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ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。

女は女が強くする
井村 雅代 宇津木 妙子 五明 みさ子

 シドニーオリンビックで多くの人に「鳥肌が立った」と言わせたシンクロの井村さん、ソフトボールの宇津木さん、シドニーでは団体5位に終わった新体操の五明さん。この3人の女性指導者に月刊スポーツメディスン連載中の山田ゆかりさんが取材、聞き書きというスタイルでまとめられたもの。
 まず、このタイトルに「う~ん」とうなる人も少なくないだろう。
「そうだな」と思う人もいるだろう。でも、女が女として女を主張するという感じの内容ではない。むしろ逆か。
 井村さんも「けれども、これからのスポーツ界は、女だから男だからということにとらわれてはいけないのではないでしょうか。両性の協力によって世界に立ち向かっていかなければならない時代に来ていると思います」と「まえがき」に記している。だが、女の指導者なんてという言われ方はまだある。もう男と女にこだわるのではなく、でも男と女とは何なのかと考えたい。
 誤解のないように言うと、この本は女性指導者の姿をたんねんに話を聞きながら、やはり女性のライターがまとめたものである。
スポーツ界の人にとっては「コーチングとは何か」というテーマでも読める。
 今の若い人への接し方の参考にもなるだろう。ビジネスでも活かされるだろう。でも、ここはストレートに、指導者が選手に、どう考えどう接しているか、その姿そのものを知ることに意味があるととっておきたい。3人の指導者みな魅力的である。強く、しかも誰もがやはり悩んでいる。スポーツをすること、そのスポーツを指導すること、それをもう一度考えることができる本。

井村雅代、宇津木妙子、五明みさ子著 四六判 208頁 2001年7月12日刊 1400円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)

出版元:草思社

(掲載日:2001-11-29)

タグ:女性 指導 シンクロナイズドスイミング ソフトボール 新体操   
カテゴリ 指導
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オールブラックスが強い理由 ラグビー世界最強組織の常勝スピリット
大友 信彦

 タックルは怖い。自分一人の戦いだったら、逃げ出したい。しかし、チームのための責任感がタックルを成立してくれる。このことを、ラグビーでは「カラダを張る」と言う。「カラダを張る」とはまさに、チームのために自分を犠牲にするプレイのことである。怖くても痛くても、相手が強くても「カラダを張る」ことはできる。別な言い方をすれば、「自分のため」ではなく、「チームのため」に「カラダを張る」のだ。
 そして、おそらくこの「自分のため」だけでなく、「チームのため」、いやもっと言えば「国民のため」に「カラダを張る」のが、愛称「オールブラックス」で有名な、ラグビーのニュージーランド代表である。ラグビーが宗教のニュージーランドでは、誰もがオールブラックスに憧れ、そして選ばれた者は神にも等しい尊敬を人々から受ける。この双方の関係こそが、「自分のため」ではなく、「国民のため」という大きな力をうみだしているのだ。
 哲学者の内田樹さんは、人間は自分のためでは力が出ないものだという。自分の成功をともに喜び、自分の失敗でともに苦しむ人達の人数が多ければ多いほど、人間は努力する。背負うものが多ければ、自分の能力の限界を突破することだって可能であると。
 大切なもののために生きる人間は、自分の中に眠っているすべての資質を発現しようとする。それが、世界最強のラグビーチーム、「オールブラックス」の秘密だ。
(森下 茂)

出版元:東邦出版

(掲載日:2011-11-25)

タグ:組織 指導 ラグビー  
カテゴリ 指導
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勝利のチームメイク
岡田 武史 平尾 誠二 古田 敦也

「勝てるチーム」と「勝てそうだけど勝てないチーム」との差、「それ」ってなんだろう。「それ」を知りたい指導者や選手はたくさんいる。
 古田敦也(元ヤクルトスワローズ選手兼監督)は、平尾誠二(元ラグビー日本代表監督)との対談の中で、こんなことを言っている。

「『お前だってやればできるんだ』っていう言葉は、それこそ小さい頃から聞かされるじゃないですか。でも、いまいち信じきれない自分がいるんですよね。高校時代、強豪校と対戦するときに『同じ高校生なんだから勝てるぞ!』と先生に言われても『勝てるわけないじゃん』って思っているクチだった僕が、初めてプロでリーグ優勝して『やればできるんだ』って実感できた。実感すると『できる』ということを信じられるようになれる。大げさに言うと自分を信じられるようになる。『奇跡は、信じていても必ず起こるものではない。でも、信じない者には起こり得ない』というじゃないですか。それと同じで、『できる』と思えるかどうかは、勝負事で勝つか負けるかにとっては、大きな差を生むような気がするんです。」
 もちろん、「それ」に答えはないが、この言葉は大いなるヒントを与えてくれる。
 また、平尾と岡田武史(元サッカー日本代表監督)との対談で、

平尾:そうなんですよ。最初に、できない原因を「知る」。で、原因を知ったら。それをどう解決したら「できるようになるか」を理解するんです。これが「わかる」。この二段階を経て、初めて実習なんですよ。ここを指導者は十分認識しないと。
岡田:でもな、そういう理屈がどんどんわかってきてさ、教え方もそれなりに巧くなっていくとするじゃない。それだけでも必ず、壁にぶち当たる。スポーツは人間の営みなわけだから当たり前と言えば当たり前だけど、「おい、頑張れよ」の一言だけで、すべて事態が解決できてしまうこともあるじゃない?

 岡田の言葉が物語るように、選手へのアプローチや、チームづくりに、「答え」はない。野球・ラグビー・サッカーと競技は違えど、その道で、闘い、結果を出し、また試行錯誤している彼らから学ぶべきことは、たくさんある。
(森下 茂)

出版元:日本経済新聞出版社

(掲載日:2011-11-01)

タグ:組織 チーム 指導 ラグビー サッカー 野球  
カテゴリ 指導
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体験教育が日本を救う
高山 修

 著書は長年教育に携わってきた。生きる力のもとになる「思考力」「判断力」「表現力」などは、具体的な体験活動、すなわち自分の目で見て、手で触れて、体で感じるという実体験を通して意識化され、広く深く養われるものであるという著者の信念がまとめられている。子どもの発育発達にスポーツが欠かせないということが強調して述べられており、全8章中、3章を費やして書かれている。発達段階に応じたスポーツの取り入れ方がわかりやすく紹介されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2010-01-10)

タグ:教育 体験    
カテゴリ 指導
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子どもに「体力」をとりもどそう まずはからだづくりだ!
宮下 充正

 子どもの体力低下というのは最近と思われている方も多いようですが、実は20年以上前から指摘され続けてきたことです。本書は子どもの世界的傾向から、子どもの成長について、また、その成長に合わせた指導者としての役割について書かれています。
 私自身が子どもと関わる機会が多く、子どもの運動能力低下の要因の1つとして、環境的な要因の大きさを感じています。大人となって感じることですが、子どものときにできた動作は大人になっても個人差はありますが、案外できるものです。しかし、やったことのない動作というのはまったくといってできないものです。やはり、「子どもに対してより多くのことを教えてあげること」が大切です。
 土台となるあるべき姿から子どもがありたい姿へと導ける指導。子どもに関わる指導者はもちろん、保護者の方にも読んでいただきたい1冊です。
(大洞 裕和)

出版元:杏林書院

(掲載日:2011-12-13)

タグ:指導 体力 教育   
カテゴリ 指導
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日本シリーズ全データ分析 短期決戦の方程式
小野 俊哉

 本書は、プロ野球日本シリーズ全59大会350試合のスコアを電子化し、解析を試みたものである。さらに、1903年以来、全104大会開かれているアメリカ・メジャーリーグのワールドシリーズ606試合のデータと比較。また五輪、WBCを含む短期決戦を勝ち抜く秘訣、勝敗のカギを握るのは何なのかを探っている。
 短期決戦で最も大きなカギを握るのは、エースでも4番でもなく監督。短期決戦に強いチームと弱いチームの違いも、監督を軸に見てみるとすっきりわかると著者がいうように、選手個々の能力や精神論的なことはほとんど記されておらず、監督を中心としたデータのみからの解析。いままであまり見たことのない内容で、表やグラフと本文を見比べながら、短期決戦での勝敗の因果関係を客観的に理解できる。
 日本シリーズでは勝敗パターンはどのようなものが多いか? 4勝3敗が最も多い。ではメジャーと比較してどうか? その中で必勝パターンはあるのか? さらに監督の経験値と勝率も比較…。このように地味なことでも深くデータとして掘り下げていく。このことより森監督の2戦目必勝理論の理由、悲運の名将西本監督などの采配の妙に名前がついたことにもデータから納得できる。
 ほかにも川上巨人4回猛攻の謎、終盤を負けない男・古葉竹織、1点差勝利をものにする三原マジックなど、名監督の采配をいろいろな角度からデータで読み解く、読み応えのある一冊である。
 私は、クライマックスシリーズはペナントレースでの積み重ねが軽いものになってしまうと感じていたが、五輪・WBCにオールジャパンが参加するようになって短期決戦の人気が高まり、外すことのできない新マーケットとなった以上、短期決戦まで分析し勝利するチームこそ、本当の日本一、世界一にふさわしい監督、チームではないかと思う。
(安本 啓剛)

出版元:筑摩書房

(掲載日:2012-01-18)

タグ:野球 データ分析  
カテゴリ 指導
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いじらない育て方
元川 悦子

 スポーツライターである著者が、遠藤保仁がどのように育てられたのかについて、彼を育てた両親、チームのコーチたちへのインタビューをまとめている。
「国際経験は子どもを大きく変える」や「希望の進路は最大限サポートする」といった、コーチが選手を、親が子を育てるときの29のヒントが書かれている。
 その中には「子供の成長だけが(親の)自己実現になっていないか?」といった保護者への問いかけもなされている。必ずしも親やコーチだけが育てる側ではない。我々指導者側も育ててもらっているということが感じ取れる一冊となっている。
(大塚 健吾)

出版元:日本放送出版協会

(掲載日:2012-02-07)

タグ:サッカー 教育  
カテゴリ 指導
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スポーツ子育て論 わが子の潜在力を開花させる
遠山 健太

 著者は全日本フリースタイルスキーのモーグルチームにトレーナーとして強化を担当している。日本におけるトップ選手の育成やスポーツそのもののあり方をふまえて、子どもが育っていく環境をどのようにすべきかを示している。教育という観点、子どもを持つ父親としての観点も含まれている。
 本書のメッセージは、最初から型にはめるのではなく、子どもと一緒に遊び、いろいろな動きをさせること。これが子どもの潜在的に持っているものを開花させるために重要であるというもの。話題は多岐に渡るが、指導者や親の立場で、判断に迷ったときに視点を提供してくれるだろう。トレーナーがどのような仕事をしているかについて、あるいは地域おこしという視点でスポーツと関連づけている部分もあって興味深い。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:アスキ-・メディアワ-クス

(掲載日:2012-09-04)

タグ:教育 ジュニア 成長 子育て 
カテゴリ 指導
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頂上対談
ビート たけし

 13人のゲストとの対談集。うち5人がスポーツ。長嶋茂雄、中田英寿、長谷川滋利、桜庭和志、古田敦也である。
 ビートたけしは、映画監督・北野武でもあるが、草野球チームを持ち、最盛期は年間150試合以上をこなしたという。本人はピッチャーで120kmは出るというから大したものではある。
 気軽に読めるが、相手がビートたけしなので、対談相手の意外な面を知ることができる。サッカーの中田選手とは野球の試合をやったあとの対談。

たけし:三角形の駐車禁止みたいなカラーコーンがあるよね。その間をパスしながら、「あんた走って行きなさい」っていう練習よりも、四人で球取り合いしたほうがいいと思うんだけれどな。あのコーンは何だ、あの間を抜けるようなゲームがどこにあるんだ(笑)。縦に選手が並んでいるわけがねえだろうって。

中田:練習をおもしろくするということを、ほんと知らないですよね。おもしろくやることがどんなに効率いいかってことを全然わかっていない。言われたことを一生懸命やって、いい結果が出るとは限らない。(P.119より)

 軽く読めて、結構面白くためになる。長谷川選手のメジャー話、古田選手のキャッチャー話、桜庭選手のトレーニング話、長嶋元監督はもう言うまでもない。対話もスポーツだとわかる本である。スポーツ医学に関わる人にもおすすめと思い、紹介。

四六判 286頁 2001年10月20日刊 1300円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)

出版元:新潮社

(掲載日:2001-12-15)

タグ:サッカー 野球 
カテゴリ 指導
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「わかる」とは何か
長尾 真

 科学を初めとして、各種専門分野の知識は理解しがたく、伝えづらいものではないだろうか。この本は現代において、複雑化する科学技術を科学に携わるものが、わかりやすく一般の人に伝えることの大切さと、そのために必要な努力を論じた本である。
 読んでみて感じるのは、この本自体がわかりやすく理論について例を挙げながら解説しているところだ。私自身、恥ずかしながら理解していなかった、推論の方法である演繹法や帰納法を深く理解することができた。
 指導をするうえで、何より大切なことは指導する側と指導される側の信頼関係であると思う。指導者が信頼を得るには知識をわかりやすく伝える事が必要となるが、多様な相手には1つの方法ではうまくいかないことがあるだろう。そこで大切なのは相手に合わせることのできる多様な知識の理解である。
 この本は科学技術に対して理解できるだけではなく、理解や伝えることに対しての根源的な考え方を学ぶことができる、よき一冊である。


新書判 186頁 2001年2月20日刊 700円+税
(阿部 拓馬)

出版元:岩波書店

(掲載日:2002-01-15)

タグ:理解 科学 
カテゴリ 指導
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キンタのサッカーで遊ぼう 日本サッカーの夜明け
金田 喜稔

タイトルの奥に潜む熱き心
 筆者の「キンタ」こと金田喜稔氏は、サッカー通なら誰もが知っている名選手、元日本代表選手だ。現在、彼はTVのサッカー解説者としても活躍中だ。
 そんなキンタ君が日本サッカーを熱く、熱く語ったのがこの一冊。
「キンタのサッカーで遊ぼう」なんてタイトルに、皆さん騙されてはいけません。
 自身がサッカー界のトップにいた経験を十二分に生かして、日本サッカー界の現状や問題点、果ては日本のスポーツ界全体に至るまでの提言をこの一冊にコンパクトにまとめてある。サッカー関係者のみならず、スポーツ指導に携わる人たちには是非一読をお勧めしたい。

キンタの「教えすぎない」指導法
 キンタ君がもうひとつ熱っぽく語るのは、ジュニア育成法だ。彼自身、親善大使として海外でサッカースクールを開講したり、ボランティアとして日本の子どもたちに教えている経験をもとに、「キンタ」のジュニア指導論を展開している。
「教えすぎない」指導法もそのひとつ。よい指導者となるためには、どこまで教えるかを見極めることが必須条件。しかし、これがなかなか難しい。キンタ流「教えすぎない」指導法とは? このほかにも、彼のサッカー観に基づくジュニア育成観が多く語られていて、果ては地域スポーツクラブ設立まで話が及ぶ。これも興味深い。

W杯がやってくる
 さて、今年最大のスポーツイベントといったら、なんと言っても日韓W杯開催。今世紀初、アジア初、初の共催と初めてづくしの大会開催まで、あと少しだ。
 キンタ君はこの大会を、世界のサッカーファミリーの祭典と考えている。そして、彼はホストとして、どうやってファミリーを日本に迎えようか真剣に考えている。彼は、決勝が予定されている横浜国際競技場の近くに在住しているそうで、そんなことから、決勝当日はスタジアムに入れないみんなと、行きつけの店でTV観戦なんてことも考えている。もしかしたら、キンタ君の名解説つき決勝観戦なんてことも……。行きつけの店ってどこかって? それは、読んでのお楽しみ!
(久米 秀作)

出版元:朝日ソノラマ

(掲載日:2002-05-10)

タグ:サッカー ジュニア 
カテゴリ 指導
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人のためになる人ならない人
辻 秀一

「熱血」しないコーチになるために
 冒頭から私事で恐縮だが、私自身のスポーツとの出会いは40年以上前であり、現在もスポーツ界の片隅で禄を食んでいる。したがって、当然多くのコーチとの出会いがあった。その多くがいわゆるTVの青春ドラマに出てきそうな明朗、爽快、活発、颯爽、堂々といった日本語をそのまま体現した熱き、熱き、熱血型指導者であった。
 しかし、本書には、(選手の)ためになる(コーチ)とは熱血型コーチであるとは一言も書いてはいない。著者は、まずコーチとは本来“馬車”を意味し、お客(選手)が望むところに連れて行くのがコーチの仕事だと説く。なるほど。しかし、私が出会ったコーチは皆「俺について来い」式で、どこへ行くかさえ言ったことがない。
 まして、どこへ行きたいかなんて聞かれたこともない。こりゃ、えらい思い違いをしていたぞ、とばかり先に読み進めると、コーチのスペル「C」「O」「A」「C」「H」のそれぞれの頭文字を使って、コーチに必要な資質が述べられている。
 例えば、「C」はComprehension(理解、包容力)で、選手や子供を一人の人間として理解し、それぞれの共通点や相違点を受け入れるといった具合だ。こりゃ、本当にえらい思い違いをしていたぞ。

「檄」を飛ばさないコーチになるために
 私も含めて、コーチは概ね声が大きい。なぜなら、練習のときは選手の掛け声やボールの弾む音、シューズが床に擦れる音、選手の激しい息遣いに負けないために自然と腹に力が入り、声が大きくなる。それに、声が大きいほうが威圧感があって選手を掌握しやすいではないか、と考えるとなおさら声のトーンが上がり、こうなると単なる声ではなく「檄」に変わる。やっぱり、コーチは声がでかくなけりゃと思っていたら、本書には一言もそんなことは書かれていない。コーチの「H」はユーモアの「H」だと著者は言う。選手が苦手なことをさせられているときは、大幅なエネルギーの消耗を伴う。そんなとき、コーチが檄を飛ばしてもさらにエネルギーを消耗させるだけで、結果として選手は萎縮してしまうと言う。
 ここは、むしろユーモアが必要だと言う。米国には「Fun is Medicine」(ユーモアは良薬)という言葉もあるそうだ。元気のないときほど、檄飛ばして気合入れるんじゃないのか。こりゃ、えらい思い違いをしていたぞ。

「期待」しないコーチになるために
 コーチは、大方自分のチームや選手に期待をかける。なぜなら、期待通りの結果が出れば、自分への評価にもつながるし、応援してくれている地元にも顔向けができるからである。しかし、著者は「期待」は「怒り」の原点だと断罪する。なぜなら、「期待」することは、ある枠にはめた比較思考、つまり何かと比較して、それよりもよい結果を残すことを要求することだという。だから、「期待」が大きいと落胆も大きくなり、「お前たち、なにやっているんだ! たるんどるぞ!」てな怒りになるというわけだ。
 そう言われると、相手が自分のチームより格が下のときは、「期待しているぞ!」なんて言わないな。
 期待を顔に出さず、熱くならずに冷静に、ユーモアをもって選手やチームに接する。そんなコーチがこれからの日本のスポーツシーンを必ずや変えていくことだろう。
 もしもし、そこのコーチ。何か、えらい思い違いをしていませんか?
(久米 秀作)

出版元:バジリコ

(掲載日:2002-07-10)

タグ:コーチング 
カテゴリ 指導
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トップアスリートを創る 日本体育大学アスリートたちの軌跡
日本体育大学学友会運動部 宮村 淳

 オリンピックなど、常に競技スポーツの第一線で活躍してきた日本体育大学のアスリートたち総勢21名にインタビューしてまとめた本。トップアスリート育成のためのノウハウ満載。指導者のみならず中・高校生にもお勧め。

A5判 250頁 2,500円+税
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:2002-04-10)

タグ:インタビュー 指導 選手育成 
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スポーツマンシップを考える
広瀬 一郎

ちょっとお耳を拝借
 さて、冒頭から恐縮ですが、ただいまより「すべてのスポーツ・コーチに捧げる、――コーチ必読!知ってるようで知らないスポーツ用語解説集――これを読めば貴方も明日から一流コーチの仲間入りだ!編」を始めたいと思います。(ずいぶん大袈裟なタイトルだなぁ……)

(1)「スポーツとは何か」
 遊びであり、競争です。

(2)「スポーツマンシップとは何か?」
 スポーツを通じて身につける人格的な総合力のことです。

(3)「フェアプレーという考え方はどうしてでてきたのか?」
 スポーツが単なる遊びから、勝利を求めるものに変化していったからです。

(4)「なぜスポーツマンシップを教えなければならないのか?」
 スポーツマンシップなしにはスポーツは成り立たないからです。

(5)「なぜ戦う相手を尊重するのか?」
 素晴らしい勝利を得るためには、素晴らしい対戦相手が必要だからです。

(6)「なぜ審判を尊重するのか?」
 審判がいなければゲームが成り立たないからです。

(7)「なぜゲームを尊重するのか?」
 スポーツの素晴らしさが、そこに集約されているからです。

(8)「ルールを守ればスポーツマンか?」
 必ずしもそうではない。伝統や慣習を尊重することも重要です。

(9)「勝負に徹するなら“スポーツマンシップ”はきれいごとか?」
 きれいごとではなく、それこそが本質です。

(10)「“スポーツマンシップ”を教えると強くなるか?」
 はい、その通りです。

 さぁ、いかがでしたか。あんなに長年指導しているのに、なぜうちのチームはちっとも強くならんのだと、やたらこの頃酒量が増えている古株コーチも、ともかくスポーツは若さと情熱で教えていますという、どちらが選手かわからない新米コーチも、ちょっとこの辺で「スポーツの本質」について、上の「用語解説集」を参考にして改めて考えて見ませんか。きっと、絡んだ糸がほどけるように、一味違うコーチングが見えてくるはずです。えっ、まだよくわからない? そういうコーチは、本書をお読みください。因みに、ここに掲げた用語とその解説は、本書の目次とそのサブタイトルそのままなのです。
 本書にはこの他に、元サッカー日本代表監督岡田武史氏と元ラグビー日本代表監督平尾誠二氏による対談「世界と戦うために」が収録されており、選手に望まれるメンタリティや判断力等について興味ある意見が交換されています。ただいまコーチ真っ只中の人にはたまらない内容ではないでしょうか。
 きっと、本書を読み終えた後の貴方の顔は、一流コーチの顔になっていますよ。
(久米 秀作)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:2003-01-10)

タグ:スポーツマンシップ 
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コーチ論
織田 淳太郎

 ちょっと書店に出かけてみると、ビジネスコーナーには「コーチ」とか「トレーニング」という文字が溢れている。指導して、能力を引き出すことがビジネスでも求められている。
 もちろん、本書はビジネスものではない。あくまでスポーツのコーチ論だが、むしろコーチング論と言ったほうがよいかもしれない。著者は、スポーツライターでノンフィクション、小説の両分野で活躍とある。そういう人がこの分野を書くとどうなるか。
 全6章で、「“頑張らない”ことが潜在能力を引き出す」「間違いだらけのコーチング」「日本人が捨てた究極の“走り方”」「メンタルトレーニングの真贋」「誰も教えてくれないバッティング常識の嘘」「やる気を引き出すコーチング」の順である。スポーツ科学的情報も多いが、結局コーチとは何なのか、今日本のスポーツあるいは社会が考えるべき材料にも満ちている。
(清家 輝文)

出版元:光文社

(掲載日:2012-10-08)

タグ:コーチング コーチ 
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スポーツ競技学
L.P.マトヴェーエフ 渡辺 謙 魚住 廣信

 本書の冒頭「訳者のことば」のところで、「スポーツトレーニングにかかわる者で、『マトヴェーエフ』という名前を知らない人がいるだろうか。
 もし知らないというなら、それは非常に恥ずかしいことであり、スポーツトレーニング理論を知らないといわれても仕方がない」と書かれているのをみて、私は非常に恥ずかしい思いを抱えながら本書をゆっくりと読み始めた。
 本書の原著者であるマトヴェーエフ・レフ・パワロヴィッチ博士は教育学博士および名誉博士の学位を有し、現在ロシア国立体育アカデミーの教授ならびに功労教授である。過去においては国立中央体育大学の学長も勤めた経歴を持ち、ロシア、ベラルーシ、ドイツ等において名誉称号を授与されている。博士自身、学生の頃は器械体操を専門とし、日本で言うところの「特待生」コースに所属していたと言う。
 博士が指導者として活動を始めたのは16・17歳からだそうで、その後ソ連の複数の選抜チームをオリンピック、その他の国際競技大会に向けて指導するようになった。そして、体操、陸上、水泳、重量挙げのソ連ナショナルチームや東独、ブルガリア、キューバ、中国などの選抜チームのコンサルタントも勤めている。
 博士が著した中で、「スポーツトレーニングの基礎」(日本では「ソビエトスポーツ・トレーニングの原理」として翻訳出版されているそうである)は、日本のみならず世界中の多くの国で高い評価を得たそうで、今回の著書は博士の長年の経験から得たトレーニング理論の集大成的位置づけになっているようである。

若い指導者に読ませたい
 さて肝心の内容であるが、正直言って十分本書の内容を理解するにはスポーツ指導に対してかなり高い意欲を持ち、かつ専門的知識を有していることが必須条件となるだろう。例えば、「スポーツ現象とは何か」という章では「スポーツ」というカテゴリーの範囲やそれに関連する概念規定を試みているし、現象的側面だけに議論が終始しているかと言えば「競技会と競技会システムの理論」といったより現実的な理論構築にも言及している。
 さらに、異体的な「トレーニング法の組み立て方」のような実際場面に応用可能な著述も見られる。この辺の著述は、むしろ本書前半部分の現象学的議論や理論構築よりも博士にとっては若き日の指導経験を生かした“得意分野”なのではないだろうか。
 本書の原文タイトルは「スポーツ原論とその応用」だそうだが、後半を読み進めていくうちにこのタイトルに納得ができる。ただ、日本においては訳者と監修者が相談の上「スポーツ競技学」に変更したそうである。
 今後わが国で、“スポーツ競技学”という総合的カテコリーを網羅する学問領野が構築されるきっかけとなるであろうか。

「訳者のことば」を再び引用したい。
「『木を見て森を見ず』、このような指導者をなくしてスポーツトレーニングを総合・統合科学として認識できる指導者を育てなければならない。その意味で、わが国において一人でも多く本書の内容とその価値が理解できる指導者が増えることを願う次第である。」私も同感である。
 やや枝葉末節的議論が先行気味の最近のわが国のスポーツ界において、改めて統合的にスポーツ全体を鳥徹する意味は大きい。この訳者の願いが本物になるために、私は本書を熱意ある若き指導者達に是非読ませたいと思っている。
(久米 秀作)

出版元:ナップ

(掲載日:2012-10-08)

タグ:トレーニング ロシア 
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女性アスリート・コーチングブック
宮下 充正 山田 ゆかり

出産する身体
 今年はオリンピック・イヤー。日本選手団における女子選手数は男子の数を上回り、いざオリンピックが始まればこぞって国民は女子の活躍を祈り、勝利に歓喜したことは未だ記憶に新しい。
 そんな時代だからこそなのか、ここに「女性アスリート」に対するコーチングブックが登場した。著者の一人が“あとがき”にこんなことを書いている。「ところがまわりを見回しても、女性ならではの『からだとこころ』を解説するコーチングブックはこれまで存在していません。(中略)だからこそ、女性アスリートたちのよりよいスポーツ環境を目指すための本が、どうしても必要だと思ったのです。」そうだったのか。そう言われれば少ないのかなぁーと思いつつ筆者の拙い記憶を辿るに、女性とスポーツというテーマ自体はそれほど新しくもないことに気づく。とすれば、本書は何が“新しい”のか?
 今回特に興味深く読ませていただいたのは「第2章こころ」の部分だ。というのは、従来の女性とスポーツのテーマは“からだ”の部分に主に焦点が絞られていて、その結果月経や妊娠といった女性の生殖機能とスポーツの関係はかなり一般的理解が得られるようになってきた。が、女性のこころ、特に社会的存在としての女性のこころの部分へのアプローチは十分とは思えないからである。実は、ここのところの問題解決が、女性アスリートをコーチングする際の鍵となることを本書は教えてくれている。「女性とスポーツの歴史をひも解いてみると、そこにはいつも『女性としての』あり方を問う声が充満していました。(中略)いずれにせよ、女性がスポーツをする際には常に生殖機能や外見・容姿に対する美醜の観点から捉えられてきたことがわかります。つまり、女性の身体はいつも『妊娠―出産する身体』としてみられ、スポーツは将来『母体』となる身体にダメージが及ばぬように禁止され」た歴史が長かったというわけだ。その一方で「『母体』となるからこそ身体を鍛えよと奨励もされてきた」のも事実であると本書は指摘する。ということは、この社会的呪縛から女性が真に解き放たれるときに新しい女性とスポーツとの関係が構築されると言えるが、ここのキーワードは実は“男性”なのだということにも強く気づかされるのである。性としての男女と社会的存在としての男女。それぞれにおける男女の役割分担は必ずしも一致しない。ことスポーツに関してはあくまでも社会的存在としての男女を基本として成り立つ文化であることを改めて理解する必要を読後に強く感じた。

弱者としての身体
 もうひとつ女性とスポーツを考えるうえで大切な問題が存在する。それは「セクシャルハラスメント」である。本書は、サブタイトルに「コーチのモラルとマナー」と題して、この今日的問題に対して「男性コーチの女子アスリートに対するわいせつ行為やレイプ、セクシャルハラスメント行為は、『身体の接触をともなう』『精神性を重んずる』などの線引きがあいまいなうえ、絶対的な主従関係が被害の表面化を阻んでいます」と厳しく指摘する。これもいわば社会的存在としての男女という考え方への“男性側”の認識不足と人権に対する意識の希薄さを露呈している格好である。
 オリンピックの余熱がまだ残る今こそ、スポーツが持つ社会的、文化的役割を社会全体で再認識するチャンスである。是非ともこのチャンスに多くの問題への取り組みがなされることを切に期待したい。本書の女性アスリート問題への取り組みは、スポーツ社会に限らず、一般社会の枠組みへの挑戦という意味でも斬新な切り口であると思う。

(久米 秀作)

出版元:大月書店

(掲載日:2004-11-10)

タグ:女性 
カテゴリ 指導
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患者術
鱸 伸子

 月刊スポーツメディスン74号の特集記事に登場していただいた鱸氏が書いた患者に向けたコーチングの本。皮膚粘膜、眼、外陰部、血管等に急性炎症を繰り返す慢性疾患「ベーチェット病」の患者としてコーチングを受けた経験を持つ同氏が、コーチとして、そして「元患者」としての立場からその活用法を解説している。副題は『賢い患者になるための会話テクニック』。
 コーチングは、聞くことを通して相手の目標やその達成手段をその人自身の言葉に引き出すスキルで、近年ビジネスの世界で新しい概念として導入されている。医療の世界でもスタッフ間のコミュニケーションを円滑にすることなどを目的に取り入れられているが、鱸氏は患者自身にもコーチングを活かせると主張する。本書は鱸氏の体験をもとに構成されており、体験を綴った第5章「ずっと病気と付き合わなくてはならなくなったら<例えば、私の場合>」を始め、患者自身が実感を持って読める内容である。

2005年8月30日刊
(長谷川 智憲)

出版元:枻出版社

(掲載日:2012-10-09)

タグ:コーチング 患者 
カテゴリ 指導
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強いリーダーはチームの無意識を動かす
橋川 硬児 石井 裕之

サイレント・カリスマ
 最近、書店の一部を陣取っている書籍群に「ビジネスシーンでのコミュニケーション・スキル」に関するものがある。タイトルはさまざまで、意匠を凝らしたものが多いが、ベースになっている理論に注目すると、「コーチング」と言われるものや、「NLP(神経言語プログラミング)」をベースにしているものがとくに目に付く。両者とも輸入物だが、最近は日本的会話術よりもこちらのほうが売れているようだ。
 前者の「コーチング」は、先ず相手の話に耳を傾ける(傾聴)ことから始まり、“質問スキル”を使って自らが気づき、自らの行動を促すことに重点をおいている。一方「NLP」のほうは、人の無意識な部分をうまく活用できるようなコミュニケーション・スキルを身に付けることに重点をおいている。だが、両者とも目指す方向性に大差はない。
 今回紹介する本は、一応「NLP」理論をベースにしてはいるが、それほどこの理論を理解していなくても読める一冊である。要は、“これからの管理職には、どうやって部下のやる気を引き出すかが重要なキーワードになる。だから、コミュニケーション・スキルを学びましょう!?”と、“無意識”に語りかけるような内容になっている。「これまでのリーダーは、権限に支えられ、トップダウンでみんな従ってきました。だから権限さえあれば、誰でも、カリスマリーダーになれたのです。(中略)しかし、今の若い人はついてきません。王様が何も着ていないことを見抜いてしまいました。そして、『王様は裸だ』と平気で言います」
 つまり、権限だけじゃ人は動かない、監督・教師というだけで生徒・選手はついては来ない! というわけだ。ではどうするか。緊張を強いることがない、先入観を持たない、選手を尊重する、そしてラポール(信頼関係)を築けるコーチ、「スタッフの潜在意識が、『このリーダーのために良い仕事をしたい!』」と思わせるようなコーチなることであると本書は説く。これを「サイレント・カリスマ」と本書では呼んでいる。われわれスポーツ・コーチにも、大いに参考になる内容である。

“たるんでいる”という指導者
 私が原稿執筆中の現在、ちょうどトリノオリンピック開催中である。残念ながら日本は、今のところ期待されていた通りの成績とは言えない。が、唯一私たちの期待に見事応えてくれたのが、女子フィギアスケートの荒川静香選手だ。フリー演技当日、どれほどの人々が彼女の演技を固唾を呑んで見守ったことか。そして、演技終了と同時に“やった!”と快哉を叫んだことか。この約4分間の静と動に、正直私は感動した。もちろん、感動したのはフィギアスケートだけではない。スピードスケートもモーグルも、そしてカーリングにも感動した。みんな全身全霊を傾けて自分と戦い、競技場に立ち、始まればひたすらゴールに向かう。その全過程に、私は感動した。だから、戦い終えた彼らには、肩をポン! と軽くたたいて、こう言ってやりたい。「僕らは、君の事を誇りに思っている」。
 しかし、世の中みんながみんな好意的とは限らない。残念なことだが、ある知事は某記者会見の席で、トリノオリンピックでの日本不振について感想を求められて「たるんでるんだよ」と言った。私は正直この発言には幻滅を感じる。何が“たるんでいる”のか理由が欲しい。理由もなく、なんとなく言ったのなら、そういう発言はご自分のご家庭でどうぞ。責任のある者が、責任のある発言を求められる場で言う言葉ではない。監督が選手に「お前らたるんでるから勝てないんだ」と同列。昔なら、選手は「はい!」の大合唱だが、今は違う。だから、こういう本が書店に並びはじめたのです。ご一読を、知事。ところで、あなたは夏季オリンピックを日本に招致したい意向もお持ちと聞きます。大丈夫ですか? もし失敗すると言われますよ、国民に。たるんでいるから、と。
(久米 秀作)

出版元:ヴォイス

(掲載日:2012-10-10)

タグ:組織論 チーム リーダー 
カテゴリ 指導
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究極の勝利
清宮 克幸

