ技術指導解説に加えてふんだんに盛り込まれているのもありがたい。
 近年、CPRとAEDの普及でスポーツイベントのみならず日常のさまざまな場でも九死に一生を得た事例が報道されているが、戦国の昔から“日本泳法”として息づいてきた歴史のあるこの着衣泳も、そうしたサバイバル技術として普及が望まれることを改めて感じさせてくれる一冊である。
(伊藤 謙治)

出版元:山海堂

(掲載日:2012-10-16)

タグ:着衣泳 
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間の取れる人、間抜けな人 人づき合いが楽になる
森田 雄三

「コミュニケーションが大切だから」「もっとコミュニケーションを取って」云々という言葉をよく耳にするのは私だけではないだろう。が、そもそも世の中で大安売りされているこの“コミュニケーション”とは一体何だろう? ただ単に“会話”や“対話”と同じ意味で用いられているような場合も少なくないのではないだろうか?
 試みに辞書でcommunicationという単語を引いてみる。「伝達、通話、文通、交通」といった意味がずらりと並んでいる。さらにその語源をインターネットで調べてみると(これもまた現代ならではの“コミュニケーション”ツールである)、「分かち合う、共通の」もしくは「交わる」といった意味のラテン語が元になっていることが分かる。すなわち、communicationとは本来、双方の認識を共有しそれらを相互伝達する(しようとする)ということにほかならないわけで、そう考えると別個体のヒトの間でそれを成し遂げようとすることがいかに難しいことか、安易なフレーズの中で乱発していい単語かどうか、ということまで改めて考えさせられてしまうのである。
 本書は「間」というものを1つの切り口としながら、ともすればステレオタイプ化しがちなその“コミュニケーション”というものの捉え方に対してプロの演出家がさまざまなアンチテーゼを示してくれる一冊である。曰く、「コミュニケーションとは本来、言葉にしにくいもの」「コミュニケーションは沈黙をメインとした空気のやり取り」といった身も蓋もないような小見出しをはじめ、間や沈黙に腰を据えることや小さな共同体の中で分を知ることなど、現代ではネガティブなものとして避けられがちなこれらの要素こそがコミュニケーションの真の要であるということを、素人をたった4日間の稽古で舞台に上げてしまう自らのワークショップや、盟友イッセー尾形氏の一人芝居を例に取りながら具体的に解説してくれている。
 コミュニケーション、コミュニケーションと安易に口にするなかれ。…などと自らを戒めながら、文字通りの「コミュニケーションのプロ」による著作に触れてみるのも秋の夜長にはいいのではないだろうか。
(伊藤 謙治)

出版元:祥伝社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:間 コミュニケーション 
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他人を許せないサル
正高 信男

 最近「ガラケー」という言葉を初めて聞きました。「ガラパゴス携帯」の略語だそうで、他の地域とは独自の進化を遂げた動物が多く生息するガラパゴス諸島をもじり、他国にはない日本独自の進化を遂げた携帯端末のことを言うそうです。どうして日本の携帯電話だけが世界から孤立したような携帯電話ができたのか? 本書では日本人の持つ独特の社会性や対人関係を分析することにより、私の疑問を解消してくれました。元々は通話をするための機械を持ち運びできるようにしたものだったのが、メール機能がつき、カメラまでがついたと思ったら、インターネットやテレビ、果てはクレジットカードの役割まで付いた生活必需品にまで昇華しました。そのニーズは日本人独特の社会観にあると指摘します。
 日本人の社会観の源流は「世間」という単位であり、それが農業共同体から発生したものであり、世間では横並びの平等という欧米にはない独特の価値観をもつといいます。また所属する人々は世間の中で「ぬくもり」や「ふれあい」を得ることにより安心感を見いだすという日本人独特の情緒もふまえて的確に表現しています。中でもマルクスがこういう風土を「アジア的生産様式」とう表現したというくだりにイデオロギー的な興味を覚えました。
 ITという新しい表現環境にあって、そこで構築された社会は皮肉にも古来の農業共同体から発生したコミュニティーと同質の「世間」であり、それを「IT世間」と名づけ日本人の昔とかわらない社会性、さらにはそこに属する個人の心理にまで言及しています。
このような昔ながらの価値観を持つ日本人の間で急速に広がった携帯電話を中心としたIT世間における弊害も具体的に指摘はされていますが、やや強引な印象を受けてしまいました。携帯やインターネットなどのオンライン上でのコミュニケーションに振り回され、支配されているとの指摘には納得できる面も多いのですが、戦後の日本人において変化しつつある社会性や価値観などその他の原因についても考えるべき点もあるのではないかとも思うのです。
 それにしても日本独自の進化を遂げた携帯電話。使いこなしているのか? あるいは使われてしまっているのか? 自問自答せずにはおられません。また掲示板・ブログ・チャット・SNS・プロフ、最近ではツイッターに至るまでオンライン上でさまざまな情報伝達やコミュニケーションの手段が生まれました。われわれはそこで何をしたいのか? あるいは何を求めるのか?
 もう一度見直してみたくなりました。将来のコミュニケーションについて考えさせられる一冊です。
 着眼点の面白さ、目まぐるしく進化を遂げるIT技術の中でも昔と変わらない日本人の気質、流れる川の中で木の葉の行方を見ているかのような話の展開。一気に読んでしまいました。
(辻田 浩志)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:コミュニケーション 
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医療の限界
小松 秀樹

 日本の医療は崩壊の危機に瀕しているという筆者。筆者が主張する問題とは「医療をめぐる事故や紛争の大小」ではなく、「医療自体に対する国民の態度の変化」だという。
 医療行為を行う医師に責任があるのは間違いなく事実であるが、社会の側にも問題があることを問いかけている。日本人を律してきた考え方の土台が崩れている。
「死生観の喪失」
「生きるための覚悟がなくなり、不安が心を支配している」
「不確実なことを受け入れない姿勢」
 安心・安全神話が社会を覆っているからこそ、患者も医師もリスクを負うことを恐れる。その結果双方の間に軋轢が生まれるだけなく、本当に医療を必要としている人にさえ被害が及ぶ。医療だけでなく、教育問題、社会問題の原因にもつながる内容がリアルに載せられている一冊である。
 そもそも「絶対」など存在しないのだ。今生きていることさえ、明日は絶対ではないのである。それを頭でわかっても心で受け止めきれないことが、医療崩壊にもつながっていると言える。医療だけでなく、現代社会に対してのメッセージが込められた一冊に感じた。
(磯谷 貴之)

出版元:新潮社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:医療 
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「遊び」の文化人類学
青柳 まちこ

「遊び」をテーマに書かれた本ではありますが、意外なほどその内容に遊びはありません。むしろ純粋なる学術的研究発表の性格が色濃く出ます。
 本書を語るにあたってオランダの歴史学者ホイジンガとフランスの社会学者カイヨワの存在は無視できず、彼らの研究が下地になっているともいえるでしょう。ただ筆者はホイジンガの「ホモ・ルーデンス」ではヨーロッパの文化に立脚した視点にとらわれて客観的評価はできないと指摘したうえで、独自の視点で「遊び」を評価・分析をしています。確かに本書は筆者の主観的要素を排除しているようなのですが、その分無機質な印象を感じました。読み物として捉えた場合、読み手が何を求めるかによっても両者の評価は変わるように思います。
「遊びとは何か」という命題から本書ははじまりますが、「競争」「表現・模倣」「偶然」「めまい」という要素を基軸とするとするカイヨワの「遊び」の定義づけをベースにしてさらに深く分析を進めます(批判的な部分もありますが)。
 すべての行動から動物として必要な生存や種族保存などを目的とする行動を除いたものを余暇行動として、それを遊びと定義するならばその範囲はあまりにも膨大になります。そういった広範な「遊び」をいくつかの要素に分類するところは説得力十分。細やかな分類と具体的な例を挙げての評価は世界中いろいろな形式で存在する遊びを整理しています。そしてそれらの遊びがどのように伝播していったかという遊びのネットワークも論じられ、多方向からの視点による切り口で解明されます。
 納得しつつ読み終わって、1つ疑問が生じました。本書が書かれたのは1977年なのですが、当時と今とでは情報の流通のシステムが変わりました。ネット社会になって近年社会も急激な変化を見せました。はたして本書の定義が今も変わらず当てはまるのだろうかということです。ホイジンガやカイヨワのころと青柳氏のころでは時代背景が異なります。それと同じように現在と昭和中期とでは背景の差は歴然です。「遊び」の定義にも時代背景による考え方の差を感じたのですから、今という時代においてまた違った要素も芽生えているかもしれません。「遊び」と「文化」が限りなく近いものであるとするならば、そういう可能性があるようにも思えるのです。21世紀という時代の遊びはどのように評価されるのだろう? そんな興味がわいてきました。
(辻田 浩志)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:遊び 
カテゴリ その他
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遺伝子vsミーム
佐倉 統

 2010年サッカーのワールドカップで、日本はベスト16になった。予選リーグで敗退した前回ドイツ大会では、チームが一つになりきれなかったことが敗因であると言われた。今回のチームは、その教訓を活かし、チームが一つの方向に向かうことができたという。
 人間の人間たるゆえん――それは、遺伝子からは独立した形で情報を次の世代に伝えることができることである。つまり教育と学習によって、文化伝統を伝えていくことができる生き物が、人間であると。
 世代を越えて継承されていく情報システムとういう特徴を兼ね備えた文化は、人間以外の動物にはほとんど存在しない。そして、この文化の情報伝達単位を「ミーム」と呼ぶ。著者はこのミームが、民族問題・教育問題・老人問題などを解決するヒントになるのではと語る。
 人間は、望むと望まざるとにかかわらず、ミームを受け継ぎ、受け渡してしまう ―つまり学ばざるをえない―生き物なのである。 だからこそ、教育が大切であり、ミームの乗り物たる老人がもっともっと子供と接する機会を増やすべきだと。 
 日本中を熱狂させた、サッカー日本代表は、まさに「ミーム」を受け継ぎ、それを活かした好例である。「ミーム」=「侍魂」と置き換えてみると、またおもしろいようだ。
(森下 茂)

出版元:広済堂出版

(掲載日:2012-10-16)

タグ:遺伝子 ミーム 
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草野球をとことん楽しむ
降旗 学

 早朝や休日などに公園で大人たちが野球をしているのをよく見かけるだろう。学生時代から野球を続けている者、社会人になって友人からの誘いで野球を始めた者などさまざまな者たちが野球に興じ、野球バカとまで言われるほど草野球に打ち込んでいる者もいる。そして、著者もその野球バカの一人であり、過去の出来事と結びつけながら草野球がどういうものか、どう楽しむかが一冊に詰め込まれている。
 草野球経験者には共感することが多く、未経験者には新しい世界観を見ることができるだろう。草野球特有の問題点なども多々あるが、それらを含めた楽しさが存分に伝わり、ぜひとも草野球の世界へ飛び込みたいという思いに駆られるものとなっている。
(池田 健一)

出版元:新潮社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:野球 草野球 
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繁盛する治療院の患者の心をつかむ会話術
岡野 宏量

 会話術という題名ではあるが、話し上手になるための方法ではない。治療のプロフェッショナルに求められる会話であり、きちんと情報を収集し、リピートにつなげるためのコミュニケーションの方法を紹介。
 4つの質問(状況質問、問題質問、示唆質問、解決質問)と3つの説明(治療の特徴、利点、利益)を通して、押し売りにならないようにしながら、動機づけを図り、今後につなげる「コンサルティング患者対応」が具体的に記述されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:同文舘出版

(掲載日:2012-10-16)

タグ:治療院 質問 
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メジャー野球の経営学
大坪 正則

 千葉ロッテマリーンズの優勝で幕を閉じた2010年のプロ野球。先日、優勝パレードの様子がテレビで流れていた。シーズン終了後はファン感謝祭や選手のトークショーなど球団独自の取り組みが行われる。それと同時に選手の契約改正が行われるシーズンでもある。今年も新聞ですでに目にした「保留」の文字は毎年のこと。選手にとっての収入は球団の支出なのだから、スムーズにいかないのがひょっとしたら“普通”なのかもしれない。
 球団経営のための収入をどうやって増やし、球団を運営していくのか。コミッショナーや球団、選手会、そしてその他の機関のそれぞれの「仕事」とその仕事の関係性をメジャーから学ぼうという姿勢。そのために、「本書は読者が監督や選手の立場でプロ野球を観たり、勝ち負けで球団を応援するだけではなく、たまにはコミッショナーや球団オーナーの立場からリーグ全体を俯瞰し、球団社長になったつもりで球団経営を楽しむポイントを示唆している」と著者。
 年棒やドラフト、フリーエージェントなどプロスポーツではない限り、少し離れた話になるかもしれない。しかし、施設内のサービスやファン向けの活動などといったプロモーションやマーケティングの話は学生スポーツやアマチュアスポーツの団体も学ぶことは多くある。そして、“感動や興奮や驚きを与える選手”のパフォーマンスの一部を担っているトレーナーの方たちにとっても「お金のはなし」は知っておいて損はないと思う。
(大塚 健吾)

出版元:集英社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:野球 経営 メジャーリーグ 
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知性はどこに生まれるか ダーウィンとアフォーダンス
佐々木 正人

「語る前に見よ」。
 行為に何らかの意図を読み取ろうとしてはいけない。行為は「はじまり」があって、「まわり」に出会い「変化」するのだ。そして「変化」には目的も方向もない。「変化」の「結果」が残るだけである。その「結果」から行為に意図や目的をくっつけて説明するというのは、大きな誤りなのだ。
 本書には、かなりのページ数を割いて、ダーウィンが観察したミミズだとかキャベツの子葉だとかモグラだとかのことが書いてある。そこだけでもかなり面白かった。
「ミミズは地球の表面を変えるために生きているのではなく、ミミズの生の結果が大地を変えただけだ」とか、「モグラはトンネルを探しているわけではなく掘りながら土の中にあるやわらかさのつながりを発見しているのだ」という言葉が本書に書かれているが、それらが私の心の中で次第に存在感を増している。
 ただ「まわり」に出会って「変化」する。私も「まわり」に出会って変化するし、私自身が誰かを何かを変化させる「まわり」でもあるのだ。ミミズが耕した大地のように、モグラが掘ったトンネルのように、変化した歴史と痕跡をひっくるめて「生きている」ということなのかもしれない。
 私とはなんとちっぽけなものなのだろうと思う。それは決して不快な気持ではなく、むしろ、清々しい。
(尾原 陽介)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:アフォーダンス 
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スポーツを殺すもの
谷口 源太郎