「荒ぶる」魂の復活
 早稲田ラクビー部、正式には「早稲田大学ラグビー蹴球部」と言う。本書は、ここの監督を平成13年度から昨年度まで5年連続で引き受け、その間対抗戦5連覇、大学選手権優勝3回、準優勝2回、さらに平成17年度の日本選手権では社会人トップリーグチームと互角に渡り合い、ベスト4まで駒を進めるという日本でもトップクラスのチームに早稲田を育て上げた男、清宮克幸の熱き指導哲学書である。
 清宮克幸の指導者としての船出は、しかし決して順風満帆とは行かなかった。「OB会は(監督に)清宮を推薦することでまとまったけど、今度は選手たちが納得しないんだよ」どうやら早稲田では監督は選手が最終的に決めるようで、このとき彼は選手から監督就任拒否の憂き目を見たのである。「自分を否定されたのは、私にとって始めての経験だった。(中略)だが、ショックを受けたわけではなかった。選手たちが考えていることがわかったからだ」。彼は、ここ10年間大学選手権の優勝はおろか対抗戦でさえ優勝できない母校の低迷の原因をこの時点ですでに看破していたのだ。
「私が監督に就任するまで、早稲田のラグビー部は、毎日長時間の練習をしていた。そして、選手たちは早稲田ラグビーのスタイルを必死になっても身につけようとしていた」。彼はこの“悪しき伝統”、つまり形ばかりを重視した中身のない練習をすべてやめることから指導を始める決意をする。「最初に早稲田の選手たちに接するあたり、いくつか考えなければならないことがあった。何しろ、彼らは私の監督就任を希望していなかったわけである」(中略)「そこで、(監督としての)所信表明は非常に大切だった。私は、初日のミーティングで選手の度肝を抜くようなプレゼンテーションをして、私に対する猜疑心を晴らしてやろうと考えた」。そして、彼は効果的なプレゼンテーションを演出するために「それまでの早稲田の戦術を徹底的に否定する手法」を実行する。さらに「早稲田の目的は、大学選手権優勝であることを明言し、一気にトップに登りつめようと提案したのだ。選手に拒否されたことが、私に火をつけた」。こうして早稲田ラグビー部の「荒ぶる」魂は、指導者清宮克幸の熱い呼び掛けによってその重い腰を少しずつ上げ始めるのである。

早稲田式エンパワーメント
 清宮は早稲田ラグビーの強みを「個の強さ(パワー)、スピード、精確さ、継続(ボールを持ち続ける)、独自性、こだわり、激しさ」に求めた。そのなかでも、とくに“激しさ”と“こだわり”については主将を中心とした選手側の双肩にかかっていると言う。早稲田ではその年のチームを主将の名をとって「○○組」という伝統があるようだ。つまり、監督は選手に対して独立した人格を認めているわけだが、言い換えれば早稲田は伝統的に監督が選手に対してエンパワーメント(権限委譲)する機能を持っているということである。このエンパワーメントとは組織の潜在能力を引き出し、活性化させるためのアメリカの企業経営の潮流を示す概念のひとつだ。たとえば最近の企業では、上司が部下にどのように権限委譲していくかが企業業績を伸ばすポイントと考えている。結局トップダウン式会社運営や少数の幹部しか会社の正しい情報を知りえない独裁体制は近代的企業経営に向かないのである。エンパワーメントを進めるには組織全員のビジョンの共有化、境界をなくすバウンダリーレス、能力を引き上げるワークアウトシステム等が不可欠だが、早稲田は伝統的にそのエンパワーメントシステムを持っているようだ。詳細は本書に譲るが、現在一流と言われる他のチームもおそらく早稲田と同じようなシステムを持っているのであろう。清宮は「コーチングの哲学」のなかで、選手にはビジョンを共有化させ、現状を分析させてゴールを設定させると、選手は自然と未来予測を始めて自分で動き出すと述べている。清宮克幸のコーチングは正しいと、私は思う。
(久米 秀作)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-10)

タグ:ラグビー 組織 
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君なら翔べる! 世界を魅了するトップスケーターたちの素顔
佐藤 信夫 佐藤 久美子

おもろい夫婦
 トリノオリンピックでの荒川静香選手の金メダル獲得の余韻が覚めやらぬ3月下旬、今度はカルガリーでフィギュアスケート世界選手権が行われた。この大会にはトリノ大会4位の村主章枝ほか、中野友加里、恩田美栄の三選手が出場。いずれも世界トップ水準の選手たちだけに、大会期間中は多くのファンが再び“金”メダル獲得への期待を膨らませた。
 ところで、フィギュアという種目はテレビで見ていると(評者はテレビでしか見たことがない)、画面には演技直前リンク上で選手がコーチとなにやら会話を交わしている姿が先ず映る。そして、演技が終了すると選手は審判団の採点結果を待つ席に移動するが、そこにもコーチがしっかり横に座っている。これほど、コーチが選手に密着するスポーツは他にないのではないか。だけに、自然とコーチの露出度も、本人の好き嫌いは別として、選手と同様に増えることになる。
 日本で言えば、この露出度が最も高いコーチが今回ご紹介する本書のお二人である。ご存じない方もいるようだが、お二人はれっきとしたご夫婦。ご主人の佐藤信夫氏は村主章枝選手のコーチとして、奥様の久美子氏は荒川静香選手のコーチとして、トリノ大会では大忙しなお二人であった。
 そのお二人が自分たちのコーチ歴を語ったのが本書。お二人それぞれが、自分自身のこと、娘の佐藤有香さん(1994年世界選手権優勝者、トリノ解説者)のこと、そして村主、荒川、中野各選手のコーチングのことを読みやすい文体で語っている。とくに最後の「スペシャル対談」(第7章)は一読する価値十分にあり。読めばわかるが、このお二人、相当に「おもろい夫婦」なのである。

荒川と村主
「まず村主章枝のことは(中略)やはり難しかったのは、ジャンプ指導です。(中略)変なことすると、全部ダメにしちゃうかもしれない……。そうなるともう、口がうごかないんですよ」「僕はいつも、村主章枝に言うんですよ。『あなたの意見も聞く』と。だけど、あなたも僕の意見を聞いてくれないと困るんだよ、と」そうやって、腫れ物に触るようにはじめたコーチングだが、「あの全日本の前、2001年熊本のNHK杯で彼女はつまずいて、二つあるオリンピックの出場枠のひとつを、そこで手に入れることが出来なかったんですね」このコンディショニング調整失敗のときには「それはそれはおこりましたよ」しかし、その後村主選手はオリンピック5位、長野の世界選手権3位とつなげていく。「長野でメダルをとれたときはね、村主章枝、すごいなって。もう、尊敬しちゃった」こんな信夫コーチの率直な人柄も、選手には魅力なのであろう。
 さて、一方の久美子コーチ。「まず(荒川)静香ちゃん、彼女のスケートは抜群に上手ですよ。わたしは世界一だと思っています」さすが、コーチ! この後、荒川選手は金メダルに輝くわけだが、「ただ、与える印象がまだまだ冷たい。(でも)笑えばいいというものではないんです。あの冷たさは冷たさとして、これからは、それを『凄み』に変えていくことを、私は彼女に求めたいなと思います」確かに、彼女には凛とした美しさがある。そしてトリノの大舞台では、その美しさの透明度がさらに増していた。その“凄み”に、会場全体が飲み込まれた結果が金メダルだったわけだ。
 最後にお二人は自分たちのことをこんな風に語っています。(久美子)「私たちが選手を作ってきたわけでもないんです。(中略)たまたま出会いがあって、今教えているだけだと思うんです。そこは勘違いしないでやってきたつもり」。(信夫)「そこを勘違いしていたら、きっとここまで来れなかったでしょうね」本書の中では平気でお互いの性格や考え方の違いを述べるお二人。でも、ここだけはしっかり一致しておりました。やっぱり、相当に「おもろい夫婦」なのであります。
(久米 秀作)

出版元:双葉社

(掲載日:2012-10-11)

タグ:フィギュアスケート 
カテゴリ 指導
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部活動指導者に贈る「指導心得83ヶ条」
土屋 幸一郎

心のバレー
「心のバレー」こと土屋幸一郎氏のことをご存知の方は、全国に大変多くいらっしゃることと思う。本書は、1992年に土屋氏が発刊した「心のバレー」の廃刊に伴い、続編として上梓されたものである。
 ここで改めて、著者土屋幸一郎氏のバレー指導者としての系譜を見てみよう。土屋氏は「教職について4年目の1971年に大栄町立大須賀中学バレー部の顧問に就任、『出ると負け』の状態から出発。1973年、地区大会優勝、県大会初出場。1975年、関東大会初出場」と破竹の勢いでチームを引っ張っていく。そして、「1976年には、千葉県大会初優勝を飾る」ことになる。以来「18年間の指導で、千葉県大会優勝10回・準優勝5回・3位3回」。ここまで読むと、とても恵まれた環境の下で著者は競技をされていたように勘違いしそうだが、実はむしろ劣悪とも言える環境の元で著者はこの栄光を手に入れたのである。「理屈は無用、情熱と信念で実績を作り、いっぱしの教祖様になれ。まねるな見るな独裁者たれ」。「アイデアは日常茶飯事の中にある。幼稚で単純・気楽・無責任な思考法が源泉」。これは、本書のタイトルにもある“83ヶ条”の条文の一部である。一見すると、やや宗教がかった言葉とも読み取れるが、解説を読んでいくと、これらが著者独特の経験哲学から生み出された言葉であることに気づく。たとえば“教祖様になれ”については、「指導者にカリスマ的な要素が必要だが、これは誰にも備わっているものではない。(中略)カリスマになれないまでも、近づきたいと思えば、子どもたちが納得するような結果を見通す目をもつことに努めることだ。(中略)これは『勘』ではなく『読み』で、実際には予言・透視力といった神懸かり的なものはないのだが、場合によっては神秘的な印象を与えることになる」といった具合である。評者もこういった“教祖”的発言は、確かに人やチームを導く力として必要だと思う。ある著名なマラソン指導者は選手に対してその日の大会のタイムをずばり予測し、選手を驚かせるとも聞く。これは決して著者の言うように指導者の超能力の成せる業ではない。毎日選手といると自然と見えてくる“風景”のようなものなのである。

褒めてやらねば、人は動かじ
 指導者と選手は、果たして何で結ばれているか。“心”? 本書のタイトルからしてみれば、こう結びたいところであるが、残念ながら違う。答えはコミュニケーションだ。ところが、このコミュニケーションが難しい。なぜなら、このコミュニケーションにはある性質が存在するからだ。それは、コミュニケーションをとろうとする二人が同時にしゃべることができないという性質だ。つまり、コミュニケーションをとろうとすると、片方は黙っていなくてはならない。スポーツの場合、この片方は多分ほとんど選手側であろう。つまり、指導者は選手をコミュニケーションによって拘束しているとも言える。“拘束”とは辞書的に解説すれば「相手の行動の自由を縛ること」である。指導者がする注意、指示すべてが選手を拘束する。こういった状況の中で、選手がのびのびと行動するためには、指導者自らが選手を拘束から解き放つようなコミュニケーションをとる必要がある。コミュニケーションとは、言語だけではない。非言語、つまり指導者自らの行動もまた立派なコミュニケーションである。選手に模範を示したり、一緒になってやることは選手を拘束せずにコミュニケーションをとる最良の方法なのかもしれない。「どんな子にも認められる言動(バレー技術には限らない)や、プレーはあるもので、『よし』と思ったら、即これを公表するか、見本を演じさせる」という著者も“褒める”というコミュニケーションで選手の拘束を解いているように見える。指導心得のひとつ「してみせて、言うて聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」(山本五十六)の言葉を引用する著者の慧眼に敬服する。
(久米 秀作)

出版元:バレーボールアンリミテッド

(掲載日:2012-10-11)

タグ:バレーボール 指導 コーチング 
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匠の技 五感の世界を訊く
田中 聡

幻の三代目豆腐職人
 豆腐屋の長男として産まれた私は、いずれ「板井豆腐店」の三代目として豆腐職人になるはずだった。
 うちの豆腐は「大豆の風味がよく生きていて旨い」と評判だったようだ。ところが時代とともに近代的機械を使った量産化の波が押し寄せ、しかしそれに乗らずに一家の手作業だけでつくった豆腐を細々と売るだけではやがて立ち行かなくなってしまったらしい。私が4歳の頃、父親が豆腐職人からサラリーマンに身を替えて家計を支えることとなり、豆腐屋は廃業するに至った。そのため豆腐屋の三代目を名乗ることはできなくなったが、逆に家業に縛られることもなくなった。お陰で好き勝手な進路へ進ませてもらうことができ、現在のような立場に身を置いて好きな棒高跳びも(たしなむ程度ですが)続けたり、学生の練習指導を(冷やかし程度ですが)することができているのである。

独特の動きとリズム
 おぼろげだが、豆腐をつくっている祖父や両親の姿を、祖母に背負われてワクワクしながら眺めていたのを覚えている。大豆を茹でて擂ったものを入れた麻袋を搾ると、後にはオカラが白い固まりとなって残されている。白く濁った液体しかないと思っていた袋の中から固体が取り出される瞬間が手品のようで面白く、せがんでやらせてもらうのだが、ほんのちょっとしか搾れず麻袋はまだ水っぽくてブヨブヨしている。代わって父がやると信じられないほどたくさんの搾り汁が取れ、カラッカラのオカラが出現するのだ。また、できたばかりの豆腐が、水を一杯に張ったフネと呼ばれる容器に放たれ、ゆったりと水の中で横たわっている姿は、何か巨大な生き物が水槽で泳いでいるようで幻想的だった。そして、そのとてつもなく大きな豆腐を祖父は左手1つで自在に操り、右手に持った包丁でスイスイと所定の大きさに切り分けてしまうのである。
 うちのほかにも近所には建具屋、鍛冶屋、銅板屋、のこぎり屋、床屋があって、職人のオジちゃんたちが独特の動きとリズムを持って働いている姿はいつまで見ても飽きることはなかった。
 また不思議だったのは、彼らにどんな質問を投げかけても、その都度子ども心にもストンと腑に落ちる答が返ってきたことだ。この人達は皆、今している作業の行程全体での位置づけがすべてわかっていて、作業の細部を見つめたり全体を俯瞰したり、意識を自在に行き来させることができていたのに違いない。つまり、基礎を踏まえているからこそ、どんな質問がきても相手の力量に応じた言葉で答を探し出してくることができたのだと思う。

一流アスリートとの共通点
 そう考えてみると、昨今の日本の一流アスリートには、上記のような職人的雰囲気を漂わせている人が多いように感じられる。競技へ取り組む態度というか、行為の認識の仕方が非常に似ていると思うのだ。 動作はどれも簡単で自動的にやっているように見えるのだが、実は一つひとつに長い年月をかけて培われた基礎があるからこそのものである。それらは、容易に真似などできっこない動きであり、淀みなく美しい立ち居振る舞いでもあるのだ。
 本書は、職人的仕事を生業とする人たちはどんな身体感覚を持っているのか、「五感のいずれかが鍛え抜かれているプロフェッショナル」な超人たちの話を訊き集めたものだ。
「生業のなかで特殊なまでに鍛えられた鋭敏な」感覚を持った人たちの話がテンコ盛りに盛り込まれ、ワクワク感に満ちた一冊となっている。
(板井 美浩)

出版元:徳間書店

(掲載日:2007-08-10)

タグ:身体感覚 職人 動作  
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スポ-ツに言葉を 現象学的スポ-ツ学と創作ことわざ
山口 政信

宿題に追われて
 小学生の頃、夏休みを迎えて何が憂鬱かといって読書感想文と自由研究ほど憂鬱なものはなかった。嫌なものは当然早く片づくはずもなく、いつもギリギリになって大変な思いをしたものだ。
 読書が嫌いなうえに作文は下手、探究心もそれほど旺盛でない子どもがそのまま大きくなったらどうなるか? 苦労するに決まっているのだな、これが。
 ただし、大学生になってもそのことにまだ気づいていない。棒高跳びの大先輩による「ガーン! グーン! スポーン!」という大名言のせいでもあるのだが、このオノマトペ(擬声語)には棒高跳びのすべてが詰まっていると信じ、長じて感覚的なイメージだけで人間は理解し合えると思っていたからだ。
 しかしこれは実際に棒高跳びをやったことのある者、あるいは、その場にいて身振りを見ながら聴いた者でなければわかりにくい感覚なんですね。ちゃんと言葉を用いて表現しなければ普遍的に理解されることは難しい。それも感覚の異なる人たちに理解され、しかもできるようになってもらうためには、体育大学にいたときとは全く別のアプローチが必要なのだ。慌てて「身体」という語が入った本を買ってみたり、「哲学」だの「原理」だのという題のついた本を机に積んでみたり、と苦労が始まった。
 すると不思議なことに何かがわかったような気になったらしい。しかし己の無知を知らないというのは困ったもので、いまだわからないこと、知らないことばかりのくせに先日ある会でシタリ顔をして能書きをならべたて悦に入ってしまった。そこへ、柔和な顔をした優しそうな人がニコニコ近づいてきて、うちの雑誌に何か書きませんかなどと言うものだから、ついいい気分になって引き受けてしまったら、さあ大変、何の因果か小学生の夏休みと同じ思いをするはめになってしまった。締め切り当日になって書き始めたのだが、あ! もう日をまたいでしまった…。嗚呼、ついには陽も昇ってきたぞ!
 以上、ちゃんと勉強しておかないと大人になって恐ろしい思いをするというお話でした。

頭に柔軟性を持つ
 さて本書だが、『現象学的』立場からスポーツ現場に『言葉』さらには『創作ことわざ』を導入しようと試みたものである。「ことわざ」とは「生活の中から生まれ、むかしから伝わっていて、なるほどと思わせる、短いことば」(三省堂の国語辞典より)のことだが、それを『創作』するためには、自分にとっての「当たり前」や「常識」を見つめ直し、構築し直す頭の柔軟性が必要となる。
『現象学』とは、浅学を承知で言うならば、ある観察対象について観察者の主観を交じえずに記述しようとする態度のことである。いくら観察者が客観だと思っていても、そこには彼が育った社会的文化的背景、すなわち観察者にとって『当然と思っていたこと』が反映してしまうのだが、それを『一時的判断停止=エポケー』して『本質に迫る』こと、あるいは自分がある特有の立場でしか観察できていないことを認識したうえで考察をすることである。
 つまり、ここにバッタを甘露煮にして食べる県民がいたとしますね、それを見て「うえー! うちの県じゃこんなもの食わねえよ!」という気持ちをいったんカッコで括っておいて(すなわち、エポケー)素直に見つめ、相手の立場を尊重しようとする態度、ということであります。
 スポーツ(生徒、選手、技術、戦術)という現象を観察者(教師、コーチ、監督)が一方的に解釈するのでなく相互に理解する態度を養うことで、ありがちな体育会系縦社会の短所を払拭し、スポーツ現場でのコミュニケーションをより有機的なものにしようと本書は訴えているように思う。
「ガーンとやってグーンと行ってスポーンだって言ったじゃないか! 何で分かんないんだよ! ちゃんと俺の話を聴いてんのか? こんにゃろめ!」という経験をしたことがある人ならぜひ読んでおきたい一冊だ。
(板井 美浩)

出版元:遊戯社

(掲載日:2007-10-10)

タグ:言葉 現象学 オノマトペ 指導  
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泳ぐことの科学
吉村 豊 小菅 達男

 コーチやトレーナーは科学の目で物事を捉え、科学の頭で考えるべきである。しかし実際に対象となる選手に、この方法は科学的だからという理由だけで納得させ、実際のパフォーマンスに結びつけることは容易ではない。科学的に「わかっている」ことをいかに咀嚼(ルビ:そしゃく)し、個々人にあった方法に消化し、効果的に伝え、落とし込むことができるか、これはコーチ、トレーナーという人間の力に大きく左右される。科学的な基礎の上に経験に裏打ちされたさまざまな工夫を重ねるうち、壁を越えて成長し、それを改めて科学的に解析した結果、今までよりもさらに効果的な方法が一般化されることも少なくない。そこにバランスの妙がある。
 本書『泳ぐことの科学』では、「普通の選手でも天才のレベルまで感覚を高めることができる」方法として「ビルド・トレーニング」が紹介されている。科学の目を持ったうえでの体験を通し、試行錯誤のうえで完成したというこのトレーニングは、「考えている動作と実際に行う動作を近づけていく練習方法」である。科学的にみて効率のよい泳ぎに近づけるための秘訣が紹介されているわけである。しかし「ビルド・トレーニング」をただ知っているだけではその100%の効用は期待できないだろう。設定したゴールを分節化し、段階的に達成すべく指導することはコーチングやアスレティックリハビリテーションなどにおける基礎であるが、個々人の問題点を正確に分析し、効率的に改善するには科学的知識として「わかっている」部分と、経験などから「納得できる」部分との適切な融合が必要になる。ここがまさにコーチとして面目躍如たるところであり、この存在が介在することでそのトレーニングの効果は最大限に引き上げられるはずだ。
 トレーナー業務でも、たとえば膝の前十字靭帯損傷再建術後のリハビリテーションでは、今までの臨床例の積み重ねから大まかなプロトコルはできあがっている。しかし1分1秒でも早く復帰したいアスリートとの半年以上にわたって続く綱引きは、そんな定められた流れでは抑えきれない。変化に富んだプログラムを、いかにアスリートが納得しながら取り組めるか。アスリートの覚悟が問われるところでもあり、トレーナーの人間性や信頼度、腕の見せどころである。
 さて、科学的といっても、昨年からメジャーリーグを震撼させている薬学は、その使用方法を大きく誤った例である。日本のJリーグでも話題になったケースがあったが、ドーピングコントロール規定の認識不足といった議論はされても、試合前に高熱や脱水症状を呈する体調になったという本人やメディカルスタッフの問題、またそのような体調の選手を試合に出場させないという決断ができなかったことに対する議論はあったのだろうか。サッカーではごくまれにではあるが試合中に心不全と思われる死亡事故が報告されている。ドーピングという明らかな違反行為に至らなくとも、高地トレーニング中の事故や、サプリメントの濫用など、科学という名の下にひずみが起こっていないわけでもない。科学とは最大限利用すべきであるが、絶対的な正解ではないことを理解する必要もあるだろう。
 いずれにせよスポーツの世界ではヒトが積み重ねた経験と弛(ルビ:たゆ)まざる努力を科学が追い越し、追い越され、少しずつ進化していく。そこがおもしろいところである。
(山根 太治)

出版元:日本放送出版協会

(掲載日:2012-10-12)

タグ:水泳 コーチング 
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戦術眼
梨田 昌孝

 私が以前トレーナーとして関わっていたチームが昨シーズン日本一に輝いた。登り詰める階段が目の前にあるのにそこに至る扉を蹴破れず、伸び悩む苦しみにあがいていたあの頃。今では中堅だった選手たちがベテランの域になり、若手だった選手たちが中核選手になっている。代表のチームリーダーともなっているある選手と会う機会があった。再会を喜んでくれた彼は、選手自ら考え、取り組み、覚悟を決めるということが紆余曲折を経てやっとできるようになったと話してくれた。スタッフによる環境づくりがなければできないことだし、数ある要因の1つだが、これが最も重要な部分であることに間違いないだろう。
 さて、本書「戦術眼」の著書は言わずと知れた北海道日本ハムファイターズの梨田昌孝監督である。そこにも「究極の育成法は、自分の努力で自身を成長させることなのだ」とある。そして「選手たちに自己成長の大切さを伝え、自ら伸びていこうとする選手にきっかけを与え、成長過程でのサポートをしてやること」が指導者の役割だと明言している。そして同時に選手にも求めている。たとえうまくいっているときでも、「試行錯誤と変化を恐れず」自分を進化させていくことが一流への道であり、それを目指せと。

 言葉にすると当たり前のことで、強いチームはこのあたりがよくできている。冒頭にあげたチームもそうだろう。内容では負けていても、勝利をもぎ取るような展開を見せた試合などは、その強みの面目躍如といったところだった。しかし、これを現場で実現させることは生やさしいことではない。本書でも、そのためには指導者と選手との間で「普段からさまざまな方法のコミュニケーションをとり、組織が目指す方向性を理解できる感性が必要」だと述べている。
 コミュニケーション。これはただよく話をするということだけがその方法ではない。さまざまなツールを利用し、ありとあらゆる方法を用いて行うべきものである。
 シーズン開始時にこのような本が出ることはどういう意図があるのだろう。チームを2年連続リーグ優勝、そして日本一にも導き勇退したトレイ・ヒルマン監督の後を受け、著者はチームをさらに進化させることを約束している。
 俺は近鉄バッファローズという他チームで選手として、監督として成長してきたが、このように野球を愛し、取り組み、考え抜いてきた。そして覚悟を決めて北海道にやってきた。さあ一緒に戦おう、とファイターズの選手やスタッフ、ファンに向けたコミュニケーションツールの1つとして、本書は強烈な存在意義を持つように感じる。
(山根 太治)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:2012-10-12)

タグ:野球 戦術 
カテゴリ 指導
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運動療法と運動処方
佐藤 祐造

 本書は2005年2月に刊行された『生活習慣病対策および健康維持・増進のための運動療法と運動処方』の改訂第2版である。初版が刊行された2005年と言えば、2000年に策定された「健康日本21」、2002年「健康増進法」の制定により、国民の生活習慣病やメタボリックシンドロームへの意識がいっきに高まっていった時期でもある。さらに2008年「特定健診・保健指導」が保険者に義務づけられ、ますます運動療法や運動処方への注目は高くなっている。
 今回の改訂では、この「特定健診・保健指導」にも対応できるよう「エクササイズガイド2006」など、運動療法、運動支援に関する最新の内容が加筆されている。また、整形外科の分野でも運動器不安定症への取り組みが行われているが、本書では整形外科疾患に関する項目を増頁し、整形外科医、理学療法士による最新の内容が掲載されている。さらに脳神経外科の項目も新たに設けられ、小児科臨床面の増強、運動指導者向けの実践的知識として、運動施設での救急対応などの項目も追加されている。
 副題に「身体活動・運動支援を効果的に進めるための知識と技術」とあり、コメディカルスタッフはもちろんのこと、健康科学を学ぶ学生にも、わかりやすく学ぶことができる本である。
(田口 久美子)

出版元:文光堂

(掲載日:2012-10-13)

タグ:運動処方 
カテゴリ 指導
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見抜く力
平井 伯昌

 幻冬舎新書の新刊。副題は「夢を叶えるコーチング」。もちろん、著者は、北島康介、中村礼子、上田春佳選手を育てたコーチである。
 平井コーチは、もともとは水泳選手だったが、在学中に選手からマネージャーに転向した。以来、選手をみる目、そしてどう判断し、いつ、何を言うかを学んでいった。
 この本でも語られるが、上記3人の選手はみなそれぞれタイプが異なる。北島選手は強い精神を持ち、「勇気をもって、ゆっくり行け」という言葉がよい結果を生む。何度断っても指導してほしいと言ってきた中村選手は、「押しかけ選手」だが、北京オリンピック100m予選で日本記録を出したが、「よし、行ける!」と思うタイプではなく、「つぎ、どうしよう?」と思い悩むタイプである。自分でプレッシャーをつくってしまい、その結果、守りの姿勢になってしまう。上田選手は、何を言っても聞いているのかいないのかわからないようなタイプ。
 それぞれ個性的だが、コーチはひとり。対応を変えないと、うまくいかない。本書の章題は「五輪の栄光」から始まり、全7章あるが、「見抜く力」「人を育てる」の章は誰でも大いに参考になる。最後は「夢を叶える」。夢に向かって動き出したくなる本である。

2008年11月30日刊
(清家 輝文)

出版元:幻冬舎

(掲載日:2012-10-13)

タグ:水泳 コーチング 
カテゴリ 指導
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日本テニススウィング革命
中野 薫

 著者は、日本人がテニスで不振である理由として、「体幹を支持する足使いと腕使いでスクエア・スタンス打法のテニスを指導しているから」と主張する。海外のトッププレーヤーでは「オープン・スタンス打法」であり、「骨盤を土台とし、体軸を中心にして肩にトルクを与え、体幹の弾性体(腹腔と肋軟骨)をねじって」スイングしているという。また、「前腕を回内する外捻りのトルクの腕使い」「肩甲骨を外転し、胸郭に張りつけて前鋸筋を使う内捻りのトルクの腕使い」など「新しい発見による独創的な運動科学の理論」(41ページ)を著者は「ニュー・パワー理論」としている。
 でんでん太鼓などの例を用いながらまとめている。その記述はシンプルながら難解であり、バイオメカニクス的な用語なども独自の解釈が見受けられるようだが、感覚的な部分においてはヒントが得られるかもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:幻冬舎ルネッサンス

(掲載日:2012-10-13)

タグ:テニス 
カテゴリ 指導
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ジュニアサッカーコーチングメソッド
平野 淳 Soccer clinic

 ジュニアサッカーにおける指導について、コンセプトとともに、具体的な方法を紹介している。総論を述べた後、U-6、U-9、U-12という3つのカテゴリごとに、それぞれの特徴が示されており、各々に合致したトレーニング方法が25ずつ、合計75もの図解がある。
 各年代が、発達段階において精神的・身体的にどのような状態であるのか、何を楽しいと思うのか、現場での指導経験を踏まえた実践的なメソッドである。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:サッカー コーチング 
カテゴリ 指導
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バレーボールコーチングの科学
カール・マクガウン 杤堀 申二 遠藤 俊郎 福永 茂 河合 学 篠村 朋樹

 バレーボール発祥の地アメリカ。過去には素晴らしい成績を残していた。しかし、近年、国際大会で思うような成績を残すことができなくなっていたが、昨年の北京五輪では男子が金メダルを獲得し回復しつつあるといえる。著者は過去の黄金時代を支え、現在の日本バレーの礎を築いたといっていっても過言ではない理論を構築した方である。
 本書を読み進めていくと、著者がかなりの量の学習をしていることが読み取れる。それは浅くもなく、深すぎることもなく現場で指導する際にちょうどよい内容で書かれている。ポイントはすべて運動学習に基づいて指導している点であり、押しつけではなく、気づき、提案によってスキルアップや、人間としての成長をしてもらいたいということが読み取れる。日本の指導者の多くがこれを学び実践しているが、成績としてなかなか残せていない。運動学習のポイントとなる、正しくフィードバックをするということができていないのではないかと考えられる。
 技術や戦術が進歩し、1年前に間違いだったことが半年後には正しいとされることは珍しくない。そんな中でも、この本は変わらない基本を押さえているものであり、困ったときにはもう一度や見返していただきたい本である。写真や図説は少ないが、読めば読むほど共感することが増え、自分の中の創造力を刺激してくれる。

カール・マクガウン編
杤堀 申二(監修)、遠藤俊郎(翻訳代表)、福永茂・河合学・篠村朋樹(訳)
(金子 大)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:バレーボール 
カテゴリ 指導
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実践ビーチバレーボール
カーチ・キライ バイロン・シューマン 瀬戸山 正二

 スマートという言葉が似合う著者、カーチ・キライは、インドアとビーチ両方で金メダルを獲得した唯一の選手である。現在日本ではインドアからビーチへ移る選手が増えているが、その世界的な先駆けであるのが、カーチ・キライであり、監訳をされている瀬戸山正二も日本初のプロビーチバレー選手である。
 本書は、読むにあたりバレーボールの基礎知識や生理学が必要と思われる。文中に専門用語が多数登場する。単にレシーブやトスだけでなくレセプションやディグなど作戦面や技術において、近年一般的に日本で使われるようになってきた言葉が当たり前に使用されている。トレーニングの章においても、ストレッチ-ショートニングサイクルなども登場するので、これらも上級者向けの内容となっている。
 しかし、本の薄さからは想像できない内容の濃さである。基礎技術から発展技術、トレーニング、コンディショニングなど幅広く網羅されていて、それはまさしくスマートにまとめられている。また、言葉ひとつひとつから著者の情熱が伝わってくる。
 レベルアップしたいと思っている方におすすめの一冊である。

カーチ・キライ&バイロン・シューマン著、瀬戸山正二 監訳
(金子 大)

出版元:大修館書店

(掲載日:2012-10-13)

タグ:ビーチバレーボール 
カテゴリ 指導
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マラソンの真髄
瀬古 利彦

 トップレベルの競技者だった著者が、現役時代に何を考え、練習に取り組んでいたのか。
「練習は、レースで勝つために行うもの」
 なぜその練習をしているのか、あるいはなぜする必要があるのか。試行錯誤をしながら、自分で考えられるようになれば、世界に近づけるかもしれない。
 世界を目指している競技者は、種目を超えてぜひ読むべき一冊である。
(澤野 博)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:マラソン 
カテゴリ 指導
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テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人
村松 尚登

 日本のサッカーが上手になるためのヒントを求めてスペインへ単身乗り込んだ著者。テクニックはあるが、サッカーは下手な日本人という評価に対して、どのようにして活路を見出したのだろうか。本書は、スペインでの生活を織り交ぜながら書き上げた、コーチという立場からの問題提起である。
「戦術的ピリオダイゼーション」を理論的根拠とし、サッカー選手をサッカーの中で鍛えていくことがの必要性を実感に基づいて訴えている。サッカーのゲームをどのように分析するかという点において複雑系の枠組みを取り入れて考えているのが特徴。「バタフライ効果」(チョウの羽ばたきが別の場所で嵐を引き起こすように、予測不可能な効果を発揮することのたとえ)を期待し、締めくくっている。コーチング領域において意義ある提案である。
(当初は講談社ランダムハウスより刊行、現在は武田ランダムハウスジャパン)
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:武田ランダムハウスジャパン

(掲載日:2012-10-13)

タグ:サッカー 
カテゴリ 指導
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高齢者さわやか体操
石井 紀夫

 まず、高齢者の特徴を知るところから始まる。そして介護保険制度を学び、健康づくりの推進としてリハビリテーションへと進む。
 実技編では、この道の第一人者、石井千恵さん、竹尾吉枝さん、岡本正一さん、鈴木孝一さんが、それぞれの得意分野でさまざまなエクササイズを紹介している。写真もあって、指導のイメージがつかみやすい。この4人の先生方は、もっといろいろな手法を持っているので、これを機に調べてみても面白いだろう。
 少々高額だが、内容が濃い。これから先、ますますニーズが高まるであろう高齢者指導の幅が広がること間違いなし。
(平山 美由紀)

出版元:金原出版

(掲載日:2012-10-13)

タグ:高齢者 運動指導 
カテゴリ 指導
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎 夏海

“This is a pen.”
 教科書には載っているが、なかなか実生活の中では使うことのない文である。しかし、この文から英語の構造を学び、多くの実用的な文となってわれわれを助けてくれる。教科書とはそういうものかもしれない。そのためそのまま応用して活用できる者もいるが、参考書でワンクッション入れることで応用問題に活用できる者もいる。
 この作品はタイトルの通り、高校野球の女子マネージャー初心者の主人公がとりあえずマネジメントとは何かを学ぼうと本屋で出会ったドラッカーの『マネジメント』を読みながらストーリーが展開していく。当初は、“マネジメント”違いに戸惑いながら半ば根性で読み続けるが、次第に高校野球のマネジメントと経済学のマネジメントとの共通項を見つけて応用していく物語である。
 ドラッカーの『マネジメント』という教科書を応用(しかも高校野球に)できる者はなかなかいない。役立て方がわからずに退屈して授業を受けている経済学部の大学生もいるだろう。しかし読書百篇、読み込んで云わんとするところを熟慮すれば、経済学と高校野球という遠く思われた集合体に「組織の発展」という共通項が見えてくる。共通項が見出せて、ドラッカーの『マネジメント』のような不朽の教科書があれば、その応用方法は変幻自在だということを例文のみで紹介した参考書と言える。
 やや奇抜な表紙や挿絵は、経済学ともスポーツとも異なる層を誘引するための愛嬌であろう。
(渡邉 秀幹)

出版元:ダイヤモンド社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:マネジメント 
カテゴリ 指導
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最強のコーチング
清宮 克幸

「コーチ」「コーチング」という言葉の語源は、ハンガリーの「Kocs」であるといわれている。Kocs村では四輪の旅客用馬車を製造しており、そこから「大切な人をその人が望むとこまで送り届ける」という動詞の意味が生まれたそうである。スポーツの世界では、選手が本来持っている能力や可能性を引き出すという意味合いで用いられていることが多い。
 本書の著者は清宮克幸氏である。スポーツの世界に身をおく人間として、氏の名前を知らない者は少ないだろう。2001年に早稲田大学ラグビー部の監督として就任後、長年低迷していた同チームを2003年には13年ぶりの大学選手権優勝に導き、また2005年、2006年には31年ぶりの大学選手権連覇を達成するなど、大学ラグビー界最強のチームに成長させた。また2006-2007年シーズンより2009年-2010年シーズンまでは、サントリーサンゴリアスの監督として日本トップレベルのラグビーチームを率い、その活躍は周知の通りである。
 清宮氏の常にぶれないコーチング理論・哲学をかいまみることができる。コーチングにおける「周辺視」「目的の明確化」「人材の適材適所」「目標の数値化」「競争と同士愛」そして「場」の重要性、さらにセオリーを重要視しながらも、それにこだわりをみせない柔軟な姿勢の大切さが示され、なおかつそれは大学選手権3度の優勝という結果に裏づけられているのである。
 優れたコーチング能力はコーチのみではなく、アスレティックトレーナー、ストレングストレーニングコーチなどスポーツ現場に関わるすべての人間にとって必要な要素である。私自身アスレティックトレーナーとして、個人や集団をまとめて目標達成へと導くことの難しさを多く経験してきている。当然のことながら、コーチング能力は自らのトライ&エラーにより身につけていくものであり、読書によって得られるものではない。ただ、本書により日本有数のスポーツコーチの考えに触れることで、自身の経験知のみによるコーチングを再考する有意義な機会になるのではなかろうか?
(越田 専太郎)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:コーチング 
カテゴリ 指導
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What is Coaching? 今、コーチに求められるもの
立花 龍司

 初版は平成10年。10年以上前の書籍である。しかしこの本の内容は決して色あせることなく、今も貴重な現場の声として価値があるものである。数ある著書の中で、おそらく唯一の具体的なトレーニングを中心としていない本であるが、最も内容の濃い作品ではないかと思っている。
 評者もまだ学生だった頃、この本に大いに勇気づけられた。そして渡米を決意し、憧れであったプロスポーツの世界へ足を踏み入れることができた。尊敬する立花氏ご本人と一緒に仕事に就けたことは私にとって一生の財産となるだろう。
 今、改めてこの本に目を通すと、当時の立花氏の視点が非常に的を射ているのを痛切に感じる。悲しいかな、プロ野球のコーチに関する問題点はこの十年でさほど改善されていないのではないか。愛する野球がこれからも日本を代表する球技であり続けるためにも、次の十年を迎えたときには、この状況が改善されている事を強く願う。決して過保護にすることではなく、一人一人の人格を尊重した、選手主体の成熟した現場が構築されていってほしいものである。
 スポーツ界の未来を今後担っていく、次世代のコーチや指導者に、今もなお自信を持って薦められるのが、この本である。野球界の未来へのポジティブな情熱――そんな思いを喚起してくれる。
(弘田 雄士)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:コーチング 
カテゴリ 指導
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コーチングの技術
菅原 裕子

 コーチングと聞くと、スポーツにおける監督から選手への指導が1番に思い浮かぶが、実際にコーチングが行われるのは、スポーツだけに限らない。仕事に関してや人間性の教育、躾に至るまで、さまざまな場面があり、その方法も多種多様である。
 もともと「コーチ」とは馬車が語源で、人を目的地へ運ぶことが言葉の由来だ。東京から大阪へ行くという目的に対して、飛行機、新幹線、車などの選択肢の中から最善策を選んで目的達成に向かわせるのがコーチングである。
 このことは、選手を育てる際、筋力や敏捷性、技術力、人間性などの要素のどれを高めるか。というようなケースに当てはまる。これらの要素にどの様にアプローチしていくかが、コーチングの重要な要素となる。
 上記の例の中で、飛行機で行くのが最善として、自らその最善策を選べる人に育つか、道を示されなければ動けない人に育つか。指導の進め方によっては結果が同じでも内容やプロセスが大きく違ってくる。指示がなければ動けない「指示待ち人間」になるのもコーチングの結果であり、理想の結果につなげるためのコーチングが求められる。そのための効果的なコーチングには、相互の信頼が大切になると筆者は訴えている。
 実際のコーチングには本書の様な指南書はあってもマニュアルはないと私は考えている。本から得た知識と、指導経験。そして何より本人を思う気持ちがコーチングには必要ではないだろうか。コーチングとは形ではなく、気持ちと気持ちを結ぶものである。
 筆者も、コーチングは指導法であると同時にコミュニケーションでもあるとし、指導の際の相手の心の開き方や育成中の我慢の大切さ、相手の可能性を信じることなど、コーチングの軸となる人間観を重要視し、それに応じた具体的な指導法を本書で紹介している。
 自分の指導法を見直したり、コーチングに関する見方や考え方を広げたい方におすすめの一冊である。コーチングの幅を広げ、結果につなげるために活かしていただきたい。
(山村 聡)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:コーチング 
カテゴリ 指導
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確かなサッカー技術の習得と指導のために インサイドキック応用編
麓 信義

 前作の基本編に続き、インサイドキックのみに絞ったサッカー技術の解説書である。初心者へどのように教えるかという観点から、場面に合ったインサイドキックの使い方、ボールを浮かすキックなど、連続写真を用いて丁寧に解説している。前作に引き続き、基本に忠実であり、それに沿った数々の練習方法が示されている。
 対戦相手がいることを念頭においた練習方法であり、脚を振り回すなどの悪い癖が出ないようにするためにどうすればよいか、言葉を尽くして説明している。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:杏林書院

(掲載日:2012-10-13)

タグ:サッカー キック 
カテゴリ 指導
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骨盤力 アスリートボディの取扱い説明書
手塚 一志

 素晴らしいパフォーマンスを見せてくれているアスリートがいるとします。しかし、その動きを言葉で表現するのは難しくはないですか? しかもその動きを人に教えようとすると、「踏み込んで」とか「力をためて」とか、はたまた「ブワー」とか「グッと」なんて表現になってしまうかもしれませんよね。この本はそんなもどかしさを解消してくれる一冊です。
 著者の手塚さんが、多くのアスリートが言葉にならない感覚をイメージで表現してきたもの、そしてそれを一つのメソッドとしてつくり上げたものを、惜しみなく披露してくれています。どこの関節を、とか何筋とかではないのです。外からは触れることのできない、骨盤の中にその秘密が隠れているのです。静かに読んでいても、思わず立ち上がって自分でやってみたくなる、そんな本でした。
(大槻 清馨)

出版元:ベ-スボ-ル・マガジン社

(掲載日:2012-10-13)

タグ:トレーニング 
カテゴリ 指導
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スポーツオノマトペ なぜ一流選手は「声」を出すのか
藤野 良孝

「ンッガァァァァー!!」「サー!」「シャァァァー!!」
 こんな掛け声のような雄たけびのような、言葉とは言えないような「声」をあなたも聞いたことがないだろうか。“ただの気合の声だろう?”そう思っていたその“声”には、とてつもない魔力と勝利へのカギが隠されていた。
 著者は、そんなスポーツ中に発せられる「声=オノマトペ」から、その選手の体調(調子のよさ)までわかってしまうという。そんな新しい“スポーツの見方(楽しみ方)”を提案している。
 そしてこのオノマトペにさまざまな意味と効果を見出し、その種類と効果を定義づけし、この“声”を言葉の壁を超越した指導方法として有効であると説いている。
オノマトペ? 何だ、それは? そう思った方は、とにかくぜひ読んでもらいたい。オノマトペについて全く知識のない人でも安心して読めるほどわかりやすく丁寧で、そして何より著者の情熱がひしひしと伝わってくる一冊である。
(藤井 歩)

出版元:小学館

(掲載日:2012-10-14)

タグ:オノマトペ 
カテゴリ 指導
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君なら翔べる! 世界を魅了するトップスケーターたちの素顔
佐藤 信夫 佐藤 久美子

 本書は夫婦である佐藤信夫氏、佐藤久美子氏が著者であり、共にフィギュアスケートのオリンピック選手であった。
 フィギュアスケートをテレビで見ていると、とても華麗な競技であるとイメージする方も多いはず。しかし、実際の練習や私生活は、とても過酷なものであった。練習場所の確保、多忙な毎日、さまざまなプレッシャー。決して良いとはいえない環境の中で、すばらしい結果を残してきたトップスケーターの素顔とその選手と共に頑張ってきた佐藤夫婦の気持ちが書かれている。
 現在では、フィギュアスケートの大会が開催されるとなれば、日本中がざわめくほど注目されているスポーツになっている。しかし、トップスケーターたちは努力と苦悩の日々を重ねて、あの輝かしいリンクに立っている。歴代のトップスケーターと言われてきた選手たちの言葉、さまざまな壁を乗り越えてきた日々の舞台裏を本書でぜひ知っていただきたい。
(清水 歩)

出版元:双葉社

(掲載日:2012-10-14)

タグ:フィギュアスケート 
カテゴリ 指導
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バレーペディア バレーボール百科事典
日本バレーボール学会

 バレーボールに特有の言葉として、たとえば二段トスがある。これはブロックでの接触を数えていたときの名残りである。本書では、このようにバレーボールの用語やプレーについて、歴史的経緯を織り交ぜながらまとめている。しかし、コラムやイラストも多く、決して硬い内容ではない。
 トレーニングやコンディショニングに関わる専門職が、未経験の競技でサポートに入る場合、競技特有の表現に戸惑うことがあるかもしれない。本書を読むことでチームで共通認識を持つ助けとなると考えられる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日本文化出版

(掲載日:2012-10-15)

タグ:事典 バレーボール 
カテゴリ 指導
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ジュニアサッカーコーチングメソッド
平野 淳

 ゴールデンエイジと呼ばれる年代があり、神経系発達の著しい時期で将来のポテンシャルに大きく影響することは知られている。そんな大事な年代へのコーチングが具体的かつ豊富な経験談から綴られている。
 サッカーのコーチングにおいてジュニア期をさらにU-6年代、U-9年代、U-12年代と区切り解説してある。初めにジュニア期の全体を通した特徴やコンセプトについての総論、次に3つの年代の各論へと続き、理論の後に具体的なトレーニングメニューの紹介といった流れになっている。
 各年代での特徴や相違点などが、心理面と身体面の双方からはっきりと述べられておりわかりやすい。サッカーの指導はもちろんだが、土台となる人間形成における教育やトレーニングに対して楽しむ(Fun)という気持ちを育む重要性を念頭におき、その他の要素を展開している。
 著者の海外での豊富な経験から、日本と各国の違いや多様なトレーニングメニューが記載されている。トレーニングメニューはアレンジ次第で他の競技でも用いることが可能であり、ジュニア期を指導するさまざまな競技の指導者の方々にはぜひ、読みこなしていただきたい1冊である。
(池田 健一)

出版元:ベ-スボ-ル・マガジン社

(掲載日:2012-10-15)

タグ:サッカー ジュニア指導 
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世界でただ一人の君へ 新人類北島康介の育て方
平井 伯昌

 これは水泳コーチのみならず、部下を持つ人、子を育てる人、あらゆるスポーツの指導者、あらゆる芸術の指導者、人を育てることに関わる全ての人が読むべきドキュメンタリーである。
 2004年アテネオリンピック金メダリスト北島康介選手。今や誰もがその名を知るトップアスリートである。しかし、北島選手は最初から「金メダリスト」であっただろうか。生まれながらにして金メダルを取れると約束された人など、この世に誰一人として存在しない。では、なぜ彼は「金メダリスト」となり得たのか。彼と関わるすべての人、そして指導に当たった平井コーチが彼の能力を見出し、その能力を伸ばしたことにほかならない。
 そして、平井コーチの指導から見えるコーチングの神髄とは人間性である。人を育てるときに、何よりも見落としてはならないものではないだろうか。金の卵を育てるためには、相手を信じ、相手とともに長期戦を戦い抜く努力と根気を惜しんではいけないことに気づかされる1冊である。
(梅澤 恵利子)

出版元:幻冬舎

(掲載日:2012-10-15)

タグ:水泳 指導 
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キッズテニス 「好き」を見つける 「楽しい」を育む
伊達 公子

 キッズテニスのメニュー例が示されているが、ハウツー本ではない。本書は、なぜキッズテニスなのか、キッズテニスを通じて何をどうしたいのか、という著者の考えが詰まっている。その答えの1つとして「総合型地域スポーツクラブ」が挙げられており、著者はそれを理想としている。
 しかし、本書の発行は2004年。末端のスポーツ現場にいる私は、現在、総合スポーツクラブは早くも転換期にきていると感じている。地域に根づいた多種目多世代コミュニティーとしての「総合型地域スポーツクラブ」が提唱され、行政の後押しもあって各地で競うように設立されたが、理念のみが先行し、運営が立ち行かなくなるクラブや矛盾を抱えて立ち往生しているクラブが増えてきている。そして、これからはクラブの淘汰・再編・統合が進むだろうと感じている。
 なぜ、そうなってしまったのか? 多くの総合型スポーツクラブはその目的が「総合型スポーツクラブの設立」だったからだと思う。総合型スポーツクラブを通して何をしたいのか、という目的も無くただヨーロッパのシステムを模倣した結果なのだろう。
 また、「子どもの頃はいろんなスポーツをやるとよい」と言われ、スポーツクラブを掛け持ちする親子も多い。親も子もヘトヘトだ。さらに指導者も困る。うまいけど他のクラブとの掛け持ちで練習を休みがちな子と、下手だけど毎日真面目に練習にくる子と、さあ、先発メンバーに選ぶとしたらどっち? 確かに「総合型スポーツクラブ」なるものが各地に存在するようにはなった。しかし、どこかで何かを履き違えてしまったような気がする。果たして、著者が見た夢は実現したのだろうか。そんなことを考えながらこの本を読んでみるのもよいと思う。
(尾原 陽介)

出版元:岩波書店

(掲載日:2012-10-15)

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勝つためのチームメイク
堀越 正巳

 ラグビーでは、昔から勝負を決めるのはフォワード、勝敗を決めるのはバックスであるという。極端な話、フォワードは肉弾戦(その代表がスクラム)で勝てば、負けた気はしない。
 しかし、ラグビーは陣取りゲームである。局地戦でいくら勝とうが、最終的にトライを取らなければ勝敗には負ける。そこで、勝敗を決めるための司令塔役が必要になる、それがスタンドオフだ。
 そして、フォワードと司令塔とのつなぎ役が、スクラムハーフという著者のポジションである。著者はその役割を「チームメイク」という言葉で表現している。
 チームメイクとは何か? 司令塔のゲームメイクに必要なボールの供給源になると同時に、フォワードの「ムードメーカー」の役割を果たすことであるという。早稲田・神戸製鋼で日本一を経験している著者は、スクラムハーフが「チームメイク」に徹することができれば、強い組織をつくることができると考えている。
「チームメーカー」の存在は、強い組織にはたしかにいる。清原・ローズなど、各チームの4番バッターばかりを集めたときのジャイアンツは勝てなかった。しかし、松本のようなつなぎ役もいるチームは、2009年に日本シリーズ連覇を果たした。そして、サッカーワールドカップの日本代表は、試合に出ない選手がムードメーカー役となりホーム以外で初のベスト16に進んだ。
 強い組織をつくること、それは当たり前だが難しい。なぜなら、チームメーカーだけ育てても勝てないのが組織だからである。おそらく、著者自身がその難しさを指導者として日々感じているのであろう。
(森下 茂)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:チームビルディング 
カテゴリ 指導
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「ホント(常識)のウソ」の野球論
小野 平

“十人十色”という言葉がある。選手が10人いれば、最適のコーチングも10通りある。同様に10の地域にある10のチームにも10通りの指導論が存在する。屋外競技ともなれば常夏の地の常識と雪に覆われた地の常識が通用しなくても当然と言えば当然である。
 本書は雪国にあるだけでなく、中学に硬球を使ったシニアリーグがなく、ほぼ全ての選手が硬式球初心者である秋田商業高校の、いわゆる“常識”の疑い方について書かれている。
 雪国であることと初心者が多いことの2つが“常識”を通用させなくするきっかけとなり、その見直しは守備や打撃、走塁などの技術論だけでなく、チームとしての組織論にまで及んでいる。本書では「○○のウソ」と表記しているが、著者が本文中で述べているように、この内容を押しつけようとしているのではなく、いわゆる“常識”について見つめ直し、別の解釈ができるという意図であろう。
 だが一番重要なのは、たとえば著者が行っているように「雪国」と「初心者」という自分たちの出発点をしっかりと認識して、その出発点から目的地(目標)を真っ直ぐに見据えることであると示唆しているのであろう。
(渡邊 秀幹)

出版元:MCプレス

(掲載日:2012-10-16)

タグ:野球 
カテゴリ 指導
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中高年・疾病予防(健康づくり)のための運動の実際
愛知医科大学運動療育センター 丹羽 滋郎 野口 昌良

 世界有数の“長寿国”日本。高齢社会を迎えた今、いかに“健康で長生きするか”が求められる現代。本書は、“健康寿命”を延ばすための運動指導を中心に、各疾患に対する栄養指針まで盛り込まれた一冊である。
 一見とっつきにくいが、中身は表や図、写真が多く使われ、視覚的にも訴えてくるものがあり非常にわかりやすい。また、健康づくりのための4つのキーワードを掲げ、実施者本人が個人の目標を持ち無理なく継続してできるような内容が多い。明日からすぐに使えるような運動が紹介されており、方法や留意点についても細かく記され、とても実践的で現場に即した内容となっている。
(藤井 歩)

出版元:全日本病院出版会

(掲載日:2012-10-16)

タグ:運動指導 健康  
カテゴリ 指導
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オリジナルワーキング
高橋 宣行

 指導現場において、誰しもが一度は思う言葉、口にする言葉があるであろう。「指導現場は教科書通りにはいかない」「指導現場は理論通りにはいかない」…、というような言葉である。そして、この問題を解決するためには、トレーニングの原理・原則といった「科学的根拠」から、よい意味で、一時離れてみる必要があるのではないだろうか。
 私は本書を、指導現場のトレーニング指導者やアスレチックトレーナー、チーム運営を統括する監督・ヘッドコーチといった、さまざまな立場の方に紹介したいと思っている。本書は、博報堂制作出身者が、一般ビジネスパーソン向けに「仕事の仕方」を提案したものである。私は、本書で紹介されている仕事の仕方に対する考え方が、競技スポーツの現場において参考になり、大変有効だと考えているのである。
 なぜなら、広告という仕事は、依頼主と生活者の間に位置し、両者にとっての最良の提案をすることを必要とする、「課題解決屋」であると考えるからである。この立ち位置は、選手の傷害予防や競技パフォーマンス向上に貢献するトレーニング指導者の立場と全く一緒である。そして、その解決過程における物事の考え方は、チーム運営に関わりを持つすべての人間に対して有効だと実感したからである。
 本書の大きな目的を凝縮すると、「人間力の向上」ということになるであろう。人間力とは、物事に対する考え方と、それに基づく行動のことである。これらの要素を最適なものにするために、「知る」→「想う」→「創る」→「動く」という段階を経て説明しており、最終的に、「独創的・創造的な仕事ができる人間」を目指そうとしているのである。
 この全体の流れをスポーツ現場に当てはめると、シーズン開始における「キックオフミーティング」が頭に浮かぶ。次のシーズンの目標達成にむけて、現状を知り、さまざまな思いを巡らせながらイメージを形にしていく。そして、選手とともに動くことで、目標達成に向けて歩みを進めるのである。本書の特徴は、このようなことに関しての具体例が大変豊富であることも挙げられる。具体的な事例として、「植物物語(ライオン)」「ポッキー(グリコ)」「BOSS(サントリー)」…など、誰もが聞いたことのある身近な事例を用いて、そのコンセプトから商品開発、商品改善までの流れが非常にわかりやすく紹介されているのである。これは、競技スポーツチームの導入期・成長期・維持期・衰退期における状況打開策のヒントにもなるであろう。
 また、この手のコンセプト系、戦略系の書籍にしては大変読みやすいのがありがたい。100ページ前後であり、図解も豊富で、手書きの部分も多いことから、非常に親しみやすいものにもなっているのである。私自身、本書のお陰でコンセプトというものを楽しく理解することができたと同時に、実際のコンセプトメイキングに大変役立った経験がある。個人的に手放したくない一冊であるし、同じような悩みを持つ方に是非紹介したい一冊である。なお、他にも著者のシリーズが存在する。トレーニング指導やチームの運営・マネージメントに課題を抱えている方にはお勧めのシリーズである。
(南川 哲人)

出版元:ディスカヴァー・トゥエンティワン

(掲載日:2012-10-16)

タグ:指導 マネジメント 
カテゴリ 指導
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運動処方の指針 運動負荷試験と運動プログラム
アメリカスポーツ医学会 日本体力医学会体力科学編集委員会

 アメリカスポーツ医学会(ACSM)ガイドラインの第5版。1975年に第1版が発刊されて以来、臨床医学者と体育科学者の専門職の両者にとって有益な情報が提供されてきた。
 従来より「運動負荷試験」と「運動処方」に焦点をしぼり、体育科学側に重きを置いた内容となっている。専門家達による調査、レポート、出版物から引用されたデータも今まで以上に記載されており、運動の指導的立場にある方々にとって現場で活かせる一冊となっている。また、わが国が力を入れている高齢期のQOL改善にも本書に含まれた運動処方などがますます重視されるようになっている。そして著者たちの願いは机上で使うことより、現場・実地のポケットブックとして用いられることであり、大きさ、内容ともコンパクトにされている。
 現在では情報が氾濫し、ネットや書物などで情報が容易に入手できる。だからこそ大切なことはその情報を自分の中で整理し、アウトプットできるかどうかだと思う。とくに現場で働く人間にとって「知ってる」より「できる」ことの方が大きな意味を持つ。本書は現場で日々試行錯誤している指導者たちにとって、現場に持っていきたい一冊となっている。

アメリカスポーツ医学会 編、日本体力医学会体力科学編集委員会 監訳
(磯谷 貴之)

出版元:南江堂

(掲載日:2012-10-16)

タグ:運動処方 運動負荷試験 
カテゴリ 指導
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高齢者の転倒 病院や施設での予防と看護・介護
Rein Tideiksaar 林 泰史

「転倒が高齢者の幸せを奪う病気の中心的なものの一つである」。高齢者のなかには、転倒によって人生(生活)の質の低下を余儀なくされている人が多くいます。現在、病院や介護施設だけでなく地域社会においても多くの転倒予防対策が講じられています。本書はRein Tideiksaarによる『Falls in Older Persons Prevention & Management』を日本の各施設が転倒予防対策を行う上での参考図書にと訳されたものです。
 第1章では、転倒の影響について、転倒した本人に関すること、その家族からの視点、施設側からの視点に分けて述べられています。家族がどのように感じているのかという部分について書いているものは少なく、とても参考になりました。また施設のスタッフがどのように感じているのかと点については共感できる部分が多くありました。
 第2章では転倒の原因と危険性について内的要因と外的要因に分け、詳しく説明されています。そのため、リハビリテーションを学ぶ学生にとっても転倒ということを知る上で参考になると思います。
 第3章、第4章では臨床現場での評価や予防策について、転倒歴の記録内容(SPLATT)や行為・状況別動作遂行能力検査(POEMS)などを例にあげながら述べられています。第5章では環境整備について多くのイラストとともに紹介されています。
 本書は日々の臨床と照らし合わせながら読むことができるため、新たな気づきを与えてくれる一冊だと思います。
(山際 政弘)

出版元:メディカ出版

(掲載日:2012-10-16)

タグ:転倒予防 
カテゴリ 指導
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「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁
元川 悦子

 鹿児島県の桜島にあるスポーツ少年団で小さい頃からサッカーをしていた遠藤保仁選手。彼が育った環境について、ご両親や地域のコーチへの丁寧な取材で明らかになっている。何か特別なことをしてきたわけではないというものの、地域ぐるみで子どもたちを育てている様子がよくわかる。練習内容は厳しいものであったというが、自分の子どもであれ、よその子どもであれ、しっかりと向き合う姿勢がのびのびした選手をつくるのかもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日本放送出版協会

(掲載日:2012-10-16)

タグ:育て方 サッカー 
カテゴリ 指導
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馬を走らせる
小島 太

 競馬がとりわけ好きなわけでもなく、賭け事も好きなわけでもない。競馬はウン十年の人生で1回しかしたことがない(しかも惨敗)。
 しかし、なぜか競馬場は数ある“行ってみたい場所”の1つであった。つくり上げられた美しい馬体で走る馬の姿を、青空の下で見てみたかったのだと思う。この本を読んでその気持ちが増したことは言うまでもない。
 小島太氏。北海道で生まれ、周囲に馬がいる環境で育ち、騎手として30年、騎手を引退した翌年から調教師という、筋金入りの"ホースマン"である。とにかく馬に対しての愛情に溢れている。ある人に言われた"馬バカ"が最高の褒め言葉だと自ら認めるほどの、馬バカっぷりである。そんな“馬バカ”の目線を通して、どのような過程を経てあの美しい馬体が作られ、競走馬として最高の舞台へ送りだされるのかが書かれており、競馬場に行ったことのない"にわか馬好き"はよりいっそう興味がそそられる。
 また、厩舎の経営者として、馬主、調教師、(馬の)生産者、育成者、厩務員、騎手、そして競馬ファンなど、馬を通して関わる全ての人に対する配慮や、最高の状態でレースに出走させるために作りあげていくマネジメント論は、「出走する馬」=「試合に出場する選手」として読み進めていくと、チームスタッフや企業、指導者、父兄など、選手を取り囲む様々な人々に関わることになるトレーナーにとって勉強になることが多い。
(石郷岡 真巳)

出版元:光文社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:競走馬 マネジメント 
カテゴリ 指導
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捕手論
織田 淳太郎

 野球においての捕手とは、野手の中で唯一正反対を向き投手の放った球を捕る。また、ホームベースを守り得点の最後の砦としての役割を担うポジションである。
 さて、みなさんは捕手に対してどんなイメージを持っているだろうか。投手は華々しく野球の花形であるのに対し、捕手はマスクを被りどこか陰湿で裏方的な印象がある。
 そんな捕手にスポットを当て、あらゆる角度から捕手についての解説が述べられているのが当書である。
 著者の取材に応じた数々の歴代捕手方からの貴重な経験談や具体的なゲームシーンの例を多く用いて捕手を解明しており、捕手というポジションの奥深さを感じられる。その中でもキャッチング技術は勿論のこと、配球のリードも捕手としての醍醐味である。そこにはバッターの特徴の他に投手との信頼関係、チームの作戦など様々な要素が絡まり複雑さが伺える。また、他の野手とは違い正対しているポジションである上、審判や打者と近距離に位置することから相互に影響している。
 色々な働きをする捕手はその呼び名を正捕手、正妻、女房役、司令塔などとされるが、その多面性からどれも判然とされていない。捕手が担う役割についてはまだまだ書き足りないほどだが、野球の中で大切な要である反面、面倒なポジションといえる。
 本書はそんな捕手の無限ともいえる魅力を十分に感じられ、1度でも野球に打ち込んだことのある方やプロ野球好きの方などにとっては面白みを味わえるだろう。
(池田 健一)

出版元:光文社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:野球 捕手 
カテゴリ 指導
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テクニックはあるが、「サッカー」が下手な日本人
村松 尚登

 本書のタイトルは多くの理論に縛られがちな日本スポーツ界の急所を的確に抉っている。スポーツに限らず技術や理論の追求は日本のお家芸とも言える。そして革新的なモノを生み出しているにもかかわらず、それを使いこなせずに、逆に使われてしまうことも。
 著者の松村は日本の大学卒業後、プロを経ずに単身スペインに渡って経験を積んで現在は名門FCバルセロナでスクールコーチとして未来のスターを育てている。いや、本書の表現を借りるなら「選手が自ら育つ環境を整える」作業をしている。“カンテラ”と呼ばれる育成下部組織の充実があればこそ、バルサのトップチームはカンテラあがりの選手が軸にいることで、国外のスター選手を集めても(時に失敗はあるものの)バルサらしさは受け継がれている。
 その方法は緻密な計算による計画(ピリオダイゼーション)によるものであるが、その中心にあるのは計算でも計画でもなく“サッカー”なのである。もちろん400億円にも及ぶクラブ全体の年間予算があればこそできるものもあり、そのまま日本サッカーやスポーツに当てはめることはできない。なればこそ、本書の中から各自のジャンルに応用できる部分を見つけ、最適と思われる方法を創造できるかが読者の指導力の見せどころとなるのであろう。
(当初は講談社ランダムハウスより刊行、その後武田ランダムハウスジャパン。現在は、同名の書籍が河出書房新社より刊行されている)
(渡邉 秀幹)

出版元:武田ランダムハウスジャパン

(掲載日:2012-10-16)

タグ:サッカー 
カテゴリ 指導
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フィットネス・インストラクターの実務
日本エアロビックフィットネス協会

 instructor という単語を辞書で引くと、当たり前かもしれないが教授者、教師、指導者etc…といった訳が当てられている。参考までに、coachやtrainer という単語も引いてみる。やはり、指導員や訓練者といった日本語訳が記載されている。慣習的に、とくに一般者を対象とするフィットネス指導の現場においてはインストラクター=スタジオやプールでのレッスン指導者、トレーナー/トレーニング・コーチ=ジムでのトレーニング指導者、といったイメージで分類されてしまっている感があるが、その言葉をこうして改めて見直してみても、同じ“指導者”であるという根本部分はやはり変わらないということが言えるだろう。
 本書は、そのフィットネス“指導者”としてのインストラクターの実務・実像をわかりやすく解説したものである。スタジオレッスンはもちろん、アクアレッスン、トレーニング指導などの領域にまたがってそれぞれの職務内容、指導者資格とその認定団体、取得方法とその費用などを具体的な数字や資料をふんだんに用いながら紹介し、アドバイスしてくれている。とくに、養成過程を経て実際にプロとしての現場に立つまでの経緯や指導料金(フィー)の設定と内訳、フィットネスクラブだけでなく公共施設や大学などさまざまな指導現場の実状などなど、逆に先輩指導者や仲間同士では互いに聞きづらいような内容にまでしっかりと踏み込んでくれているのは貴重である。
 たとえば、アスレティックな現場に対してフィットネスの現場においては他部署間での指導員の連携(スタジオインストラクターとスイミングインストラクター、トレーニング指導員がクライアントのコンディション情報のやり取りを行うなど)がまだまだ少ないという問題もあるが、各指導職を横断的に解説してくれている本書を参考に、お互いがお互いの背景により詳しくなることはそれらをブレイクスルーするための大きな一助ともなってくれることだろう。
 これからこの業界を目指す若者向けと思われがちかもしれないが、われわれのようにすでに現場に立たせていただいている“指導者”も一度は目を通してみることをお勧めしたい一冊である。
(伊藤 謙治)

出版元:日本プランニングシステム

(掲載日:2012-10-16)

タグ:運動指導 
カテゴリ 指導
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監督に期待するな
中竹 竜二

 カリスマ指導者であった清宮監督の後は、自称「日本一オーラのない監督」が就任した。
 しかも、早稲田大学ラグビー部という「日本一」を求められる組織にだ。
 著者の組織作りは、リーダーについていくフォロワーたちが自主性を持って組織を支えていくという考え方だ。決断を下すのはリーダーであるが、フォロワ−もリーダーのつもりで考える。与えられたことを待っていてはいけないという。したがって、選手にも自分で考えることをとことん要求する。
 管理と自主性のバランス、これは組織作りの永遠のテーマである。もちろん、これに関する完璧な答えはない。ただ、成功している組織には共通点があるように思う。それはリーダーの「情」、すなわち「愛情」と「情熱」だ。
 著者は「情」の大切さを、「熱」としてこう表現している。
「何か分厚い壁を突き破ろうとするとき、理屈や情報よりも情熱が重要になる場面がしばしばある。行動の原点、すべての始まりは熱にあると言えるかもしれない」と。
(森下 茂)

出版元:講談社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:ラグビー 
カテゴリ 指導
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メジャーの投球術
丹羽 政善

 いまや日本人のメジャーリーガーは珍しいものではなくなっている。それどころか各球団のスカウトが日本野球界に熱い視線を送り続けている。その中で投手に焦点を置いて、メジャーリーグの裏側を紹介している。
 科学的と思われている根拠ももとをたどるとそうではなかったり、実際の球筋と球種名の認識の違いだったり、不正投球の歴史だったり、野球にそんなに詳しくない人でも、なるほどと思える内容を中心にまとめられている。
 分析をすることではなく、新しいことを考えることが指導者の本来の仕事ではないだろうか。それがどのように評価されるかは別にして。
(澤野 博)

出版元:祥伝社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:野球 投球 メジャーリーグ 
カテゴリ 指導
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モチベーション入門
田尾 雅夫

 トレーニング指導をする際に、必ず話すことがある。「私に言われたから、受身でやるのと、自らが強くなりたいと思ってやるのでは、同じプログラムでも効果は大きく違ってくるよ」と。逆に言えば、選手がその気になってくれれば指導の90%は終わったようなものだ。
 いかに選手のモチベーションを上げるか? そればかり考えているつもりだった。しかし、モチベーションについてあまりにも無知だったということに、この本を読んで気がついた。

モチベーションとは何か? 「モチベーションとは意欲です。意欲には目的が欠かせません。何か得たいもの、したいことがなければ、動機付けられて何かをしようという気持ちになれないものです。欲しいという気持ち、動因と、欲しいという気持ちを起こさせるもの、誘因の2つの要因のどちらもあることが、動機付けの不可欠の前提です。この2つの要因をどのように組み合わせるかが、モチベーションの考えの基本です」
 アメとムチの論理についても、知らなかった。どうしてもこの「外」の論理が好きになれずにいた。人間はもっと賞罰がなくても頑張れる、そうなってほしいと思っていた。そう内発的動機付けによっても人はモチベーションが向上すると言う。そういった「内」の論理があることを知り、思わず頷く。
 サッカー元日本代表監督のオシムは、モチベーションを上げるのに賞罰を与えることを嫌い、こう話す。
「モチベーションとは、選手に自分が考えるきっかけを与えることだ」
そして、前楽天監督の野村克也は、こんな風に言う。
「ナポレオンは、人間を動かす2つのテコがある。それは恐怖と利益であると言った。私はこの2つに尊敬を加えたい。リーダーは利益と尊敬と、少しの恐怖で組織を動かしていくべきで、その潤滑油がユーモアだ」と。
(森下 茂)

出版元:日本経済新聞社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:モチベーション 
カテゴリ 指導
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「おじさん」的思考
内田 樹

 主に大学生と高校生のトレーニング指導という職業について10年あまり。なぜ、人の話を集中して聞けない選手、注意されるとすぐふてくされた態度をする選手、あまりにも自分で考える力が欠落している選手がこんなにいるのだろうか? ずっとわからないままでいた。しかし、この本にめぐりあってみえてきたものがたくさんある。著書の内田は、「人にものを学ぶときの基本的なマナー」についてこんな風に言っている。
「今の学校教育における『教育崩壊』は、要するに、知識や技術を『学ぶ』ためには『学ぶためのマナーを学ぶところから始めなければいけない』という単純な事実をみんなが忘れていることに起因する。学校というのは本来何よりも『学ぶマナーを学ぶ』ために存在する場所なのである」
「『大人』というのは、『いろいろなことを知っていて、自分ひとりで、何でもできる』もののことではない。『自分がすでに知っていること、すでにできることには価値がなく、真に価値のあるものは外部から、他者から到来する』という『物語』を受け入れるもののことである。言い方を換えれば、『私は※※※ができる』というかたちで自己限定するのが『子ども』で、『私は※※※ができない』というかたちで自己限定するものが『大人なのである。『大人』になるというのは、『私は大人ではない』という事実を直視するところから始まる。自分は外部から到来する知を媒介にしてしか、自分を位置づけることができないという不能の覚知を持つことから始まる。また、知性とは『おのれの不能を言語化する力』の別名であり、『礼節』と『敬意』の別名でもある。それが学校教育において習得すべき基本であると言う」
 まさに、現場で感じていた選手たちに足りないこと、その原因の1つがここにあるのかと。では「子ども」を変えるにはどうすればよいのか。内田はこう言う。
「子どもたちの社会的行動は、本質的にはすべて年長者の行動の『模倣』であると。だから、子どもを変える方法は一つしかありません。大人たちが変わればいいのです。まず『私』が変わること、そこからしか始まりません。『社会規範』を重んじ、『公共性に配慮し』、『ディセントにふるまい』、『利己主義を抑制する』ことを、私たち一人一人が『社会を住みよくするためのコスト』として引き受けること。遠回りのようですが、これがいちばん確実で迅速で合理的な方法だと私は思っています」
 そう言えば、福沢諭吉は「一家は習慣の学校なり、父母は習慣の教師なり」とずっと前に教えてくれていた。
 まずは、自分自身が内田の言う「大人」になること、すべてはそこから始まる。
(森下 茂)