 すべての物事には多面性がある。スポーツも例外ではない。どの立場で関わるのかによって、印象は異なり、感じる問題点も異なる。その問題点を指摘することは簡単であり、それは子どもでもできることだ。
 しかしそれが本当に問題なのかさまざまな角度から検証や判断を行い、立場の異なる人々の意見をまとめ、改善してゆくことは非常に困難である。それは子どもにはできない。
 オリンピックや世界選手権だけではなく、何らかの代表として選出されることにおいても、全員が満足することは難しいが、それをめざして関係者は努力を進めている。なぜ関係者は苦労をしてそのような努力をするのか。やはりみんなスポーツが好きだからではないだろうか。
 この書籍では一般にあまり表に出てこない内容も多く書かれている。それらは確かにある面からみれば問題になる。しかしその面だけではなく多面的に考える必要もあるのではないだろうか。残念ながら私にはこの書籍は、問題点を提起することでスポーツ界をよりよいものにしてゆこうという愛情よりも、それらを書くことでの自己満足感や、スポーツに対する憎しみや嫌悪感が強く感じられる。同じ問題が繰り返されないよう、この書籍を読んだ大人が努力を続けてくれることを切に願う。
(澤野 博)

出版元:花伝社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:批評 
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共創とは何か
上田 完次 黒田 あゆみ

 著者は東京大学人工物工学研究センターの教授の上田完次さん。本書は「共創工学の展開」と「共創プラットフォーム」のシンポジウムの発表内容や会話をまとめた本である。もちろん工学に関係する内容なので、バリバリ理系の内容や口調が飛び交っていて、ただ何となく読むには難しい本になっている。よって、バリバリ理系“ではない”私なりの解釈を簡単にお伝えする。
 本題になっている共創。どうやらざっくり言うと個々では発想やできることに限りがあるが、多くの人の知恵を借りれば可能性が広がるという考え方のようである。しかし、こんなことは誰でも知っており、「何を改まって…」と思ってしまうが、実際に読んでみるとまぁ新しく斬新な考え方だ。何がって…その集めてくる専門家や知識の範囲が非常に広い。もうそれこそ何でも来いというスタンス。しかも、ものの見事に全く関係のないような分野がコラボして、非常に有意義な発想が生まれている。載っている議論の内容がもし読者と全く関係のない場合にも、もっと広い意味でタメになる本だ。
 私は性格上、何事にも白黒つけたいタイプである。人間を相手にする職業で、白黒つけようとすればするほど決まってどこかでつまづくジレンマを持っていた。相手は人間であり生き物。わかっている人にとっては当然だし、私も表向きでは理解していたつもりだが、どうしても硬い考え方を崩せないウィークポイントを持っている。しかし、本書にある「共創の考え方」や「別々の物や人、そして事象を共創の観点で上手くコラボさせる具体的な手法とその結果」がとてもよいヒントになった。本当に多種多様のことが書いてあるが、その一部だけでも、これからの私の人生に大きな影響を与えてくれると感じた。
 難しいのに、何か自分の生き方を変えてくれるんじゃないかという期待が生まれてしまう一冊。
(宮崎 喬平)

出版元:培風館

(掲載日:2012-10-16)

タグ:共創 
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アスリートたちの英語トレーニング術
岡田 圭子

 中学校の図書館に「岩波ジュニア新書」の棚があり、面白くてよく借りていたのを覚えている。この本も、その頃の自分に読ませたい良書。
 日頃当たり前に使う「アスリート」という言葉だが、「スポーツマン」「プレイヤー」と比較すると、自らの身体能力に対して切実な思いを捨てられない人、という意味合いで用いるのがふさわしいように思われる。そのために手段を選ばず、エネルギーと時間を注ぎ込まずにはいられない人たちのことだ。可能性を広げる手段の1つとしての外国語学習だから、文中の「アスリートには外国語が上手な方がたくさん」という指摘も、至極当然のことと思う。
 5人のアスリートを紹介する各章は、前半の〈来歴〉と後半の〈学習法〉で構成されている。前半には、受賞歴からは計り知ることのできない、血の通った1人の物語がある。挫折や停滞についても丁寧に扱われていて、そこには、単なる負の体験からの学びだけではなく、当時の葛藤をなつかしくいとおしむ、豊かさ温かさが感じられる。子どもたちにとってそれは勇気となり、広い世界へ心を開くきっかけとなるかもしれない。鮮やかな物語を通過することで、後半の〈学習法〉が説得力を帯びてくる。ただハウツーを次々に与えられ、それをこなしていくだけでは習得にはつながらないことに気づく子どもも多いと思う。
 レスリングの太田章さんの「完璧でなくていい、意思が通じることが大事」「レスリングも会話も同じ、自分をさらけ出して」というメッセージが、大らかで優しかった。子どもはこんな言葉をもっとたくさん浴びて育つべきだと思う。以前、世界で活躍するバレリーナが「とっさに出てこなかったら、日本語でもぽんぽん言ってしまいます、でもなんとか通じるもの」と話していたのを思い出した。
 相手も同じ身体活動に打ち込む仲間ならば、それだけですでに1つの表現法を共有していることになる。必死に絞り出したつたない言葉でも、何とか通じればさらに、仲間と共有できる感覚が1つまた1つと増えていく。外国語学習を通して世界が広がることの喜びを、本書はよく伝えていると思う。そして何よりも、目の前の障壁に情熱をぶつけ、自ら突破口を探り当て、勝ち取ってゆくアスリートの生き方が、今日の迷う子どもたちの胸に響くことを願いたい。
(河野 涼子)

出版元:岩波書店

(掲載日:2012-10-16)

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9回裏無死1塁でバントはするな
鳥越 規央

 野球の試合において、セオリーとされている事柄は多いが、はたして合理的理由があるだろうか。こうした疑問に統計学的な観点から答えようとするのがセイバーメトリクスと呼ばれる分野である。
 セイバーメトリクスの主な目的は、選手の価値分析、能力評価、将来予測の3つである。これらは球団フロント側ではスカウティングや年俸評価、監督側では試合中の選手起用や戦術立案の理論的裏づけに利用されている。野球の戦術・選手の評価について感覚だけで語ることはもはや古く、セイバーメトリクスではセオリーとされている事柄も合理性のあるものばかりではない。
 1点差の9回裏ノーアウト1塁でバントすべきか?「左打者には左投手」は本当に有効か?「バッティングカウント」はあるか? 叩きつけるバッティングはヒットを生みやすいか?…すべて統計による細かなデータの比較で評価していき、数値によって目に見える形で語られるのは面白い。
 後半は統計学的に有意かどうかの考察より、著者の評価分析となっているところも多いが、今後踏み込んでいけると面白い内容だと思う。数値や計算など少々難しい内容であるが、野球を別の視点から見たり、セイバーメトリクスに興味がある方にはお勧めの一冊である。
(安本 啓剛)

出版元:祥伝社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:セイバーメトリクス ゲーム分析 
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エアロビクス・ライフスタイル・ブック Sports Graphic Number Special Issue
Sports Graphic Number

Sports Graphic Number『ナンバー』誌からエアロビクスのSpecial Issue
──さて今年はどうなるのだろう

 文藝春秋の“Sports Graphic Number”を読んでいる人も多いだろうが、同誌は昨年エアロビクスの特集を組み、さらに暮れにSpecial Issueとして出したのが、この『エアロビクス・ライフスタイル・ブック』である。TVでエアロビック・ダンスが放映され、この『ナンバー』誌が2度にわたって紹介するにおよび、1982年の出来事としてエアロビック・ダンスの流行を挙げてよいほどになった。それ自体は歓迎すべきことであるが、エアロビクスとはエアロビック・ダンスという短絡も生じさせたフシもある。しかし、それはささいなことかもしれない。きっかけは何にしろ、自分の身体の健康やフィットネスに関心を持つのはよいことである。それがダンスであろうが、ジョギングであろうが、身体のことを考え、学び、身体を動かしてエアロビクスを実践していくうちに、必ず変化が出てくる。顔色も表情も、正確すら変わるかもしれない。この本の表紙に「からだも心も、もっとヘルシー&セクシーに!」とあるのは、その意味で正しい。ストレッチングもそうだが、エアロビクスの流行は、いろいろなことがわかるようでわかりにくくなった現代に、まず最も確かな自分とその身体の存在を感覚を通じて確かめ直していく、そういう現象なのかもしれない。だから、これはどんどん進行深化する流行であろう。このSpecial Issue は、その意味でやはり画期的である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:文藝春秋

(掲載日:1983-03-10)

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オリンピック人間ドラマ レンズに一瞬の感動をとらえて
岸本 健 川津 英夫

 4年に1度のスポーツの祭典オリンピックはいうまでもなく、スポーツ選手にとって最大の舞台である。我々日本人にはやはり1964年の東京大会が今なお記憶に新しいが、この本もその東京大会を契機にほぼ20年間スポーツ写真の世界に没頭した2人のカメラマンによる写真集であり、それぞれの大会、選手に関する逸話も、岸本、川津の筆で語られている。
 かつて、スポーツ写真は報道写真の1つであり、ゲームやレースの記録性が最も重要視されていたといえる。勝敗と直接関係のないカットは、いかにそれが一瞬の美しさ、素晴らしさを現していても、世の人々の目に触れることは少なかった。だが、スポーツを行う者なら、あるいは広くスポーツを愛する者なら、スポーツの素晴らしさは、単なる勝敗のポイントとなるシーンだけでなく、一瞬一瞬にひそんでいるのを知っている。本書はその意味で、オリンピック写真集というより、スポーツとスポーツマン、そしてスポーツを撮る者の緊張した関わりを示す書といえよう。人はなぜスポーツに魅せられるか、その解答をカラーとモノクロの多数の写真が語っている。読み方は様々あってよいだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:サイマル出版会

(掲載日:1983-04-10)

タグ:写真 
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汗が演出するサウナ
阿久津 邦男

 総じて日本人は風呂好きである。「湯水のように使う」という表現もあるように、極めて贅沢に湯を使う。しかし、内湯が普及するにつれ銭湯は少なくなり、日本人の風呂に対する考え方も昔に比べると変わってきたに違いない。以前「疲労回復」を特集したとき、少し入浴の効果について触れたが、東京オリンピックの年に紹介されたサウナもまた効果の高いものである。この本によればサウナは今や全国に約6500軒、愛好党は1000万人を超す。営業用のみならず、早稲田大学の新しい体育館にもサウナが設けられるなど、スポーツの世界でも珍しくなくなってきた。しかし、サウナの正しい利用法となると、どういうわけか一般には一冊も本がなかったといえる。その意味で、とくにスポーツマン向けに書かれたものではないが、このコーナーで本書を紹介しておきたい。
 著者は専修大学教授・医学博士でスポーツの世界でも著名。一般向けに書かれており、イラストやグラフも多用、とれもわかりやすく、早速サウナに行きたくなる本だ。スポーツ疲労の回復に関しても詳しいし、一般生活上のストレス解消や安眠のための利用法、減量、美容についても親切に述べられている。
 熱いのを我慢して汗をかき、ビール、マッサージといったワン・パターンの利用しか知らない人、それでもサウナの好きな人、また一度も経験のない人、誰にも楽しく読めて、実用的な本である。元来健康的なものなのに妙な偏見をお持ちの方にもぜひ読んでいただきたい。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:人間と歴史社

(掲載日:1983-07-10)

タグ:サウナ 
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スポーツの記録 陸上水泳男女72種目
前田 新生

“スポーツは筋書きのないドラマ”とはよくいわれることだが、そのドラマを構成する大きな要素が、“記録”だということができるだろう。もっといえば、過去から現在までのスポーツの記録の流れをみていくことは、それ自体で1つの歴史ドラマとなっているともいえるだろう。
 本書はしかも単に記録を集めるだけではなく、各競技の簡単な歴史も解説してあり、記録にまつわるエピソードも多く紹介されている。また、そうした記録をもとにして、各種のデータも提供して興味深い。たとえば、走り高跳びのところでは、“原始フォーム時代”“はさみ跳び時代”“ロール・オーバー時代”“ベリー・ロール時代”“背面跳び時代”とフォームの歴史が説明され、さらに選手が頭上何cmを跳んでいたかの歴史も述べてあり、非常に面白い。投てきでは、体重1kg当たりどれだけ投げているかといったデータもある。
 スポーツはまず自分でやる楽しさ、そして実際の競技を観る楽しさが第一だろうが、本書のような記録の面からスポーツをみていくことも、その楽しみをさらに深いものにしてくれることだろう。
 ジュニア新書として子ども向けに書かれたものだが、大人が読んでも十分に楽しく、資料としても役立つ書である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:岩波書店

(掲載日:1983-10-10)

タグ:記録 
カテゴリ その他
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リスク化される身体 現代医学と統治のテクノロジー
美馬達哉

リスクに対して持つべき思想
 たとえばある高校生女子バスケットボール部の、非接触型ACL損傷の予防プログラムを作成すると仮定する。まずすべきことは、そのリスクの把握である。リスクとは「未だに発生していない危害の予期という意味を持つ」ため、すでに同傷害を負った選手に該当する因子はもちろん「未来に予測される危害としてのリスク」も対象に考えなければならない。  
 ここでカッティング動作やジャンプの着地動作などにおける、いわゆるKnee in & Toe outというダイナミックアライメントがACLに大きなストレスをかけることが原因だと唱えてもあまり意味がない。膝関節伸筋や股関節外旋外転筋などを中心とした筋力の問題、主働筋、協働筋と拮抗筋、また体幹をはじめ全身の筋との協調性の問題、内反足や外反膝などの静的アライメントの問題など身体的因子を洗い出す、それでもまだ不十分である。トレーニングの内容、強度、頻度はどうなのか、練習場所のサーフェスは、シューズの選択は、果たして指導者の指導方法は適切なのか、練習中の集中力など心理的な問題は、そもそも予防プログラムをつくっても真摯に取り組むのか、日常生活を含めたコンディショニングはできているのか、このような動きが要求されるバスケットボールの競技特性に問題があるのではないか、それ以前に女性であることがそもそも問題ではないか。
 さて、リスクマネジメントとはどうあるべきなのだろう。

捉えるセンス
 本書はその題名から察せられるような、よくある医療リスクを論じたものではない。メタボリックシンドロームを巡る「健康増進」に関する取り組みや、新型インフルエンザを巡る「リスクパニック」などを題材に挙げてはいるが、リスク概念を医学や神経科学、経済学、人類学、社会学といった多方位の視点から考察し、現代社会に氾濫するリスクに対して持つべき思想をつくり上げる手助けとなるよう構成されている。
「医療社会学の皮を被った批判的社会理論」とは著者の言葉である。単純に事象を断じず、別座標に存在するかに見えるさまざまな要因のつながりを探り当て、やや難解な文章を持って論じるその姿は強引なようだが、読後は物事を捉えるセンスが広げられたように感じる。
 ACL損傷のリスク低減のために練習量を減らすようなことがあれば、チームが機能するために必要なトレーニング効果が修得できないという新たなリスクを生み出すことにもなる。バスケットボールではその特性上、膝の靱帯を損傷しやすいという一片の事象が、もし「専門家」と呼ばれる人びとによってもっともらしい尾ひれをつけられて巷間伝われば、これからバスケットボールに参加したいという気持ちに足枷を付けるという風評となるかもしれない。予防運動プログラムを作成したのはいいが、どこかの雑誌を真似た形だけのもので、それなら他にその時間や予算を使ったほうがいいといった、ただの儀式になってしまうかもしれない。それならまだしも、誤った認識によるプログラムであったために傷害が増えるという可能性も否定できない。優れた予防プログラムであったとしても、生活習慣を改め自己コントロールすることを抜きにして、処方されたものだけをこなせばいいという考え方では、その期待される効果を発現することはできないだろう。そのような考え方をする選手は、もし自分が負傷したときにはリスクを避けられなかった責任を指導した側に全て押しつけることが当然と考えるかもしれない。このような例であればまだしも、現代を生きる我々はリスクという概念に翻弄されてはいないだろうか。