出版元:晶文社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:教育 
カテゴリ 指導
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運動療法と運動処方
佐藤 祐造

 健康を高めるためには運動を! 生活習慣病対策はまず運動から! 多くのメディアが健康のための情報を多く発信し、多くの人が健康のために運動を実践しています。しかし、現実には日本人の死亡原因の上位が生活習慣病とされるガンや心疾患、脳血管疾患です。それ以外でもリハビリテーションやダイエットなど健康のためにしている運動が長続きしない、効果が感じられないという声を聞きます。
 これは運動をされる方が、より自分にあった運動療法、運動処方が多すぎる情報とすぐに結果を出さないといけないという思いが強く、継続した運動ができていないことも影響していると感じます。
 本書は運動を支援するための実践的知識や救急対応、または特定健診・保健指導にも対応できるエクササイズガイドや整形外科疾患に関しても多く書かれています。
 すぐに結果を出さないといけないという社会的風潮が強いですが、大切なことは結果を出すのはもちろんのこと、より長いスパンで継続的に運動を続けることです。小さな目標を達成し、自立できる環境をつくってあげることができる指導者のサポート力が必要になってきます。
 その人のニーズにあったサポート方法を見つけ出すために力になってくれる一冊です。
(大洞 裕和)

出版元:文光堂

(掲載日:2012-10-16)

タグ:運動指導 運動処方 
カテゴリ 指導
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努力は決して裏切らない
平井 伯昌 折山 淑美

 シドニー、アテネ、北京と3回連続で五輪に出場し、アテネと北京ではともに2冠に輝いた水泳の北島康介選手。本書では、シドニーから北京までの12年間に渡り、北島選手とコーチの平井伯昌氏がどのような思いで頂点を目指し、どのような戦略で金メダルを勝ち取ったか、その二人三脚の軌跡を描いている。
「このコーチの言うことを聞いていれば間違いない」──そう選手に言わしめる信頼。それは、コーチの迷いのない、“勇気ある指示”から生まれるものだということがよくわかる。平井氏は鋭い観察眼で北島選手の心技体のコンディションを捉え、ライバル選手たちも徹底的に分析し、状況に応じて柔軟に戦略を変えていく。いかにして“勇気ある指示”ができるか。平井氏の取り組みから、それが明確に見えてくる。
 また、五輪出場を目指す段階、メダル獲得を目指す段階、連覇を目指す段階と、それぞれのステージによって、選手への指導方法や戦略をどう変えていくか、そのプロセスも興味深い。注目すべきは第6章。ここでは、アテネで金メダルを獲得した後、どん底に陥った北島選手と平井氏が、新たな師弟関係を築き上げていく様子が描かれている。病気や初めてのケガを乗り越え、北京での連覇を目指す二人。「指導者は選手にないものを教えるのではなく、あるものを引き出す」という平井氏の指導方針が的確であるということが、非常によくわかるパートだ。長い年月を経て成長していく二人の関係が、微笑ましくも映る。
 選手がまだ駆け出しのとき、大きく成長するとき、絶頂期、スランプのとき。その時々に応じてどう接するべきか、選手にどんな言葉をかけるのがベストなのか、選手を支える指導者やスタッフであれば、誰もが迷うことだろう。本書は、そのヒントになるかもしれない。
(岡田 真理)

出版元:日本文芸社

(掲載日:2012-10-16)

タグ:水泳 
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泳ぐことの科学
吉村 豊 小菅 達男

 本書は“泳ぐとは何なのか”をメインテーマとし、“泳ぎ”を科学的に説明するところから始まっている。
 各泳法の説明や歴史、その泳法の動作(ストロークやキックなど)が“分節化”して解説してあり、また各泳法を専門とするトップスイマーたちの特徴的な泳ぎ方についても細かく記されている。
 ある動作を言葉だけで説明されると、読み手としてはイメージが湧きにくく難しいが、本書は動作の微妙な違いがわかるよう何枚もイラストを並べたり、矢印や線を多用し、イラストとの相乗効果により出来る限り読者がイメージしやすいように配慮されて書かれているのが感じられる。
 しかし、これらは筆者が提示したい“ビルド”を解説するうえでの布石に過ぎない。筆者は、今までほぼ“根性論”で成り立っていた泳ぎのトレーニングを、まずは科学的知見を踏まえ分析・分節化し、次に“パズルのピース”状になった1つひとつの動作を組み立て再構築し、できあがったその“一連の動作=泳ぎ方”を繰り返し練習することで個人に合った泳ぎを獲得できると確信しており、この過程を“ビルド”と称し、今後はそれを目指す方向へ指導方法を切り替えていかなければならないと提示している。
 そして、筆者はあくまでこの考え方は若者や競技者だけのものではなく、中高年の水泳愛好家たちにも適用できると考えており、本書の後半は中高年のための水泳プログラムなども記載されていて、どの世代が読んでも納得できる内容となっている。
(藤井 歩)

出版元:日本放送出版協会

(掲載日:2012-10-16)

タグ:水泳 
カテゴリ 指導
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実践コーチ教本 コーチのためのトレーニングの科学 スポーツ医学 スポーツ人間学
松井 秀治 黒田 善雄 勝部 篤美 粂野 豊 日本体育協会

実践コーチ教本
1 コーチのためのトレーニングの科学(松井秀治編)
2 コーチのためのスポーツ医学(黒田善雄編)
3 コーチのためのスポーツ人間学(勝部篤美・粂野豊編)

 コーチに必要な知識を全3巻にまとめたもの。最近アメリカではコーチにも資格制度が必要ではないかとの論議がなされているが、若年層の指導に当たる人が、スポーツ医科学の基礎知識を身につけていることは当然要求されることである。トレーナー制度の確立しているアメリカとはいえ、トレーナーやドクターがついているチームは、全体から見ればまだまだほんの一握りである。中学、高校ではトレーナーがついているほうが珍しいといってよいだろう。
 その点、日本も同じである。それだけに指導者が負っている責任は大きい。近視眼的勝利至上主義ではなく、長く一生の問題として、スポーツを指導する立場の人にはとくに読んでいただきたい書である。
 参考文献も豊富に掲載されており、その分野でさらに知識を深めたいとき便利である。忙しくてとても読んでいる暇がないという人も、座右の書として、必要時に取り出して読めるよう使いやすく編集されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:1981-12-10)

タグ:スポーツ医科学 
カテゴリ 指導
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身体障害者のためのスポーツ指導 身体不自由編 視覚・聴覚・言語障害編
大阪市障害更生文化協会

身体障害者のためのスポーツ指導 身体不自由編
身体障害者のためのスポーツ指導 視覚・聴覚・言語障害編

 身体障害者のスポーツは、リハビリテーションとしてのみならず、広く楽しむスポーツとしても行われるようになってきた。ここに紹介する2冊は、「市民スポーツの指導者が積極的に障害者を受け入れ、みんなの中で、いっしょにスポーツの指導をすすめていくための資料として」作成されたものである。
 発行所である大阪市身体障害者スポーツセンターは、昭和49年、在宅の身体障害者のために、家族ぐるみで気軽に利用できる総合的スポーツ施設として開設されたもので、開館4年半で利用者は延べ50万人にのぼるという。その4年半の事例を中心にまとめられているが、「あとがき」にある通り、「身体障害者が一市民としてみんなのスポーツの輪に入れることを願って、市民スポーツの指導者と養護学校のみならず、すべての学校の先生方に参考としていただきたい」ものである。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大阪市身体障害者スポーツセンター

(掲載日:1981-12-10)

タグ:運動指導 身体障害者 
カテゴリ 指導
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運動処方 健康と体力つくりのために
M・ポラック J・ウィルモア S・フォックス 広田 公一 飯塚 鉄雄 中西 光雄 石川 旦

 いずれも著名な3人の専門家が、最新の運動・スポーツ科学の成果を、一般の人々に理解しやすいようにとの目的で著した書である。
 運動処方については、ケネス・H・クーパーのエアロビック理論以来飛躍的な発展を遂げてきたが、本書は、そうした理論を基礎として個人の運動プログラムをつくるための総合的な知識を得る上で格好のテキストといえるだろう。
 第1章では、まず現代人の生活様式からくるいわゆる「運動不足病」について平易に解説。さらにその対抗策として個人別運動プログラムの必要性を説いている。第2章では、「運動、健康の保持及び運動能力に関する研究成果」についてこれまでの多くの研究結果をまとめている。続く第3章では、医学的適性検査及び体力測定についての説明と実際的な方法を解説し、第4章で具体的な運動処方について述べている。また、第5章の「心臓疾患患者のリハビリテーション」は病院や学校などにおいても十分役立つものだし、第6章「運動と栄養」、第7章「特別留意事項」は、日常出くわすさまざまな問題についてのきめ細かな指針となっている。
 一般の人々だけでなく、体育・スポーツの指導者にもぜひ読んでいただきたい書である。

M・ポラック、J・ウィルモア、S・フォックス共著
広田公一、飯塚鉄雄、中西光雄、石川旦共訳
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:1982-03-10)

タグ:運動処方 
カテゴリ 指導
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勝つための投球術
トム・シーバー 吉松 俊一

 偉大なスポーツ選手が必ずしも優れた指導者や理論家であるとは限らないものだが、その両者の資質を確実に兼ね備えているといえるのがトム・シーバーであろう。そのトム・シーバーが、自らのピッチング論を平易に説き明かしているのが本書である(訳は月刊トレーニング・ジャーナルの連載「野球の科学的トレーニングについて」でお馴染みの吉松俊一氏が担当)。
 彼の理論家たる所以は、この本が初心者にとっても十分納得のいく指導書になっていることで、読者は彼の有益な体験を知るとともに自然とピッチングの基本を会得することだろう。そしてピッチングがただ投げることばかりでなく、チーム・プレーの1つであることや精神的・肉体的な自己管理がいかに大切かなど多くのことを学ぶだろう。自伝としても面白い。

トム・シーバー著、吉松俊一訳
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:講談社

(掲載日:1982-03-10)

タグ:野球 
カテゴリ 指導
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聴き上手が人を動かす
清水 隆一

 多くの人は上司や指導者といった立場の人から、経験や価値観を考慮しない「押しつけ」をされたことがあるだろう。私自身もそうした経験談をよく耳にする。
 本書では「観る」「聴く」「行動を促す」を「人を動かすための三つの法則」と位置づけて、部下や選手、子どもたちに「押しつけ」の指示を与えて管理するのではなく、「意欲を引き出して、能動的にし、創造的でチャレンジ精神旺盛な人を育てること」へとつながるコミュニケーション法を具体例とともに紹介している。
 私自身も、後輩・部下として上司や先輩の指導を受けた経験があり、最近はトレーナー・上司として選手や後輩の指導に当たることもある。それぞれの立場で相手に対して「なんでこの人は?」と疑問や不満を感じることも少なくない。
 本書の内容を実践し、上下関係に限らず周囲とのコミュニケーションを改善するための手引きとしたい。
(西澤 隆)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:2012-11-02)

タグ:コミュニケーション 
カテゴリ 指導
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3割バッターへの挑戦
チャーリー・ロー 渋谷 良一 山本 明 王 貞治

 今年の夏の高校野球は池田高校の素晴らしいバッティングが話題のひとつであった。ピッチング・マシーンの導入で、「打高投低」といわれているが、バッティング自体の技術を明かした書はなかった。優れた打者は、打撃の奥義を極めたとしても、それを誰でもわかる言葉で伝えるのは難しい。
 ニューヨーク・ヤンキースの打撃コーチ、チャーリー・ローが豊富な写真とともにまとめた本書は、その意味で画期的といえるだろう。著者は、コーチが経験的なカンや通説に頼ってしまうことをよしとせず、「正しい理論、実際のプレーに有効な方法論」の必要性を感じていた。そして、1971年、フロリダ州サラソタでベースボール・アカデミーを創設したユーイング・カウフマンと考えが合い、ビデオ、フィルム設備で3年間に何百ものスイングを見ては、リプレー、スローモーションを繰り返したという。こうして、著者は自らの理論を一層科学化し、客観化していった。その結果、バッティングは後ろ足で打つという常識は全く逆であること、トップハンドをかぶせるようにするのも誤りであることがわかった。
 著者は「基本と鉄則」を繰り返し、全10章を通じて、大打者の見本的写真を駆使し、バッティングを論じていく。責任監修の王貞治氏が「一読して、私は友を得たような気になった」という言葉も重さも読んでいただければわかるだろう。

チャーリー・ロー著
渋谷良一、山本明共訳、王貞治責任監修
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:1982-11-10)

タグ:野球 
カテゴリ 指導
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健康・体力づくり入門 運動処方の考え方と実際
小野 三嗣

「健康ブーム」ではある。ジョギング、エアロビクス・ダンス、ゲート・ボール、自然食、ビタミン剤、いくつもの流行現象がみられる。人々は、それをやれば何もかも解決するのではないかという過度の期待すら抱いて、一念発起する。何事も一朝一夕に卓効はみられず、「なんだ、バカバカしい」とやがて忘れ次のものを求める。すべての人はそうではなくとも、そういう傾向は確かにある。
 本書の著者はいう。「まず何よりも生命に関係する科学的情報の活用の知恵を身につけねばならない。大きな集団を調査対象として行われた研究の結果が示している疫学的知見や古くから受けつがれてきた体育に関する法則といわれるようなものが『自分にとって何なのか?』と考える知恵が必要なのである」と。またいう。「運動適性の個人差は普通の人々が想像するよりも著しく大きなものだということをまず認識してほしい。また疾病を研究することによって得られた知見から健康増進の問題を考えるという根本的な誤りなども反省しなければならない。運動療法という考え方がどんなに広がってきても『元来運動とはベストコンディションで行うべきものだ』という原則にはゆるぎがないのである」(いずれも「はじめに」より)。
 この本は、「運動は必要か」「運動処方の必要性」「運動処方の科学」「運動処方の原則」「運動処方のリズムを考える基礎」「運動処方とコンディショニング」「運動処方箋の実際」という章から成るが、章題の固さとは打って変わり、内容は簡潔であり、しかもハッとさせられる鋭い指摘と洞察に満ちている。いちいち例を挙げる余裕はないが読者は、健康とか体力づくりにまつわる俗説、思い込みについて改めて考え直さざるを得ないだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:1983-06-10)

タグ:運動処方 
カテゴリ 指導
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監督の条件 その実戦と理論
梅村 清弘 深井 一三 小林 平八 安田 矩明

 監督やコーチは、選手の競技力の向上に大きく関わっているのが普通である。ところが、監督やコーチの役割について、科学的に考察を加えたものはこれまでほとんど出ていない。
 本書は、約10年前に書かれたものだが、このコーチングの分野に科学的な考察を試みた書であり、その内容は今も十分な説得力を持っている。
 編著者は中京大学の教授、助教授の6人で、いずれも各種競技の監督・コーチを経験した人たちばかりである。そのため、理論を提示していきながらも、そのなかに自らの豊富な実例が挙げられて、常に、現場の視点も忘れられていない。たとえば編著者の1人は、中京高校が昭和41年春・夏の甲子園を連覇した当時の校長であり野球部長であった人で、自らのチームについての分析を詳細に行っていて興味深い。そのほか、中京大学から生まれた、各種競技のチャンピオンについての話も、監督と選手の関係という視点から詳しく考察している。
 また、名監督といわれた川上、大松、松平などの各氏の指導方法、考え方が実例中心にわかりやすく解説されている。
 そして、本書が今もなお、その新しさを失っていない点は、コーチングを単にスポーツの世界だけからみることなしに広く社会的観点から捉えようとしているところである。その意味で、本書の第1章が「コーチングの社会学」から始まるのは、その基本的な視点をよく表しているといえる。
 コーチと選手の人間関係も、社会一般の人間関係の中で考察され、そのためにスポーツ以外の分野からも多くの文献を使っている。
 こうした本がもっと出てくることによって、選手の資質だけでなく、監督(コーチ)の資質ももっと問われていくべきだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:1983-10-10)

タグ:監督 
カテゴリ 指導
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コーチングの心理学 こんなコーチをしていませんか
武田 建 柳 敏晴

 優れた監督やコーチの指導をみていると、人間の心理をよく心得ているな、と感心することが度々ある。どんなに素晴らしい技術を教えようとしても、心理面を無視してはうまく伝わらないものだ。
 本書は、関西学院大学および関西学院高校のアメリカン・フットボール部の監督を長年務めてきた武田建氏(同大学の心理学の教授でもある)と神戸YMCA総合体育館体育主事、柳敏晴氏の共著である。
 内容は、心理学の基礎的な理論を、“現場”の言葉でわかりやすく解き明かしている。「若い頃の私は、母校の後輩のチームをコーチしながらも、心理学の勉強とスポーツの指導とはまったく別の次元のものであり、それぞれの領域でお互いに無関係で努力していたという状態であった」ところが、「良いコーチ、上手なコーチと言われる人の教え方を観察していると、行動理論の原理と多くの点で合致していることがわかってきた。そして、自分なりに実践してみると、その効果は絶大であった」(武田氏)
 長年のコーチングの経験に裏付けられた説得力ある書である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日本YMCA同盟出版部

(掲載日:1984-06-10)

タグ:コーチング 心理学 
カテゴリ 指導
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見つける育てる生かす
中村 清

「精神論だけで勝てる──とんでもございません。一所懸命トレーニングする選手に、それなりのトレーニング法を与えられなかったら、コーチ失格です。レースにおいて戦術を練る、このことも日頃の情報、分析、研究が大きくモノをいうのであります」
 瀬古、佐々木七恵を初め、世界、日本のトップ・ランナーを育ててきた著者、中村氏の言葉である。本書は「半世紀以上におよぶ陸上競技行脚の道」を歩んできた著者が、自分の信じて行ってきた指導についてを率直に語った書である。
 中村氏の指導がマスコミで取り上げられるとき、そのほとんどが、「天才は有限、努力は無限」という言葉に代表されるような、“精神論”に関するものばかりである。『正法眼蔵』や聖書などの言葉から、選手たちに“精神論”を説くのは、実際、練習の1つとでもいえるもののようだ。しかし、冒頭に引用した言葉からもわかる通り、中村氏自身、“精神論”で勝てるなどとは決して思っていない。むしろ誰よりも、情報収集・分析・研究、そして科学的トレーニングに熱心であり「中村はまた、世界の一線級のいかなる選手の練習法、理論といったものもみな知っております」という言葉のなかにも、そのことがよく現れている。
 中村氏の場合、いわば方法を知り、実践を行うなかでの“精神論”なのだということが、この本からよくわかる。もっといえば、方法を知り、実践をするなかでこそ、“精神論”が真にその意味を持ってくるのである。実践の伴わない“精神論”の多いなかで、この本は、“精神論”だけでは何も成り立たないということを解き明かしてくれていると読むこともできるだろう。
 選手を「見つける育てる生かす」ための指導書であるとともに、陸上競技に打ち込んできた中村氏自身の“自伝”でもある。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:二見書房

(掲載日:1984-09-10)

タグ:マラソン 
カテゴリ 指導
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エアロビック・テニス
ビル・ライト 水野 忠和 友末 亮三 宮下 充正

 著者(カリフォルニア大学バークレー、テニス・コーチ)は、長年の経験と観察から、常によいショットを打てる選手には次のような共通点があることを見出した。
(1)ボールを打つ前も打った後も、からだ全体を大きく動かしている。
(2)打球の方向に一歩踏み込んで打てるように、いったんボールから遠ざかっている。
(3)小手先の技術にこだわっていない。
(4)「ラケットをもっと後方に引くように」「ネットに対して横向きになるように」などといった注意にわずらわされていない。
(5)ラケットはまるで腕の延長したもののように見える。
(6)ストロークは流れるようにしかもリズミカルに行われている。
(7)コート内を走り回ってボールを打つことを心から楽しんでいるように見える。
 これらの共通点から著者は、エアロビック・テニスを3つの特徴で説明する。つまり、1.フォームは各自の個性を生かしたうえで決めていかねばならない。2.テニスは「分かる」というより「感じる」、感じをつかむことで上達する、3.肘や膝などからだの一部分に注意を払わず、からだ全体で打つこと、の3点である。
 解説のうまさ、例の挙げ方の巧みさ、エピソードの妙など、技術指導書として、多くのヒントを含んだ書である。2色刷りでイラストも豊富に収められている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ソニー企業

(掲載日:1984-10-10)

タグ:テニス 
カテゴリ 指導
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リラックス プレッシャーへの挑戦
バド・ウィンター 荒井 貞光 織田 幹雄

 リラックスという言葉から、どちらかというと、消極的な感じを持つ人が多いかもしれないが、本書が解き明かすリラックスとは、積極的な姿勢、方法論としてのリラックスである。
 最近は、試合での緊張状態から実力が出せなかったときに、プレッシャーという言葉がよく使われる。それとともにリラックスすることの重要性は、前よりも一層認識されてきている。だが、それにもかかわらず、プレッシャーやリラックスということに対し明確な指針を持って対処している人は少ない。たとえば、緊張している人、プレッシャーを受けている人に、ただ単にリラックスしろといっても、それはほとんど効果を持たないということはおわかりいただけるだろう。つまり、リラックスという状態をつくるにも、精神的技術、方法が必要なのである。
 本書はその方法を、多くの競技の実例を入れながら、コーチが選手に説明するように、わかりやすく解説したものである。
 本書の成立の背景には、第二次世界大戦中、アメリカ海軍飛行兵に試み、成功したリラックスの方法がある。戦闘という大きなプレッシャーのもとで心身ともに消耗してしまう飛行兵をリラックスさせる方法をみつけることは、当時火急の要請であったという。多額な予算がかけられ、本書の著者であるバド・ウィンター氏を中心に、心理学者なども参加して意欲的な試みが行われたのである。
 バド・ウィンター氏は、戦後、このリラックスの方法を陸上競技に応用し、多大の成功を得るとともに、多くの世界チャンピオンを育てた。そして、陸上競技だけでなく、ほかのすべての競技で、この方法が有効なことを説いている。
 本書のリラックスの方法は、最近注目されているメンタル・トレーニングの1つだと考えてよいだろう。リラックスというメンタル・トレーニングである。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:1984-12-10)

タグ:メンタル 
カテゴリ 指導
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駅伝流 早稲田はいかに人材を育て最強の組織となったか?
渡辺 康幸

 一昨年の2011年に箱根駅伝で栄冠をつかんだ、渡辺康幸・早稲田大学競走部監督の著作。
「箱根で勝つためには、こんなにも気が遠くなりそうなディテールを重ねなければならないのか」というのが読後一番の感想。育成力、指導力に加え、マネジメント力、政治力――。実業団以上のレベルだと細分化されるこれらの分野を、学生スポーツの監督は一手に引き受けなければならない。さらに、各大学とテレビ局が威信と莫大な資金をつぎ込む一大イベントとあって、そのプレッシャーは計り知れない。
 また渡辺氏が監督に就任したとき、早大駅伝は低迷期の真っただ中にあった。同大OBで日本長距離界のエースとして活躍した渡辺氏とあっても、現役時代の知識と経験だけでどうにかなるものではない。頼れる参謀や早大におけるスポーツ改革の先駆者である清宮克幸氏(現ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロ監督)の後押しを得て、時には進退を懸けながら部を改革。就任7年目にして苦しみながら勝利をつかんだ。
 本書はそれに至るまでの奮闘記、組織論をメインにしつつ、年間スケジュールや練習の組み方、スカウトの実際などといった「駅伝入門書」としての側面も持っている。お正月のテレビ観戦だけでは見えない駅伝の奥深さを知るには格好の一冊だ。
(青木 美帆)

出版元:文藝春秋

(掲載日:2013-05-29)

タグ:駅伝 
カテゴリ 指導
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育ての流儀 個性を磨き、大きく伸ばすコーチング
乾 眞寛

 本書には歴代の福岡大学サッカー部の選手を例に出して、どのように指導をしてきたのかが書かれている。「指導」といっても100名の選手がいれば100通りの指導法があり、誰にでも同じように接するわけではない。
 たとえば、全日本大学選抜チームに選出されるような選手は、常に「自分がどんなことをしたら、ワンランク上のレベルに達するのか?」を考えているため、課題を与え続けるとのこと。ただし課題を与えるにもタイミングが重要で、選手自身が壁にぶつかっていることが、その条件になる。
 選手自身が、「本気でプロサッカー選手を職業とすることを目指す」ということを発するまで、プロを目指すための指導は行わない。
 もちろんプロサッカー選手を目指すことだけに価値があるわけではない。同チームでは、最終学年までサッカーと学業の両立に取り組んできた選手は1名だけ、1軍のリーグ戦後半に出場することができる。どのような実力であっても、1年生の頃から取り組み続けたことを評価し、観客動員の多い1軍の試合に出場し、輝く機会を用意するのである。その選手が出場するときは、チームからの応援は、その日一番といってもよいくらい盛り上がる。
 自身も大学サッカーに関わる身として、福岡大学サッカー部がどのようなチームなのか非常に興味があった。また、サッカーに身を置く人でなくとも、本書は「人」に関することに重点を置いて書かれているので、読む価値のある一冊と言える。
(平松 勇輝)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2013-05-30)

タグ:サッカー 
カテゴリ 指導
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ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛
安冨 歩

読んで「ハラスメント」を受けた
「本書によりハラスメントを受けた」。これが、本書の過激とも言える導入部分を読んでいるときの率直な感想だった。本書は日常に巣くうハラスメントという「悪魔」を振り払うために、それを理解するためのものであるはずなのに。たとえば親子関係の中に存在しうるハラスメントの話があげられているが、親子の愛情という大事な部分を汚されたような気分になった。ひとつふたつの事象を取り上げて、愛されない、愛せないとは言えないだろう。同一人物が同一のメッセージを同一の行動や言動によって伝えようとする場合でも、そのコンテキストは日々の身体的、精神的揺らぎの中で常に変化する。また、受け止める側にも同じことが言える。私はそれが人間というものだろうと考えている。私にとって人間は不完全で不安定な存在であり、過ちを犯す存在だ。常に誰かの魂を傷つけ、誰かに魂を傷つけられる危険性を持っている。矛盾に満ち、虚実が入り乱れている。だからこそその中でよく生きることにこだわりたいとも思う。受け止める強さを持ち、立ち向かう強さを持ちたいと思う。己がどうあるべきかを追求すれば、時に自らの魂に疑問を持ち、改めていくことも必要だ。こんなことを考えていると、身の丈で生きることが精一杯になり、それが自然なことだと私自身は感じる。

深くえぐっていく
 しかし、世の中ではそんなささやかな決意など簡単に吹き飛ばすような出来事が確かに頻発している。国が関わる大きなことから、日常目にする小さなことまで枚挙にいとまがない。尊い命が失われる事態になることも少なくない。メディアが視聴者や読者を小馬鹿にした情報を垂れ流し、悪質なハラスメントを行っていることもあれば、自ら進んでレッテルを貼られることで安心し、幸せを感じる人も多い。
 本書の筆者は、対人関係でみられるその部分をより深く掘り下げていく。過去から現在に至る数多くの事例、文献を読み解き、そして何より己の心の中から目を背けることなく、さながら痛みにのたうちながらえぐっていくかのように。考える力が旺盛だということは大変なことだ。その理論は難解であるが、確かに興味深い。十分読み解いているかは正直言って私自身疑問だが、賛同できる部分も多い。しかし同時に、ネガティブな側面からの論述や、典型的で一方的な断言が多いことが気になるのだ。私自身は筆者にはお会いしたことはないが、「大変な時代で、向き合うべき問題は山積している。でも人間はそんなに捨てたもんじゃないんだよね。たとえばこんないい話もある」というような一言がもらえれば、それだけで救われる人も多いように思う。お気楽すぎますか。

スポーツで考えると
 さて、スポーツというフィールドにおいて考えてみると、本書の内容の典型例として、指導者と選手との関係があげられる。確かに極端な例であれば、自分のことを有能だと思っているが実は無能な指導者のために選手が犠牲になるケースもある。また、自らの理論を他の理論を否定したうえで選手に押しつけることも問題視していい。私はアスレティックトレーナーとして、そのような例を聞くたびに、自分に何ができるかということを非力ながら自問する。また、高野連の特待生問題に対する取り組みなども、教育という名を借りた若者の可能性の芽を摘む組織によるハラスメントだと感じずにおれない。もちろんその制度を私益のために悪用する存在や、その制度により一般の学習を軽視するようなことが起こっていたのであれば、もちろんそこには別の問題がある。
 しかしその一方で、試行錯誤を繰り返し、間違いを犯しながらも、懸命に選手のために尽力しようと努力を惜しまない指導者も数多く存在する。指導者の存在を実態以上にとらえず、うまくつきあい、自分たちのために必要な取り組みができるたくましい選手たちも数多く存在する。局面だけ見ればハラスメントに見えることでも、大局的に見れば選手が指導者を乗り越えていく結果を生み出すこともあり、また1つの目標に向かう大きな原動力になることもある。
 確かに問題視すべきことも多いが、そこだけを取りざたすほど過敏にはなりきれない。

のび太にとっての「天使」
 余談になるが、本書を読んでいて、その内容は「ドラえもん」という教材の中にも発見できるように感じた。ジャイアンというハラッサー(ハラスメントを仕掛ける人)、のび太というハラッシー(ハラスメントを受ける人)、スネ夫というハラッシーハラッサー(ハラスメントを受けた結果、自らをハラッサーと化す人)。ただ、ドラえもんはのび太のそばにいることでは、ハラッシーを救う「天使」にはなれなかった。最終回(数ある中の1つ)に彼は未来に帰ることでその存在を消し、のび太はそこでようやく自分自身で自分を脅かす存在に立ち向かうことになる。彼はその存在を消すことでのび太にとっての「天使」になれたのだ。この自立をいかに体得するかが、問題解決の1つになる。言うは易し行うは難し、だが。
(山根 太治)

出版元:光文社

(掲載日:2007-07-10)

タグ:ハラスメント  
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変身力 できるビジネスマンに変わる
高畑 好秀

 自分の力が最大限発揮できるような軸を持って世界を生き抜いていくために、絶頂期に変身すべきと高畑氏は語る。なりたい自分に変えていく力のことを変身力とよび、それを身につけるためには、信じる、捨てる、融合する、楽しむ、ブレーンをつくる、といった5つが必要だそうだ。変わるための具体的方策と心のもち方について、多くの成功例やスポーツ選手の変身を取り上げている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:長崎出版

(掲載日:2007-08-10)

タグ:メンタルトレーニング  
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“遊んで”伸ばす! 子どもの運動能力 楽しみながらできる「親子遊び」ドリル80
佐藤 雅弘

 運動能力を高めるためにはどうすればよいかについて、両親に向けて書かれたもの。まず基本姿勢やアライメントについて立った姿勢、歩き方でみていく。足のチェックや柔軟性も確認し、改善のためのレッスンや、遊び(飛行機やクモ歩き)の中でのコーディネーショントレーニングが、身体を支える能力、反応力、バランス能力、リズム・タイミング、組み合わせてのコーディネーションという流れで紹介されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:山海堂

(掲載日:2007-09-10)

タグ:遊び 姿勢 子ども  
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日本一への挑戦 伝説の釜利谷高校男子バレーボール部の秘密
蔦宗 浩二

 日本一になるために、どうすればよいか。効果の高い練習内容、選手の起用方法、勝負に対する心構え、チームメンバーの性格の把握、ムードメーカーのつくり方など、具体的な記述を中心に、その思想が語られる。公立高校の部活ではあるもののスカウト、練習試合、海外遠征まで行っているが、それらはすべて勝つためにつながっている。日々の努力が日本一を狙ううえで必須となるようだ。
 根幹となる部分はバレーボールのみではなく、チーム運営に携わる方にとって参考となる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:バレーボールアンリミテッド

(掲載日:2007-11-10)

タグ:バレーボール 指導  
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ひかる先生のやさしい体育 スポーツのコツを楽しく学ぼう
田中 光

 スポーツの基本から始まり、そして鉄棒、とび箱、マット、なわとびといった基本的な運動、さらには水泳や球技、陸上まで、「コツ」のつかみ方についてわかりやすく説明している。イラストには、ポイントとなる動きが言葉で付加されている。身体軸を安定させ、バランスをとるための一連の動きが「カエル支持・カニ支持・サソリ支持」であり、鉄棒では「ふとんほし・だんごむし・ブタの丸焼き」などのネーミングがされ、子どもたちにも理解しやすい工夫が重ねられている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:PHP研究所

(掲載日:2007-12-10)

タグ:子ども コツ 体育  
カテゴリ 指導
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バレーボールのメンタルマネジメント 精神的に強いチーム・選手になるために
遠藤 俊郎

 本誌および『Coaching and Playing Volleyball』誌での連載を再構成してまとまった著書。
 著者によると、メンタルトレーニングとは「競技力向上に劇的に作用する特効薬というよりも、好不調の波を高値安定に調整する、心身の調子を整えるサプリメント」なのだそうだ。練習日誌に自己分析のためのチェック項目を設けることを提案するなど、具体的なエピソードを交えながら、どうすればよいのかについて書かれている。メンタルトレーニングは決まりきったメニューを行うのではなく、状況に応じて自在に変化させ得るものだと認識が新たになる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:大修館書店

(掲載日:2007-12-10)

タグ:メンタルトレーニング  
カテゴリ 指導
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スーパーラガーメンはこうしてつくられた
小野寺 孝

スーパーラガーメンはこうしてつくられた小野寺 孝 部の歴史上最高といわれる猛練習をし、見事日本一に輝いた慶応義塾大学蹴球部(慶応ラグビー部)のフィットネス・コーチが著した書。副題に「慶応ラグビーの強さと栄光の秘密」とある。この種の本はやたら感情移入が強かったり、「見てきたようなニュー・ジャーナリズム」風であったりするのだが、この本は抑制がきき、冷静に、それでいて情熱が伝わる筆致で書かれている。それは、著者が慶応高校から慶応大学を通じてウィングの選手としてプレーしただけでなく、8年間フィットネス・コーチとして、科学性、客観性を持って取り組んできたからであろう。書名通り、慶応ラグビー部がどのような過程で強くなっていったか、フィットネス・コーチの視点で語られている。したがって、ラグビーの指導者にはすぐに役立つ内容が多いのは当然だが、何もラグビーだけにいえることではない、スポーツ・トレーニング全般におけるポイントが浮き彫りにされているため、どのスポーツの人が読んでも参考になる。
 というのは、昭和59年度のシーズン、昭和26年以来34年ぶりに関東大学対抗戦グループで全勝優勝したときのフィフティーン中、高校時代に全国大会(花園)を経験した選手は1人もいず、主将松永(天王寺高)、右ウィング若林(小石川高)以外は全員付属校出身。伝統ある名門チームとはいえ、戦力的にはどちらかというと「ごくふつうの選手の集団」だった。大学選手権の歴史をみても、優勝は昭和44年(早稲田と引き分け両者優勝)以降なし(昭和53年は準優勝)で、名門といわれる割には、さほど“栄光”に輝いてはいなかったのだ。しかし、練習の長さ、すごさは名物だった。「弱いところをとにかくたたいてたたいて強くすることしか考えなかった当時の慶応ラグビーのあり方が、見直しを迫られる時期にあったことは確かだろう。当時はまさに、慶応ラグビーという意地だけで支えられていた時代だったのだ」(第2章より)
 当時(昭和52年)、「黒黄会報」(OB組織黒黄会機関誌)に上田昭夫前監督が手記を書いた。そこで当時の慶応ラグビーについて5つの欠点を指摘している。
①基礎体力不足
②基礎プレーの甘さ
③気分的にムラが多過ぎる
④体を張った泥臭いプレーが見られない
⑤集中的に行う練習についていけない
 思えば、5点とも克服されてしまっているわけだが、「練習によって勝つ」「あれだけの猛練習に比べたら、試合時間の80分は短いものだ」という“美風”に対し、首脳陣がこのままではだめだ、練習方法を改革し、意識を改革し、無敵の戦士をつくらねばという考えを抱き始めたのが昭和52年だったのだ。実際ウェイト・トレーニングがこの年から始められ(著者がコーチ就任)、是永選手という足は速いがひ弱い欠点のあったウィングが、別人のようにたくましくなった。この成果が15シーズンぶりに早稲田に勝ち、大学選手権準優勝につながった。この年度の卒業生は、記念に1組のウェイト・トレーニング用品を残していっている。
 著者が「フィットネス・コーチ」になったのは翌年度からである。さらに、その年、ゲスト・コーチとしてオーストラリア協会公認コーチ、クリス・ウォーカーを迎えた。そうしたトレーニングによって、「慶応の全部員に、この『体力的必勝の信念』を芽生えさせていく」ことができたのである。
 そこには、ラグビーという競技の特性の科学的分析、体力の具体的目標値(3.2kmを12分台、50m走を6.5秒以内、ベンチ・プレスを100kg3回×3セット。これができないと一軍に入れない)、トレーニング計画、プログラムの緻密さ、そして伝統の意地があった。
 フィットネス・コーチである著者は、体育の専門家ではない。しかし、広告代理店の営業部長という職業柄、本場のアメリカン・フットボールの試合をよくみ、ノートルダム大学の練習も目の当たりにしている。さらに、前出クリス・ウォーカーの強い勧めもあって、オーストラリアでのコーチ・セミナーにも参加。こうした経験が、“科学的ラグビー”の大きな力になっていることだろう。誰しも最初は素人である。熱意があれば、現在のスポーツ医科学を現場に活かすことは、誰にでもできるのである(もちろん努力は必要だが)。スポーツ医科学は本来現場で役立つためにある。活用する気になれば、誰にでもできるのだ。
 和崎元監督作成のスローガン3本のうちの最後は、「知性ある猛練習で、敵を凌駕せよ」だった。知性ある猛練習、これなくして日本一という高みには達し得ない。このインテリジェンスは、しかし、いうほど高みにはないのだ。そういっては失礼になるかもしれないが、特殊な人しか持ち得ないものではないということなのだ。
 筆者は親切にも、“フィットネス・トレーニング”の実際を第13章で詳しく紹介している。また「付章」では「クラブチームのためのフィットネス講座」「高校生のためのフィットネス講座」と題し、具体的プログラムも挙げている。
「日本中のあまり強くないチームの指導者や選手の人たちに『おれたちもやってやろうじゃないか』と思ってもらいたくて、私はこの本を書いた」(あとがきより)
 もとより、1つのチームが優勝するのは1人の存在のみによるものではない。監督、コーチ、マネージャー、OB、スポーツドクター、そして選手、全員の力によるものであるのは当然である。しかし、いかにもその全員が気だけ逸(はや)らせても実りはない。どうすればよいか、それが本書にある。


・主な目次
第1部 15人のスーパーラガーメンが新しい慶応ラグビー部を完成させた
第1章 「魂のラグビー」が蘇った 
第2章 昭和52年当時の慶応ラグビー
第3章 慶応ラグビーに必要なもの
第4章 相手に勝つラグビーとは
第5章 フィットネストレーニングの登場
第6章 きびしいラグビーをめざす
第7章 上田−松永コンビの誕生
第8章 オーストラリア・ラグビーに学ぶ
第9章 コーチと選手はひとつの輪でつながっている
第10章 59年度のシーズンが始まった
第11章 大学日本一の座を目指して

第2部 ラグビープレーヤーはスーパーマンでなければならない
第12章 なぜ今、スーパーマンが必要か?
第13章 スーパーマンをつくる体力とは
第14章 スーパーマンをつくる体力トレーニング
第15章 スーパーマンにより近づくために
第16章 これであなたもスーパーマンになれる

(清家 輝文)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:1986-05-10)

タグ:ラグビー 慶応義塾大学 トレーニング  
カテゴリ 指導
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じょうずになろう はしること
宮下 充正 加古 里子 武藤 芳照 八田 秀雄

“はしること”なんて、かんたんさ! でも、きみは“じょうずにはしること”ができるかな? と帯に書いてある。子どもは、走る、走り回るのが自然である。歩くのも楽しいが、走ることの楽しさのほうが、子どもにとっては勝っているだろう。しかし、帯の文章通り、“じょうずにはしること”は難しいものだ。子どもに、走ることを、“じょうずにはしること”をわかりやすく、絵本形式で示したのが『じょうずになろう はしること』(監修/宮下充正、え/加古里子、ぶん/武藤芳照、八田秀雄、評論社)だ。“じょうずになろう”シリーズの4巻目である。すでに「およぐこと」「とぶこと」「なげること」が刊行されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:評論社

(掲載日:1986-05-10)

タグ:子ども 走り  
カテゴリ 指導
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最強パンチ理論 身体運用編
三宅 満

 私の中でいろいろな講習会などでいつも考え立ち止まるのは、対人競技でもその動作やトレーニングはつながっているのだろうかということだ。その点でこの本は私の中のモヤモヤ感を晴らしてくれるものになった。
 ましてや格闘技は接近して接触プラスダメージを与えるという種目であるがゆえに「無駄な動作を省く」、なおかつ「地面反力を使う」など理論的にも細かく説明している点で非常にわかりやすい。
 さらにストレッチなども姿勢のポイントは丁寧に書かれており、ストレッチポールを使ってのエクササイズも記載されている点は著者の興味の幅広さを知ることができる。対人競技で身体運用のポイントが整理しにくい方はぜひご覧いただきたい。
(河田 大輔)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2013-09-03)

タグ:格闘技 パンチ  
カテゴリ 指導
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これで試合に強くなる! 野球メンタル強化書
高畑 好秀

 野球の試合で勝つためにはどうしたらよいかについてメンタル面での具体的なアドバイスをまとめた書籍。塗り絵方式での変化球のイメージ化、シルエットを利用したピッチングフォームの変化を見抜く方法などがエクササイズとして紹介されているのが興味深い。練習から試合中まで場面ごとにで陥りがちな悩みに対して明快な答えを示すなど、メンタル「強化」書として活用できるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:実業之日本社

(掲載日:2008-01-10)

タグ:メンタル 野球  
カテゴリ 指導
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「言語技術」が日本のサッカーを変える
田嶋 幸三

 監督としてU-17日本代表を率いていた田嶋氏。海外のサッカー代表チームの立ち居振舞いを見て「瞬時に『勝負あった』と思ったとある。この強烈な危機感から、エリート教育の場を用意するという構想が生まれた。
 本書はJFAアカデミー福島設立に向けてどのような試行錯誤が行われたか、またそこで行われている教育内容と、自立に向けての寄宿舎生活、その生活の中で自分の考えを論理的に表現する能力を養っていく様子をまとめている。なお、こうした若手育成で得られたヒントは、S級までの指導者向けライセンス認定のカリキュラムの中に、言語技術学習として導入されている。このような長期的視野に立った選手育成は、最終的には日本のサッカーそのものを育てていくことにもつながってくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:光文社

(掲載日:2008-01-10)

タグ:サッカー コミュニケーション  
カテゴリ 指導
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やってはいけないプレー100 世界の超一流選手はこうしている
下田 哲郎

 本書には、日本では常識とされているサッカーの練習方法やプレースタイルを、「やってはいけない」ものとして海外のスター選手と比較して紹介している。
 その中の例として、「トラップを足下に止める」「フリーのプレーヤーにパスする」「数的不利は避ける」などがある。
 とくに目を引いたのが、ベッケンバウアー選手はスライディングタックルをしないというトピックである。スライディングタックルが必要とされるような状況をつくらないという意味で、後方から事前に前線の選手に指示を出し、リスク管理を行うということである。そうすることで余裕をもって、ボールをもった敵の侵入を阻むことが可能になる。
 常識を「やってはいけない」ものとするには、スター選手ならではの納得させる理由がある。もちろん超一流とされる舞台で生き残るために産み出された知恵と技術であり、彼らにしかできないプレーなのかもしれない。かし、本書をプレーヤーが読むと参考になるだろうし、ファンにとってもサッカーを観る楽しみを増やすだろう。
 本書に掲載されていないスター選手もいるので、あの選手はどんなことを考えてサッカーをしているのだろうと想像しながら観戦するのも、醍醐味の1つとなる。
(平松 勇輝)

出版元:東邦出版

(掲載日:2013-09-09)

タグ:サッカー 練習  
カテゴリ 指導
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東ドイツの水泳教程
ゲルハルト レビン 福岡 孝純 古橋 廣之進

 知らないことを知るという。知れば知るほど、自分が知らないことを知らされる。比較的よく知っていると思っていても、そのことを人にわかりやすく説明したり、文章に書いたりするのは難しい。スポーツについても、仮に10年間やったところで、そのスポーツが「わかった」わけではない。経験を通じて得たものは語れても、体系立てていうのは大変なことである。
 この本を読んで痛感させられたのは、水泳について、これほど緻密に、城を築くようによく書けたものだということだ。訳者もあとがきでこう記している。
「その記述は正確をきわめ、ブロックを一つひとつ積み上げるように精緻に行われている。非常に几帳面、かつオーソドックスになされている解説は、ややもすると視覚的な情報に慣れすぎているわれわれ日本人にとっては丁寧すぎる印象さえある。しかしこのようにしてのみ、客観的、かつ正確に運動の描写や解説が行われ得るといえよう」
 全体317頁で図は154点。どちらかというと記述中心の本である。しかし、非常にわかりやすいし、「水泳」そのものが単にスポーツとしてのみでなく、人間の文化的所産として感じられるところまで描かれている。これは、著者の筆力の賜としたいいようがない。
 著者は、東ドイツの現場で最先端にいるコーチで、日本でも出版された『東独の子ども水泳教室』の著者でもある。一言でいえば、この本はその著名コーチが書いた競泳をはじめとする水泳に関する専門書である。「とかく我が国のこの種の本が写真分析によるフォームや泳法などに関する形態的な記述で、長期的トレーニングの組み立てや構成が不足気味であるのに対し、本書は水泳のトレーニングを年齢や経験、パフォーマンスにより段階的に分類し、能力強化のプログラムを分析し、総合的、システマティックにとらえているところに特長がある」(訳者あとがき)。
 確かに日本では、ビデオや写真やコンピュータなど視覚で捉える機材が豊富になり、ややもすると私たちは映像のほうがわかりやすいと思いがちである。しかし必ずしもそうではないし、むしろ逆に活字のほうがより正確、緻密にわかることもある。至難の技とはいえ、こうも優れたものをみせられるといかに自分が怠慢であるかを知らされる。
 簡単に各章を紹介すると(主な目次の項参照)、第1章では東ドイツの水泳の現状、組織的関係と担当分野などについて、第2章では、水泳の生理・生物学的特性、トレーニングでのスポーツ医学面について、第3章では、有史以来の主としてヨーロッパに着目した水泳の歴史、その訓練法の発達について、第4章以下第7章までは競泳、飛び込み、水球、リズム水泳(シンクロナイズド・スイミング)の4種目における技術、基本訓練、指導法、トレーニングなどについて詳細に記されている。そして、第8章では、競技ではないレジャー・スポーツ、レクリエーションとしての水泳について、第9章ではドイツ水泳スポーツ連盟の競技規定についてまとめられている。
 本書の全体を少しでも感じ取っていただくためにキーになる部分を引用しよう。
「『水泳の基本訓練』という概念は東ドイツで20〜30年前に生まれ、特定方法論的問題が基本訓練の目的、課題、内容、基本姿勢の中心となった。/水泳の基本訓練は水中でのスポーツ指導を目的とし、幅広い応用範囲(就学前、学校、競技、レジャーとレクリエーション、職場、水難救助)をもち、2段階に分かれて泳げない人や泳げる人に方向づけた教育を行う。/競技スポーツにおいても最高のパフォーマンスをつけるための長期的継続的構成は次のように決まっている。第1段階──基礎トレーニング 第2段階──強化トレーニング 第3段階──発展トレーニング 第4段階──ハイパフォーマンス・トレーニング(中略)基本訓練の第1段階には7歳くらいの子どもに対する競泳トレーニングの試みが入っており、これは第2段階(バッククロールとクロールキックの習得)へとつながる。長期的トレーニングでは第2段階のほうが内容的に中心となる」(第4章の2.競泳の基本訓練」より)。
 いわゆるペリオダイゼーションの考え方である。東ドイツや共産圏諸国における理論と実際は少しずつ紹介されるようになり、それまでは、秘密のベールにおおわれているあまり、いろいろなことがいわれたものだが、こういった書が読まれることで、なぜ共産圏が強いのか、その計画性と段階的指導の緻密さに納得させられる。それは、共産圏だからできるということではなく、やりよう、考えようによっては日本でも十分に可能なことであろう。水泳関係者でなくともヒントが多く得られる本である。

主な目次
1. ドイツ民主共和国における体育とスポーツの分野での水泳スポーツの意義
若い世代の教育のために水泳スポーツが有する意義/水泳スポーツの種目とその位置づけ

2. 水泳が人体に及ぼす影響
生理学的および生物学的特性/水泳トレーニングにおけるスポーツ医学的特性

3. 水泳の歴史についての考察
人間社会における水泳の発達/水泳スポーツの発達/水泳基本訓練における指導法の発達

4. 競泳
泳法、スタート、ターンの発達/競泳の基本訓練/水泳の基本技能の養成(基本訓練の第1段階)/第2段階/競泳の指導法/競泳の基礎トレーニング

5. 飛び込みの基本訓練と基礎トレーニング
一般の飛び込み/飛び込みの基本訓練/飛び込みの基礎トレーニング

6. 水球の基本訓練
専門的な水泳技術/ボール技術/水球の専門技術の指導法/戦術の原則/水球の基礎トレーニングの注意

7. リズム水泳の基礎訓練
シンクロナイズド・スイミングとバレエ水泳の技術/シンクロナイズド・スイミングの技術的基本訓練/リズム水泳の指導法/リズム水泳の基礎トレーニング

8. レジャー・スポーツ、レクリエーションとしての一般の水泳
器具を用いない一般の人々の自由時間の水泳/器具を用いる一般の水泳/ユーモラスな水泳と飛び込み/複合競技/水中でのゲーム/一般の水泳の練習実施のための運営と方法上の注意

9. DDRドイツ水泳スポーツ連盟の競技規定について
一般競技規定/競泳の競技規定/飛び込みの競技規定/水球の競技規定/以下略
(清家 輝文)

出版元:ベースボール・マガジン社

(掲載日:1986-10-10)

タグ:水泳 飛び込み 水泳 シンクロナイズドスイミング  
カテゴリ 指導
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サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法
池上 正

 少年サッカーの指導にあたる著者は、「子どもが困ったとき、大人の顔を見る状況」であることを問題視する。これまでのスポーツ指導は、本当にその選手の成長に結びつくものであったのだろうか。本書で紹介される11の魔法は、一言で集約される「気づかせる」「考えさせる」など。支配ではなく対話によって選手の自立心や表現力を養っていくことが共通している。そのために核となる考え方や具体的な方法を紹介している。今までのやり方を変えることは、ブーイングも起こるし、勇気も必要になるが、子ども、そして自分自身を進化させるためには必要なこと。「中途半端にサッカーを知っているコーチが一番危ない」という指摘には重みがある。本書は著者自身のサッカーの指導や子育ての反省と経験に基づく試行錯誤の産物である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:小学館

(掲載日:2008-04-10)

タグ:サッカー 子ども  
カテゴリ 指導
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トップアスリートの勝つコトバ 強運を引き寄せるスポーツ名言集
根本 真吾

 イチロー、浅田真央など、国内外のトップアスリートの語った言葉を集め、解説を加えたもの。紹介される言葉は確信に満ち、前向きな姿勢を表すものになっている。解説では、「勝つコトバ」が生まれた背景が描写され、場合によって著者自身の実体験と重ねて述べられている。著者が、その言葉に触発されて自らと対話している過程である。これによって、アスリートの言葉に重みが増している。これは読み手を問わない。つまり、読み手の置かれた状況によって、言葉から読み取ることのできる意味が変わってくるのだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:秀和システム

(掲載日:2008-06-10)

タグ:アスリートの言葉  
カテゴリ 指導
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子どもを輝かせる スポーツコミュニケーションスキル
山口 文子

 本書で最初に出てくるのが「親の仕事とは」「指導者の仕事とは」である。叱ることと怒ること、またヘルプとサポートの違いについて触れながら、子どもがスポーツにおいて輝いていくためにはどのような姿勢でいるのがよいかが書かれている。選手や子どもたちが主役であることが一貫したメッセージとなっている。白井一幸氏(元日本ハムファイターズヘッドコーチ)との対談では、実体験に由来する深みのある言葉が出ている。また、著者が全力で聴く姿勢でいることもわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:体育とスポーツ出版社

(掲載日:2008-06-10)

タグ:子ども スポーツコミュニケーション  
カテゴリ 指導
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幻の大山道場の組手 かつて地上最強の空手は実在した
渡邊 一久 フルコム

 本書は空手の話と写真つきの組手の説明、対談から構成されている。
 著者の空手人生は現在のようなスポーツとして認められている空手の内容ではなく、いわばクレイジーなものであり、精神論というより生きるか死ぬかの戦いを行った武勇伝が数多く記されている。
 現在の極真空手の創始者である大山倍達総裁が大山道場で指導していた時代に著者が入門してから指導員になるまで、また大山氏が亡くなったあとその技術を伝承空手として継承していく話。護身術としても行き過ぎている気がして、なかなか平和な現代社会では素直に受け止められないような喧嘩っぽい内容である。
 組手の技術は写真が載っていて、身体で覚えさせられたものを何とか後世に伝えようとする著者の気持ちが伝わる。解説つきだがなかなか難しい、道場に通わず本書を読んで実践してみてできたらいいが、本当に実践した場合、危険な内容に思える…。
 伝承技術が廃れ、時代の変化と共に時代に合ったものが認められる中、この危険な「けんか空手」を伝えていくことのよさは私にはわからないが、こういう伝承技術があったと知ってもらうことは大切だと思う。
(安本 啓剛)

出版元:東邦出版

(掲載日:2013-11-15)

タグ:空手 格闘技 
カテゴリ 指導
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コーチングのジレンマ
東海林 祐子

 2013年夏に初版ということで、昨今よく取り上げられている指導者の問題にも触れられており、タイムリーな本である。しかし、流行り廃りというようなことで済むような内容ではなく、一指導者がコーチングについて研究を重ねた貴重な資料であると私は感じた。
 とくにコーチングの方法、著者の経験、事例など、現在の私自身にも照らし合わせて考えさせられるような内容が、非常に興味深かった。コーチングに携わる指導者の方々は一冊所持しておいていいのではないか。
(河田 大輔)

出版元:ブックハウス・エイチディ

(掲載日:2014-06-17)

タグ:コーチング 
カテゴリ 指導
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採用基準
伊賀 泰代

 本書は、著者自身がマッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた経験から、若い世代の日本人がこれから何を目指し、どんな資質やスキルを身につけるべきなのかについて書かれたものである。その答えは、まさに「リーダーシップ力」。
 海外諸国に比べ、日本人に不足している「リーダーシップ力」。学校教育や従来の日本企業における人材教育のあり方がリーダーシップに対する誤解を生んでいることを指摘。そもそも、リーダーシップに関する重要性や必要性自体が日本では認識されていないのが問題だとも指摘している。リーダーとは何をなすべき人なのか。リーダーシップの学び方とは。これから、日本人がリーダーシップを発揮し、広く活躍していくためにはどうしたらいいのか、さまざまなヒントが書かれている。
 今、日本人に必要なのは専門知識でも技術力でもなく、リーダーシップを発揮できる人。「社会を変えたいのなら、まずは自分の生き方を変えないと始まらない」まさにそう思わせてくれる一冊である。
(浦中 宏典)

出版元:ダイヤモンド社

(掲載日:2014-07-30)

タグ:マネジメント  
カテゴリ 指導
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指導者バカ
西村 卓二

 この本の筆者西村卓二氏は、ご存知の方も多いとは思いますがアテネオリンピック卓球の女子ナショナルチーム監督をされていた方であります。卓球女子ナショナルチームの活躍は、先日のロンドンオリンピックの結果も見てとれるように輝かしいものであります。無論積み重ねが大きな飛躍につながったことは言うまでもありません。以前から関わってこられた筆者には、いろいろな苦労もあったと感じています。さらに筆者は女子指導の経験が多く、本格的に女子指導をし始めた私個人としても、共通する立場にある者として、難しい局面や悩みなども照らし合わせながら読むことができました。
 本書はおおまかに「指導者哲学」「選手との関わりかた」「現場主義」「練習と試合とは」「叱る」「女性に教える」「ナショナルチームの経験」という7つの構成で展開され、「人を育てる」重要性を説いています。
 筆者も指導者という立場から、まず指導者の必要なこととして、自分の立ち位置、育成しようとする心構え、つまり信念、哲学が必要と説いています。ごく当たり前のことかもしれませんが、本書にも「人間を作る」というフレーズがよくでてきますように、指導をする以前にふさわしい人間でなければならないということであります。私自身、指導者としての経験をそれなりに重ねた今、信念、哲学というものの必要性を痛感させられます。
 加えて「女性を教える」という難しさの悩みは同感するものが多く、気づきをたくさん頂けました。そのひとつとして、物事の捉え方であります。男女に違いがあることを私自身も感じています。たとえばできないことを考える場合に「何ができない」「誰ができない」の違いが生じることは私の経験上も多かった事例であります。だからこそ叱り方ひとつも十分配慮しなければいけないことは実感もあり、ヒントも多く得られました。そのヒントとは「攻めの指導」と「待ちの指導」にあたります。言葉で気づかせたりするような攻めるということは比較的しやすい行為だと思います。しかし待つことは本当に難しいと思います。なぜなら物事に立ち向かわせる時間、つまり考える時間や体験させる時間を含めて待つことは指導者にとってハードルの高いことと思っています。待つという能力は、よき指導者として大きなウェイトを占めることは間違いないと確信しました。
 そして競技者としての本当の強さとは、「技術」「鍛えられた心」を持ち合わせること。つまりその指導者は両者を与えられる人間かつ人間性を持ち得た人間でなければならないと考えます。それはいろいろな方向に「バカ」になれることであり、決してそのことしかできない「バカ」でない「指導者バカ」という存在にならなければと感じられた本であります。
(鳥居 義史)

出版元:日本経済新聞出版社

(掲載日:2013-10-28)

タグ:卓球 指導 育成 
カテゴリ 指導
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バスケットボール シュート大全
アダム フィリッピー 佐良土 茂樹

 大全というと大げさな、というのが第一印象であったが、実際に読んでいくにつれて大全とうたってもおかしくない内容に驚いた。
 NBAのスキルコーチが著者であり、ストレングス&コンディショニングに精通しているとは思えないのだが、シュートのための身体運用の考え方はかなり勉強されていて的を得ていると感じた。もちろんシュートについて述べている箇所も順序立ててかなり細かく、しかしわかりやすく表現されている。
 また単なるドリルの紹介だけではなく実際にありうるシチュエーションについての解説も記しているので、これほどまでバスケットボールのスキルについて詳細に述べられている書籍は私の中で初めてと言っても間違いではない。バスケットボールに関わるトレーナーだけではなく選手やコーチにも見てもらいたい一冊だ。
(河田 大輔)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2013-12-04)

タグ:バスケットボール コーチング 
カテゴリ 指導
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個性を引き出すスポーツトレーニング
立花 龍司

 先日、小学校低学年くらいの子どもが泣きながら野球の練習をしていました。
「なんでできひんねん!!」「あほか!!」
 子どもの動きはぎこちなく、びくびくしながらボールを追い、バットを振っていました。すべてを見たわけではないので、この指導方法がすべて悪いとは思いませんが、野球が好きで、野球に長く関わっている私にとってはびくびくしながら野球をしている姿がさみしく感じました。
「野球が楽しい」「もっとうまくなりたい!!」「もっとうまくなるためにはどうしたらいいやろ?」
 子どもの気持ちをサポートするのは、私たち指導者、保護者の役目ではないでしょうか。本書は筆者自身の野球経験、日米の違い、子を持つ親として感じたことを書かれています。「悪いプレーを減らす」練習ではなく、「よいプレーを増やす」ための練習、トレーニングをする。発想の転換が、選手や子どもたちに対する見方やアプローチを変えてくれるのではないでしょうか。
(大洞 裕和)

出版元:岩波書店

(掲載日:2013-12-06)

タグ:トレーニング ジュニア 野球  
カテゴリ 指導
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フェルデンクライス・メソッド入門 力みを手放す、体の学習法
伊賀 英樹

 本書によるとフェルデンクライスメソッドは、(1)環境の中で自分自身の機能的な気づきを発展させる学習システム、(2)人々に働きかけて、その人々の動きの能力の範囲を拡げ、気づきを高め、機能を改善させ、自分自身をもっと十分に表現することを可能にする、(3)自分自身全体を組織化し、忘れられた動きのパターンや行動を取り戻すために必要な学習をどのように促進するかという問題に対して直接的に向けられているものである、と定義されている。
 つまり、フェルデンクライスメソッドは「自分自身の体への認識を深め、機能と動きを再教育するための学習法」である。そのため、一般的な医療行為のように、症状を治したり改善させることが直接の目的ではない。
 フェルデンクライスメソッドのレッスンはグループで行うATMレッスンと、個人で受けるFIレッスンの2つからなる。
 ATMレッスンは“Awareness through Movement(=動きを通じての気づき)”、FIレッスンは“Functional Integration(=機能の統合)”を意味する。
 いずれも大きな動きや大きな力は必要とされず、ゆっくりと穏やかな動きで自分の身体の内部感覚と今までの習慣になっていた動きの癖を見直し、より楽で自然な身体の使い方に向けていく。ただし、ここにも正解はなく、動きを通じての気づきと学習の仕方を学ぶのが目的になる。
 私もどうしても力んでしまう選手や患者に接することがある。彼らに「力を抜いて」「リラックスして」と声をかけても、自分の意志で入れている力ではないので当然、自分の意志では力を抜くことはできない。これは、スポーツやリハビリテーションに限らず、さまざまな場面であることだろうし、おそらく多くの人も経験があるはずだ。
 私も実際の効果のない指摘するだけの言葉ではなく、無意識の緊張を緩めるための手法の必要性を痛感している。フェルデンクライスメソッドにはその可能性を感じるので、これからも関心を持っていきたい。
(西澤 隆)

出版元:BABジャパン

(掲載日:2013-12-12)

タグ:フェルデンクライス ボディーワーク 
カテゴリ 指導
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一流を育てる
朝日新聞be編集部

いったい、人を育てるっていうのはどういうことだろう。そもそも人が人を育てることができるのだろうか?
 指導者の端くれとしてそんなことを考えるときがある。もちろん、指導者次第で選手やチームは大きく変わるのは間違いない。しかし、指導者は決して自分が育てたから選手が強くなったなどとは思うべきではない。
 言葉を変えて言えば、勝手に選手が育ったのである。そう思うべきであると私は思う。だから、こういうやり方をしたら一流選手を育てられるなんていうマニュアルはないのだと思う。あるとすれば、そこに本気で選手のことを考えている指導者がいて、そこに本当に強くなりたいと思っている選手がいる。それだけのことなのだ。
 その数々の、現場での指導者と選手の試行錯誤を紹介してくれている。この本を読み改めて思う、「一流を育てる」ハウツーなどはないってことを。
(森下 茂)

出版元:晶文社

(掲載日:2013-12-18)

タグ:選手育成 指導 
カテゴリ 指導
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「やる気」と「成果」が出る「最強チ-ム」の成功法則
山谷 拓志

 日本バスケットボール協会の新リーグ運営本部副本部長兼COOとなる人の著書で注目してみたが、やはり細かく、人間、組織を緻密に分析されていると感じた。著書にあるモチベーションファクターなどはまさにその典型で、示されているからすぐ理解できるものの、それらの選択を想像するだけで感心させられる。もちろん机上論ではなく現場での事例も述べられているので、よりリアリティのある実用書だろう。
 中盤にあるサッカーの岡田氏、ラグビーの平尾氏との対談の部分では、著者ならではのインタビュー、また相手のコーチングやマネージメントについての受け答えが非常に勉強になる。
 現場でチームマネージメントに悩む指導者は必読だと感じた。
(河田 大輔)

出版元:東洋経済新報社

(掲載日:2014-04-09)

タグ:マネジメント 
カテゴリ 指導
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「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー
高橋 秀実

 言わずと知れた、超進学校開成高校の野球部の話である、これが面白い、実に面白い!
 監督である青木がバッティングについてこう話す。
「打撃で大切なのは球に合わせないことです。球に合わせようとするとスイングが弱く小さくなってしまうんです。タイミングが合うかもしれないし、合わないかもしれない。でも合うことを前提に思い切り振る。空振りになってもいいから思い切り振るんです。ピッチャーが球を持っているうちに振ると早すぎる。キャッチャーに球が届くと遅すぎる。その間のどこかのタイミングで絶対合う。合うタイミングは絶対あるんです」
 著者の高橋は、この言葉から正岡子規の語る野球の原型「打者は『なるべく強き球を打つを目的とすべし』」、を思い起こす。
 青木監督はこんなことも話す。「野球には教育的意義はない、と僕は思っているんです。野球はやってもやらなくてもいいこと。はっきり言えばムダなんです。これだけ多くの人に支えられているわけですから、ただのムダじゃない。偉大なるムダなんです。とかく今の学校教育はムダをさせないで、役に立つことだけをやらせようとする。野球も役に立つということにしたいんですね。でも果たして、何が子供たちの役に立つなんて我々にもわからないじゃないですか。社会人になればムダなことなんてできません。今こそムダなことがいっぱいできるんです」
「ムダだからこそ思い切り勝ち負けにこだわれるんです。ジャンケンと同じです。勝ったからエラいわけじゃないし負けたからダメなんかじゃない。だからこそ思い切り勝負ができる。とにかく勝ちに行こうぜ!と。負けたら負けたでしょうがないんです。もともとムダなんですから。ジャンケンに教育的意義があるなら、勝ちにこだわるとなんか下品とかいわれたりするんですが、ゲームだと割り切ればこだわっても罪はないと思います」

 これを受けて高橋がこう語る。「確かにそうである。そもそもお互いが勝とうとしなければゲームにもならない。『信頼』や『思いやり』などは日常生活で学べばよいわけで、なにもわざわざ野球をすることもない。野球は勝負。勝負のための野球なのである」
「偉大なるムダに挑む開成高校野球部。すべてがムダだから思い切りバットを振る。どのみちムダだから遠慮はいらないのである」

 野球に正解はない、人生に正解はない。
「たかが野球、されど野球!」「たかが人生、されど人生!」
(森下 茂)

出版元:新潮社

(掲載日:2014-08-20)

タグ:野球 指導 高校生 
カテゴリ 指導
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「育て」の流儀 個性を磨き、大きく伸ばすコーチング
乾 眞寛

 福岡大学サッカー部の監督である幹眞寛氏が、自身の指導概念について語った書籍である。
 100人以上の選手や学生たちを指導するにあたって、監督でもあり一教員でもある乾氏が繰り返し伝えていることは、「個々の可能性を信じ、見つけ、伸ばすこと」であると私は思う。それは指導者のみではなく、選手や学生自身が強くそう思うことを非常に重要視している。そのために、指導者はチャンスを与えることもあれば厳しい言葉をかけるときもある。個々が持つ可能性に気づきを与え、それを伸ばそうとするセルフモチベーションに火をつける。
 第7章「困難を突き抜けて手にする成長」の中では、「NEXT ONE」という言葉が出てくる。チャールズ・チャップリンの言葉から抜粋された、指導の際に乾氏が忘れずに掲げている言葉だ。過去よりも今、今よりも未来の自分を高め続ける努力、目標を実現する確固たる決意と信じる力の大切さが詰まっており、サッカーや人生そのものと向き合う学生たちと指導者である自分自身を鼓舞する一言ではないだろうか。
 躍進のきっかけとなる言葉、エピソードが語られている本書は、指導者のみならず選手や学生、何かに取り組んでいる全ての人に勧めたい一冊である。
(椙村 蓮理)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2014-09-18)

タグ:サッカー 育成 コーチング 
カテゴリ 指導
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レアルマドリード モウリーニョの戦術分析 ディフェンス編
アタナシアス テルジス 小澤 一郎

 ジョゼ・モウリーニョはサッカーの指導者という枠を越え「哲学者」として注目されることが多い。注目されるがゆえにさまざまな問題を引き起こすこともあるが、彼の人間としての魅力が人々を惹きつけている。
 本書はレアル・マドリード時代のジョゼ・モウリーニョの戦術を紐解いた解説書である。筆者のアタナシアス・テルジス自身がサッカーの指導者であることもあり、モウリーニョ率いるレアル・マドリードのスカウティングレポート的な内容となっている。サッカーの4つの局面、すなわちディフェンスの局面、オフェンスからディフェンスへのトランジションの局面、オフェンスの局面、ディフェンスからオフェンスのトランジションの局面のうち、ディフェンスに関わる局面の中でさらに細かく分類したケースについて各選手がどのようなプレイをしているかについて細かく解説されている。
 モウリーニョの戦術の土台となる哲学には触れられていないものの、純粋にどのようなプレイが「選択」されているのかを知ることができる。サッカーだけでなく他競技の指導者もスカウティングレポートを作成するためのチェック項目の抽出や、資料作成の際に参考となるだろう。
(打谷 昌紀)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2014-10-27)

タグ:サッカー 戦術 スカウティングレポート  
カテゴリ 指導
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体育会力
礒 繁雄

 本書のタイトル・表紙や帯からは一般的な体育会で培われる能力に関するビジネス書のように思われるかもしれないが、早稲田大学競走部の礒監督による組織論である。著者が早稲田大学競走部の指導にあたってからの組織づくり、さらには今後変化していくであろう体育会の形について、惜しみなく書かれている。
 冒頭で、「『体育会』は有機体に富んで、その中に生きる者たちによって常に少しずつ構成を変えていく有機体である」と述べているように、個々の選手の指導だけでなく、日本一の組織づくりに重きを置き、「個人」が育つ「組織」をつくるためのさまざまな取り組みが紹介されている。一般的な体育会のイメージである礼儀や上下関係などを徹底した上での著者の考えやプランニングが述べられており、心理学やバイオメカニクス的手法を用いた指導なども非常に面白い。途中、教え子であるディーン元気選手、ディーン選手の高校時代の恩師である大久保良正氏との対談や、高校時代の顧問である松本芳久氏の対談が盛り込まれており、著者の持論に至った経緯などが赤裸々に書かれている。
 組織を強くするために体育会のノウハウが用いられることは多いが、個を強くする体育会のノウハウが書かれた本というのは非常に珍しいのではないだろうか。また上記のように本書は著者のオリジナルな考えがふんだんに盛り込まれており、読者が持論を構築していく上での大きな支えになるような一冊でもある。
(山下 大地)

出版元:主婦の友

(掲載日:2014-11-01)

タグ:陸上競技 組織  
カテゴリ 指導
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モウリーニョの戦術分析 オフェンス編
アタナシアス・テルジス 小澤 一郎