バランス感覚が必要
「リスクは計算可能である」と言われる一方で「リスクに関する人間の意志決定や選択は、客観的な数学的確率で合理的に決められているわけではなく、リスクの主観的経験やその情動的側面によっても影響されやすい」ことも事実だろう。将来に「もっとも望ましい見通し」が立てられるよう、我々には踊らされることのないバランス感覚が必要となる。自らの身体に関しても、「生きている人間それ自体の生命に注意を払う権力」が掲げる、医療・福祉サービスに相当する社会的実践」という名の「身体の多様性をコントロールするさまざまなテクノロジー」により守られることは決していいことばかりではない。我々はもっとシンプルに生きられるはずだ。
(山根 太治)

出版元:青土社

(掲載日:2013-02-07)

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先を読む頭脳
羽生 善治 松原 仁 伊藤 毅志

 天才棋士羽生善治氏をモデルにして氏の将棋における思考を解き明かした内容。羽生氏本人の解説と伊藤毅志氏・松原仁氏による専門的な分析が並行して1つのテーマについてそれぞれの立場からの見方を示しています。なんとなく「Q&A方式」のような印象があり、まるで羽生氏の頭脳の秘密に対する謎解きというスタイルに引き込まれました。
 まず羽生氏の印象は悟りを開いた高僧のように実に穏やかに淡々とご自身の将棋観を解説なさいます。泰然自若というか自然体というか、勝負師というようなギラギラした情熱というものも感じず、極めて冷静な自己分析を披露されます。そこには伝説の棋士坂田三吉のようなドラマ性はまったくありません。逆に人間羽生善治の「静なる凄み」さえ感じてしまうのです。
 ここで述べられた羽生氏の解説をさらに専門的な知識をもとに分析し羽生氏の思考のエッセンスを見出します。羽生氏の真似はできないまでも我々にも参考になるような情報がいくつか提供されます。
 これら異質な切り口から見た「将棋の思考」がパラレルワールドのように最後まで続くのですから読んでいても息が抜けません。なぜならば羽生氏の思考のなぞ解きを早く見たいからです。
 「頭のいい人になりたい」子どもの頃からそんな願望は誰しもあると思います。「先を読む力」はまさにもっとも得たい能力の1つ。本書にはそのヒントや秘密がたくさん記されています。私に実行できるかどうかは別としても…。
(辻田 浩志)

出版元:新潮社

(掲載日:2013-03-13)

タグ:将棋 
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スポーツ倫理学講義
川谷 茂樹

 今、ロンドンオリンピック、それに引き続いてパラリンピックが開催されている。ニュースを聞いていると、金メダルを逃した選手、選手の取り巻きからこんな声が聞こえてきた。「銀メダルが金メダルより素晴らしい」。私は違和感を禁じえなかった。「おいおい、本気? 金メダルが取れる状況にあっても、取らなかったかも知れないって言っているんだよ。本気で銀メダルのほうが素晴らしいって信じているの? あなたが金メダルを取っていたらそんなコメントしないよね。それがどうしてかって一度考えてみたら?」
 スポーツは「清潔、健康的、紳士的」などなど漠然としたプラスイメージを持たれている反面、オリンピックのように「競技スポーツには“勝利”の二文字しかない」という残酷な一面を持つことを誰でも直観的に感じているのではないだろうか。競技スポーツとは、決められたルールに基づいて一番優れた選手(あるいはチーム、団体)を選ぶことにほかならない。ある競技に参加する、と決めた瞬間に選手は頂点を目指す宿命を背負う。身体を強化し、肉体を苛め抜き、精神を鍛錬する。そうしてただひたすら勝利を目指す。選手が目指す方向は、先に示したスポーツが持たれている「健康的」というイメージからどんどん離れていくのである。
 その一方で「オリンピックには参加することに意義がある」という言葉も残されている。勝たなくてもいいのか? 参加しているだけで本当に競技者としての意義はあるのか?
 同時にスポーツはエンターテイメントとしての性格を強く帯びている。オーディエンスはヒーロー、ヒロインの登場を待ち、その活躍に期待する。見ていてワクワクしないようなスポーツは単純に言って「つまらない」のである。つまらないスポーツにはスポンサーはつかない。すなわち経済的に成り立たない。実に残酷である。
 このようにさまざまな顔を持つ「スポーツ」と我々オーディエンスはどのように関わっているのか、関わっていくべきなのか。そもそもスポーツの根源と思われているスポーツマンシップって何? そう考えを進めると、私はどんどんわからなくなった。本書はこれらの疑問を丁寧に解き明かし、こんがらがっていた思考の糸を少しずつ解いてくれる。論理展開に慣れないうちは論点がどこにあるのか見失うこともあったが、哲学、倫理学、法律などとは無縁の私でもわかるように論理を進めてくれている。また、格闘技由来のスポーツの一例としてボクシングを取り上げ、その意義を考えている。
 結論には賛否両論あろうかと思う。ただ、その賛否両論はきっと感情的な問題だけであって、議論の本質は多くの方の納得を得られる内容ではないかと思う。読後、「人間ってぇのは自分の得にならないことは積極的にやらない。もしかしたら競技スポーツとは、人間のエゴがもっとも露骨にぶつかり合う場面の1つかもしれないなあ…」と思った次第。皆さんは何を考えるだろう。
(脇坂 浩司)

出版元:ナカニシヤ出版

(掲載日:2013-03-29)

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スポーツ文化の脱構築
稲垣 正浩

 私は「脱構築」という言葉を知らなかった。まずは脱構築とは一体何なんだろうかということを想像してもらいたい。しかしながら多くの人の想像は当たらないだろう。いや当たっているとも当たっていないとも言い切れないのかもしれない。
 本書では、一語をとても大切に扱っている。ひとつの言葉、その中に含まれる概念を定義づけするために、様々な書物を紹介しながら脱構築の説明を加えていく。さながら社会学の授業を受けているようであった。私は気楽に読みたい読者にこれを薦めない。しかし、物事の通りや順序に関心があり、自分以外の論理性の構築手法を受け入れる寛容性がある人には読んでもらいたい。
 著者稲垣氏はスポーツ史、スポーツ人類学者である。なぜ彼は現代思想家のJ・デリダの考え方を学び実践しようとしたのだろうか。私にはそこに興味を覚えた。きっとそれぞれの経験に思い当たるようなことや、ハッとするようなことが読み進めるうちに増えていくことだろう。
(勝原 竜太)

出版元:叢文社

(掲載日:2013-04-17)

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信頼する力 ジャパン躍進の真実と課題
遠藤 保仁

 南アフリカW杯からザックJAPANへ移り行くまでの、サッカー日本代表チーム、遠藤保仁選手の状況が記されている。どんな監督が信頼できるのか、個人がどう行動すればチームがまとまるのか、どうすれば日本のサッカーが進化するのかといったことがテーマとなっている。
 多くのサッカー評論家が語る話だが、現在も日本代表の中心として試合で活躍する遠藤選手が書いたとなるとリアリティが増す。そう感じるのがサッカーファンとして本書を読んだ私の感想だ。今後の日本サッカー界を選手として、また引退後でも、どう引っ張っていくのか期待が膨らむ。
 一方、トレーナーという立場から読んだ私は、本書から選手の気持ちを学ばせていただくことができた。どれについても選手の本音が書かれているのが見どころだ。試合に挑むメンタルマネジメント。真実と報道のギャップ、それに躍らされるサポーター。高地トレーニング。ウォーミングアップ。向上心を持つ選手の考え方。スポーツに携わる者として気になるキーワードが満載で、それを選手の主観的な感想で聞くことができるのは貴重である。トレーナーとしてチームの一員となったときをイメージしながら読むことができた。もちろん、他の競技に通ずるものがあるということは言うまでもない。
 サッカーファンのみならず、競技者含め、スポーツに関わる者にはぜひ手にとっていただきたい一冊である。
(橋本 紘希)

出版元:角川書店

(掲載日:2013-05-14)

タグ:サッカー 
カテゴリ その他
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知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦
けいはんな社会的知能発生学研究会

「人間らしさとは何か」
「自己と他者の境界はどこか」
「『私』が『私』であるとはどういうことか」
 このことについて、自分の考えを論じられる人はどのくらいいるのだろうか。私のように思索などとは無縁の者は、考えることすらままならず、そういうのは哲学者や文学者にお任せ…と諦めてしまう。
 本書は人工知能の話で、ロボットの開発者がこういう哲学的な問題に正面から取り組んでいるというところが面白い。人工知能やロボットの開発といっても、人間そっくりのロボットをつくりたいという正統派から、人間理解の手段として人間の本質を再現するようなロボットをつくって動かしてみるという人まで、いろいろなアプローチがあるのだが、とにかく「人間らしいロボット」をつくるためには、まず「人間らしいとはどういうことか」について議論しなければならない。言われてみればもっともである。
 以前、地域スポーツクラブの立ち上げをお手伝いしたとき、会員管理システムが必要だということになった。でも、パッケージものではこちらの要望に合うものがなさそうだし、それをカスタムしてもらうとなるととんでもない金額になる。そんなとき、知り合いのSEがボランティアでプログラムを組んであげると言ってくれたので、渡りに船とばかりにお願いすることにした。クラブの負担はサーバーやクライアントなどのハードウェア代だけ。関係者は「いやはや、これぞまさしく地域総合型だねぇ」などと調子に乗って好き勝手に要望したら、SEさんから「そんなの無理」と一蹴されてしまった。結局、ルーチンワーク中心の事務システムに落ち着いたのだが、どうやら、我々が普段何気なく判断している「◯◯のときは□□、だけど◯△になったら□×、さらに△◯となったら××」ということをコンピューターにやらせるのは、大変なことのようだ。
 人間の事務を肩代わりさせる道具としてのシステムでさえこうなのだから、人間らしい人工知能となるとそれはもうものすごく大変なのだろうということは素人なりに想像できる。近い将来、人間そっくりなロボットが出現するのだろうか。楽しみなような、怖いような…。
(尾原 陽介)

出版元:講談社

(掲載日:2013-05-27)

タグ:ロボット 
カテゴリ その他
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ホールシステム・アプローチ 1000人以上でもとことん話し合える方法
香取 一昭 大川 恒

 ホールシステム・アプローチとは、できるだけ多くの関係者が集まって自分たちの課題や目指したい未来などについて話し合う大規模な会話の手法の総称である。ホールシステム・アプローチが目指しているのは、トップダウンによる意思決定でもなく、多数決による「民主的」意志決定でもない。立場や見解が異なり相反する利害関係にある人々が、全員で納得できる合意に達するための話し合いの方法である。
 ホールシステム・アプローチにも様々な手法があり、ここではその総称として使われている。本書は、その中でもAI、OST、フーチャーサーチ、ワールドカフェという4つの手法について解説しているものであり、ホールシステム・アプローチを基本から学ぶには最適の教科書と言えるだろう。
 もともとは会社組織の問題解決の手法として使われることが多かったが、現在は教育現場やコミュニティー、スポーツの現場でも応用され、使われている。とくにスポーツチームで仕事をするアスレティックトレーナーの場合、選手や各スタッフとの橋渡しをしなければならない。このような問題解決の手法を知り、現場で実践していくことで、仕事の幅が広がり、よりよいチームビルディングが可能となるだろう。
(浦中 宏典)

出版元:日本経済新聞出版社

(掲載日:2013-06-14)

タグ:ミーティング 
カテゴリ その他
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スポーツマーケティングを学ぶ
広瀬 一郎

 歴史の流れの中で、社会におけるスポーツのあり方が変化してきたことを概観し、近年のマスメディアの普及によって、スポーツというコンテンツが「商品化」されるようになった経緯をまとめた。そしてスポーツマーケティングの定義を試みている。サッカーにおける、広瀬氏の経験に基づく記述は圧巻。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:創文企画

(掲載日:2007-07-10)

タグ:スポーツマーケティング スポーツビジネス サッカー  
カテゴリ その他
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復活 all for victory 全日本男子バレ-ボ-ルチ-ムの挑戦
市川 忍

 全日本男子バレーボールチームを、綿密かつ膨大なインタビューによって、エース、セッター、リベロ、監督など、個々が浮き彫りにされる全16章。選手自身の言葉も綴られ、苦悩や試行錯誤の様子がよくわかる。チームの一人一人にスポットが当たることによって、個性が際立ってくる。試合会場へ足を運び、あるいはテレビ観戦で目にするプレーは、こうした積み重ねがあってこそのもの。ひたむきな努力、個と個のぶつかり合いなど、すべてのエピソードが北京オリンピックへの挑戦の道程となるのだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:角川書店

(掲載日:2008-05-10)

タグ:バレーボール  
カテゴリ その他
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スポーツ・インテリジェンス オリンピックの勝敗は情報戦で決まる
和久 貴洋

 本書は、日本オリンピック委員会(以下JOC)情報・医・科学専門部会委員である和久先生が、オリンピックで成績を上げるためには情報戦略がいかに重要かということについて述べている。
 ここ近年、オリンピックにおける日本人メダリストが少ない理由として、中国・韓国人メダリストと比べ20~24歳の選手が台頭していないこと、また世界ランク8位以内の選手が少ないことを挙げている。あらゆるデータを基に解析して、諸外国と比較した結果から、原因を推測し、情報を国や競技団体にフィードバックして競技成績につなげていくという情報戦略である。実際にはこれだけでなく、海外からの有益なスポーツ医科学情報をいち早くキャッチすることが重要である。
 スポーツ医科学に関する情報は諸外国を見ても、シークレットな部分であり、多くはオリンピックのプレ大会で発表されることが多いが、その時点で情報を得たところでもう遅い。普段あまり表に出ないシークレットな情報を入手するコツが記載されている。
 たとえば、2012年ロンドンオリンピックで有名になったマルチサポートハウス。この存在が日本選手団から多くのメダリストを誕生させるきっかけになったと言っても過言ではない。そのマルチサポートハウスの計画は2004年のアテネオリンピックで、アメリカが実施したという情報からスタートしており、ロンドンオリンピックで日本選手団独自のマルチサポートハウスを実現させるための過程が記載されている。
 リオデジャネイロオリンピック、東京オリンピックに向けて日本人メダリストを多く誕生させるためには、この情報戦略がキーであることを本書を読むと理解できる。
(鈴木 健大)