本書は、名門レアルマドリードの監督を2010〜2013年の3年間務めた、モウリーニョ氏の戦術を分析したものである。ヨーロッパのサッカークラブの監督は、成績不振だと頻繁に交代させられることが有名で、レアルマドリードの場合、1982年以降はほぼ毎年のように監督が変わっている。その中でもモウリーニョ氏は3年間も同チームの監督を務めており、いかに優れたサッカー指導者であったかを示している。
 内容は数ページで選手の長所と短所を解説し、残りの9割以上のページを戦術の分析に使っている。紹介されている戦術の数は膨大な量で、偶然生じたであろう戦術をピックアップしているのではなく、少なくとも試合の中で10回以上確認できたものをピックアップしている。したがって、掲載されている戦術は全て意図されたものであり、日々の練習の中でトレーニングされたものであると考えられる。
 読み終えた印象は、やはり意図をもって相手の体勢を崩して、ゴールを奪うための戦術であること。選手がボールを保持している、保持していないにかかわらず、複数のプランを打ち出すことができる攻撃態勢を崩さないように設計されている。具体的には、試合を観ていると、ある選手の運動量は多いが、ある選手はサボっていて運動量が多くないということがあるが、モウリーニョ氏の戦術では、サボれないように設計されているのである。
 1つ1つ確認しながらトレーニングをしていった選手やスタッフの労力、モウリーニョ氏がいかにうまく選手対監督間のコミュニケーションをしていったのかという点がイメージとして浮かび上がる。
(平松 勇輝)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2014-12-01)

タグ:サッカー 戦術  
カテゴリ 指導
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評伝 デル・ボスケ スペイン代表、南アフリカW杯優勝の真実
ルーカ カイオーリ タカ 大丸

 つい先日、サッカー日本代表監督に旧ユーゴ出身のハリルホジッチ氏が就任した。発表記者会見での日本サッカー協会幹部の発言によると、どうやら彼は完璧主義者らしいが。新監督と比較する上でこの本を読んでみると面白いかもしれない。
 この本はスペイン代表監督であるビセンテ・デル・ボスケ氏の評伝である。彼はレアルマドリードひと筋で選手時代はMFとして活躍した。監督になってからはリーガ、チャンピオンズリーグなどで7回優勝。ついにはスペイン代表監督として2010年のW杯南アフリカ大会で母国スペインに初優勝をもたらした。その後FIFAの年間最優秀監督に選ばれるなど、誰からも名将として尊敬されている存在である。
 この本は幼なじみから芸能界、政財界に至るまで、デル・ボスケ氏に関わりのある人物へのインタビュー集となっているが、指導者としての戦術やスタイルよりもむしろ彼の人物像、人間的魅力について数多く語られている。それだけ彼は人間的にも優れているのだろう。
 デル・ボスケ氏を一言で評するならば、ずばり「謙虚」である。勝利を自分の手柄にせず、陰で支える存在に徹している。名将と言われるようになっても、彼は自分の立ち位置を冷静沈着に見極めているようだ。彼自身、あるスピーチの中で努力・自己犠牲・才能・自律・団結・謙虚さといった価値観を説いていた。これはかつて美徳と謳われた日本人の価値観と合致するのではないだろうか。
 日本にサッカーが存在する限り、今後も色んな人物が日本代表監督を務めていくだろう。微かな望みを持ちつつも、今やスペインの英雄であるデル・ボスケ氏が、今後母国を出てどこかで監督を務める可能性は低いかもしれない。ならば彼のような日本人気質に近い人物が、いつか日本代表監督に現れることを期待してみたい。そうなればサムライ・ブルーはきっと面白いことになるだろう。

(水浜 雅浩)

出版元:プレジデント社

(掲載日:2015-04-22)

タグ:サッカー 
カテゴリ 指導
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今いる仲間で「最強のチーム」をつくる 自ら成長する組織に変わる「チームシップ」の高め方
池本 克之

 著者がつくった言葉「チームシップ」、それは「チーム内の地位や役割に関係なく、メンバー1人ひとりがお互いを理解しながら、チームとしての成果のために成長すること」だと定義している。タイトルにもある「最強のチーム」には、そのチームシップをメンバーが発揮して常に一丸になっていることが、唯一の条件だと言っている。
 では、その重要なチームシップを発揮するにはどうすればよいのか。その方法が本書で説明されている「TDC(Teamship Discovery Camp)」である。TDCとは、著者がつくり上げた話し合いの方法で、皆が自由に発言しつつも、チームの課題を見つけ、解決策まで決めていくメソッドとなっている。経営者やリーダーがチームづくりをする際にミーティングをしようとしているのであれば、打ってつけの内容だ。
 役割分担から、ルール設定、コミュニケーション方法までこと細かく説明されているので、本書で紹介されているTDCを実践してみる価値はある。
 しかしながら、私はそういったミーティングを企画、提案できる立場ではない。仕事としてチームには所属しているが、非常勤として肩身の狭い身分である。そんな私だが、ありがたいことに、常勤のスタッフから相談を受けることも少なくない。非常勤というのが、日頃の状況を客観視できる者として新鮮なようだ。
 そこで機会があるのであれば、私が所属するリーダーにはこの書籍から学んだことを伝えたいと感じた。それと共に、本書の内容は、チームでのミーティング以外の、1対1のコミュニケーション技術としても活かせるのではないかと感じている。
 本書の最初には、著者の失敗談が記されている。能力がある人が陥りがちな失敗例だと感じた。その失敗例からつくり上げられたTDC。説明もわかりやすくまとめられている。このメソッドで多くのチームを成功に導いているのでいるのだから、試してみて損はないだろう
(橋本 紘希)

出版元:日本実業出版社

(掲載日:2015-05-27)

タグ:チームビルディング 
カテゴリ 指導
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うっかりドーピング防止マニュアル
遠藤 敦

 本書は日本アンチドーピング機構(JADA)に認定されたスポーツファーマシストが、ドーピングの基礎知識、検査制度、禁止成分、ドー

ピング防止に関わる組織などについて丁寧に説明したものである。
 世界でのドーピング検出数は1~2%なのに対し、日本では0.1~0.2%と格段に低い。しかも、日本ではほとんどが競技力向上のために故

意に禁止物質を使用したためではなく、「うっかりドーピング」によるものだという。「うっかりドーピング」はサプリメントに含まれる

成分、風邪薬など他の疾病治療のための薬、そして、時には食肉用家畜の肥育に用いられ残留した薬物など、気づきにくく、身近なところ

に原因がある。
 本人が意図しない「うっかりドーピング」であっても、お目こぼしはなく、競技力向上目的のためのドーピングと同様に処罰の対象とな

る。ドーピングを意図しないから「関係ない」と軽視するのではなく、意図しないからこそ「うっかりドーピング」をしてしまわないこと

の重要性を説いている。
 ドーピングに関して知っておきたい内容がわかりやすくまとまっているので、選手、コーチ、トレーナーなど、競技に関わるならば読ん

でおくことを強く推奨したい。
(西澤 隆)

出版元:

(掲載日:2015-06-12)

タグ:アンチドーピング 
カテゴリ 指導
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イレブンリングス 勝利の神髄
フィル・ジャクソン ヒュー・ディールハンティー 佐良土 茂樹 佐良土 賢樹

 この書籍は、ヘッドコーチ時に11回のNBA王座を獲得したフィル・ジャクソンのアシスタントコーチ時代やヘッドコーチ時代のことについて、詳しく書かれている。
 フィル・ジャクソンがシカゴ・ブルズ、ロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチになった経緯や当時のチーム事情のことなどが詳しく書かれている。そしてチームが問題を抱えたときにフィル・ジャクソンがどのように考え、対応していたのか書かれている。
 チームの問題解決をしていくときになぜあのような考えを元に解決していったのかがわかるように、フィル・ジャクソンのバックグランドが紹介され、子ども時代や現役時代にどのような人たちと関わってきたのかが説明されている。
 この本を読むことで、よりよいチームになるために必要なことがわかる。そしてこの本は指導者だけでなく選手にも読んでいただきたい。選手が読むことで選手個人の力でもチームをよくしていくことが可能であるとわかるからである。私も高校生や中学生のうちにこの本を読んでおきたかった。

(榎波 亮兵)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2015-09-29)

タグ:バスケットボール 
カテゴリ 指導
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もうダイエットはやめよう! ボディウェイト・コントロール 健康のための体重調節
西端 泉

 この本のタイトルは、『もうダイエットはやめよう! ボディウェイト・コントロール
健康のための体重調節』である。この「もうダイエットはやめよう!」には、ダイエットという言葉を使うのはやめようということと、やせてるのにダイエットするのはやめようという2つの意味が込められている。
 そもそも我々がよく聞くダイエットという言葉は、いつしか外来語本来の「日常の食物」や「食事」という意味から離れ、今や意味不明な日本語として使われてしまっている。ダイエットの定義が明確でなく科学的根拠が不明なダイエット本が散見される現状を踏まえ、著者は科学的見地から減量方法を知ってもらいたいという趣旨で本書を執筆している。
 具体例を挙げれば、現代日本人の肥満の原因は、巷で言われているように食生活の欧米化による摂取エネルギーの増加と、これに伴う脂肪摂取の増加が原因なのだろうか。確かに本書が示す資料によれば、脂肪摂取の割合は近年増えてきている。だが1日の総摂取エネルギーを見てみると、ピークだった1970年と比較して15%も減少しており、実質の脂肪摂取量はむしろ減少している。一方で1日の平均歩数は年々減少していることに見られるように、現代日本人の肥満の原因が摂取エネルギーや脂肪摂取の増加ではなく、むしろ身体活動量が低下していることが主因であると言える。
 それから減量の運動指導においては、「有酸素運動は低強度がよい」とよく言われる。運動強度が低いほうがよい理由としては、運動強度が高くなると脂肪よりも糖質が消費される割合が多くなるから、というのがもっぱらである。この根拠として昔のある文献が引き合いに出されるのであるが、そこで示されているのは脂肪を消費する「割合」であって「量」ではない。それに減量において重要なのは、消費される脂肪「量」のほうであろう。確かに運動強度が高くなれば消費される脂肪の割合は小さくなる。だが同時に消費エネルギーが増えるので、計算してみると実は消費される脂肪量は低強度よりも多くなることがわかる。ということから、本書で著者は高強度を推奨している。無論、対象者によって強度の調整をする必要はあるだろう。紙面の都合上、この辺りの詳しいことは、本書で詳しく解説されているので機会があればぜひ読んで頂きたい。
 総評としては、語り口が研究者らしく明解であるので、読み終わってある種の清々しさを感じる。ちゃんと参考文献が明示されていることから、我々のような運動指導者が読んでも著者の解説には説得力があるように思う。ただ一つ惜しい点は、本書の読者には一般の人も想定されているので、内容的には入門編に止まっているところだ。これはこれで運動指導者を目指す学生や若手指導者にとっては、十分に有用な書籍になると思うが。この本を発展させてより専門的な内容に深化していけば、運動指導者が読む専門書としての評価は、より高まることだろう。

(水浜 雅浩)

出版元:ラウンドフラット

(掲載日:2015-11-26)

タグ:体重 ダイエット 
カテゴリ 指導
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松岡修造さんと考えてみたテニスへの本気
坂井 利彰

 2014年、錦織圭選手が全米オープンで準優勝という快挙を成し遂げて以降、テニスに熱い視線が注がれている。テニススクールに行けば、錦織選手に続かんとばかりに多くの子どもたちがコートで練習に励んでいる。そんな彼らの口からは、将来の夢として「世界ナンバーワンになること」や「ウインブルドンで優勝する」などといった発言が普通に飛び交う。これが錦織以前の時代であれば、ただの世迷言としか捉えられなかったであろう。錦織選手の活躍が、子どもたちの意識の中に「もしかしたら自分も」という現実味を高めているのは確かかもしれない。しかし現実はそう甘くない。プロ選手になったとして、納得いく成績を残して現役生活を全うすることがいかに難しいことか。
 著者によれば、錦織選手やいわゆるビッグ4の選手などはみな早熟型だという。幼くして才能を開花させた彼らは、海外に渡るなどして練習環境に恵まれ、エージェントやスポンサーと契約することで活動資金においても不安はない。しかし現実を見れば、プロを目指すすべての子どもたちがこれに当てはまることはない。テニスの人気が上がりより身近になることが、自ら目標のハードルを身の丈以上に上げてしまっているようだ。よって、錦織選手と同じレールをたどっていけないと見るや、プロ選手になる夢を簡単にあきらめてしまう傾向があるとのことである。
 著者や松岡修造氏に言わせれば、世界ランキングトップ100に入るだけでもどれだけすごいことか。ましてや早熟型のように子どものうちから海外に出ることだけがプロへの道ではないのだ。日本では幼い頃から競技一筋でやってきたジュニア選手が、大学進学が契機となってプロになることを諦めてしまうのをよく見聞きするが、大学はプロになることの対極にあるものではないだろう。現に米国では、全米大学体育協会(NCAA)が主催するカレッジスポーツが、プロスポーツに負けない人気と商業的成功を収めている。著者が提唱するように、大学がジュニアとプロとのハブ機能を持ち、選手のセカンドキャリアも含めた計画的なマネジメントができれば、プロ選手として晩成型のキャリア形成を確立する一助になるだろう。
 この本はテニスに留まらず、プロを目指しているジュニア選手とその指導者にうってつけである。今後のキャリア形成を考える上でぜひ参考にして頂きたい。



(水浜 雅浩)

出版元:東邦出版

(掲載日:2016-04-12)

タグ:テニス 
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〈知的〉スポーツのすすめ スキルアップのサイエンス
深代 千之

運動が苦手な姪っ子に指導
 高校に入学したばかりの姪っ子が球技大会でバレーボールをすることになった。ところが彼女は子どもの頃からスキップが正しくできないくらい運動が苦手。うちに遊びにきたときにちょっと見てやろうと広場に行ったが、ボールの中心をたたけない、下半身の動きと上肢の動きのタイミングが合わない、自分の立ち位置から一歩分でもボールがずれると落下地点に身体を移動できない、となかなかの強者だった。子どもの頃からダンスのほうのバレエを習っていたので、それを糸口にアンダーハンドサーブとアンダーハンドレシーブを何とか形にしようと、おじさんは奮闘することになった。スポーツ科学を学ぶ人にこそ
 さて本書は、『運動会で1番になる方法』などの著者であるバイオメカニクスの第一人者、深代千之氏によるもので、「東大教授が教える(運動の)上達法!」と銘打たれている。前半は走・跳・投打というスポーツにおける基本動作を巧みに実行するための理論が展開されている。後半ではやや専門的な内容で、脳による運動のコントロール、筋生理、バイオメカニクスの基礎について解説されている。
 一般人への啓蒙書という位置づけとのことだが、本書は運動上達を目指す一般の人々というより、スポーツ科学を勉強している指導者や学生にこそ手にとってもらいたい仕上がりになっている。バイオメカニクスといえば物理学の基礎知識を必要とした難解な学問だと敬遠しがちな学生でも、本書を通読することでその知識を現場に活かすためのつながりを発見できるに違いない。パフォーマンス向上はもちろん、傷害予防のためのドリルや負傷選手を競技復帰まで回復させるアスレティックリハビリテーションにもその考えを応用しやすくなるはずだ。

つながりのヒント
 つながりと言えば、本書ではバイオメカニクスと運動生理学やスポーツ心理学とのつながりを理解しやすくなるヒントも含まれている。解剖学や生理学など別々の教科で勉強する基礎医学も、当然のことながら人の身体として統合して理解されるべき内容である。構造によって機能は決められるが、機能的な必要に迫られて改変されてきた構造があり、構造をより効率的に使おうとすることで新しく生まれた機能がある。さまざまな側面から人間の構造と機能のつながりを解き明かし、より効率的な機能に結びつけていくというこの学問は、ばらばらの「点」になりがちな学問をつなげるという側面もあるように思う。
 誰かがやっていた、あるいは誰かが言ったというトレーニング原理のようなものが独り歩きして一種流行をつくった現象にも触れられている。ご本人にはそのつもりはないかもしれないが、本質を見極める前に流行に流される傾向にある態度を科学者の立場からそれとなくたしなめている感覚があることにも好感が持てる。

よりよい動きへ
 さて、姪っ子の指導。限られた時間の中で、しかも1度きりの指導で何が変わるのかへのチャレンジは、バレエのジャンプ動作を少しづつ変化させてスクワットジャンプの形にし、そこに手を振り上げる動作を加え、タイミングを同期させ、ジャンプの程度を減らしてアンダーハンドサーブの身体の使い方に近づけるというシンプルなもの。ボールを使ったのは最後のほうだけだったが、なんとか相手コートに入るかなというくらいにはボールが飛ぶようになった。身体の移動に関しては、ボールを投げる方向を決めておいて一歩移動してボールをキャッチする練習を各方向行い、ボールをキャッチする高さを徐々に下げて、アンダーレシーブの形に近づけた。結果、誰かが拾ってくれるだろうというボールの上がり方をするようにはなった。
 もっといい方法もあるだろうし、本番までの練習でどれだけ上達するかわからないが、ボールを打つという運動の結果だけにとらわれず、ボールを打つためにどのように身体を動かすのか姪っ子自身に考えさせ、そうすることで動きが改善される実感を持ってくれたとしたら、トレーナー活動をしてきたおじさん冥利に尽きるというものである。


(山根 太治)

出版元:東京大学出版会

(掲載日:2012-07-10)

タグ:スキル 
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なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか
渡辺 啓太 大塚 一樹

 全日本女子バレーのテレビ中継にて、タブレット端末を手にする監督の姿がよく映る。そこにはどんな情報が送られているのか、誰がデータを収集しまとめているのか。そこにスポットを当てた。
 表紙の数字とアルファベットの文字列は、実際の試合時に入力されたものだ。激しい情報戦の中、公開してしまっていいのかと感じるかもしれないが、各国代表ともデータの活用方法は日々進化している。では日本代表にて試行錯誤を積み重ねてきたのはと言えば、二十代の若き渡辺氏であった。
 渡辺氏が出身校の恩師や代表監督、選手たち、チームメイト、そして家族に支えられながら、「アナリスト」として認められていく様が伝わってくる。スポーツ現場を支えるスタッフにとっては、ここまで全力を注げているかと振り返ったり、真摯に取り組めばきっと認めてもらえると勇気づけられたりもする一冊と言える。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元: 東邦出版

(掲載日:2012-08-10)

タグ:データ分析 アナリティクス アナリスト 
カテゴリ 指導
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女子の〈底力〉の引き出し方
吉井 妙子

「女性部下を持つ方々に」
 2011年7月。多くの日本人がそうだったように、当時4歳になったばかりの我が家の長男坊はなでしこジャパンに魅了されていた。ゴールシーンやPKシーンを飽きることなく繰り返し見ては「サワせんしゅ」「カイホリせんしゅ」と名前を覚え、「あきらめない心」とは何だろうと考えるきっかけにしていた。性別を超えて「おっきくなったらなでしこジャパンになる!」とまで言わせる存在だった。『天才は親が作る』などの著作で知られるジャーナリスト吉井妙子氏による本書は、「女性部下を持つ方々にいかに感じてもらえるかを主眼と」して書かれている。なでしこジャパンの佐々木則夫監督、全日本女子バレーボールの眞鍋政義監督、古くは東洋の魔女を率いた大松博文監督などを例にあげ、優秀な指導者たちがいかに「女性の能力を磨き、チーム力を強固なものに」したのかが紹介されている。
 あとがきで著者自身が述べているように、本書は「ハウツー本の形式を避け」ている。ハウツー本にはなり得ないと言った方がいいのかもしれない。成功者の成功事例のみを取り上げれば感心することばかりである。しかしこれをそのまま他の事例に活用すること、いや他のスポーツチーム指導に単純に転用することすら不可能だろう。これらの成功例に満足し囚われ過ぎれば、当の成功者たちでさえ次の成功が危うくなる世界なのだから。

男女の枠を超えるべき
 読み進めるうちにいくつかの疑問が頭をよぎる。女性ばかりのチームメイトで、競争相手も女性である女性スポーツでの事例を、男性社会での女性部下の扱いに無理につなげなくてもよいのではないか。そして本書の内容を見る限り、ここに取り上げられている指導者諸氏は女性スポーツにおいてのみ優秀な指導者というわけではなく、男女という枠を超えて優秀なスポーツ指導者として紹介されるべきだと感じるのである。
 選手という基質が指導者という触媒によってより高度な存在となるための化学反応は、単に基質が優秀なだけでも、触媒が優秀なだけでも起こらない。双方が反応の種類にマッチしていなければならないし、その他温度や濃度、さまざまな条件がうまく巡りあわなければならない。もちろん物質と違って人間は基質が触媒の性質に歩み寄ることもできるし、触媒がそうなるように導くこともできる。そうした環境づくりへの仕掛けは、各指導者がそれぞれの選手たちの特性に合うように無数になされたはずだ。対象が女性である以上、女性を意識したものも多かったのだろうが、本書に紹介されている内容は「女子の底力を引き出す」というより、アスリートの能力の引き出し方であり、性別にこだわる必要はなかったように思う。タイトルにとらわれず、指導者と選手たちが素晴らしい結果を導き出した取り組みとしてとらえたほうが素直に「気づき」が得られるはずだ。それでもそれぞれのエピソードがあまりに美化され短絡的な示唆につなげられているため、本当に知るべきことは他にあるのではという印象は拭えない。

プレーに魅了される
 明るい陽が当たるナショナルチームレベルにはもう見られないのだろうが、一般の女子スポーツには暗い負の部分も未だに根強く残っている。こちらのほうが女性ならでは、あるいは女性選手と男性指導者ならではという特色が色濃く表れているかもしれない。それらの問題点を掘り起こし、改善の動きを起こすことも今後の女性スポーツのために必要なことだと思う。
 前述の長男坊は、FIFA女子ワールドカップのすぐ後に行われた2011ラグビーワールドカップにも熱狂した。フランスのはじけるようなラグビーに興奮し、ニュージーランドの強さに魅了されていた。「負けたけど頑張ってたやんな!」と子ども心ながらジャパンを擁護していた。彼にとって男性も女性も関係はない。その目には、ただひたむきに闘うアスリートたちが映っている。

(山根 太治)

出版元: フォレスト出版

(掲載日:2012-09-10)

タグ:女性 指導  
カテゴリ 指導
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運動と健康の心理学
海保 博之 竹中 晃二

「実践」心理学講座シリーズの1つであることから、運動が健康を導くとわかっていてもなかなか始められない、続けられない人へのアプローチを中心としている。
 動機づけや行動変容などの理論にとどまらず、対象ごとにどのような介入方法を行ったかやその考察について多くページを割いているのが特色だ。まさに実践のための心理学の書と言える。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:朝倉書店

(掲載日:2012-09-10)

タグ:健康心理学 運動 行動変容 
カテゴリ 指導
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エディー・ジョーンズの監督学 日本ラグビー再建を託される理由
大友信彦

新しい日本ラグビーの入門書として
 2019年にラグビーワールドカップが日本で開催される。過去7回行われた同大会において予選プール1勝21敗2分けという成績の日本で。2011年フランス大会でも、外国人選手で主力を固め、捨て試合をつくるなど手を尽くしたにもかかわらず、3敗1分けで予選プール最下位に終わっている。
 長く続く暗い闇を抜けられないラグビー日本代表。本書は、2012年4月から「日本ラグビー再建を託された」エディー・ジョーンズ新ヘッドコーチの来歴およびそのコンセプトを紹介する本になっている。すでに出された結果をもとに訳知り顔で書かれたものではない。未だ霧がかかったこれからの日本ラグビーの歩みに悲願とも言える期待を寄せながら、それを分かち合うための入門書としての役割を担おうとしたものである。

壁を乗り越えるためのJapan Way
 ラグビーのグローバル化のため、アジア代表としてこの地域のラグビー競技の普及を目指すことがワールドカップ日本招致目的の1つとされる。ワールドカップでは勝てない日本代表も、アジア五カ国対抗では2008年のスタート以来5連覇を成し遂げているのである。ただアジアを一歩踏み出すと、たとえば環太平洋の強豪国によるIRBパシフィック・ネイションズ・カップでも2011年を除き苦汁をなめ続けているのが実情である。
 その壁を乗り越えるべく、外国人選手を安易に多用した前任者とは異なる方向性を持つ新ヘッドコーチ、エディ・ジョーンズ氏がその重責に就いた。彼が掲げたスローガンは「Japan Way」である。日本人の血統を持つ彼は「失われた日本の良さ」を取り戻すこと、「日本ラグビーが本来持っている可能性」を引き出すことを目指している。古くからのラグビーファンには膝を打った人も多いだろう。それは日本代表の菅平合宿の復活にも象徴されている。
 実は彼の日本でのコーチング歴は1995年の初来日時に東海大学や日本代表のコーチに就いたところまで遡る。ACTブランビーズを率いて2001年にオーストラリアのチームとして始めてスーパー12(当時)を制したのはその後のことなのである。同チームの黄金時代にそのシークエンス戦法は世界を席巻した。そのアタッキングラグビーに、ラグビーが変わったと実感した関係者も少なくなかったはずだ。しかしその源流は実は日本ラグビーにあったとも言われる。日本のチームに所属していたある世界屈指のプレイヤーはこう評したそうである。「ブランビーズのプレーはエディーが日本から持ち込んだ」と。もちろん「ルールやレフェリングの変更された現在」そこに回帰することに意味はない。
 ただそんな実績を背景にし、サッカーを初めとする他競技からも貪欲に「自分のクラブで応用できる要素を探す」ことを常とする彼が標榜する「Japan Way」ラグビーには、やはり期待を抱かずにはいられない。少なくとも代表を目指すプレイヤーがその原理を理解し実践することができれば、日本ラグビーは変われるのではないかという気持ちにさせられる。アタックシェイプと呼ばれるような実戦的戦術以外の要素に触れた彼の言葉も本書では多く紹介されている。

悲願達成を願う
 彼は言う。「子供たちにこういうプレーをしたいと思わせるようなプレー」を見せたいと。フィールドに立つメンバー中で、決まりごととしてではなく、しかし共通認識のような「ディシジョンメーク」ができる必要があると。「ミスをすること、失敗することは決してネガティブなファクターではなく、ミスは起きるものという認識があれば、ミスへのリカバリー、反応の速さ、ミスで発生した新たな状況のクリエイティブな活用」につながり、それはまさに日本伝統の「武術における『無心』の境地」であると。
 代表予備軍である「ジュニアジャパン」を立ち上げ、「試合に向けて若手のチームを強化するのではなく、日本代表に入ってこられる選手個人を育成する」ことも始まった。ユースレベルの強化・育成、また、高校日本代表セレクションを兼ねた「トライリージョンズ(三地区対抗)」と呼ばれる合宿も行われている。ラグビーのフィールドでは「ストラクチャーを作るのではなくオーガナイズされたラグビー」を目指すにしても、代表選手育成というストラクチャーは確立される必要がある。
 彼は問う。「目標として世界を見据えて、そのために毎日努力しているのかどうか」を。「セレクトされるべき人間は「信用できる人間」なのだから。これらは当たり前のことに思えるかもしれないが近年日本代表チームから抜け落ちていたように思える事柄が多いのは錯覚ではないだろう。2012年9月に世界ランキング16位の日本代表が、「サイズを言い訳にしないでスキルを磨き」、「ストレングス&コンディショニングをインターナショナルレベルに引き上げ」、「ハイスピード、ハイフィジカル、ハイフィットネス」を「ロングジャーニー」の到達点で手に入れたとしたなら、日本開催大会のひとつ前、2015年の第8回ラグビーワールドカップで我々は何を目にすることができるだろう。ラグビーファンとしては楽しみだ。
 余談ながらイングランドをホスト国として行われるラグビーワールドカップは1991年に続いて2回目である。この第2回RWCで、今は亡き宿澤広朗監督率いる日本代表が唯一の白星を挙げている。その勝利を知る男、薫田真広氏が今の日本代表アシスタントコーチである。気が早すぎる、本当に早すぎるが、すでに知将として知られる氏がエディー・ジョーンズジャパンでさらなる昇華を遂げ、2019年度の日本代表を率いて開催国として悲願のベスト8達成のようなことになれば熱いと、日本ラグビー界にとって本当に熱いと、そう思う。
(山根 太治)

出版元:東邦出版

(掲載日:2012-11-10)

タグ:ラグビー 監督 
カテゴリ 指導
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松岡修造さんと考えてみた テニスへの本気
坂井 利彰

 坂井氏自身、大学卒業後にプロ転向という道を歩み、現在は大学という場を活かした日本人プレイヤー育成に取り組む。
 松岡修造氏との対談では、まず錦織圭選手は10代の時点で特別であり「生まれてくるもの」、それをつくるのは難しいと口を揃える。だが、錦織選手ほどの圧倒的な才能がなくともステップを踏めば世界で戦えるという点でも一致する。実際、アメリカでも大学卒のプロ選手が増えているそうだ。
 20歳前後は自分の限界が見え「心の密度が下がる」ときだという。そこで諦めず、夢見た世界へ羽ばたくためのバックアップが頼もしい。逆に言えば指導者やスタッフが本気であれば、有望な選手も育つに違いない。

(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東邦出版

(掲載日:2016-02-10)

タグ:育成 テニス 
カテゴリ 指導
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日本女子サッカーが世界と互角に戦える本当の理由
松原 渓

 サッカー番組のピッチレポーターやキャスターを務めてきた松原氏の初の著書。自らも小学校3年生からプレーした女子サッカー経験者ならではの思いが詰まった一冊だ。
 前半は大野忍や永里優季らトップ選手、そして後半は育成年代の指導者に話を聞いている。前半では、各選手たちがサッカーを始めたきっかけや、どのように技をみがいていったかなどにもふれられているが、まだ女子サッカーがさかんとは言えなかった頃からの積み重ねが今、W杯優勝や五輪準優勝などの実を結んでいると再確認できた。「これから」の育成についても着目した切り口は、試合に限らず指導現場でも取材を重ねている著者らしい。
 指導というのは短期で結果が出ないこともあるが、積み重ねは裏切らないと勇気付けられる。
 競技人口の少なさ、指導者が求められていることなどを踏まえて、タイトルの通り丹念な取材で掘り起こされている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東邦出版

(掲載日:2013-02-10)

タグ:サッカー 女子サッカー 
カテゴリ 指導
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なんのために勝つのか。 ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論
廣瀬 俊朗

驚かされたキャンテンシー
 2016年1月11日に行われた第95回全国高校ラグビー大会決勝、東海大学付属仰星高等学校対桐蔭学園高等学校の一戦は、頂点を争うにふさわしい見ごたえのあるものだった。桐蔭学園のアタッキングシステムは完成度が極めて高く、準決勝まで対戦相手を圧倒してきた。一方の東海大仰星は準々決勝、準決勝と僅差の試合を競り勝ってきていた。
 決勝の試合で私が気になったのは、まず東海大仰星のディフェンスラインだった。準決勝の東福岡戦とは味付けを変えていたからだ。そしてチームシステムの動きの中に垣間見える選手の自由な判断力。これは東海大仰星のほうがうまく機能していたように思う。私は東海大仰星キャプテン、真野の野生的な顔を思い浮かべていた。状況を見極めて反応する仰星ラグビーのキーパーソンの顔を。
 彼をはじめとする東海大仰星の中心選手は2015年の和歌山国体のオール大阪少年ラグビーチームに召集され、真野はそこでもキャプテンを務めた。私がトレーナーとしてお手伝いさせてもらった関係で、ほんの短期間だが彼らを間近で見ることができた。そこで驚かされたのは真野のキャンテンシーだ。彼はさほど大きくはない身体を、よほどストイックでなければ辿り着けない鋼に仕上げていた。彼が発する言葉は、ミーティングや試合の度に選手だけではなくスタッフをも奮い立たせた。そして言葉の強さだけでなく、自分たちのすべきことやできることを理解した上で相手を分析し、最善の戦い方を対戦相手ごとに具体的に示していた。そしてグラウンドでは身体を張って自らの使命を遂行していた。そこには確固たる決意と覚悟が感じられた。他の東海大仰星の選手をはじめ、他校の選手でも自律している選手は多かったが、年若い彼を私はほとんど尊敬の念で見ていた。

試合に出なくても
 さて、本書『なんのために勝つのか』は、昨年日本を湧かせたラグビー日本代表、エディージャパンの初代キャプテンである廣瀬俊朗氏によるリーダーシップ論である。彼はエディージャパン発足のときにキャプテンに選ばれたが途中交代となり、W杯ではとうとうピッチに立つことはなかった。そんな立場での彼のチームへの献身的なサポートは美談として取り上げられたりもしたが、軽々しく称えられるような単純なものではないだろう。身を切るような懊おうのう悩を経てのその献身の一端を、本書から垣間見ることができる。
 彼が試合に出なくてもチームに不可欠な存在であり続けたのは、類稀なるリーダーシップによるものだろう。「ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論」とサブタイトルにある本書では、実はリーダーシップとは何かということについてはあまり語られていない。廣瀬氏がラグビーを通じて、物事をどのように捉え、考え、そして仲間と共にどのように行動してきたのかについて多く語られている。わかったようにリーダーシップとはこうあるべきだと理屈で書かれるよりも、個人的には好ましい。なぜなら自らを練り上げることが根幹になければ、本質的なリーダーシップについて語れないからだ。花園に出られなかったチームに所属していたにもかかわらず高校日本代表のキャプテンを務めたことからも想像できるように、早くから彼のその素質は磨かれていたのだろう。
 社会人チーム12年目、34歳である彼のトッププレイヤーとしてのキャリアに残された時間は多くない。しかしこのような人材は、今後ラグビー界で、いやその領域を超えた世界でも活躍を続けていくはずだ。

仲間とともに
 話は戻るが、今年度の東海大仰星の3年生はサイズも小さく、早くから谷間の世代だと言われていたらしい。しかしそのような状態だからこそ彼らは勝ちたいと思っただろう。そして考えただろう、どうすれば勝てるのかを。掲げただろう、自分たちの「大義」を。考えて、考えて、いつもどうすべきなのかを考え抜いて、「覚悟」を決めてやるべきことをやり、やるべきでないことを排除してきたのだろう。
 キャプテン真野は優れた人材だ。決勝戦でも2本のトライを自らあげた。文字通りもぎ取るようなトライだった。しかし、どれだけ流れを生み出せる優れたリーダーがいても、ひとりでできることなど限られる。素晴らしい仲間と巡り合って初めてリーダーは活かされる。仲間に恵まれることもリーダーの条件なのだ。彼らはともに「ハードワーク」してきたのだろう。国体というごく限られた時間の中でも「One Team」をつくり上げた彼らの若い力は、3年近く苦楽を共にした自分たちのチームではもっと濃密に熟成され昇華してきたのだろう。彼らの人生にとって計り知れない価値があったことは間違いない。尊敬に値する。

「なんのために勝つのか」
 この二人のリーダーは、素晴らしいリーダーシップを発揮し、素晴らしい仲間に恵まれ、ジャパンはW杯で歴史的勝利をあげ、東海大仰星は全国大会を制した。しかし多くの人にとって「勝つ」とは対戦相手に勝利することだけではない。掲げた目標を達成すること、昨日の自分より少しでも成長すること、困難な状況に負けないこと、間違ったことをしないこと、人を思いやる力を持つこと、仲間を大切にすること、たとえ望むような結果が得られないとしても、これらを体現しようとする覚悟と姿勢を持ち続けるだけでも、小さな勝利は日々積み上げられていくはずだ。そしてその取り組みは人生を豊かにしてくれるだろう。「なんのために勝つのか」とは、つまり「なんのために生きるのか」という問いでもあるのだから。
(山根 太治)

出版元:東洋館出版社

(掲載日:2016-03-10)

タグ:リーダーシップ ラグビー 
カテゴリ 指導
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女子の〈底力〉の引き出し方 金メダル監督の最強人材育成メソッド
吉井 妙子