出版元:NHK出版

(掲載日:2015-05-29)

タグ:情報戦略 
カテゴリ その他
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なぜ人は走るのか ランニングの人類史
Thor Gotaas 楡井 浩一

 「ランニングの人類史」というサブタイトルの通り、「走り」の歴史が詰まった本です。古代はまさに命がけで走っていました。地球環境が変わり森の多くがサバンナになった時代、サバンナを走り獲物を追いかけたことが、活動領域という点において森にとどまった類人猿との決定的な分かれ目になったそうです。人類の繁栄に少なからず「走り」が関わっていたようです。
 時代は変わり、交通手段がなかった頃、伝令という重要な役割が「走り」に課せられ、そこで命を落とした者を記念してレースという競技の起源だそうですが、その残酷さ過酷さゆえに人々の熱狂を生み、今に至るまで人気競技の座を得ていることには考えさせられました。
 レースになり勝敗がかかる以上、人々は勝つためにあらゆる手段を駆使しました。お金も絡んでくるし、ドーピングの問題も発生するし、靴や時計などの関係用具の発達など、ランニングの光の部分と影の部分の双方が絡み合って様々な歴史を刻んできたようです。走りの歴史は人類の歴史とぴったり寄り添っているようにも見えます。
 日本で人気の駅伝という競技は個人主義に走らず団体の和を重んじる日本人の国民性ゆえに定着したようです。そういう意味では「走り」には文化も反映されるようです。
 歴代の有名ランナーのエピソードから一般人のジョギングの歴史まで、事細かに紹介されています。まさに「走りの百科事典」といえる一冊です。
(辻田 浩志)

出版元:筑摩書房

(掲載日:2015-07-22)

タグ:ランニング 歴史  
カテゴリ その他
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スポーツ哲学の入門 スポーツの本質と倫理的諸問題
シェリル・ベルクマン・ドゥルー 川谷 茂樹

 タイトルに入門とある通り、スポーツ哲学のトピックが網羅された労作だ。とくに現代社会におけるスポーツの価値や、ドーピングなどの倫理的問題について多くのページを割いている。
 すぐに目を通せる分量でも、結論を得られる分野でもないが、スポーツに関わるなら知っておくべき内容ではないだろうか。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ナカニシヤ出版

(掲載日:2012-08-10)

タグ:哲学 倫理  
カテゴリ その他
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よくわかるスポーツ文化論
井上 俊 菊 幸一

 教科書のような体裁で、多岐に渡るトピックがコンパクトにまとめられている。欄外にて用語説明や文献紹介がなされ、基礎から発展までカバーする。
 教育、ビジネス、地域といった様々な視点を含み、調査法にまで言及している本書は、スポーツを学ぼうとする人にとって必携の書と言っても過言ではない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ミネルヴァ書房

(掲載日:2012-08-10)

タグ:スポーツ文化  
カテゴリ その他
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Jリーグ20周年記念フォトブック


 最初の1ページから最後の1ページまで、写真によって魅せることが徹底されている。ストイコビッチなど前半にはプレー写真で、後半には監督として登場する人もいれば、三浦和良のようにユニフォームが変わりながらもピッチに立ち続ける様子が収録された選手もいる。また、シンプルなキャプションはその当時の熱はもちろん、読み手の思い出をも呼び覚ますのではないだろうか。
 スポーツ活動など身近なことについて写真などで記録し、1冊にまとめておくのもよいかもしれないと思えてくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東邦出版

(掲載日:2012-12-10)

タグ:サッカー 写真 
カテゴリ その他
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英国における拠点大学のスポーツ戦略 ラフバラ大学と国際スポーツ組織の動向について
久木留 毅

 ラフバラ大学のスポーツ教育は英国でも高い評価を得ている。そこで1年間研究活動と情報収集を行った著者ならではの1冊だ。大学内の設備や組織、さらに外部とも関わる事業内容が詳しく紹介されている。
 後半ではヨーロッパのスポーツ戦略と題して、地域に密着するプロクラブや、国際カンファレンスの様子、さらにヨーロッパに本部を置く国際スポーツ組織の取り組みにも切り込む。
 オリンピックを控える日本にとって参考になる情報が詰まっている。



(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:専修大学出版局

(掲載日:2016-02-10)

タグ:英国 スポーツ戦略 
カテゴリ その他
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低予算でもなぜ強い? 湘南ベルマーレと日本サッカーの現在地
戸塚 啓

 日本のスポーツチームは、大企業にバックについてもらうか、それ以外は低予算でやりくりせねばならないとよく言われる。Jリーグ参加6年目にメインスポンサーが撤退、市民チームとなった湘南ベルマーレは後者だが、「今ある予算で何ができるか」という考え方はしていない。それを、J1昇格を決めた2014年前後に限らず、市民チームとなってからの約15年にわたって追ったのが本書だ。チームの会長、社長、監督、テクニカルディレクター、営業本部長、事業部長は、プロとして地域に何を与えられるかを出発点に湘南らしいサッカーを貫き、それを可能にするべく市場を広げてきた。低予算だからこそ甘えずに理念を極めた結果、成績もついてきつつあるのがわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:光文社

(掲載日:2016-03-10)

タグ:サッカー マネジメント 経営 
カテゴリ その他
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なぜ人は走るのか ランニングの人類史
トル・ゴタス 楡井 浩一

走る目的の変遷
 原題(Running: A Global History)の通り、古今東西のランニングの歴史である。人々が何を得るために走ってきたのかにフォーカスし、その変遷を探っている力作。
 ところで皆さんには、実生活において、足が速くて役に立ったという経験があるだろうか。私にはある。高校生の頃のことである。せっかく前夜に終わらせておいた宿題を家に忘れてきた。当時私は家から片道徒歩10分の高校に通っていたのだが、授業の休み時間(10分間)の間に家まで走って取りに行き、次の授業に遅刻することなく、事なきを得たのだ。私のマヌケな事例はさておき、古来より人々が走ってきた目的は何だろうか。金と名誉。この2つは今も昔も変わらない。
 古代から19世紀半ば頃までは、伝令走者が活躍した時代である。名誉ある職で、報酬もよい。貴族は駿馬や強靭な走者を抱えることを、実際上もステータスとしても重視した。走者が主人の名にかけて競争する見世物のようなレースも開催されて、優勝者には大変な名誉と賞金が与えられていたようだ。
 その一方で、下層階級の間で様々な賭けレースも盛んに行われていた。勝者には高額な賞金が与えられ、時には走者が自分に賭けることもあった。それに伴い不正やいかさま・八百長なども横行していた。わざと負けたり、調子の悪いふりをしたりしてハンディキャップや配当を操作したりもした。そういった下層階級の者たちが金を賭けて騙し騙されしながら走る姿に対抗した、上流階級の「あんな風にはしたくない」という気持ち、言い換えれば差別意識が生んだ倫理観が、19世紀後半から台頭するアマチュアリズムである。
 上流階級の紳士とは、労働をせず資産の利子や土地収入によって生活していた人たちのことであり、身につけた知識や技能を生活のよすがとするのは紳士失格を意味する。彼らにとっては、金を賭けたり賞金の授受などは唾棄すべきことである。紳士たちは、腐敗や不正のないスポーツ、「競技のための競技」を目指した。そういう背景から生まれたアマチュアリズムは、下層階級を近代スポーツから排除していった。

本当のプロランナーとは
 現在ではアマチュアリズムというのは死語に近い。報酬の多寡や地位にかかわらず、卓越した能力を持った者には「プロフェッショナル」として尊敬の眼差しを注がれ、「アマチュア」は大したことないとか低レベルの者といった、見下した表現に使われている。
 現代ではすっかり立場が逆転してしまった感のある「プロ」と「アマ」であるが、走ることで報酬を得てそれで生活するという、本当の意味でのプロランナーとはどういうものだろうか。私が本書の中で一番印象に残った一節を引用して紹介したい。「ヨーロッパから見れば、アフリカはランナーの国のように見えるかもしれない。しかし、アフリカでジョギングが流行ったことはないし、車を持っていない住民は走ることより歩くことを好む。ヘンリー・ロノの子どもたちは、ケニアの理想的なトレーニング場の近くに住んでいるにもかかわらず、走ってもいないし、体を鍛えることすらしていない。ハイレ・ゲブラセラシェが走ったのは、家計に余裕を持たせて、自分の子どもたちが父親のように走らなくてすむようにするためだった」
 結局、見世物レースが形を変え、今も続いていると感じるのは私だけだろうか。

いつかやめる日はくる
 私の指導するクラブの子どもたちはなぜ走っているのだろう。クラブの練習日には宿題を超特急で終わらせ、友達とも遊ばずにせっせと通ってくる。まさか、親が将来儲かることを期待して、というわけではあるまい。自分は走ることが得意だから、それを磨いて活躍したいと思っているのかもしれない。
 しかしいずれ、その子たちにも走ることをやめる日がくるだろう。楽しみとして走り続けることはあっても、競技者としていつまでも走ることはできない。そうなっても、クラブで速く走るために練習を続けた日々が、子どもたちにとって、よい思い出となってくれればそれでいいし、その経験が他のことにも参考になってくれたら、なおいいと思う。生活のために走るということの過酷さを思うと、金にもならないことに情熱を傾けられる今の境遇に感謝しなければならない。
(尾原 陽介)

出版元:筑摩書房

(掲載日:2013-04-10)

タグ:人類史 ランニング 
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新・野球を学問する
桑田 真澄 平田 竹男

正論の重みは変わる
「正論」とは道理にかなった正しい議論・主張と定義される。誰でもわかるような正論とおぼしき言葉が吐かれたとしても、誰がそれを放ったかでその重みは変わる。物事を大多数の人々と異なる視点からも眺められ、異なる立場に立った主張も慮り、客観的な現実をより理解する人が話す言葉なら、結局は元の道理と何ら変わらぬことであっても、真理を伴った正論と響くだろう。またそのような人であれば、多くが正論と錯覚しているものとは別の場所にある本質にたどり着くのだろう。ただ、それでも「正論」などこの世の中では取るに足りないとその存在力を失うことも多い。

師弟対談
 さて、本書は元プロ野球選手である桑田真澄氏と早稲田大学大学院スポーツ科学研究科教授平田竹男氏の師弟対談記録として2010年に刊行された「野球を学問する」を単行本化したものだ。対談記録であるので、全文会話形式である。ただ文庫化に伴って両氏による新たな対談が実現し、スポーツ界の体罰問題をはじめ、松井選手の引退や松坂選手に関する話題など、新たな語りおろしが後半に収録されている。
 読売ジャイアンツからピッツバーグパイレーツでの現役生活を終えた後、桑田氏は早稲田大学大学院平田ゼミの門を叩いた。社会人修士課程1年制第4期生として完成させた論文「野球道の再定義による日本野球界のさらなる発展策に関する研究」が最優秀論文賞に選ばれたのは周知の通りである。同課程には現役アスリートや元アスリート、スポーツ指導者といったスポーツ現場出身の人材だけではなく、スポーツビジネスや報道関係、医療界の人々が卒業生として名を連ねている。

正論が照らし出す
 桑田氏の話にはごもっともといった言葉が並ぶ。輝かしい実績がある上に、未だに貪欲に学び野球界に貢献したいと考えている人だけに、それらは心地よく「正論」として響く。「練習量の重視」から「練習の質の重視」へ、「絶対服従」から「尊重」へ、「精神の鍛錬」から「心の調和」へ、それぞれ野球道を再定義した上で、その中心となる言葉に彼は「スポーツマンシップ」を挙げている。この言葉をあえて戴くことに野球界には根深い問題が存在する印象を受ける。「アマチュア野球をよくしていけばプロ野球は自然によくなる」と述べている部分もあるが、実際はプロ野球界を根本的に改革しなければならないことは、おそらく持論を持った上で考えているのだと思う。アマチュア野球界はともかく、プロ野球界こそ、この「スポーツマンシップ」という言葉を再認識しなければならないと考えているように感じる。
 だが人格と実績を兼ね備えた人がどれだけ説得力のある「正論」を吐いても、世の成り立ちはおいそれとは変わらない。「正論」より「旨味」や「実入り」のほうが、多くの人々にとってより魅力的であるということは世の常だろう。プロ野球界のように、他のスポーツ界とは一線を画す巨大な怪物たちの巣窟を根底から改革しようと思えば、平田氏の言うように、桑田氏が仮に将来プロ野球のコミッショナーに担がれたとしても、魑魅魍魎が跋扈するオーナー会議を掌握できるほどの力がなければ、何もできないままお飾りに終わるのだろう。そもそも年間144試合も行うプロ野球選手に、スポーツマンシップを要求することが現実的なのかもわからない。割り切って野球勝負師とでも呼称したほうがいいのかもしれない。

待たれる中心人物
 それでも、2011年にスポーツ振興法を50年ぶりに全面改定したスポーツ基本法が施行され、2012年には同法規定に基づき「スポーツ基本計画」が策定され、スポーツ省の設置も提言されている。プロ野球界を例外としない行政側からの尽力、スポーツマンシップの名に恥じない健全なるスポーツビジネスを展開する実業界からの尽力、それを支える存在としてのファンの尽力など、さまざまな領域の大きなうねりなしにはその巨躯を動かすことはできないだろうが、今は点在するそれらを、「正論」のみならず「旨味」や「実入り」をうまくスパイスとしてまとめ上げる中心人物、ないしは精鋭チームが存在すれば面白いだろうと、他人事として無責任に考えた次第である。
(山根 太治)

出版元:新潮社

(掲載日:2013-07-10)

タグ:野球 
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武術と医術 人を活かすメソッド
甲野 善紀 小池 弘人

とらわれない発想
 私事だが、亡父の故郷に祖父が建てたという一家の墓がある。近くを流れる斐伊(ひい)川の上流だかで手に入れたという大きな楕円の墓石は、およそ一般的なそれに見えない。しかも「山根家之墓」ではなく「総霊」と刻まれているのだからなおさらである。手前味噌ながら、まだ父が小さなときに亡くなったその祖父のセンスが私は大好きである。「つまらない常識とかしきたりなんかどうでもいい。固いこと言わんと、入ってきたいモンはみんな入ってきたらいいのさ」というおおらかさが感じられるからだ。おおらかさの中にも俺はこうだよという自分の立ち位置を持っているところがなおいい。
 いろいろと仕組みができ上がりすぎて、こうでなきゃならんという根拠に基づく常識とやらが跋扈し、どうにも型破りには生きにくいこのご時世である。そんな社会の恩恵をも感じる一方で、平々凡々たる我が身ながら人と違った自分の価値観を大切にしたいと感じるのはそんな血が関係しているのかもしれない。