 サッカーの佐々木則夫氏、ソフトボールの斎藤春香氏、マラソンの小出義雄氏ら知る人ぞ知る指導者が実践している、女子選手を指導するコツをひもとく。と言っても、結果を残した際のチームの様子の紹介は、選手の声がメインだ。その分、指導者の独りよがりでないチーム像が浮かび上がる。
 また、各指導者らが話す「このときはこうした」「選手たちとはこう向き合った」というエピソードは、どれも目の前の状況や選手の特徴を見極めて選択したと感じられるものばかりだ。つまり本書は、女子選手の扱い方を指南するものではなく、女性はこうだという決め付けや女性の考えはわからないという意識を取り払う「気付き」を促すものと言える。その気付きとともに指導にあたれば、タイトルにもあるように、選手が自主的に力を発揮しだすだろう。
 指導に悩んだときはもちろん、新しくチームや選手の指導を始める際にも読みたい一冊だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:フォレスト出版

(掲載日:2013-04-10)

タグ:女性 指導 
カテゴリ 指導
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頭で走る盗塁論 駆け引きという名の心理戦
赤星 憲広

いつもの風景から何を得るか
 毎日通る通勤路でふと立ち止まって、そのいつもの風景を少し注意深く眺めてみる。いつものように木が2本そびえ立ち、田んぼが広がり、変わらぬ家々の佇まいがある。ところが、もう少し目を凝らすとただのあぜ道に草が生い茂り、小さな花が芽吹いていることに気づく。見過ごしがちなそんな些細な光景が、今の季節そのものを、そしてあんなに肌寒かった季節からの移ろいを感じるきっかけになり、心にほのかな彩りを加えてくれる。
 そう思えば、日々の雲の様子にも心が動くようになるだろう。ただのいつもの景色ではなくなるだろう。インフォメーションとインテリジェンスの違いといった使い古された表現を借りなくとも、同じ風景から得られることは人によってさまざまであり、その得られた内容をどのように活かすかも人それぞれである。
 定点カメラで撮った映像を早送りで見るなどすれば気づくことも多くなるかもしれない。しかしたとえそのような道具があったとしても、そこに価値を見い出す、あるいはそこから価値を生み出すには、基礎となるさまざまな知識や豊かな感性が必要であり、そのための自然な心構えといったものが身についていなくてはならない。

価値を見出す選手
 野球選手がヒットやフォアボールで一塁ベース上に立った場合、その視界には相手チームのピッチャーを初めとする守備陣が写る。また味方の次打者をバッターボックスに認めるだろう。ベンチや一塁コーチとのコミュニケーションがあるにせよ、その光景をただ平板なインフォメーションとして捉えているだけでは、誰がそこを埋めていようが大して変化がないものとなる。しかし見る人によっては、その中に多大な価値を見出すことができる。そしてそこから手に入れたインテリジェンスには、野球のプレー全体に大いなる利益をもたらすものとなる。27.43m先にある次のベースを自らの足で陥れるために、得るべきものをすべて得ようとし、それを基軸にプロ野球選手としての自分の存在価値を高めようとした貪欲な選手、赤星憲広氏が本書の著者である。
 盗塁をするには、ヒットを打つにせよ四死球になるにせよ塁に出なくてはならない。そこから打率が上がらなければ盗塁数も増えないだろうと単純に考えてしまいがちだ。しかし赤星氏によると二塁を陥れるためのインテリジェンスは打撃へも好影響を与え、「盗塁が多いから、ヒットも多くなる」という一見逆説的な結果が導かれる。

すべてのプレーが変わる
 これは守備に関しても同様で、「野球全ての視野を広げてくれる」インテリジェンスになるのだと言う。「60個盗塁できれば三割打てる理由」があるのだ。各投手の自分でも気づいていないようなクセを研究し、把握することはもとより、配球の特徴、捕手の考え方や動きの特徴、2塁ベースカバーの状態、サーフェスの条件、二番打者との呼吸など、果ては目の錯覚までも利用して、できうる限りの準備を整える。そうすれば「走る勇気を持つこと」ができる。そうすれば野球のすべてのプレーが変わる。
 スライディングなどテクニカルな考え方も述べられてはいる。しかし「『足が速い』=『盗塁ができる』ではない」という言葉からもわかるように、「きちんと準備することで8割決まる」という考え方が重要だ。考える力がなければ気づくこともできない。気づくことができなければ準備は整わない。準備が整わなければ行動を起こす勇気は持てない。その思考こそが肝要なのだ。1塁からの風景は、彼には他の多くの選手とは違って見えていた。野球選手としての存在価値を、その風景の解析から突き詰めようとしていた。日々の暮らしの中で目にしている光景には気づいていないだけでさまざまな価値が潜んでいる。何かとことんこだわれるものを持っていることは幸せである。
 ところで私の世代では、かの福本豊氏がスピードスタートという印象が強い。年間106個という驚異的な盗塁数の記録を持つこの人の足を封じるためにクイックモーションは生み出されたという。福本氏も投手のクセを見抜くことには当然ながら秀でていたとのことだが、赤星氏の守備におけるダイビングキャッチに関しては「ケガの危険性も高くなる」また「うまい外野手は飛び込まずに落下地点できっちり捕る」と公言していたそうである。
 果たして、赤星氏はダイビングキャッチにからんだ頸部のケガの影響で引退に追い込まれた。また、赤星氏は愛煙家だったという。これだけの理論家が自らのコンディショニングに関してこれらをどう考えていたのか興味がある。持論もあるのだろうか。以上蛇足ではある。
(山根 太治)

出版元:朝日新聞出版

(掲載日:2013-05-10)

タグ:盗塁 野球 
カテゴリ 指導
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サッカー名監督超一流の思考
児玉 光雄

 著者は臨床スポーツ心理学者で、スポーツ選手・指導者の「言葉」についての著書も多くある。本書は、サッカー日本代表を率いるザッケローニ氏とヨーロッパで活躍する4名の名監督の言葉から、彼らの成功の秘訣を探り、スポーツ現場はもちろんチームマネジメントにも広く応用しようという一冊だ。
 右ページに言葉、左ページに解説というわかりやすい構成となっていて、これからの時代に求められるリーダー像が浮かび上がってくる。即ち、メンバーの自発性を損なわず、かつリーダーとしてすべきことは行う。
 一見難しそうだが、同時にリーダーシップは誰でも習得可能な「スキル」であることも伝わってくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東邦出版

(掲載日:2013-06-10)

タグ:監督 サッカー 
カテゴリ 指導
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「育て」の流儀 選手を導くすべての指導者へ
乾 眞寛

 福岡大サッカー部監督を長く務める著者の、読み応えのある指導者論。
 本書によると、まず指導者としてのあり方を明確にすることの重要さがわかる。乾氏は「チームを日本一にする」「世界で活躍する選手を育てる」という目標を掲げ、どうしたらそれができるかとポジティブに考えていった。達成に向けて周囲に常に気を配っているからこそ、選手が成長のきっかけをつかむタイミングを逃さず、背中を押すことが可能になる。また、失敗も含めて学べる場である大学という環境を最大限に活かしているのも印象的だ。
 永井謙佑などスター選手とのエピソードも多く紹介されているが、種目やカテゴリー、レベルを問わずどんな選手を指導する際にも参考になるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2013-07-10)

タグ:サッカー 
カテゴリ 指導
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弱くても勝てます
髙橋 秀実

何とも言えない温かさ
 髙橋秀実さんは私の好きな作家である。そこらへんにいる普通の人が何気なく発した面白い一言を、実にうまく拾っていると思う。そしてそれには何とも言えない温かい眼差しが注がれているように感じる。
 本書の舞台は超進学校として名高い私立開成高校の硬式野球部。開成高校にはグラウンドが1つしかなく、他の部活との兼ね合いで硬式野球部が練習に使えるのは週1回3時間程度。そんな環境でかつては東東京大会のベスト16入りを果たしたこともあるらしい。
 だが、本書に開成野球部独自のメソッドが紹介されているわけでもないし、ドラマチックな盛り上がりもない。そもそも「勝てます」というタイトルの割には、最近はあまり勝てていないようなのだが、そこがまた、何とも言えない味わいになっていると思う。
 本書で中心となるのは、野球部監督の青木先生である。監督の言葉が随所に紹介されているのだが、その1つひとつがとても面白い。「猛烈な守備練習の成果が生かされるような難しい打球は1つあるかないか。試合が壊れない程度に運営できる能力があればいい」「自分たちのやり方に相手を引っ張り込んでやっつける。勝つこともあれば負けることもあるけど、勝つという可能性を高める」「ギャンブルを仕掛けなければ勝つ確率は0%。しかしギャンブルを仕掛ければ、活路が見出せる。確率は1%かもしれないが、それを10%に引き上げれば大進歩」
 その「やりたいこと」「ギャンブル」「活路」とは、勢いに任せて大量点をとるビッグイニングをつくり、「ドサクサに紛れて勝っちゃう」ことである。高校野球の公式戦はトーナメントなので、10回のうち1回しか勝てない確率だとしても、その1回が本番ならそれでいいのである。思わず笑ってしまったのが、守備のポジションを決める基準である。
・ピッチャー/投げ方が安定している。
・内野手/そこそこ投げ方が安定している。
・外野手/それ以外。
 おそらく、これをイチロー選手が聞いたら怒るだろうなと思うのだが、その理由を読むと納得。「勝負以前に相手に失礼があってはいけない」からなのである。まともに投げられない部員もいるのが開成高校。ストライクが入らないとゲームにならないので、打たれるにせよストライクゾーンに安定的にボールを投げることが開成高校のピッチャーの務めなのだ。

「偉大なるムダ」を真剣に
 何とも頼りない感じを受けるのだが、青木監督は勝ちにこだわり、何とかしようとする。勝利至上主義ゆえではない。青木監督の考え方を読んだときには、じーんと胸が熱くなった。なんと素敵な先生だろう。「野球には教育的意義はない。野球はやってもやらなくてもいいこと。はっきり言えばムダ。しかし、これだけ多くの人に支えられているのだから、ただのムダじゃなく偉大なるムダである。とかく今の学校教育はムダをさせないで、役に立つことだけをやらせようとするが、何が子供達の役に立つのか立たないのかなんてわからない。ムダだからこそ思い切り勝ち負けにこだわれる。勝ったからエラいわけじゃないし、負けたからダメなんじゃない。負けたら負けたでしょうがない。もともとムダなんだから。勝ちにこだわると下品とかいわれたりするのだろうが、ゲームだと割り切ればこだわっても罪はないと思う」
 体罰やオーバーユースの問題が起こるたびに、短期間で成果を出さなければならない学校部活動ではなく、長期的視野に立ったクラブチームでの一貫指導のもとで活動するべきだという意見が出る。それはそうかもしれないが、学校部活動があるからこそ、多くの子どもたちがいろいろなスポーツに触れることができるという側面もあるのではないか。現に、この開成高校の生徒たちは、部活動だからこそ野球を楽しめているのである。おそらくこの子たちは、部活動がなければ高校まで野球を続けていなかっただろうと思う。
 学校部活動はプロ養成所ではないし、そもそも全員がプロを目指しているわけでもない。どんな活動でもいいから、1人でも多くの子どもたちに「偉大なるムダ」を真剣に楽しむ機会を提供する。部活動には教育的意義がないということに教育的意義があるのかもしれない。
(尾原 陽介)

出版元:新潮社

(掲載日:2013-08-10)

タグ:野球 
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スポーツ・コーチング学 指導理念からフィジカルトレーニングまで
レイナー・マートン 大森 俊夫 山田 茂

 著者は米国スポーツ教育プログラムの創設者。まず本書のボリュームにスポーツ・コーチングの奥深さと、コーチとはいかに多岐に渡る知識が必要かを改めて知らされる。
 本書後半ではトレーニングやリスクマネジメントの知識がまとめられているが、やはり本書の特徴は指導理念や選手とのコミュニケーションに触れた前半だろう。練習をサボった主力選手を試合で起用すべきか、といった現場でよく起こるエピソードばかりだ。悩みにぶつかったとき、指導者は本書を手にとってみてはどうだろうか。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:西村書店

(掲載日:2013-09-10)

タグ:コーチング 
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先生!
池上 彰

「先生」になった
 そもそもの動機は思い出せないが、中学生の頃に「先生」になろうと心に決めた。おそらく他の職業を知らないごく狭い視野の中での思い込みだったのだろう。担任の「先生」にその話をしたら「そんなこと無理に決まってるでしょう」と頭から否定された。その言葉は、感情の修飾が消え去った今も記憶の吹きだまりに残っている。「先生」が何を意図してそう発言したのかはわからない。私がその頃教師を連想させるような存在ではなかったのかもしれない。ただ帰宅してそのことを話す様子は激しい怒りに充ちていたと、いつか母が話してくれた。
 その数年後、教育大学に進学した私は、卒業時に今度はこのまま教師になることなど考えられなくなった。いくつか理由はあるが、学校世界しか知らない狭い了見の人間がどうして子どもたちの教育などできるのかと考えていた。自分自身もそうだったし、周りを見渡してもそれに見合うヤツはいないような気がした。それでも同期の多くは「先生」になり、今では教頭や校長といった肩書きを背負うものも出てきた。そして私自身も巡り巡って今はひとりの「先生」という立場にいる。

先生を励ます本
 さて、しりあがり寿氏のシニカルで理不尽な漫画で幕を開ける本書は、タレント、学校長、ジャーナリスト、映画監督、柔道家、そして町工場の社長など、教育に関わる人、関わらない人、様々な立場の方々から寄せられた「先生」に関するエッセイ集である。
 発起人はニュース解説でおなじみの池上彰氏だ。必ず「先生!」という呼びかけの言葉を本文中に含めることを条件に起草を依頼したそうだ。確かに厳しい問題、悲しい問題が教育現場に山積している。しかし一部の問題が全体を否定する材料として扱われ、教育そして「先生」の再生が必要だと叫ばれる中、周囲からの高い期待に応えるべく現場で頑張る「先生」も少なくない。「そんな先生達を励ます本を世に出したい」ということが本書の狙いである。「先生」とはどんな存在であるべきなのだろう。優れた教育者を自負する人から、「学生の質は『先生』次第なんだ。学生は『先生』以上の人間にはならないのだから」と言われたことがある。個人的にはそれに大変な違和感を覚えた。「先生」の責任を果たすために自己研鑽を積むことは言わずもがな、「先生」など伸び伸び飛び越えていける人材を育成することが「先生」の喜びであると考えていたからだ。
 もちろんそう易々とは越えられないチャレンジしがいのある壁として存在感がなければ面白くはない。イメージは複雑に枝を伸ばした大樹だ。懸命に登る子をみつめ、滑り落ちそうな子にはそれとなく枝で支え、要領よく登る子には、時に障壁となる枝を伸ばし、ところどころに息をつけられる空間を用意して木陰をつくる。時には枝の先でお尻をつつく。子どもたちにそして自分にも種を蒔き、さらなる枝葉を延ばすことも忘れない。上に行けば行くほど手強くなる懐深さも持っていたい。それでもこちらの意図を乗り越えてぐんぐん成長する子どもたちを育てたいし、それに感動する心を持ち続けたい。どんどん先に進む子どもたちにはいつしか自分の存在など忘れられていい。時間が経って、もしふと振り返ることがあれば、あの頃見ていた樹よりも小さく感じてもらえればいい。そしてあの出会いは悪くなかったと懐かしさを憶えてもらえれば言うことはない。これは「親」としての想いそのものだ。

誰もが「先生」に
 本書の内容は、基本的に初等~中等教育における「先生」が対象になっている。しかし、「親」が一番身近で重要な「先生」であることはいつの時代でも真実だろう。そのことを抜きにして教育は語れないはずだ。そして我が子のみならず、子どもに関わる大人はみな子どもたちに何かを伝える「先生」たり得るという自覚を持っているべきだ。立派なことばかりでもないだろう、汚れたり、臍を噛んで苦しみ抜くこともあるだろう。そんなことも全部ひっくるめて、子どもたちを見守り、導き、あるいは言葉はなくとも背中を見せられる、そんな存在であるべきなのだ。それはただ大人でいるということだけで満たされるものではない。誇りを持てない大人には荷が重い。どれだけ表面を取り繕っていても、それは言動に表れるのだから。
 スポーツの現場などは典型的だ。実際に「先生」がスポーツ指導者を兼任していることが多いが、そうでなくても全てのスポーツ指導者は「先生」だ。スポーツには絶対に正しい教育的側面が必要なのだ。上に立つということを誤解して自らの立場に甘んずることなく、スポーツの指導者として、若きアスリートたちを導く「先生」として、誇りを持てる存在とはいかなるものだろうか。
 折しも2020年の東京オリンピック開催が決まった。夢を描く若者は増えるだろう。アスリート養成にもより大きな力が注がれることだろう。スポーツ指導者の責も重くなる。忘れてはならないのは、スポーツによる教育は何もアスリートを育てるだけではない。その環境をつくり上げ、導き、支える人間を育てることも含まれる。観てさまざまなことを感じ取る心を育てることもそうだ。ともに切磋琢磨し、激励し合い、喜び、悔しさにむせび、一歩一歩前進する人としての強さを身につけるスポーツの現場。より多くのより優秀な「先生」たちが求められる。今後の日本スポーツ界のオリンピックに向けた歩みは、誇りある指導を見つめ直すいいきっかけになるだろう。
(山根 太治)

出版元:岩波書店

(掲載日:2013-11-10)

タグ:教育 
カテゴリ 指導
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レアルマドリード モウリーニョの戦術分析
アタナシアス テルジス 小澤 一郎

 グアルディオラ率いるFCバルセロナの戦術分析を行った前著に続く、トップチームの戦術の解剖本だ。オフェンス編とディフェンス編に分かれ、どちらも大ボリュームとなっている。
 1シーズン分をビデオ分析することによって、実際に相手選手のいる状態で行ったプレーを、流れとして解説しているだけでも貴重なものだ。ビルドアップ、サイドチェンジ、トランジション、セットプレーと内容も多岐にわたる。
 それを取り入れるにはどうすべきかを意識した視点で書かれているのが、指導者でもある著者ならではだろう。辞書的な活用ができそうだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2013-12-10)

タグ:サッカー 戦術 
カテゴリ 指導
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スポーツにおける真の勝利 暴力に頼らない指導
菅原 哲朗 望月 浩一郎

 スポーツ指導からいかに暴力を排するか。座談会・論文・インタビュー・アンケートとさまざまな形式、また指導者育成やスポーツの歴史などさまざまなアプローチからこのテーマに真摯に向き合った。編集に携わった多くは弁護士だが、現場の声も聞き、現状暴力が存在するなら状況を変えるために力を合わせていこうという姿勢が感じられる。
 トップレベルで活躍し、現在は指導の立場にあるヨーコ・ゼッターランド氏や米倉加奈子氏の現役時代のエピソードはとくに生々しいものだが、暴力が何も成果を生まないことが改めて理解できる。「こうしたら暴力はなくなる」という結論は安易には出ないが、スポーツに関わる人間として考え続けなければならないと思わせる一冊だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:エイデル研究所

(掲載日:2013-12-10)

タグ:指導 暴力 
カテゴリ 指導
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少年スポーツ ダメな大人が子供をつぶす
永井 洋一

(編集部注:この書評原稿では、上記『少年スポーツ ダメな大人が子供をつぶす』とともに、『ベストパフォーマンスを引き出す方法』室伏広治、咲花正弥、ベースボール・マガジン社が取り上げられている)

「体罰」に対する認識
 スポーツ指導者と体罰についてどう考えるか、理想的な指導者とはどのような存在か、アスレティックトレーナーを目指す学生に問いかける。小さなクラス内でのグループディスカッションにもかかわらず、実際に体罰を受けたことがあるという数々のエピソードが語られる。そして、その多くが体罰を受けた側の受け取り方次第でそれが意味のあることだと考えている。自分が悪いことをしたから、失敗したから、そして強くなるためには、それは仕方のないことだと容認しているのだ。そう考える学生には「体罰」が悪質な「暴力」だという認識はない。
『少年スポーツダメな大人が子供をつぶす!』で著者の永井洋一氏は、本書が我が子にスポーツを体験してほしい親御さん、スポーツ指導者、スポーツファンに向けた提言書であるとしている。「スポーツとともに人生を歩み、現在もスポーツ指導者として現場に立ち、スポーツなしの人生は考えられない、スポーツを愛して止まない」からこそ、膿みきった病巣、とくにスポーツ現場に存在する暴力の問題を、指導者側の問題としてのみならず、親の問題、選手自身の問題、メディアの問題、スポーツ系部活動の仕組みの問題などさまざまな視点から論理的に掘り下げている。最終章では、学校スポーツ系活動の現場では、教育という理念を損なわず、競技の普及と競技力向上を同時に推進することは不可能だと断じている。

答えはわかっているはず
 一方『ベストパフォーマンスを引き出す方法』では、日本を代表するアスリートである室伏広治氏と彼をサポートするチームコウジのコンディショニングコーチである咲花正弥氏が、それぞれの立場からさまざまな提言を行っている。内容は基本的なことで、日本体育協会スポーツ指導者共通テキストに含まれているようなことである。これは決して批判ではない。世界レベルのトップアスリートであっても、基本的なことから真摯に取り組むことが重要だと再確認できるからだ。「選手たちが自発的に、意欲的に取りくむようになるのを促すことは指導者の仕事のひとつであり、腕の見せ所」「言われたからやるのではなく、楽しい、面白いと感じて意欲的に取り組まない限り、長続きはしない」「成長期の真っただ中にある選手の場合、何をすべきかは難しいところ。その点は指導者の知識が重要であり、腕の見せ所となる」「与えられたことをただこなすだけでは、究極を目指すことはできない」「必要な時に必要な栄養を与えることが大切」「日本の子どもたちを見ていると、指導者に対してどこか萎縮している印象を受ける」「叱られまいと指導者の目を気にしながら、失敗しないように無難なプレーをするようになる」「いいことは褒め、悪いことは指摘する」「大事なのは、成功し続けることではなく、失敗に終わったときにどうするか」「やるべき時期にやるべきことをやらないのは本当の失敗」「チャレンジせず失敗することは、本当の失敗」「自主性を持たせたトレーニングで、自ら壁を乗り越えようとさせる」「成長していくことが楽しい、競技が面白いと感じる気持ちを植えつける」以上本書から抜粋した両氏の言葉の数々は、スポーツに関わる人間にとって金科玉条とも言えることばかりである。スポーツ界がどうあるべきか、皆答えはわかっているはずなのだ。
 こんな当たり前のことを当たり前に行うことがどれだけ難しいのか、みんな普通に考えればわかるはずのことが、どれだけないがしろにされているのかは、『少年スポーツダメな大人が子供をつぶす!』で永井氏が論じる内容が非常に説得力を持つことでもわかる。その通りと膝を打つことがほとんどである。ただ、この本だけを読んでいたらどうしても違和感が拭いきれない。

取り組みに光を
 冒頭で取り上げたグループディスカッションに参加したある学生は、中学校で体罰を受けて苦しんだが、高校の部活では人間性を磨くことを顧問の先生から学び、救われたと言う。学校生活の中で部活動の場を、絶好の教育環境として真摯に取り組んでいる例は、そしてそれが競技力向上をも伴っている例は本当にないのだろうか。
 スポーツという題材を、教育者としての自らの役割をより効果的に遂行し、自らをも高める機会にしている指導者は少なからず存在するのではないか。スポーツジャーナリストとしての著作であるならば、自身の取り組みも含めたそのような人の活動も同書で対比して取り上げ、もっと光を当てるべきではないだろうか。部活を排除し、クラブスポーツが主体になったとしても、愚かな指導者はそう簡単に消えてなくならないように思う。だからこそ、真っ当に取り組む人たちをもっと取り上げるべきではないのか。それが私にとっての違和感の正体だ。
 少年スポーツの問題は暴力や指導法の話だけではない。たとえば高校ラグビーを見ても、トッププレイヤーは忙しすぎる。公式戦、練習試合、代表招集、遠征、合宿などが、休みのほとんどない日々の練習の合間に繰り返される。どれだけ考えられた練習内容でもケガのリスクは上がり、選手は疲弊する。
 実際に高校生で膝ACL再建術や肩関節脱臼手術を受けている選手が少なからず存在する。また部活以外で自分を成長させる経験も著しく制限され、ラグビー選手としてのみならず、人として将来を見据えた育成になっているかはなはだ疑問だ。こんなシステムはつぶしてクラブスポーツ化し、シーズン制を導入する方がいいと考える。ただ、そんな現状の問題点をあげつらってそれをダメだと断ずるだけでなく、よりよい方法で取り組んでいるチームにスポットをあて、成功例をつくるべく悪戦苦闘している指導者を紹介してもいいではないか。そういった意味では『ベストパフォーマンスを引き出す方法』では、それでいいんだと希望と勇気を与えられるのである。
 我がクラスのグループディスカッションでは最後に、体罰や無茶苦茶な指導をしている指導者の下でアスレティックトレーナーとして働くとしたらどうする、ということを考えてもらう。体罰を暴力だと認識した上で、選手にとって最善となる自らの具体的なアクションをひねり出してもらうのだ。唯一無比の模範解答などあるべくもないが、「長くスポーツを好きでいてくれるよう指導してほしい」というスポーツ関係者ならば当たり前に持つはずの気持ちを大切に、当たり前のことを当たり前にできるように、我々は取り組まなければならない。
(山根 太治)

出版元:朝日新聞出版

(掲載日:2014-01-10)

タグ:育成 指導  
カテゴリ 指導
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体育会力 自立した「個」を育てる
礒 繁雄

2種類の「好み」
“ポジティブな好みとネガティブな好みが人にはある”。こんな意味のことを言ったひとがいる。ポジティブな好みとは、“こういうものが好き”という能動的なもので、“今日はカレーが食べたいね”“うん!イイね!”という明るい感じ。対するネガティブのそれは“○○ではないもの”“嫌いなものを取り除いたもの”が好きといった否定的で受動的な志向から好みが形成されるタイプで、“何が食べたい?”と尋ねられたら“美味しいもの”などと抽象的な答え方をして相手を困惑させるイヤミなやつだ。困ったことに私はこちらの人間だった。
 ところが、そういうのに限ってプライドだけは高いから人付き合いは大変だ。自分を肯定するために、まずは相手を否定する。だから、ひとの短所を探し出しては、アイツのここが嫌いあそこがダメと否定して自分を正当化しようとするのである。自分より才能があって能力の高い人を否定するほど快感を覚えるから、日本中の、世界中のスゴいやつら全てをドンドン、トコトン、完膚なきまでに否定していったら…アレッ?…誰も?…私も?…いなく?…なっちゃったぞ!

気づき
 イヤなやつを抹消すれば有能な自分が残ると思って頑張ったのに、やっとの思いでみんな消したら私という存在も認識できなくなってしまった。世界中の人が皆消えてゼロになっちゃった。相手との対比の中でしか肯定できない自分は、否定すべき相手がなくなることで肯定したい自分すら否定してしまったのである。でも待てよ。ならば、逆に相手を肯定することから始めたらどうなる? 相手の良いところを見つけ、受け入れ、素直になって…おお!…いいぞ!…何だか私も肯定されているようだ。ゼロ(無)は裏返すと無限大とイコールだったのだ!ここにおいて、ネガティブを否定することがポジティブに成り得ることに初めて積極的に気がついた。つまり“悟り”だ。どこか違っているかもしれないが、つまりは、そういうことだ。
 やれやれ。我ながら面倒くさい性質だが、そう気づいてからは色々な意味で生きるのが楽になった。油断すると今でも“ネガティブ魂”がアバレそうになるけどね。
 ちゃんとしたスポーツ選手には“ポジティブ魂”優勢なひとが多いような気がする。物事をいちいちネガティブからポジティブに捉え直している暇などない。始めからポジティブに取り組んだ方が良いに決まっているからだ。当たり前か。

新しい体育会魂
 さて「体育会力」。早稲田大学の競走部(=陸上部)監督、礒繁雄の手に成るものだ。礒は、「三大大学駅伝制覇」「関東インカレ」および「日本インカレ」総合優勝「つまり、学生陸上競技の主要大会の完全制覇」へと競走部を率いた名伯楽である。
 平成生まれの「やさしい」気質をもった学生たちと、ポジティブな姿勢の礒が向き合い「学生スポーツの中から、世界で戦える個人が育つ」組織がつくる、新しい(あるいは、真の)体育会魂について語ったものだ。
 礒は話術の名人だ。監督として「理論プラス経験タイプ」の冷静な分析眼と客観視でもって組み立てた緻密な論理を、湧き出る自信とともに“これでいいのだ”と言い切ってしまう。すると不思議なことに読み手は“ああ、ナットク!”と胸の内で手をたたいたりさせられているのである。損得や、誰かとの比較ではない“情熱”がベースとなった、自分の理想、自分の考えを、ただただ真摯に述べているからだと思う。
 たとえば、「僕の役割は、学生たちがアスリートとして一番華々しく、一番輝いている時にスポーツをやめさせ社会へと送り出すことだと、はっきりと言うことができます」。また、「進学のために将来のためにスポーツをする、つまり日本社会の安定志向に学生を巻き込む危険をはらむ」現行の入試制度についての言及、あるいは「これからは『導かないで導く』ことを追求しようと考えて」いるのだという。“えっ?”という展開にも流石な解答が隠されている。太刀打ちできずとも、見習ってみたいものだと思った。
(板井 美浩)

出版元:主婦の友社

(掲載日:2014-02-10)

タグ:体育会 陸上競技 
カテゴリ 指導
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日本人のテニスは25歳過ぎから一番強くなる
坂井 利彰

 男子テニスと言えば錦織圭選手が浮かぶが、添田豪、伊藤竜馬選手もランキングトップ100入りを同時に果たした。100位以内への到達は松岡修造氏以来とのこと。著書は添田・伊藤選手のように21歳以上でトップ100入りした選手を「晩成型」と定義し、さまざまなデータを駆使しながら成功要因を分析した。錦織選手のような「早熟型」の選手相手には不利な点も併記した上で、じっくりと心身を鍛える選手育成を提言する。
 どの競技でも日本では早期育成の面で世界に遅れをとっていると言われがちだが、大学スポーツというフィールドを逆に生かそうというアイディアだ。著者自身が大学庭球部監督ということもあるかもしれないが、各国の育成システムとも比較されており説得力がある。
 何を目指し、どのように導いていくかを整理・発信することは、目標の現実化の後押しになると思わされる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東邦出版

(掲載日:2014-03-10)

タグ:テニス 育成 
カテゴリ 指導
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下北沢成徳高校は、なぜ多くの日本代表選手を輩出できるのか
小川 良樹

 木村沙織選手選手ら多くの日本代表を輩出、全国大会常連でもあるチームの監督がノウハウを披露してくれるのかと思いきや、冒頭から「私は一度もタイトルのように感じたことはない」と言う文章が目に飛び込んでくる。その後も指導を始めた頃の失敗談が続く。
 そういった期間を経て、毎年練習が嫌になって辞めてしまう選手がいることなどから、「今いる選手たちに合ったやり方」を模索し始める。だが、監督就任から30年経った今でも「これだ」と言えるものはないそうだ。だから、「選手の邪魔をしない」ことを心がける。監督の理想のチームにしようとするのではなく、「いいチームってどんなチーム?」と選手に問い掛け、その答えを目指していく。それも指導者にとっては勇気のいることに違いないが、小川氏はそれを続けている。
 もちろんビジョンが何もないわけではない。自チームのスタイルを「パワーバレー」「うちの選手はバレーがうまくない」と称するが、それは選手が将来世界で戦うために高校時代に何が求められるか考えた結果だ。読み終えてみれば、下北沢成徳が高校バレーを引っ張っている理由が垣間見えた。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:洋泉社

(掲載日:2014-04-10)

タグ:バレーボール 
カテゴリ 指導
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私たちは未来から「スポーツ」を託されている 新しい時代にふさわしいコーチング
文部科学省

「新しい時代にふさわしい」指導
 私は鍼灸師や柔道整復師という医療系国家資格と日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)とを3年間の課程で養成する専門学校で教職に就いている。タイトなカリキュラムでそれを完遂するには相応の覚悟と努力が必要だが、この組み合わせを持つ専門学校や大学でJASA-ATを取得するということは、一定の医療類似行為を行えるトレーナーになれるということである。スポーツ現場で活動するトレーナーの中で、その存在は基軸のひとつになり得ると考えている。一方で一般的な大学のJASA-AT養成課程は体育教員の養成コースに包含されているケースが多い。JASA-ATを取得した体育教員や体育指導者も学校体育や部活動を通じたスポーツシーンにおいて非常に重要な基軸になり得るはずだ。しかし教職課程における必修分野の増設やキャリア教育科目の追加などでそのカリキュラムが過密になり、資格修得が困難になるという問題も起こっている。大学のJASA-AT教育は重大な岐路に立っていると言えるのではないか。
 さて、本書は文部科学省「スポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議」の報告書かつ提言書である。この会議はスポーツ指導者の暴力行為が問題化したことで設置されたものだが、暴力根絶にとどまらず「新しい時代にふさわしいスポーツの指導法」のあり方を明らかにし、「今後取り組むべき具体的な方策提言する」ことを目的としている。今後のスポーツに関する国の方針を確認するためにも全てのスポーツ指導者は一読すべきだろう。当然ながら各スポーツ団体における質の高いコーチ育成に言及しており、大学での指導者育成についても「大学等の教育課程においては、それを経た者が学校の教員としてコーチングを行うこととなることを踏まえ、特に高い倫理観と高度な知識・技能を持ったコーチの育成を図ることが求められ」るとしている。
 ただ、本書が対象にしているスポーツ指導者はコーチのみである。日本体育協会がスポーツ指導者資格のひとつとして設定しているアスレティックトレーナーについての直接的な記述はない。「国及びスポーツ団体においては、独立行政法人及び地方公共団体と連携しつつ、競技者・チームを取り巻く関係者(アスリート・アントラージュ)であるコーチ、家族、マネジャー、トレーナー、医師、教員等が互いに連携し、コーチング環境をオープン化して改善するための取り組みを推進することが必要である」という表現の中でその関係性に触れられているだけである。「コーチが安心してコーチングに専念するためには、万が一の事故等に対応できる体制を構築しておくことが大切」で、「我が国ではリスクマネジメントの教育や現場で役に立つ資料、体制が十分ではなく」、「コーチング現場におけるリスクマネジメント体制を確立することが大切である」ことも問題提起されているし、「トレーニング科学に関する知識・技能を学ぶことは、競技者やチームのパフォーマンス向上のための科学的手法の活用につながり」、「スポーツ医学に関する知識・技能を学ぶことは、競技者のスポーツ障害等をふせぐこと」だということも理解されている。まさにアスレティックトレーナーが担うべき分野だ。

最大のチャンス
 コーチ養成機関として大学教育が見直されるのであれば、アスレティックトレーナー教育も同様にその重要性を再認識されていいのではないか。教員かJASA-ATか二者択一を迫られたり、数ある選択科目の1つに甘んじる存在ではなく、教員としてのキャリア教育になり得る上にスポーツ指導者としても大きな付加価値になるはずだ。コーチと並んでスポーツ振興に欠かせない存在としての認識を広げ、現場でのその価値を高める契機になるはずである。それどころかここがこの専門職を定着させるための最大最後のチャンスと言ってもいいかもしれない。なぜなら本書にある提言は構造を変革することなしに成し遂げられないからだ。2011年にスポーツ基本法が施行され、2020年の東京オリンピックへの流れを大きな土台として、その先へと続くこの国のスポーツ振興のための構造変化の中に、アスレティックトレーナーという存在を是が非でも組み込まなければならない。
 人体では構造が機能を表し、また求められる機能が構造を変革している。同じように理念を現実化させるためにはそのための構造が必要である。学校での部活動を例に挙げてみても、本書では先述の通り体育大学でその教員養成課程においてコーチング教育を推奨している。しかし実際の学校の部活動のその指導者は明確な職務としてその任が成立しているわけではない。その時間的、経済的、そして精神的な負担は大きく、構造的な問題が長く指摘され続けている。地域スポーツクラブへの学生スポーツの移行も取りざたされてはいるが、学生たちにとって毎日通う学校でスポーツ参加への機会の場となる部活動を廃らせてしまうのはあまりにも惜しい。実際にスポーツをするだけでなく観たり支えたりすることを含めての機会と考えると、部活動の機能は今後のスポーツ振興のためにも見直されてしかるべきだ。そのためには指導教員養成機関としての大学の教育課程見直しだけでなく、現場としての学校における職務改定や外部指導者制度をさらに推し進めて、競技によっては学校の部活動をその世代にとっての地域スポーツクラブの中心と捉えてその機能を充実すべく構造を整えるということは飛躍した理屈だろうか。そしてこの例1つとっても、アスレティックトレーナーを組み込む余地は十分にある。