新境地を切り拓く2人
 さて、武術と医療と銘打たれた本書は、武術研究家である甲野善紀氏と、統合医療を推進する医師である小池弘人氏の対談録である。武術と医療の関係性を語っているのではなく、固定観念に囚われない柔軟な発想で新境地を切り拓く物事の捉え方、考え方を語り合った内容である。
 冒頭で、甲野氏が自身で辿り着き磨いた技がスポーツ界になじまないことに疑問を呈す場面がある。その理由を、固定観念からの脱却を恐れ、伝統の縛りから抜け出せない指導者の不明と断じているが、このあたりには違和感を禁じ得ない。もちろんそんな側面があることも否定はしない。しかし、たとえば流れの中で多数対多数で戦うスポーツでは個々の技は活かしにくい上に、うまく工夫して取り入れようとしても単に他によりよい方法があるのかもしれない。スポーツの現場も常によりよくなろうとしているのだ。教条主義を否定しながらも、それゆえに教条主義の香りが漂う部分でもある。
 己が信じる確固たる考えを持っている場合、その思いが強ければ強いほどそうなるのかもしれない。それが、わかりやすく整理された論理によって統合医療を説明しようとする小池氏によってごく自然に軌道修正される。
 中盤から後半にかけては甲野氏の独創的な身体理論を基にした武術論や、その他の社会情勢に対する押し出しの強い持論と、懐の深い小池氏の「現代医療と相補代替医療の統合された医療体系」である統合医療の考え方が、相乗効果でうまくまとめられていく。対談の妙である。

覚悟が必要
「教条」から「折衷」へ、またこの先理想とする「多元」に流れをつなごうとする現代の統合医療は「患者さん中心の立場から、包括的・全体性を重視しつつ、個々の人にあった治療法ならびにセルフケアを自らが選択する医療」という側面も持つという。自分が鍼灸師であることも無関係ではないだろうが、この統合医療の考え方には共感する部分が多い。なによりこの医療は患者に甘えを許さない厳格なシステムだという見方もできる。自分の生き方、そして死に方に対して己自身の意志で覚悟を持って向き合うことにつながるのだ。これは周りの人たちとの横並びで納得できるものではないだろう。そして誇りを持って生き抜くためには、このことはそもそも避けては通れないことなのだ。
 本書に哲学者西田幾多郎の「最も有力たる実在は種々の矛盾を最も能く調和統一したものである」という言葉が引用されている。調和統一できる位置は人によってさまざまだろうが、それぞれの立ち位置を尊重しつつ己のあり方を自在に定める。まさに生き方の問題である。それにしても、さまざまな社会問題に翻弄されてはいるが、このようなことを考えられる余地のある社会に生まれたことはなんと幸運なことか。

己を定める鍛錬
 再び私事ながら、干支が4周りするこの年に先駆け、昨春から長男坊を出汁に空手を始めた。幼稚園児や小学生が中心の道場で白帯を締め、汗を流して1年余りが経った。形を覚えながらも形に囚われず、力みすぎる傾向にある我が身をいかにうまく使えるようになれるか探求の日々である。目標はあれこれ技を駆使できるようになることでなく、拳の一撃を、蹴りの一撃を、どれだけ強く速く打ち込めるようになるかである。それでいい。それがいい。こんな些事が、己の立ち位置を定め、日々の暮らしを覚悟あるものにする手助けとなる。
(山根 太治)

出版元:集英社

(掲載日:2013-09-10)

タグ:武術 統合医療 
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障害者の体力評価ガイドライン 脳血管障害・脊髄損傷
日本リハビリテーション医学会障害者の体力評価ガイドライン策定委員会

 障害を持つ人が運動を行う際、安全管理はとくに重要で、そのためには状態の把握が欠かせない。だが、傷害者の体力を評価する指針がこれまでなかったことから、議論を重ね、本ガイドラインがまとめられるに至った。そもそも「体力とは」まで立ち返り、各要素の評価法を紹介している。後半ではリハビリの現場で割合の多い脊髄損傷者と脳血管障害者の体力評価について、Q&A方式で解説している。
 運動を取り入れる際に抱きがちなためらいを取り払う一助となるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:金原出版

(掲載日:2013-09-10)

タグ:体力評価 障害者 
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スポーツ・インテリジェンス オリンピックの勝敗は情報戦で決まる
和久 貴洋

 国立スポーツ科学センターに情報戦略部門が設置されて以来、情報戦略分野において活躍してきた和久氏が、これまでの活動内容や展望をまとめた興味深い一冊だ。
 イギリスやオーストラリアを始めとした世界各国の取り組みはもちろん、日本の「マルチサポート・ハウス」についても、設置に至るまでの経緯が裏方のスタッフ視点で紹介されている。これらから言えるのは、現代のトップスポーツは選手発掘やスポーツ医・科学サポート、情報分析など総力戦であるということだ。総合的な強化を行うには時にイノベーションが必要になるが、過去の例をみてもオリンピックの自国開催は大きなチャンスだという。
 もちろんオリンピックなどのトップレベルに限った話ではなく、インフォメーション(生情報やデータ)とインテリジェンス(分析・評価された知識)の違いや扱い方のわかりやすい解説は、勝利に向けた戦略を立てる上で大いに参考になる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:NHK出版

(掲載日:2013-11-10)

タグ:情報 
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宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方
古川 聡

地球人がひとつに
 もう20年近く前になるだろうか。国際宇宙ステーション建設に伴う宇宙飛行士募集記事に強烈なインパクトを受けた。宇宙といえば、どこかに正義の巨人たちの星を含むM78星雲があるんだという夢の存在として出会い、空飛ぶ戦艦や汽車が旅し、機動歩兵を用いた地球人同士の戦争の舞台であったり、様々な異形の種族が入り乱れてこれまた戦争を繰り返しているような存在、つまりファンタジーの世界としての認識しかない場所である。
 もちろん一昔前にアポロ計画により人類はすでに月に到達していたし、スペースシャトルやソユーズは何度となく大気圏を離脱していた。宇宙ステーションや人工衛星などは当たり前のように地球の軌道を周っていた。しかしそれでも宇宙というよりまだ地球の周辺だという印象だった。そこへ「国際」という言葉が加わっただけで、その響きに、無限に広がる大宇宙に向かってとうとう地球人がひとつになり始めたのだと、SFテイストではあるがそんな印象を感じ取ったのだ。

宇宙空間という環境で
 さて本書は、医師でもある宇宙飛行士、そして国際宇宙ステーションにおいて連続宇宙滞在期間日本人最長記録(2014年1月現在)を持つ古川聡氏の著作である。「宇宙飛行士がリスクやストレスに打ち勝つため、そして『想定外の事態』に対応するためにどう『受け止め』、『考え』、『対処して』いるのか」を紹介、「宇宙飛行士の心の鍛え方」が学べる内容になっている。「人間関係からくるストレス」「組織に対するストレス」「リスク」「先が見えない不安」「理不尽な出来事」「想定外の危機」。これら心を揺さぶる様々な要因に対して、宇宙飛行士がどのように考え対応しているのだろう。
 各章の最後にはまとめがあって、それだけを読めば、どこにでも載っていそうなことが書いてあると感じる。しかし、第1章ではいきなり宇宙ステーションへ秒速数キロメートルで飛ぶデブリ(宇宙ゴミ)が接近するという深刻な警報から話が始まる。外へ投げ出されれば、そこはヒトにとっては死の世界。その環境で「平常心で向き合える『くせ』をつけることを心がける」なんてできるのだろうか。「宇宙飛行士はミッションを遂行する技術の習得と同時に、こうしたリスクやストレスへの対応を訓練によって学び、身につけていく」その準備を周到に重ねていたとしても。

最高のチームが支えるパフォーマンス
 古川氏は「身体を鍛えることで体つきががっしりして見た目も変わってくるのと同じように、『心を鍛える』事で得られるオーラとは、何事にも対応できるという『自信』」だと言う。おそらく訓練中のみならず、普段の生活の中で起こる様々な出来事などあらゆる場面で彼らはそれを磨いてきただろう。また、「選抜された宇宙飛行士候補生が」「宇宙飛行士を支えてくれる人々の存在を本当に理解する事で」「宇宙飛行士のオーラを出し始め化ける」との解説も紹介されている。考えてみれば宇宙飛行士は宇宙を実体験したことのない数多くのスタッフに支えられている。訓練中も、宇宙での任務遂行中も。彼らのその自信は、スタッフとの確固たる信頼関係にも支えられているのだ。
 オリンピックなどトップスポーツの大舞台に立つアスリートにも似たようなことが言えるのではないか。そこに立ったものにしかわからないうねりの中で、自分をいつもの自分に保つ心の力は、周りの人間にはちょっと想像がつかない。だからこそ、彼らのプレーはそのパフォーマンス以上に観ているヒトの心を揺さぶるのだろう。彼らは身体も心も鍛え抜いて、そこに立っているのだから。ただ、そこに至るまでに関わった様々なスタッフとの信頼関係も少なからず力を与えているのも事実だろう。最高のチームが最高のパフォーマンスを支えているのだ。

新たな適応の先は
 それにしても、惑星探査船が想像を絶する距離を旅して帰還する昨今、宇宙はヒトにとってどのような存在になるのだろう。
 重力に馴染み、毒性の強い酸素を利用することで地球という環境の中で命を育んできたヒトは、貪欲にもその環境を振りほどいて、自分たちが普通では生きていけない場所に挑んでいる。宇宙に出ることが叶えば、ヒトは遠い未来には今のヒトではなくなっているのだろう。地球環境に対しては退化する変化だったとしても、新しい環境への適応が起こるのだろう。そのとき、ヒトの身体と心は一体どうなっているのだろう。
(山根 太治)

出版元:マイナビ

(掲載日:2014-03-10)

タグ:メンタル 宇宙飛行士 
カテゴリ その他
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日本体育大学の底力
手束 仁

 近年は体育大学以外でもスポーツの強化に取り組んでいる大学が多い。その中で著者は、日本体育大学駅伝部の活躍に目を留めた。2012年の箱根駅伝では20校中19位だったのが、2013年には総合優勝。まさに「底力」と言える這い上がりぶりだった。
 だが駅伝だけでなく、体操や野球、バレーボールなど日本の伝統競技においても、「やはり日体」というような力が感じられる。それはなぜかと、各部の指導者だけでなく大学の理事長や学長にもインタビューして迫った。
 その結果、挨拶や絆といった精神的な要素も挙げられたが、「日体大生である」ということ自体が、それらを意識するきっかけになるようだ。何に取り組むにしても当たり前のことを積み重ねていくと底力になるのかもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2014-03-10)

タグ:大学 教育 
カテゴリ その他
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日本サッカーの未来地図
宮本 恒靖

外の世界を
 もう20年余り前に通っていた鍼灸専門学校で使用していた解剖学の本。骨や筋を初めとする解剖学用語の横には手書きで英語の名前が記されている。ご丁寧に発音記号付きだ。医学書専門書店に何度も足を運び、学費を自分で稼いでいる身としてはその高額さにためらいながら手に入れた分厚いステッドマン医学大辞典を相棒に、アメリカ留学を目標に重ねていた準備活動の1つだ。アメリカでトレーナー分野のバイブルとされていたArnheim's Principles of Athletic Trainingを注文し、2カ月ほど待ってやっと手に入れたときには小躍りした。毎日ほんの少しずつしか進まなかったが、コツコツと読み込んだ。
 インターネットの普及により、今ではそんな当時からは考えられないくらいに地球が小さくなった。皮肉にも留学生は減少していると聞くが、ネットにあふれる情報を前になんだかわかった気になってしまうのだろうか。人と少しでも違う存在になるために、外の世界を実体験するのは悪くないし、それを通じて母国に還元できることは少なくないようにも思う。

宮本氏の学びの軌跡
 さて本書は、かつてサッカー日本代表を率いた宮本恒靖氏による「FIFAマスター記」である。FIFAマスターとは、「FIFA(国際サッカー連盟)やIOC(国際オリンピック委員会)を初めとするスポーツ機関を支えていく人材の育成を目的に2000年から開設されたスポーツ学の大学院」である。日本人元プロサッカー選手として初めてこのコースを修了した宮本氏が「イギリス、イタリア、スイスを回って、10カ月間の課程でサッカーを中心としてスポーツの歴史、経営、法律を学」んだ過程が紹介されている。「イギリスにおいてサッカーがサッカー以上の存在感を持つ」ことを実感し、それはプレミアリーグの選手たちが「自分が社会的に影響力のある立場にいることを自覚し、サッカー選手の地位と責任を大事にしている」ことにつながると気づく。彼らが現役の間に関わる「社会貢献はセカンドキャリアにもつながる」ことを、もっと日本でも取り入れられないかと考える。やはり、身をもって気づき、感じたことで己が活性化される意義は大きい。
 度重なるテストに苦労した様子や、初めてパワーポイントを使った話、グループでのファイナルプロジェクトのテーマが「ボスニア・ヘルツェゴビナの民族融和に向けてユーススポーツアカデミー立ち上げの是非」だったことなど、充実した日々のエピソードはどれも興味深い。「広い視点でサッカーを観ることができるようになった」上で語る日本サッカー界への提言も最後に語られる。「日本のサッカーを、サッカー以上のものに」し、「サッカーを文化にする」という今後の取り組みに期待が寄せられる。実は宮本氏引退後からこのFIFAマスター入学までの間に、私は彼の公演を間近で聴く機会に恵まれた。お馴染みのルックスのよさに加えて、うまく構成されてわかりやすく語られる話術から感じるスマートさ、参加していた少年たちへの優しい眼差し、惚れ惚れするとはこのことだろう。語られるエピソードも、自立心や考察力、決断力に溢れており、カリスマ性を持った存在感だった。

増えてほしい人材
 こんな人材がスポーツ界にもっと増えて欲しい。スポーツをスポーツ以上の存在にするためには、よりよい文化とするためには、相応の人材が必要だ。宮本氏自身、FIFAマスターの入学審査の1つである6種の英語レポートの中で「スポーツを通して『人を育てる』という部分にもっとフォーカス」したいという内容を取り上げている。事実、彼がプロデュースするミヤモトフットボールアカデミーは「サッカーを通じて、子供達の人間的成長を目指し」すことをミッションにしている。「サッカーの『技』や『体』はもちろん、サッカーを楽しみながら相手を思いやる『心』も磨いていく」ことを重視しているのだ。「子供達が能動的にサッカーに取り組めるような環境を作る。その整備が『文化』を生み出す一つの手段になる」と信じて。
 このようなスポーツ既存の枠を越える存在を生み出すためには、幼い頃からひとつの競技ばかりに打ち込む子どもを増やすことはマイナス要因もあるように感じる。一流選手にするために早々に競技を絞るより、複数の競技に触れる機会を持ち、勉学も決しておろそかにしない、スポーツを通じて一流人間を育てる試みがもっとあっていいだろう。宮本氏は今後サッカーという競技の世界で重要な役割を担っていくだろうが、できうるならその枠を越え、より大きくスポーツ界全体に影響を及ぼせる存在となってもらいたい。若い世代のスポーツ留学などがもっと盛んになれば、よりおもしろい人材が輩出できるのではないだろうか。

次の世代へ
 私などは留学経験を活かしながらも目の前で直接関わる学生たちを育てることで精一杯だ。しかしトップアスリートたちの若い世代への影響力は計り知れない。
 私の知るラグビートップリーグの選手には「ラグビー伝道活動」と銘打って、忙しい中学生や児童相手の普及活動に精を出しているものもいる。彼らはラグビーの普及のみならず、ラグビーを通じて子どもたちが健やかに育ってくれることを願いながら活動しているのだ。競技記録だけでなく、大きな報酬だけでなく、十分な教養とグローバルな視点を持ち、スポーツという文化を担える人の育成に一役買う力を持った選手が今後ますます増えることを期待している。
(山根 太治)

出版元:KADOKAWA

(掲載日:2014-07-10)

タグ:サッカー セカンドライフ 
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応援する力
松岡 修造

 熱血応援のイメージが強い著者。選手として五輪に出場した際から各競技会場に足を運んでいた。そこまでするのは、海外での試合中声援に力をもらった経験、そして自分で自分を応援しようとしてもなかなかうまくいかないことを身をもって知っているからだ。
 ただ、本書は「自分がいかに応援しているか」ではなく、「応援することによっていかに力を与えられたか」に多くのページが割かれている。「応援」はスポーツに限ったものでなく、家族や同僚など身近な存在相手にも行える。ただ「頑張れ」と言うのではなく、状況やその人に合ったやり方を見極める、それが応援する力だ。
 応援は時に「苦言」と思える場合もある。それもポジティブに受けとめられる、「応援せずにはいられない人」であろうという著者のメッセージには、日々の取り組みを振り返らずにはいられない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:朝日新聞出版

(掲載日:2014-07-10)

タグ:応援 
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知って感じるフィギュアスケート観戦術
荒川 静香

 技術解説と注目選手紹介を中心とした本書。ソチ五輪前に発行されたものだが、内容はわかりやすい。また、今だから話せる五輪の舞台裏の話も興味深い。
 国内でフィギュアスケートに注目が集まっていくのを選手・解説者として体感した著者ならではの視点により、競技の新しい面が見えてくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:朝日新聞出版

(掲載日:2014-08-10)

タグ:フィギュアスケート 
カテゴリ その他
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なぜ皇居ランナーの大半は年収700万以上なのか
山口 拓朗

 本書で紹介されている「RUNNET」というポータルサイトの調査によれば、男性皇居ランナーの54%がタイトルのように年収700万円以上だったという。このデータからスタートし、走る練習がいかに仕事の段取りに応用できるか、また土台となる身体のメンテナンスに役立つかを解説している。引用されている経営者たちの言葉を見ると、彼らは運動の効能に気づいている。運動の中でもっとも低コストに、気軽に行えるのがランニングというわけだ。
 一部の経営者に留まらず、東京マラソンなどで走ることに興味を持った社会人は、都内では珍しく信号に止められることなく5km走れるスポットである皇居外周に集まった。著者自身もランニングを始め、体調がよくなり、それによって仕事や人間関係も好転したそうだ。読者に「自分にもできるかも」と思わせるような説得力がある。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:KADOKAWA

(掲載日:2014-09-10)

タグ:ランニング 
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希望のトレーニング
小山 裕史

そもそもトレーニングとは
 トレーニングとはそもそも何だろう。鍛錬という言葉をあてるなら、それは「体力、精神力、能力などを鍛えて強くなること」ということになる。野生動物はトレーニングなどしないのに優れた能力を持つとよく引き合いに出されるが、彼らは常に生き死にを賭けた大勝負の中で生きている。全力で獲物を仕留めた後や、やっとのことで逃げ切った後は疲労困憊でひどい筋肉痛にしばらく悩まされているのかもしれない。
 それに彼らだって誰もが皆初めから狩猟や逃走がうまいということではないだろう。それでも栄養源を確保しなければ、あるいは逃げ切る力がなければ生き残る確率は急降下する。だからと言って無茶をして肉離れや腱の断裂でも起こそうものならそのまま死に直結するのだから、本番の中で最も効率的な動きを自然と探ることになる。本能の上に経験を積むうちに、無駄なく、より楽に、より安全に生き残る術を獲得するようになるのだろう。
 つまり、自らが存在するその環境に適応し、種を残すために生き残ることそのものが「体力、精神力、能力などを鍛えて強くなること」を余儀なくしているのだ。紛争もなく豊かな国に暮らすヒトは、野生動物に比べればはるかに安全な上、便利な道具たちに囲まれて大して身体を使う必要もない。そんな環境に適応(?)したヒトたちはブクブクと肥えていく。病気などではなく不摂生で重たくなった我が身を嘆いて痩せたいなどという悩みなど、どれほど贅沢なことか。そんな風に考えると、アスリートであれ一般の愛好家であれ、現代人がトレーニングを積む目的には、人間の限界を高めるということと裏表でヒトの本来あるべき姿への原点回帰という側面があるように感じる。

環境への適応
 ともあれ、世にトレーニング理論というものは無数に存在する。ある理論を唱える人がそれ以外の他者を否定するというのはよくある光景だが、未だに唯一無二のゴールデンスタンダードが確立されないのはなぜだろう。どれも決定的でないから、というより、それだけ多様なニーズがあるからだろう。
 環境に適応するということは、与えられたストレスによりよく対応できるようになるということだ。つまりストレスの種類によって進むべき方向が変わるのだ。それが人間本来の姿への歩みであれ、今までにない新たな姿への歩みであれ、自分がありたい姿になるための方法である以上、ヒトの数だけあってもおかしくはない。  本書は、鳥取から世界に独自のトレーニング理論を発信する小山裕史氏の「初動負荷トレーニング」という方法に出会い、その恩恵を受け、魅せられ、今も取り組み続ける人たちのインタビュー集である。ニューヨークヤンキースのイチロー選手を初めとする錚々たるトップアスリートの面々に加え、リハビリテーションとして取り組む方や、アンチエイジングの方法として取り組む高齢者の方々など、一般の人たちも紹介されている。

理想を求めて
 身体が発揮する力を変える要素としては、筋横断面積、筋の種類や構造、筋線維動員数や発火頻度、また伸張反射やそれに伴う相反性抑制など神経と筋のコンディション、大脳興奮水準、関節を支点とした負荷のかかる作用点と筋の停止である力点との位置関係、主働筋と共働筋や拮抗筋の協調性、身体部位同士の協調性、栄養状態、呼吸状態など、枚挙にいとまがない。しかしそれら全ての条件を整えたとしても、各部位が統合された身体全体の使い方を抜きには結局は語れない。筋肉は収縮することがその生理的機能だが、収縮することで関節を動作させることもできれば固定することもできる。50歳手前になって今一度その身体の使い方を磨きたいと空手を始め、ようやく2年半ほどになる私も、自分の身体と奮闘する日々の中、なりたい自分へのトレーニングを続けている。あくまで自分の感覚的な話になるが、正拳突きひとつとっても、末端である手から動作を開始すると、より近位である肩周りの筋はそれを支持しようとし、関節を固定する力が優位になるように感じる。代わりに下半身から腰、そして肩甲骨へと力を伝えることで結果的に拳が前に進むという感覚で動かせば、肩周りの筋肉は動作力が優位になるように感じる。動きの結果だけ見れば同じような形になるが、そのプロセスは拳が走るという感覚で大きく異なる。
 もちろんより大きな筋や関節で発揮した力をより小さな末端に伝えることでその速度が上がるのだが、介在する動くべき関節で筋の固定力が強く、固定すべき関節で動作力が強いとロスが大きくなり、その逆であれば効率的に全身が動作できるという感覚である。
 下半身で言えば、足から歩くのではなく股関節の動作の結果、足が前に進んでいく感覚だ。当たり前と思われるかもしれないが、私にとっては意外に難しい。自分の不器用さを棚に上げるならラグビーという強い外力がかかる競技でのトレーニングを長く行ってきたことも原因のひとつのように思える。外向きに発揮するための内力を効率的に高めるということであれば、先に挙げた中心から末端への感覚は非常に大切だと実感する。しかしラグビーのスクラムやタックルのように大きな外力を流すことなく受け止める場合には、関節の固定力を上げなければ対応できない。
 どちらがいいとか悪いとかではなく、必要なときに必要な使い方が自由自在にできることが理想だと思う。空手の形でも、動作力を高める使い方が多いが、しっかりと、しかも瞬間的に固定することも求められる。肩甲骨や骨盤の使い方を中心にした動きを掘り下げるほど、身体の使い方を習得するための形の価値が深まる。これは楽しい。
 ありたい自分に近づくためにトレーニングがあるなら、ありたい自分になり得る環境づくりや負荷の加え方が必要であり、それは基本的に自分で探り当て、またつくり上げていくものなのだろう。そしてイチロー選手が本書の中で自身が取り組む「初動負荷トレーニング」を指して言うように、「本来人間が持っている能力をさらに大きくできる」ものであるべきなのだ。己がどうあるかという生き方そのものに通じることでもあるのだから。
(山根 太治)

出版元:講談社

(掲載日:2014-11-10)

タグ:トレーニング 
カテゴリ その他
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xはたの(も)しい 魚から無限に至る、数学再発見の旅
スティーヴン・ストロガッツ 冨永 星

避けてきた数学
 数学というのは、学生時代は、できればおつきあいしたくないものの1つであった。
 それでも大人になるにつれ、さまざまな場面で数字で表わされる事柄を見ると、やはり逃れられないのだなと感じる。仕事に就いた今も、数字と向き合わない日はない。学生時代にもっとしっかり勉強しておけばよかったと今さらながら思っている。そういう負い目もあり、時折、数学や物理に関する本に手を出してみたりもする。
 書店でふと本書と目があってしまった本書の原題は「The joy of χ -a guided tour of mathematics, from one to infinity」。「χの喜び 1から無限の数学のガイドツア-」かぁ。なんだか難しそうだが、面白そうでもある。思った通り、難解な部分もあるが、エッセイとして読むのには文句なく面白く、ところどころにある例題に立ち止まり、じっくり考えてみるのも楽しかった。

導いた答えは
「1週間の休暇を取ることになったあなたは、出発する前に、ぼんやりした友人に弱っている植物に水をやっておいてくれと頼む。水やりを欠かすと、その植物は90%枯れる。そのうえ、ちゃんと水やりをしても枯れる確率が20%、さらにその友人が水やりを忘れる可能性が30%。このとき、(a)植物がこの1週間を乗り切れる可能性、(b)あなたが戻ったときに植物が枯れていたとして、友人が水やりを忘れた可能性、(c)友人が水やりを忘れたとして、戻って来たときに植物が枯れている可能性はどのくらいか」
 このような実際的な問題は、私たちの身の回りに数えきれないほどある。
 日々、好むと好まざるとにかかわらず、必要に迫られてどうにか対処しているのだが、どうも数学というのは実際とちょっと違うのではないかと感じるときもある。
 この友人に水やりを頼む問題も、どれとどれをかけ合わせるべきなのか、わけがわからなくなる。そこで私が導いた答えはこうだ。(a)(b)(c)ともに50%!。枯れるか枯れないか、水をやったかやらないか、2つに1つだからだ。
 水やりを欠かすとその植物が枯れる確率は90%ということだが、言い換えると10回に1回は水をやらなくても枯れないということである。しかし、タイムマシンでもない限り、同じ植物と条件で10回試してみることは不可能だし、そもそも、忘れる可能性が30%もある友人にこんな大事なことを頼んではいけないのではないか、とつい余計なことが気になってしまう。

わからないなりに楽しい
 科学的思考ができない奴だと言われるかもしれない。著者も「このような問題で正しい答えを得るには、全てが確率通りに起きるとみなす必要がある」と書いている。しかし、やはり、10回中1回の確率だとしても、最初の1回目だけが現実の結果なのだと思う。10,000回に1回の確率と言われていることが連続で起こることだってあるだろう。
 単純化することで、却って自分が感じている実感と数字との間に隔たりができる。なんとなくうまく言いくるめられているような妙な警戒感を持ってしまう。その挙句、数学など閑人が小難しい理屈をこねて悦に入っているだけなのではないかと思ってしまう。ついていけない者の僻みだろうか。「数学とは元から存在するものを人が“発見”するのだろうか? それとも人間による“発明”なのだろうか?」という議論が古くからあると聞く。eとかiとかπとか√とか、そういうものは人間が考え出したのであって「元から存在する」のではないだろうと思う。
 一方で、私が見えていないというだけで、実際にそこらへんにあるのではないかという気もしてくる。
 数学者たちには、私には見えない世界が見えていて、私には分からない言語(数式)で会話をしている。残念ながら私には「x」に喜びも楽しさも頼もしさも感じられないし、無限に微分積分に正弦波に指数・対数…とクラクラしそうなテーマが続く。それでも、ぐいぐいと読み進めてしまう力が本書にはある。きっと、著者が「ね、面白いでしょ」と無邪気に話しかけてきているせいだ。翻訳本によくある日本語の違和感も全くなく、読みやすい。
 この「ガイドツアー」で全く別の世界をのぞき見させてもらい、自分の知らない世界の存在を感じ、わからないなりにとても楽しかった。
(尾原 陽介)

出版元:早川書房

(掲載日:2014-12-10)

タグ:数学 
カテゴリ その他
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健康ブームを問う
飯島 裕一

 初版2001年3月19日。15年も前の本である。それにも関わらず内容が色褪せていない。驚きである。
「でもなぜ? なぜ色褪せていないのか?」。ぜひ、そのようなことを考えながら読んで頂きたい本だと思う。
 著者飯島裕一氏がこれまでインタビューされてきた中から「健康ブーム」をいくつかの角度で切り取っておられる。「健康ブーム」の「ブーム」という言葉からは偽物の香りが漂ってくる。健康ブームを見ていくことで、健康の意味を考えるきっかけになるだろう。
 医療関係に携わる一人として耳が痛いテーマばかりである。読み進めると医療関係者の端くれとしての言い訳が頭の中をよぎる。結果的に、私は自戒の念を持ちつつ本書を読むことになった。
 健康には各人各様の受け止め方がある。自分自身の健康観を見つめ直すきっかけとして、本書をご利用になってはいかがだろうか。
(脇坂 浩司)

出版元:岩波書店

(掲載日:2016-05-21)

タグ:健康 ブーム 
カテゴリ その他
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名言珍言108選 トップアスリート編
手束 仁 創部線の会

 1960年から2015年までにあったオリンピックやトップリーグ、全国大会における選手・指導者のコメントを紹介。1つの言葉に見開き1ページというシンプルな構成となっており、日本のスポーツの歩みのダイジェストのようにも読める。
 興味深いのは、現在は有名な選手が若手時代に発した言葉だ。「このときこう言っていたから、その後の活躍があったのかも」と思わせられる。発言がメディアに取り上げられるトップアスリートでなくとも、そのときどきで思ったことを記録しておけば、後に読み返して初心を思い出せるかもしれない。
 言葉の持つ力が改めて感じられた。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2015-05-10)

タグ:言葉 
カテゴリ その他
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ご飯が食べられなくなったらどうしますか? 永源寺の地域まるごとケア
花戸 貴司 國森 康弘

医師からの問い
「ご飯が食べられなくなったらどうしたいですか?」「寝たきりになったら、病院か施設に入りたいですか?」。逆説のように聞こえるが、これは「最期まで自分らしく生きるために必要な準備」を整えておくためにと発せられる、医師からの問いだ。
 本書は「誰しも迎える必然の時である」“死”を、「命を受け継ぐ」ときとして「地域まるごと」の体制で見つめ、それぞれの「人生の最終章」をよりよく“生きる”ための手助けをしようとする診療所医師の活動の記録である。

上昇志向だけでは
 若いころ私は、“子どもから大人まで”“一般健常者から競技者までを対象とした健康の保持・増進を目指す”といった内容で授業を行えば、“すべての人を対象にした”体育が展開できるのではないかと考えていた。競技での成功など人生の輝ける一幕に助力することや、いつまでも元気に動ける身体づくりに対する助力といった、“体を育む”ことは、確かに体育の重要な役割の1つではあるけれど。
 しかし齢を重ねるうちに、体力には限界があり、命にも限りがあること、いずれ人は老化するし病気にかかることもあること、失われた機能を取り戻すことには限界があること等々、“上昇志向”だけでは人生は済まされないということなどを考えるようになった(何を今さら...だなあ)。
 一方で、マスターズ陸上というベテラン選手ばかりが出場する競技会に出るようになって、絶対的な速さだとか高さだとかいった“記録”のほかに何か別の魅力があるように感じられてきた。真剣勝負(命の交歓)であるが故の美しさ、というようなところは一緒だが、何か普通の競技スポーツとは異なった、齢をとったからこその美しさが表現されているように感じられるのである。とくに60歳を越えると、記録がどうしたとかとは異なる魅力が湧き出てくる、あるいはベテラン選手としての“味”が増してくるように思え、マスターズ陸上とはある種“芸事”と同じなのではないかと考えるに至った。
 価値観が変わると世の中が違って見えるものである。すなわちベテラン選手は齢をとることで記録が“低下する”ものとして映っていた世界が、実は、精進を重ね一味違うものに“変容する”世界だったのである。競技を通じて、記録だけではない何かを育んでいるのである。
 このような感覚を通して、“体で育む”体育というものを考えてみた。すると大きな可能性が体育の授業に内包されているように思えてきた。
 医学部の学生という、いずれは人の最期に直面するような職業に就こうとする人たちを前にして、“教養科目”の体育とはどうあるべきかなどと考えたとき、“体を育む”ことだけでは体育という科目に行き詰まりを感じずにはいられなくなっていたところに、一筋の光明が差した気分だった。“体で育む”体育は、身体を見つめ、身体の声を聴き、身体で表現することだ。歩けなくとも動けなくとも、介護者の手技や優しい言葉に触れること、家族と手を握り合うこと寄りそうことで、様々なことを体感することができる。身体を通して絆を育むことができる。
 体育の授業とは、命を見つめるものでありたいし、よりよく生きるためのヒントを学ぶ場であることができたらいいなと思う。しかしまた、学生や卒業生の姿を見るにつけ、学ばせてもらっているのは私たち教員のほうかも知れないと本音では思ったりしている。

初めての学生の一人
 本書の著者、花戸貴司は、私が初めて受け持った学生の一人だ。ラグビーを愛する、立派な体躯をした元気で優しい学生だったのでよく覚えている。先日、ほぼ20年振りに再会した。何とか私のことを覚えていてくれたようで、「あ、先生! お世話になりました」などと言う。いやいやそんなことはない、あなた方から学びのヒントを山ほどもらったお陰で体育を生業とすることができているんだ。むしろ感謝するのは私のほうで、それより当時の若気の至りの授業、思い出すだけでも恥ずかしく、冷や汗を隠すのが精いっぱいだった。
(板井 美浩)

出版元:農山漁村文化協会

(掲載日:2015-06-10)

タグ:医療 地域 
カテゴリ その他
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日本一わかりやすいマインドフルネス瞑想
松村 憲

 マインドフルネスとは仏教用語で「念」「気づき」などと訳され、瞑想の1つと捉えられるという。臨床心理士の著者は、このマインドフルネスを医療現場に応用した第一人者の定義を参考に「今この瞬間に心を集中させ、判断をしないでありのままを観察する」ことだと説く。1章ではマインドフルネス瞑想を行うことでもたらされる、一般の人が「効能」と思えること(集中力が増すなど)が列記されるが、瞑想に馴染みのない人はかえって「信じてよいか」といった判断をしてしまいがちだ。その場合、2章の具体的な瞑想のやり方、Q&Aを先に読み実践してみる手もある。
 何かが変わったように思うか、何も変わらないと感じるかは人それぞれだろうが、だからよい(悪い)と判断するのではなく、ありのままに気づくことが第一歩となる。トップアスリートは、身につけるプロセスこそ違えど、このような自分の心の扱い方を知っているのかもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:BABジャパン

(掲載日:2015-06-10)

タグ:メンタル 
カテゴリ その他
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ヘンな論文
サンキュータツオ

研究、研究者への愛
 著者はお笑い芸人でありながら大学の非常勤講師も務め、さらにはアニメオタクでもある。そんな著者の趣味の一つである珍論文コレクションの中から、13本の論文を紹介しているのだが、本書の目的は内容について言及することではない。学問とは、研究とは、いかなるものなのかについて熱く語るための本である。本書全体から学問や研究、またそれに情熱を傾ける研究者への愛が感じられる。
 タイトルの「ヘン」以外にも、「ヒマなのか?」とか「どうでもいいことすぎる!」というような、どちらかというと失礼な部類の言葉を芸人さんらしい軽妙な文章に織り交ぜているのだが、それが全然不快ではないのは、愛情を感じるからである。

学者とは
 学問とは「問いに学ぶ」ことである。だから、「問いをたてる」ことがまず大切だ。それが役に立とうが立つまいが。「やりたいこと」「知りたいこと」がまずあって、それにもっともらしい理由を後付けするなんとも愛らしい人種、それが学者である。
 本書で紹介されている論文はどれも面白そうだが、中でも僕が好きなのは「『コーヒーカップ』の音の科学」である。「コーヒーカップにインスタントコーヒーの粉末を入れ、お湯を入れてスプーンでかき混ぜると、スプーンとコップのぶつかる音が、徐々に高くなっていく」ことに気付いた女子高校生と物理の先生がその謎を究明していくのである。
 まず、音が高くなっているのは気のせいでは? という当然の疑問に対し、何をしたかというと、コーヒーカップとスプーンの接触音を録音してパソコンに取り込み、その周波数特性を測定したのである。その結果、気のせいではなく本当に音が高くなっていることが確認されたのである。また、それはインスタントコーヒーは関係なくカップがお湯で温められたことが原因では? という可能性もきちんと実験により、そうではないことを実証している。
 そこから研究を進め、様々なものをひたすらコーヒーカップに入れスプーンでかき混ぜ、ついにあることをつきとめるのだ。詳しい内容は本書を読んでいただきたいが、私が魅かれたのは、立てた問いに対し愚直に向き合う、その清々しいまでの姿勢である。考えられる可能性を一つ一つ丁寧に検証してゆき、結論にたどり着く。それが「だから何?」と言われそうなことであろうと何だろうと、お構いなしに。

研究の面白さ
 著者は言う。「美しい夕景を見たとき、それを絵に描く人もいれば、文章に書く人もいるし、歌で感動を表現する人がいる。しかし、そういう人たちのなかに、その景色の美しさの理由を知りたくて、色素を解析したり構図の配置を計算したり、空気と気温を計る人がいる。それが研究する、ということである。だから、研究論文は、絵画や作家や歌手と並列の、アウトプットされた『表現』でもある」
 先ほどのコーヒーカップの音の研究も、それがわかったからと言って世の中が変わるものではない。だがそれを、不思議だと思うことを解き明かしてみたいという純粋な気持ちの表現だとすれば、これほど楽しい読み物はないとも言える。
 自分のことを振り返ってみると、論文といわれるものを書いたのは大学の卒業論文だけである。しかし確かに、そのときは楽しかったと思う。先行研究や本を読み漁り、実験をし、考え、の繰り返し。そこで味わった楽しさは、その後の自分のベースにもなっていると思う。
 その途中こそが最も楽しいということを知ってしまったので、締切の迫っている仕事でも、あえてわき道にそれてしまったりして時間が足りなくなってしまうこともしばしばある。「問いに学ぶ」という姿勢は、人生を豊かにしてくれると思う。今後私が何かの論文を書くなんてことは、まずないだろうが、知りたいことにまっすぐ向き合うという楽しさは、論文を書かずとも味わえるはずだ。
「なに、この、人生アウェーな感じ!」といわれるような「ヘン」な人に、私もなりたい。
(尾原 陽介)

出版元:角川学芸出版

(掲載日:2015-12-10)

タグ:研究 
カテゴリ その他
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「共感」へのアプローチ 文化人類学の第一歩
渥美 一弥

身体運動の文化的側面
 人が生活していく中で行う身体運動には、いくつかの側面がある。
 一つには、生命を維持するための行為で、ひとまずここでは “自然(nature)的身体運動”と呼ぶ。もう一つには、人々が構成する“社会”の慣習が反映された中で成り立ってきた側面があって、ここではこれを “文化(culture)的身体運動”と呼ぶこととして話を進めたい。
 たとえば、食物を摂取するという行為。これは、食物を咀嚼したり、嚥下したり、消化・吸収(これは運動というより活動か)するなど、“経口的に栄養物を摂取する”という行為そのもので、命を保つために必須の“自然的身体運動”であるといえよう。
 しかしこの“食物摂取”という表現を“ご飯を食べる”という表現に変えてみるとどうだろう。何を、どのように(調理して)“ご飯”として食べるのか、さらにその“ご飯”をどうやって(行儀や作法)食べるのか、などということが加味されてくると、話はややこしくなる。それはもはや“生命維持”のためだけでない、なにか別の価値観が加わった“文化的身体運動”ということになり、挙句は、ご飯の食べ方が悪い(つまり、お行儀が悪い)と“親の躾がなっていない”などと、本人ばかりでなく親まで引っ張り出され罵倒される(“社会”の最小構成単位は“家庭(家族)”だからだ)顛末となる。

身体運動に現れるもの
 では、“歩く”、“走る”、“跳ぶ”、“投げる”といった身体運動は、どちらに分類したらいいのだろう。
 何かに驚いて飛び退く、あるいは危険から身を護るため走ったり跳んだりして逃げる。これは、自然的身体運動だろう。では、狩猟という行為はどうだろう。獲物を捜し歩き、走って追いかけ、石を投げて仕留める。これは原始の社会では命を支えていくための行為ではあるが、狩猟の背景には文化の気配が濃厚にある。次に、歩きながら種を蒔くなど農耕に関する身体運動、これはどうか。これは“culture”の訳そのものだから当然、文化的身体運動ということになるだろう。さらには、スポーツのような身体運動や、踊る・舞う・演ずるといった表現活動は、明らかに文化的身体運動であるといえよう。
 このように考えると、人の身体運動はそのほとんどが文化的なものであって、そこには人それぞれの文化的背景が反映されているということになる。換言すれば、身体運動を見れば、その人となりがわかる、つまり“運動には人が出る”と考えることもできる気がするのである。
 人が運動する姿には、それぞれの個性が凝縮されて具現化する。たくさんの言葉を重ねるより、走る姿を一度眺めるほうが、よほど深くその人のことがわかるような気がするのである。
 このような身体運動の捉え方について、長いこと感覚的には気づいていたものの言葉では考察することができずにいたところ、大きなヒントを与えてくれる人が現れた。

捉え方が変わる
 さて、今回は『「共感」へのアプローチ 文化人類学への第一歩』である。著者の渥美一弥は、同じ職場に身をおく文化人類学の教授だ。あ、また内輪の書籍を取り上げているとお咎めの声も聞かれそうだが、仕方ない。面白いのだ。
 渥美は、「カナダ西部の美しい森と海岸線に沿って居住する集団(人類学では一般に『北西海岸先住民』と呼ばれる)の一つであるサーニッチの人々の文化復興運動と民族的アイデンティティの関係の研究」を専門とし、長いこと在野で研究を行ってきた文化人類学者である。私たち(いわゆる体育系の人間)とは明らかに異なる文化的背景をもって世の中を眺めている人である。
 だから、渥美との会話は刺激に満ちている。
 身体運動の捉え方について、感覚的には気づいていたものの言葉で考察することはできずにいたことに、様々な切り口で見るヒントを与えてくれるのである。己の肌感覚だけで分かっていた(と自己満足に浸るしかなかった)ことを“文(章)化”することで、人に伝えることができる醍醐味に気づかせてくれるのである。
 さらに言えば、本書を読むと、自然(nature)と文化(culture)という用語が、実はもっと深い意味を持って考察されるべき言葉であったことがわかる。
“身体運動”とは何か、その捉え方が昨日までと変わること、実に愉快である。モノの考え方が変わると、世の中が違って見えるからだ。
“運動には人が出る”ように、“文章には人が出る”。一語一語、噛みしめるように丁寧に綴られる本書には、渥美の人となりが凝縮されているようだ。日頃の付き合いの中で、分かったような気になっていた勘違いを恥じ入るとともに、この人の本質が垣間見ることができたようで嬉しい(これも早とちりかもしれないが)と、本書を読んで思うのである。
(板井 美浩)

出版元:春風社

(掲載日:2016-06-10)

タグ:文化人類学 
カテゴリ その他
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早稲田アスリートプログラム テキストブック 大学でスポーツをするということ
早稲田大学競技スポーツセンター

 早稲田アスリートプログラム(WAP)は、大学創立150周年に向け、スポーツの価値を高めていくべく2014年度に開始された。なぜ「大学」でスポーツをするのか、一大学の取り組み例として読み進められる。内容は、地域貢献やチームマネジメントをはじめとした求められるスキル、そして生活管理やメディカルケアなどの持っておくべき知識のテキスト化がメイン。さらには、メディアとの関わり方やセカンドキャリアといった、部員をどうサポートするかにも触れている。勝利を追求するだけでなく、社会のリーダーたる人間になる、育てる。スポーツ界全体が目指すべき方向が浮かび上がるとともに、選手が関わる各領域、その中におけるスポーツ医科学の位置づけも再確認できる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:BookWay

(掲載日:2016-09-10)

タグ:アスリート 大学スポーツ セカンドキャリア 
カテゴリ その他
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プロアマ共用 野球選手に贈る試合に勝つためのマル秘偵察術
神原 謙悟 大利 実

高校チーム、大学チームでアナリストを務め、プロ球団でゲーム分析を担当する神原氏。オリジナルの分析シートを公開し、その記録方法と、集めたデータから見えてくることを紹介していく。膨大な情報を収集し分析するというのは野球やチーム球技の特性かもしれないが、情報の活用という意味ではさまざまな種目に通じる。実際、試合毎に変わる要素がありデータが万能ではないこと、選手・指導者とのコミュニケーションのコツについてなども言及されている。また、「偵察」は敵に限らず、自チームの課題や長所を明らかにするものでもある。うまくデータを強化に結びつけたい。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2017-03-10)

タグ:偵察 スカウティング 分析 
カテゴリ その他
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近代スポーツのミッションは終わったか 身体・メディア・世界
稲垣 正浩 西谷 修 今福 龍太

 一見、スポーツ科学の専門家が科学的な見解から書いている著書だと思いきや、著者は文化人類学者、フランス文学者、外国語大学のスポーツ史学者といった文系の専門家が近代スポーツとその向かう方向性について討論した内容が載っている本であった。
 1章は「スポーツからみえる世界」、2章は「オリンピックからみえる世界」、3章は「21世紀の身体」、4章は「グローバリゼーションとスポーツ文化」と、幅広いテーマで語られているが、討論形式である為、各章のタイトル以外にも様々な点について言及されており、読者の世界をどんどん広めてくれる構成といえる。
 私は従来、トレーナーとして、また医療従事者として、身体を科学し、クライエントや患者の抱えている問題を解決し、目標を達成させる立場にある。つまり、かなり理系の思考回路をもって人の身体やスポーツを見つめてきた。しかし、この明らかな文科系の第一線級の著者たちは、全く違う考え方でスポーツや人の身体を捉えており、彼らが論じたスポーツや人の身体の世界は、私に新たな考え方を提供してくれた。
 とくに、近代化、科学的根拠に裏付けられ過ぎたサイボーグのような近代アスリート、勝ちにこだわり過ぎたことでエンターテイメント性を失った戦略、スポーツが本来持つべきナショナリズムや政治性をはき違えた放映の仕方をするメディア、平和性や安全性を高めすぎた結果のリアリティ喪失について、危機感を持つ考え方は非常に新鮮であった。
 本書はスポーツ観戦をもっと楽しむためのアイデアだけでなく、この国のスポーツ産業活性化のヒントを与えてくれている。スポーツに関わる様々な職種(トレーナー、スポーツマーケティング関係者、監督、政治家など)の人にぜひともお勧めしたい。
(宮崎 喬平)

出版元:平凡社

(掲載日:2018-01-15)

タグ:スポーツ史 文化人類学 哲学 
カテゴリ その他
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人口の心理学へ 少子高齢社会の命と心
柏木 惠子 高橋 惠子

 少子は、確かに問題ではあるが、実はそれは解決方法でもあった、というのが本書を読んでの率直な感想である。 問題として提示されているものが、なにかしらの結果であるというのはよくあることで、少子化に限らず何かの課題、問題を理解するのに有用な視点であると言える。
 医療をはじめとした科学技術の進歩は、不慮の死を人類から遠ざけ、生活の糧を得る、子どもを育て上げるといった、旧来の価値からの解放をもたらした。現代的に言えば、自分らしく生きる、という時代になった。とくに、女性においての変化は大きく、かつてない価値観の変化がもたらされている。
 子どもを産むということが、授かるものではなく、選択するものになり、ある種のリスクとして捉えられるようになった。現代社会の課題とされていることの多くが、そこに至る背景やそこからもたらされる人々の心理を抜きには考えられないことが示されている。人類史上、だれも経験したことのないこの少子高齢化という事態に、しかもそれが、かつてあったどのような変化よりも短期間に起こっているということに、どのように適応していくかの答えは誰も持ち合わせていないのが現実である。ならば、まずは本書のように、目の前の世界の実際をつぶさに観察し理解することから始めなければならないと思う。
 本書の内容を、受け入れがたい人も大勢いるであろうが、少子高齢化を問題として捉えそれを解消しようとするのは、臭いものに蓋をするだけであろう。抗いがたいこの大きな流れの中で生きていくためには、これまでにない柔軟な思考や行動が求められる。それは、自分自身で考えていかなければならない、困難な時代であると言えるが、自分に見合った世界が見つけられるかもしれない機会に恵まれた時代でもある。
 意外と、生きやすい時代かもしれない。

(永田 将行)

出版元:ちとせプレス

(掲載日:2018-09-03)

タグ:少子化 少子高齢社会 
カテゴリ その他
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著者
Mel Boring American Medical Association C.B. Mordan 島沢 優子Adrian WealeAlan GoldbergAndrew BielAviva L.E. Smith UenoBoris I.PrilutskyBrad Alan LewisCarl PetersenCarole B. LewisCarole B.LewisCaroline Corning CreagerChad StarkeyChampagne,DelightCharland,JeffChartrand,JudyChris JarmeyDanish,StevenDavid A. WinterDavid EpsteinDavid GrandDavies,George J.Digby, MarenaDonald A. ChuDonald T KirkendallElizabeth Best-MartiniEllenbecker,Todd S.G. Gregory HaffG.D.ReinholtzGray CookGregory D. MyerH・ミンツバーグIñigo MujikaJ.G.P.WilliamsJ.W.SchraderJacqui Greene HaasJari YlinenJeanne Marie LaskasJeff CharlandJeff RyanJonathan PrinceJ・ウィルモアKahleKarim KhanKim A. Botenhagen-DiGenovaKim A.Botenhagen-DiGenovaL.P.マトヴェーエフLawrence M.ElsonLeonhardtLeslie DendyM.J.SmahaMarilyn MoffatMark VerstegenMattyMcAtee,Robert E.Michael J. AlterMurphy,ShaneM・ポラックNational Strength and Conditioning AssociationNina NittingerP.V.カルポビッチPete WilliamsPeter BruknerPeter WoodPetitpas,Al.PlatzerR.J.CareyR.N.シンガーRein TideiksaarRene CaillietRichard BrennanRichard GoldRobert E. McAteeRobert S.BehnkeRuben J. GuzmanS.T.FleckSAGE ROUNTREESandy FritzSharon MoalemShephard,Roy J.Soccer clinicSports Graphic NumberS・フォックスTerease, AmandaThomas W. MyersThor GotaasTil LuchauTrevor WestonTudor O. BompaVladimir M. ZatsiorskyW.E.シニングW.J.KraemerWynn Kapit「運動器の10年」日本委員会けいはんな社会的知能発生学研究会ふくい かなめまつばら けいみづき 水脈わたなべ ゆうこアタナシアス テルジスアタナシアス・テルジスアダム フィリッピーアテーナプロジェクトアメリカスポーツ医学会アメリカスポーツ医学協会アメリカ医師会アンゲリカ・シュテフェリング エルマー・T・ポイカー ヨルグ・ケストナーアンドリュー ブレイクアンドリュー・ゴードンアンドリュー・ビエルアンバート・トッシーウサイン・ボルトウドー アルブルエドワード・フォックスエバレット アーバーグエリザベス ノートン ラズリーカイ・リープヘンカレン・クリッピンジャーカーチ・キライカール・マクガウンキャロリン・S・スミスキャロル・A.オ-チスクラフト・エヴィング商會クリス カーマイケルクリス ジャ-メイケイトリン・リンチケニー マクゴニガルケネス・H・クーパーケン ボブサクストンゲルハルト レビンサイモン・ウィクラーサンキュータツオサンドラ・K・アンダーソンシェリル・ベルクマン・ドゥルーシルヴィア ラックマンジェア・イエイツジェイ マイクスジェイソン・R・カープジェフ・マリージェリー・リンチジェームス・M・フォックスジェームス・T・アラダイスジェームズ アマディオジェームズ・アマディオジェーン・ジョンソンジェ-ン・パタ-ソンジム・E. レーヤージョセフ・H・ピラティスジョン・フィルビンジル・ボルト・テイラースタジオタッククリエイティブスティーヴン・ストロガッツステファン・メルモンスポーツGEARスポーツインキュベーションシステムスポーツセーフティジャパンスポーツ医・科学研究所スポ-ツ医科学研究所タカ 大丸ダイヤグラム・グループダニエル・ジェイムズ・ブラウンチャモアペット・ハーパランチャーリー・ローティナ・シ-リグテューダー・ボンパデイヴィッド シールズデイヴィッド・シールズデータスタジアムトム・シーバートル・ゴタストレーニング科学研究会トーマス・W. マイヤーストーマス・タッコドナルド T. カーケンドールナイキ・ジャパンハンス-ウルリッヒ・ヘッカーバイロン・シューマンバド・ウィンターパトリシア・M・ホランドヒュー・ディールハンティービヨン・ボルグビル・ライトビート たけしフィリッピー・アダムフィル・ジャクソンフランク・ショーターフランク・ショーター フルコムフル・コムフレデリック ドラヴィエフレデリック・ドラヴィエブルース マキューアンブレット コントレラスブレット・コントレラスベースボール・マガジン社ボブ・アンダーソンマイケル グンディルマイケル・グンディルマット リドレーマリオ 宮川マーティー 松本メアリー・ボンドラエル・イサコウィッツランス アームストロングランナーズ女性ランニングセンターランナーズ編集部リチャード ブレナンリック・マクガイアリンダ・グラットンルーカ カイオーリレイナー・マートンレイン ティディクサーレッシュ・プロジェクトヴォルフラム・リントナーヴォルフラム・リントナー七類 誠一郎三ツ井 慈之三井 恵津子三井 悦子三好 春樹三宅 満三宅 義信三木 英之三栖 英揮三浦 孝仁三浦 於菟三浦 武三浦 知良三浦 雄一郎三澤 威士三砂 ちづる上原 善広上田 亮三郎上田 完次上田 昭夫上田 由紀子上田 雅夫下山 真二下嶽 進一郎下川原 孝下田 哲郎中丸 宏二中山 和義中島 敏明中嶋 寛之中川 忠典中本 哲中村 伸一中村 俊輔中村 千秋中村 多仁子中村 大輔中村 尚人中村 憲剛中村 明中村 桂子中村 泰介中村 清中村 考宏中村 計中村 隆一中澤 公孝中田 亨中田 基昭中田 潤中田 英雄中竹 竜二中西 光雄中谷 敏昭中里 伸也中里 浩一中里 浩章中野 秀男中野 薫丸山 仁司丸山 彰貞丹波 滋郎丹羽 政善丹羽 滋郎主婦の友社久世 由美子久保 啓太郎久保 明久保 隆司久保田 博南久保田 競久木留 毅久野 譜也乗安 整而乗松 尋道乾 眞寛亀田 圭一二重作 拓也五明 みさ子五木 寛之井上 俊井上 光成井上 和子井上 明生井上 正康井村 雅代井澤 鉄也今中 大介今井 純子今村 俊明今福 龍太今野 泰幸伊勢 華子伊村 雅央伊東 浩司伊藤 マモル伊藤 俊一伊藤 和憲伊藤 和磨伊藤 晴夫伊藤 正治伊藤 毅志伊藤 滋之伊藤 隆造伊藤 静夫伊賀 六一伊賀 泰代伊賀 英樹伊達 公子伏木 亨佐々木 正人佐保 豊佐倉 統佐倉 美穂佐山 和夫佐嶋 健司佐竹 弘靖佐良土 茂樹佐良土 賢樹佐藤 久美子佐藤 俊輔佐藤 信夫佐藤 多佳子佐藤 成登志佐藤 拓矢佐藤 揵佐藤 政大佐藤 次郎佐藤 祐造佐藤 純朗佐藤 義昭佐藤 雅弘佐藤次郎佐野 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清日本FMT腰痛治療協会日本アロービックダンシング日本ウエルネス日本エアロビックフィットネス協会日本コーディネーショントレーニング協会日本サプリメント協会日本スタビライゼーション協会日本トレーニング指導者協会日本トレーニング科学会日本バイオメカニクス学会日本バレーボール学会日本ピラティス研究会日本フットサル連盟日本ボディポテンシャル協会日本リハビリテーション医学会障害者の体力評価ガイドライン策定委員会日本体力医学会体力科学編集委員会日本体育協会日本体育大学学友会運動部日本健康スポーツ連盟日本水泳連盟シンクロナイズド・スイミング委員会、科学技術委員会日経サイエンス日野原 重明日高 敏隆早稲田大学スポーツ科学学術院早稲田大学スポーツ科学部早稲田大学競技スポーツセンター星 恵子星川 佳広星川 吉光春山 文子春木 豊曽我 武史月刊トレーニング・ジャーナル編集部月刊陸上競技有吉 与志恵有吉 正博有賀 誠司望月 浩一郎望月 理恵子朝倉 全紀朝原 宣治朝日山 一男朝日新聞be編集部朝比奈 一男木場 克己木村 修一木村 元彦木村 康一本多 奈美本山 貢本庄 俊和本條 晴一郎本橋 恵美本田 宗一郎杉原 輝雄杉山 ちなみ杉山 茂樹杉岡 洋一杉本 龍勇杉浦 保夫杉浦 克己杉野 昭博村上 成道村山 孚村岡 功村川 平治村松 尚登村田 伸杤堀 申二東京大学教養学部体育研究室東京大学身体運動科学研究室東出 顕子東根 明人東海林 祐子松上 京子松下 松雄松下 祥子松井 秀喜松井 秀治松井 薫松原 仁松原 渓松原 貴子松岡 修造松崎 康弘松本 美由季松本 義光松村 憲松村 道一松樹 剛史松永 多佳倫松永 成立松浦 亜紀子松瀬 学松田 丈志松田 博公松田 岩男松田 忠徳松谷 之義板場 英行林 光俊林 泰史林 盈六枝川 宏枝窪 俊夫柏井 正樹柏口 新二柏木 惠子柘植 陽一郎柳 敏晴柳原 大柳田 貴志柳谷 登志雄柴 孝也柴田 博柿木 克之栄 陽子栗山 節郎栗本 閲夫栗田 昌裕栢野 忠夫栢野 由紀子根本 悟子根本 真吾桑島 巌桑田 真澄桜井 弘桜井 智野風桜井 静香桜内 篤子桝本 妙子桧野 真奈美梅原 伸宏梅村 清弘梅田 陽子梨田 昌孝梶山 あゆみ梶岡 多恵子森 俊憲森 健躬森 彰英森 拓郎森 祗晶森 義明森内 薫森岡 周森岡 恭彦森岡 望森川 靖森本 貴義森永スポーツ&フィットネスリサーチセンター森田 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