専門職の未来をつくる
 我が国のスポーツに関わる無数の組織を俯瞰すると、この構造を機能的に改革するなど野に棲む俗人の私にとってはただ気が遠くなるだけではある。この先スポーツ庁ができたところで、どれだけ機能するのかも想像がつかない。しかし、部活動の例にとどまらず本書に見られる文部科学省の数々の提言を、理念だけでなく現実のものとするにはやはり大規模な構造の改革が必須である。そして本当にそれが起こるのであれば、アスレティックトレーナーもその新しい構造の中でその立場を確立し、スポーツ振興に寄与し、この専門職の未来をつくる必要があるのだ。
(山根 太治)

出版元:学研パブリッシング

(掲載日:2014-05-10)

タグ:コーチング 
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今いる仲間で「最強のチーム」をつくる 自ら成長する組織に変わる「チームシップ」の高め方
池本 克之

「チームシップ」とは、著者のつくった言葉。他のメンバーと協力し合うだけでなく、全員がチームのために成長するべく自ら動くのがポイントだという。本書はスポーツチームだけを対象にしたものではないが、応用できる部分が多くある。たとえば、タイトルにもある「今いる仲間で」という考え方は、常に才能溢れる選手が揃うとは限らない中で結果を出すのに欠かせない。といってもそれを理解して実行するのは簡単ではない。
 そこでチームをつくっていく方法の1つとして「Teamship Discovery Camp」を詳しく紹介している。要は話し合いなので取り入れやすいが、「全員参加」「1回で終わらせない」などのポイントを読み進めていくと奥が深い。もちろん治療院やトレーナーチームといった組織でも活用できそうだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日本実業出版社

(掲載日:2014-10-10)

タグ:組織 チーム 
カテゴリ 指導
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コメディカルのためのピラティスアプローチ
中村 尚人

 理学療法士の著者は、病院などで勤務していたときにピラティスと出会った。ピラティスの持つ、発症後の「治療」ではなく「予防」に通ずるコンセプトに共感し、臨床に取り入れてきた。その経験も踏まえて、定義からエクササイズ、症例までをまとめた。
 あえて経験則も交えたのは、臨床現場で実践してほしいからこそ。患者に留まらず人々の健康のためにコメディカルはどんなアプローチができるかという示唆に溢れている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ナップ

(掲載日:2015-01-10)

タグ:ピラティス 
カテゴリ 指導
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エグゼクティブを見せられる体にするトレーナーは密室で何を教えているのか
角谷 リョウ

 パーソナルトレーナーとして働く者はトレーニングの知識と技術を持っているはずだ。しかし、結果を出せるパーソナルトレーナーになるにはそれだけでは足りない。どんなに素晴らしいトレーニングメニューを作成しても、それを実行できなければ意味がない。そこで私はモチベーションとタイムマネジメントが重要だと感じている。やる気を起こさないとトレーニングをさぼってしまうし、時間がなければトレーニングができない。いかにクライアントに目標に向かった行動をとってもらうのか、その提案がうまい者が最終的に結果の出せるパーソナルトレーナーになれると考えている。そういったアイデアが豊富に盛り込まれたのが本書であり、トレーニングを始める方への心構えを伝えている。
 現状の自分の身体計測や満足度を数値化して、経過をみて、変化を感じモチベーションを維持してもらうという方法や、時間がないなら10分のトレーニングを推奨している上に、とりあえず10秒だけという作戦も面白かった。
 このように、いかにトレーニングを生活に取り入れるのか、食生活をどう変えていくのかが記されており、トレーニングの仕方や食事の内容については細かくは書かれていない。
 実際、パーソナルトレーナーとして活躍する筆者がクライアントに提案してきた内容を教えてくれる本書はトレーナーが読むとしたらモチベーションテクニックを学ぶ最初の一冊としてお勧めできる。ただ、ところどころに科学的根拠があるのか疑問に思う点もあるので、そこはまた別の書籍で穴埋めし、本書の受け売りになり過ぎないように注意したい。

(橋本 紘希)

出版元:ダイヤモンド社

(掲載日:2016-05-20)

タグ:パーソナルトレーニング 
カテゴリ 指導
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イレブンリングス 勝利の神髄
フィル・ジャクソン ヒュー・ディールハンティー スタジオタッククリエイティブ 佐良土 茂樹 佐良土 賢樹

 著者はコーチとして史上最多のNBA制覇11回を誇る。チームにマイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントといったスーパースターがいたから成しえたわけではない。むしろ彼らと良好な関係を築くのは難しい。
 スターを含めた全員が「無私の精神」を以って、「兄弟のような」絆のあるチームを目指す。そのときコーチは気づきを促す存在だと説く。その方針を11カ条にまとめてはいるが、1つ1つ解説したりはしない。読者にも気づきを促していると言える。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:スタジオタッククリエイティブ

(掲載日:2015-03-10)

タグ:バスケットボール チーム 
カテゴリ 指導
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テニス世界トップ10も実践する最新の打ち方・戦い方
坂井 利彰

 精力的にテニス指導に携わる著者が、2014年の錦織圭選手の活躍を受けて筆を取った。まず世界のトップレベルの選手の特徴やゲームの流れを紹介。その中で、体格に劣る錦織選手が何を武器に勝ち上がったか解説する。
 タイトルに「打ち方・戦い方」とあるように、正確な技術と、武器を発揮する戦術とがポイントになる。現在テニスをプレーしている人には技術書として参考になる。それだけでなく、観戦の上でどこに着目するとより楽しめるかもわかる。そして、錦織選手をきっかけに集まった注目をブームで終わらせず、競技力の底上げにつなげるためには、その種目に関わる一員として何をすべきかという観点でもヒントが散りばめられているとも言える。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:東邦出版

(掲載日:2015-04-10)

タグ:テニス 
カテゴリ 指導
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もうダイエットはやめよう! ボディウェイト・コントロール 健康のための体重調節
西端 泉

 本書は「こうやって痩せましょう」というダイエット本ではない。さらには文中において、本来「食事」を意味する「ダイエット」という言葉を、「減量」という意味で使わないようにしている。栄養士である著者の、体重管理に関する誤解が広まらないようにという願いが込められている。
 前半では、減量が必要なのは肥満かつ関連した疾患や障害がある(発生の恐れのある)人のみと説く。無理な減量や痩せ過ぎのリスクも、豊富な図表とともにきっちり記載されている。そして後半では、身体活動量を増加させることによる肥満解消の方法を紹介する。
 トレーニングの場に、「痩せたい」とやってくる人は少なくない。彼らに対して専門家がどのような説明・対応が望ましいかがひしひしと伝わってくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ラウンドフラット

(掲載日:2015-04-10)

タグ:体重管理 減量 食 
カテゴリ 指導
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ラグビーは頭脳が9割
斉藤 健仁

イベント目白押し
 今年9月から10月にかけてイングランドで第8回ラグビーW杯が行われる。来年からラグビーユニオン(15人制)世界最高峰リーグであるスーパーリーグに日本チームが参戦する。そして2019年にはいよいよこの日本でラグビーW杯が開催される。それで終わりではない。翌2020年の東京オリンピックは7人制ラグビーが正式種目となって2回目の大会となるのだ。世界的イベント目白押しで、日本ラグビー躍進の大チャンスである!…と手放しで喜びたいところだが、もちろん不安もある。国を代表するチームは当然ながら結果が求められる。果たして期待に見合う成績が伴うのかという根本問題に対する不安である。
 いや、2015年5月時点で我らが日本代表チーム(ジャパン)は世界ランキング11位であり、アジアチャンピオンなのだ。不安要素をそれを乗り越える前向きの力に変えよう。無理だと思った時点で人は自身にブレーキをかけ、可能性を自ら潰してしまう。期待しても無駄だと割り切らず、期待を膨らませて応援しようではないか。ジャパンの選手やスタッフは勝利を固く信じ、勝つための戦略を組んでいる。強豪との真っ向勝負を避け、勝てそうな相手を選んで勝利を挙げようというのではない。格上チームを打ち負かすためにどう戦うのか、同格チームに確実に勝利するためにどう戦うのか、具体的戦略を組みそれを体現するためのトレーニングを積んでいるのだ。またユース代表に至るまでその考えを共有し、次の代表選手を育てるためのシステムも構築されてきている。期待は膨らむではないか。

自由度の高い競技
 前に投げられないということがずいぶん大きな縛りに感じるかもしれないが、ラグビーは自由度の高い競技である。だからさまざまな攻撃戦術が生まれ、それに対抗する防御戦術が考案される。そして流行りのようにある戦略が広く普及した頃に、それを凌駕すべく新たな戦略が練り出される。単純な肉弾戦はレベルが上がれば上がるほど通用しない。そんなスポーツなのだ。
 本書は日本代表から高校に至るまで国内様々なレベルのラグビーチームにスポットを当て、どのような戦略で戦っているのか紹介する取材記事である。安直な題名は果たして著者の望むものだったのか疑問ではある。戦略抜きに現代ラグビーは戦えないとは言え、それを具現化しようと思えば強靭なフィジカル能力の占める割合が大きいからだ。しかし各チームが主流の戦略を取り入れながらも、自分たちの強みをうまく活かし、弱点を補う独自のスパイスを融合させ、さまざまな工夫を凝らすその姿は、ラグビーが以前よりずっと複雑な頭脳戦になっている証だろう。
 昔ながらの言葉もあるにせよ、攻撃用語としてシェイプやポッド、リンケージ、守備用語としてピラー、ポスト、ドリフトにTシステム、次々にカタカナ用語が並ぶと、よほどのラグビー通でなければなかなか説明が追いつかない。シェイプという言葉も9シェイプ、10シェイプや12シェイプと活用法があるし、ポッドもバイポッドにトライポッド、はたまたテトラポッドと言われてはすっかり混乱してしまう。
 私はコーチではないし理解も浅いので聞いたふうなことを言うのは控えるが、今のラグビーは代表から高校生に至るまで少なからずこれらのシステムを取り入れている。観戦前に予習しておくとラグビーがより楽しめること請け合いである。本書も参考にそれぞれのチームの特色を把握しておいて、それが実際の試合でどのくらい機能しているのか、相手チームはそれにどう対処しているのかがわかれば、立派なラグビーフリークである。

システムの果たす役割
 ただ、どれだけ素晴らしい戦術を練りフィジカルを強化しても、それで十分とは言えない。めまぐるしく変わる状況を広い視野で捉え、最適の選択肢を瞬時に選ぶ決断力なしにはそれらの機能は著しく低下するのだ。
 限られた戦術に固執し、ただそれだけを繰り返したところで最上の結果は得られない。シェイプやポッドはあくまでも目指すべき方向にチーム全員が向かうための共通認識促進ツールだろう。これはラグビーのゲーム戦術においてのみならずフィジカル強化の方向性を示すものでもあり得る。戦術を効果的に行うためのフィジカル特性が明確になるからだ。
 しかしこれらがラグビーの全てではない。抜けそうにないところを抜いてくるプレイヤーもいるし、モールにとことんこだわるなど相手の戦略理論を力づくで粉砕するチームもある。だからこそ、力が均衡した状態で常に予期せぬことが起こり得るゲームを支配するのは、その状況を的確に評価した上で効果的な決断を下し、実行に移せる力となるそこにシェイプやポッドというシステムがあれば、その選択肢に皆の意識を集めやすいということだ。
 密集が多くゴリゴリ泥臭いプレーも悪くはないが、そもそもアタック戦術の基本はスペースをつくり出し、そのスペースを活かすことである。スクラムやラインアウトなどのセットプレーで相手を支配し、身体を張るところは惜しげもなく張り、隙があれば見逃さず突き、キックも有効活用して、将棋で相手をじわりと詰めていくように戦略的かつ臨機応変の攻撃フェイズを重ね、相手ディフェンスを崩し、集め、誘導して、空いたスペースにフリーの選手とボールを運ぶことができれば、ため息が出るような素晴らしいトライシーンが生まれる。まさに醍醐味だ。そのようなシーンからはチームの確固たる意志の力が感じとられる。世界の舞台で強豪相手にジャパンがそんなシーンを生み出すことができれば、心が震えてきっと涙がこぼれてしまうことだろう。
( 山根 太治)

出版元:東邦出版

(掲載日:2015-07-10)

タグ:ラグビー 
カテゴリ 指導
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高校野球 逆境を力に変える方法
藤井 利香

 シリーズ第2弾。練習時間・場所、人材などの制限がある中で、どのように練習を効率化し、個々の力を伸ばすか。本書が掲げる「66」の中には施設の紹介や他競技の観戦記なども含まれるが、それでも部外者はなかなか触れることのできない練習の様子が豊富に紹介されている。アイディアを惜しみなく公開した3校は、今頃さらに改良を加えていることだろう。
 著者も、「自分達ならではの秘策を生み出して」とエールを送る。野球に限らず、また指導する立場・プレーする立場問わず、練習をよりよいものにするヒントが詰まっている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2015-07-10)

タグ:野球 
カテゴリ 指導
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寺門先生に学ぶ介護予防マニュアル
寺門塾門下生

 2011年に亡くなる間際まで介護予防に尽力した寺門敬夫・脳外科医師が経験したこと、それを踏まえて講演などで語った内容をまとめた。マニュアルといっても一般的なものとはまったく異なる。老いとはどういうことかについて、生理学的な説明に加えて現場でのエピソードも添えられているため、リアルに迫ってくる。だが堅過ぎもしない。寺門氏自身が、以前のように技術をふるえないといった老化を味わったからだろう。
 高齢者の身体、そして心とどう向き合うか──難しく考えず、ユーモアを持つのがコツだと、優しく語り掛けられるかのようだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:コムネット

(掲載日:2015-08-10)

タグ:介護予防 
カテゴリ 指導
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エグゼクティブを見せられる体にするトレーナーは密室で何を教えているのか
角谷 リョウ

 長いタイトルに本書のキーワードが詰まっている。「エグゼクティブ」は経営者や医師などのことで、日頃不規則・不摂生になりがちな人たちだ。見方を変えれば、成果を出すための仕組みを理解し遂行する力を持っている人たちとも言える。
 ではその成果をどんな指標で表すか。「見せられる体」である。体型は運動の専門家でなくても一目見てわかりやすい。
 全4章のうち1章を使って紹介されるトレーニング方法はどれもごく基本的なものだ。それを言われてやるのではなく、習慣にさせて「密室」の外へ送り出す。つまり、「トレーナー」は正しい知識を、各クライアントの生活・思考様式に馴染む形で提供する存在だと気づかされる。他職からトレーナーに転じ、一度は“言ってやらせる指導”で失敗を経験した著者ならではの発想だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:ダイヤモンド社

(掲載日:2015-08-10)

タグ:トレーニング 
カテゴリ 指導
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子どもの生きる力の伸ばし方
中野 秀男

存在価値が問われる集団
 武術とはそもそも戦場で命のやり取りをするための戦闘技術であり、相手の命を奪い得る技能のはずだ。生き残る技術と言い換えたとしても、そもそもそこにはルールやモラルなど存在しなかっただろう。今の常識でいうどんなに不浄な手であっても、考えられる全ての手段を講じて己を生かし続け、その遺伝子を残そうとすることは生物としての本能というものだ。しかし人としてどうあるべきかという概念が加わると話が変わってくる。生きるか死ぬかの瀬戸際でも、いやだからこそ、「命を惜しむな、名こそ惜しめ」といった考えが生まれる。たとえそれが大将による自分の手駒を動かすための方便だったとしても、自分の存在意義を考える力が人にはあるのだ。
 天下泰平の世となり戦闘する機会がなくなった武闘集団は、次に支配階級としての存在価値を模索することになったのではないか。武士であるというだけで、身を粉にして働く階級の人々の上に君臨することへの説得力を持たせるために武士道というものを生み出し、こじ付ける必要があったというのは安易すぎるか。しかし、いかに存在するか、どう生きるかという自律なくしてその特殊階級は存在し得ず、戦闘技術の修行は精神鍛錬としての意味が濃厚となり、人格形成の手法へと変換されたのではないだろうか。
 時代が移り、廃れるべくして廃れたその階級が遠い昔のことになった今でも、その精神は心ある日本人の常識の中に棲み続けている。濃度がずいぶん低下したとはいえ、だ。

空手を通じた教育
 さて本書は、空手道を通じて子どもたちの育成に尽力し続ける日本空手道太史館館長、中野英雄氏の教育提言書である。45年もの間に7000人の子供たちを指導してきたという氏の指導方針は、命を懸けて武術を極めるといった過酷なものではない。もちろん、よりうまくなりたい、より強くなりたい、技を極めたいという想いの下、厳しい稽古を積むことに変わりはない。
 だが現代社会における空手の技は、競技以外で披露されることはまずないし、それは強く戒められる行為となる。代わりに、その技を練ることを通じてどう生きるかを問い、その力を伸ばすことはできる。「誠実」「謙虚」「積極」「努力」「忍耐」「不屈」という大志館の教室訓を通じて、子ども達は「心を鍛えて徳を身につけ」「生きる力」を育む。中野氏の数々の指導例を拝見するにつけ、現代社会における武道の持つ人格形成的価値はまだまだ大きいように感じる。
 空手道という、ともすれば暴力的行為へとつながる技を現代社会で生きる子ども達に指導する人間は、十分に人格形成されていなければならない。戦闘技術としての空手を教えるだけでなく、人としての力を育てられる存在であるべきなのだ。

成果は成長
 自分の思い通りになる子どもだけを自分の思う通りに指導するだけなら易しい。だが、「一人ひとりの子どもと向き合」い、子どもたちに正の変化をもたらすことは簡単ではない。
 ちゃんと教えているのにできないのはお前の努力が足りないからだと子どもに言い放つことは易しい。だが、各々の歩幅ででも自分は成長していると実感させられることは簡単ではない。子どもたちが指導者のために在るのではなく、指導者が子どもたちの期待に応え得る存在でなくてはならない。指導者が子どもたちを試すのではなく、指導者が子どもたちに試されているのだ。そしてその成果は、競技成績だけでなく子どもたちの成長という形で表れる。
 子どもたちにおもねることなくこれらをやり遂げられる力。これはまさに道としての武道を究めて辿り着けるのはないかと感じる。平和な世にあって生まれる価値そんな存在に至りたいと思う一方で、これもあくまで戦闘がない平和な時代と場所だからこそ言える綺麗事のようにも感じる。今も世界のどこかで現実に存在する子どもたちが銃を手に取らなければならないような場所では、虚しい絵空事に過ぎないからだ。そんな世界では戦闘技術は純然たる戦闘技術でなければならず、人の命を奪い、生き残るための手段となる。となると、平和な世に暮らしていても、その気になれば一線が越えられるように心身に覚悟を持たせておくこともやはり必要なように感じる。よく生きるなどという余裕はなく、ただ生きることに汲々たる人生を送らなければならない場合、生き残りながら徳を失わず、人格形成に力を注ぐようなことが普通の人々にできるのだろうか。
 では、今日も明日も無事生きていることがほとんど不自然でなく、10年先どころか20年先の目標までも立てられるような平和な世界で生きている人間が、よく生きることにこだわれているのかというと、これはこれで違う次元の問題が生み出されているようである。
 こうなると「死」と隣り合わせでなければ感じ得ないことも無数にあるように思えてくる。果たして我々は全てを包括的に身に棲まわせておくことなどできるのだろうか。
 そんな稚拙な思考を巡らせていると、平和な世での武道による精神鍛錬、人格形成がより深い意味を持ち、より大きな価値を持つようにも感じてくる。そして武道が、そんな手段であり続けられることを願わずにはいられない。
(山根 太治)

出版元:文芸社

(掲載日:2015-09-10)

タグ:教育 武道 空手 
カテゴリ 指導
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ミスターバレーボール 森田淳悟物語
森田 淳悟

 男子バレーボール唯一のオリンピック金メダルを獲得した森田氏が、2015年3月の日体大退官を機に、少年時代のことから今後のバレー界への提言までを綴った。スポーツ選手として「優等生」ではないエピソードも含まれるが、その分チームのエースとして、また一家の大黒柱として、やるべきときはやる責任感と勝負強さが際立つ。
 中でも、日体大での4年間に多くのページが割かれている。大学の練習の後に全日本チームの若手のみで特練を重ねたこと、3年時の海外遠征でプラハの春に立ち合い、国を代表する意識を持ったこと。「まだ学生だから」と守るばかりでなく、20歳前後のときにこそ心身を鍛える意義が感じられた。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:叢文社

(掲載日:2015-09-10)

タグ:バレーボール 自伝 
カテゴリ 指導
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もっと投げたくはないか 権藤博からのメッセージ
権藤 博

 本書は、中日ドラゴンズに入団し、沢村賞、新人賞など現役時代に数々のタイトルを総ナメにしたが、肩のケガにより引退を与儀なくされ、コーチとして中日ドラゴンズ、近鉄バッファローズ、そして監督として横浜ベイスターズを日本一に導いた権藤氏の生涯を自伝としてまとめたものである。
 権藤氏が現役を引退してから監督・コーチとして活躍するきっかけは、中日ドラゴンズで現役として活躍していたときに出会ったメジャーリーガーからかけられた言葉である。後にそれがきっかけで、メジャーリーグを視察するようになった。実際に視察をしたところ、日本とは違う現状を目の当たりにした。その1つの例がコーチングである。アメリカでは「教えてすぎてはいけない」という指導スタイルであり、それが選手に気づきを与え自分の身体で覚えることにつながるという教えである。それまで権藤氏は技術指導をしていたが、それは選手のためにならないと言われ、そのときにハッとしたという。それが現在のコーチングに活きていると記載されている。
 権藤氏の性格はとても情熱的で、野球が誰もよりも好き、芯がある性格で、プロフェッショナルである。この本を読むことで仕事に対する姿勢やプロフェッショナルとは何かを考えさせられた。とくに歌手の松山千春氏との対談では熱い野球談議に花を咲かせながら、仕事観について語り合っており、とても勉強になる。
 コーチングについて、また仕事に対する取り組みについて興味を持っている人にはお勧めしたい一冊だ。
(鈴木 健大)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2016-05-28)

タグ:野球 コーチング 
カテゴリ 指導
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スポーツ貧血
平澤 元章

 30年近く高校の陸上部を指導してきた著者が、現場での経験やネットワークをもとに、スポーツ選手の貧血の対処法と予防法に迫った。
 前半は、高校生と先生の対談形式でスポーツ貧血のメカニズム、一般的な貧血との違いを解説する。現役の競技者にも理解してもらいたい、それによって競技に打ち込んでほしいという著者の願いが伝わってくる。また2章以降は、教え子たちの血液データをもとに試行錯誤と成果が綴られる。とくに卒業生の生の声が座談会として収録されているのは本書ならではだ。
 他にも各学校の取り組み例が具体的に書かれ、読みごたえがある。陸上長距離選手に限らず、明日から実践できるヒントが詰まっている。

(本書は自費出版に近い形での刊行物のため、購入および問い合わせについては、http://kakekko.nomaki.jp/sub12.html を参照ください)
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:

(掲載日:2015-10-10)

タグ:陸上競技 貧血 
カテゴリ 指導
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女子選手のコーチング "特性”を知り、力を引き出すための40のヒント
八ッ橋 賀子

 いわゆる「男脳」「女脳」を取り上げた書籍はよく話題になる。そしてスポーツ現場においては、男性指導者の割合が多い。本書は、女子選手と接する男性指導者向けにアドバイスをまとめたものだ。キーポイントが40もあること自体、面倒だと思われてしまうかもしれないが、「責任感が強い」とか「計画を実行する能力に長ける」といった女子選手ならではの長所の活かし方にも言及されている。
 最大のポイントは声のかけ方をひとつ変えるだけでも指導の悩みが解消する可能性があること。メンタルトレーナーの著者が示す実践例は具体的で取り入れやすい。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:体育とスポーツ出版社

(掲載日:2015-11-10)

タグ:女性 コーチング 
カテゴリ 指導
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逆転のメソッド 箱根駅伝もビジネスも一緒です
原 晋

 2015年は青山学院大の箱根駅伝初優勝で始まったとも言える。とりわけ原晋監督の手腕に注目が集まったが、切り口は勝因やユニークな指導法が大半を占めた。一方、本書のタイトルは「逆転のメソッド」である。原氏はこれまで、ケガによる競技引退や同年代に出遅れてのサラリーマン生活、そして監督就任3年目にあわや解任といった挫折・危機に見舞われた。それをどのように乗り越えたかにスポットを当てている。
 結論から言うと、ビジネスマンとしても監督としても、目標を立て、現状を把握し、具体的に計画して、周囲と協力しながら実行したわけだが、重要なのはその目標をどうしても果たしたいと思う気持ち、すなわち悔しさである。逆に言えば危機に立たされているとき、その気持ちは最も大きい。そこでいかに自滅せず逆転するかを教えてくれる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:祥伝社

(掲載日:2015-11-10)

タグ:駅伝 
カテゴリ 指導
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采配
落合 博満

常勝の秘訣
 本書が刊行されるのとほぼ同時に、著者は監督ではなく元監督という立場になっている。退任の記者会見でも「普通のおじさんになった」とキャンディーズのようなことを言っていたように思う。ただ、本稿では敬意をこめて、あえて「監督」という呼び方をしたいと思う。
 落合監督といえば、あまりよい印象を持たない方も大勢いると思う。少なくとも1人、身近にそういう人を知っている。私の妻である。彼女曰く、とにかく何だかエラソーで好きになれないのだそうだ。ぶっきらぼうなもの言いと「オレ流」のイメージが定着してしまっているのだろう。
 しかし、すごいリーダーであることは間違いない。監督をしていた8年間で、中日ドラゴンズは4度のセ・リーグ優勝を果たしている。また、2007年には53年ぶりの日本一に輝いているのだが、その年から導入されたクライマックスシリーズ制によりリーグ2位から日本一になったということで、物議を醸したこともまだ皆さんの記憶に新しいと思う。そしてリーグ優勝が出来なかった年でも、2位が3度、3位が1度という、まさに常勝軍団になった。
 その秘訣はビジネスにも通ずるのではないかというわけで、本書はビジネスマン向けの書物といった体裁になっている。しかし、書かれている内容は当然、プロ野球のことばかりであるので、スポーツの現場で日々奮闘している指導者・スタッフ・選手の方々にも違和感なく読める。

地道な努力
 本書を読めば、誰もがどこかに共感を覚えるはずである。それがどの部分かは読者の置かれている状況によるのだろうが、「そうだよなぁ」とうなずく部分は必ずあるはずだ。なぜなら、当たり前のことばかりが書かれているからである。中日ドラゴンズは、当たり前のことを当たり前にできるように、地道にコツコツ努力して常勝軍団になったのだということがよくわかる。しかし、当たり前だと思っていることほど、実はよくわかっていないものだ。その例として、本書の中で私がおや? と感じたことを紹介したい。落合監督の勝負に対する姿勢だ。
 監督は「最大のファンサービスはあくまでも試合に勝つこと」であり、「理想は全試合勝てるチーム」であると言いきる。しかし一方で、ペナントレースを制するために「50敗する間にどれだけ勝てるか」を追い求め、選手たちには「勝てないときは負けない努力をしろ」と説く。だが、勝ち目がないと見ればその試合はあっさりと捨ててしまうのか、といえばそうでもない。例えば、アメリカ流の「大差で勝っているチームが勝敗に関係のない場面でバントをしてはいけない」という、最近日本にも定着しつつある暗黙のルールについて噛みついている。大量リードでも逆転されることはいくらでもあるのに、どうして勝敗に関係ないと言えるのか、最後まで全力で戦うべきではないのか、というのだ。
 これら1つひとつは至極当たり前だ。しかし、こうして並べてみると、何だか矛盾しているようにも感じる。どういうことかと何度も読み返していると、ある結論に行きあたった。
 大切なのは「理想はパーフェクトなものを描き、それに1歩でも近づいていけるよう、現実的な考えで戦っていく」ことであり、「常に考えておくべきは、負けるにしてもどこにチャンスを残して負けるか」なのである。
 これもまた当たり前のことかもしれない。しかし、ブレずにこういうことをきちんと地道に実践できるかどうかが、成功への分かれ道なのだろうなと思う。

本当の「オレ流」
 本書は『采配』というタイトルでありながら、選手起用などについての詳細にはあまり触れられていない。そういうことを知りたいのにと思うのだが、きっと監督なら「企業秘密」とか「自分で考えろ」で終わりだろう。
 しかし、ぶっきらぼうでもエラソーでもない。監督は選手やスタッフだけでなく、審判やその他関係者にも敬意を持って接する。また、仕事の成功と人生の幸せとは全く別物と考えている。マスコミがつくり上げた「オレ流」のステレオタイプとは正反対である。
 視線はクール、態度はドライ。それでいて、心は熱く人柄はどこまでも温かい。これこそが落合采配の秘訣なのだろう。
(尾原 陽介)

出版元:ダイヤモンド社

(掲載日:2012-02-10)

タグ:野球 監督 
カテゴリ 指導
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「一流」が使う魔法の言葉 スポーツオノマトペで毎日がワクワク!
藤野 良孝

 フランス語で「擬音語・擬態語」を表すオノマトペを、著者は“魔法の言葉”と呼ぶ。スポーツの世界に限らず日常生活にもさまざまな効果があることがわかってきたそうだ。これを活用して日々をよりよく過ごそうとまとめられたのが本書だ。
 前半ではハンマー投げの室伏広治選手をはじめ一流選手を例にメカニズムが解説され、後半の「あげトークメソッド」にて場面に応じた活用法が紹介されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)

出版元:祥伝社

(掲載日:2012-02-10)

タグ:オノマトペ 
カテゴリ 指導
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マラソン哲学 日本のレジェンド12人の提言
小森 貞子 月刊陸上競技

世界と戦った人たち
 昨年、フルマラソンに初挑戦し、何とか完走できた。タイムは4時間14分。中間地点では、世界のトップならそろそろゴールかな、と考えるだけの余裕があった。その後、楽しかったのは30km過ぎまで。あとはひたすら、早くゴールについて休みたいと考えていた。
 さて、本書。12人の“レジェンド”たちが、2020年東京オリンピックで、日本選手がマラソンでメダルを取るために必要なことを語るというもの。登場するのは、宗兄弟をはじめとする一時代を築いてきたそうそうたるメンバー。 内容は提言というよりも体験談という印象。マラソンが強くなる直接的な方法は示されてはいないが、世界と戦ってきた人たちが肌で感じたことを読むことができるよい本だと思う。

余裕をもって、走れるか
 本書には、大きな大会前に行った練習メニューが紹介されている。僕のような長距離の素人には、悲しいかな「ものすごくたくさん走っているな」という感想しか浮かばない。一つ一つのメニュー自体には目新しいものはないように思う。しかしその組み合わせ(距離や時間、ポイント練習の内容、ポイント練習とポイント練習との間隔など)が、レベルの高いことを余裕をもってできる力をつけるためのキモなのだということはおぼろげにわかる。
 そう、この“余裕をもって走る”ということが、それぞれが共通して発信している重要なメッセージだ。余裕を持って走り続けられるペースを少しずつ少しずつ高めていく。そしてそのためには、矛盾するようだが、限界ギリギリでトレーニングをする。本書の中で、高橋尚子さんがこんなことを言っている。
「『今日の練習、きつくてイヤだな』と思う気持ちが芽生えた時こそ、実は一番伸びるとき。乗り越えなければならない壁にぶち当たって、その壁を乗り越えたら、一段上に行ける。」
 そういえば、私が以前レビューを書いた『ウサイン・ボルト自伝』にも「乗り越えるべき瞬間」という言葉があった。「それは、身体があまりの痛みに耐えられなくなり、アスリートに向かってやめろ、休めという信号を発してくる瞬間のことだ。それこそが、成功への秘訣を手にできる瞬間なのだ。もしもその選手がその苦しみを乗り越え、もう2本いや3本余計に走ることができたら、そこから身体能力は向上して、それから選手はどんどんと強さを増していく。」
 山下佐知子さんも、指導者としての立場から、もどかしさを吐露している。「トレーナーや栄養士がチーム内にいるのが当たり前になっている中で、本来どんどん踏み込むためにケアするはずが、何かを守る方に行き過ぎている気はする」と手厳しい。「今の選手は・・・」という言葉が多く出てくる。それは、ありがちな若者批判ともとれるのだが、それだけではないと思いたい。
 為末大さんは著書『諦める力』のなかで、「スポーツはまず才能を持って生まれないとステージにすら乗れない」と書いている。レジェンドたちは、今の若い選手たちが、せっかくステージに乗れるだけの才能を持っているのに限界ギリギリの練習をしていない、もったいないと歯がゆく思っているのだ(もちろん反論はあるだろう)。私も数あるスポーツの才能の中で、壊れない身体というものがとても重要だと思っている。限界を乗り越えてなお、走り続けられる頑丈な身体というのは、どんな高度な技術よりも優先的に獲得すべき能力だと思う。

準備して楽しみたい
 私は本書に登場する選手たちの活躍をリアルタイムで見ていた世代である。中山竹通選手は、ソウルオリンピックで4位入賞を果たしたレース後に「1位になれなければ4位もビリも一緒」と言ったと伝えられる反骨の人。“Qちゃん”高橋尚子選手は、これまでの歯を食いしばって根性でゴールにたどり着くという日本女子マラソン選手のイメージをガラリと変え、風のように駆け抜けた姿が印象的だった。そんな個性的な選手たちが現役時代に何を考え、どのように走っていたかに触れることができる、心躍る一冊である。
 さて私はというと、前回のマラソンのゴール直後は「もう2度としない」と思ったはずが、またもやフルマラソンにエントリーしてしまった。走りに余裕など持ちようがないのだが、どんなにレベルは低くとも、走るからにはしっかり準備してマラソンを楽しみたいと思っている。
( 尾原 陽介)

出版元:講談社

(掲載日:2016-08-10)

タグ:マラソン 
カテゴリ 指導
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監督と甲子園7
藤井 利香

 本書は強豪私学の監督がどのような考えをもってチームづくりを行っているのかが書かれている。また練習をどのように行っているのか、選手と関わるときには何を考えて話しているのかなども書かれており、普段ほかの指導者の考えを聞く機会の少ない人にとっては貴重な経験を得ることができる。
 監督の話だけでなく選手の話についても触れている場面があり、プロになった選手はどのような態度で練習に臨んでいたかなども書かれていた。
 練習メニューを勉強することも大切であるが、指導者の考えを聞くことも大 切である。選手も指導者の考えを理解することで、練習に対する考えに変化が現れるので参考にするとよさそうである。
(榎波 亮兵)

出版元:日刊スポーツ出版社

(掲載日:2017-01-21)

タグ:監督 野球 指導 
カテゴリ 指導
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戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼
柏井 正樹  島沢 優子

 錦織圭選手がジュニア期に指導をされていた柏井正樹さんの著書でした。錦織圭選手のことが実例として書かれることが多かったので、説得力がありました。錦織選手のジュニア期は、相手のプレースタイルに付き合って試合を運び、相手が痺れを切らせてプレースタイルを変えてきたところで一気に切り崩していたそうです。柏井氏は、負けた選手が自分流を続けることができたら錦織選手に勝てる可能性があったかもしれないけど、自分がやっていることを信じきれていないので違うことをしてしまう、と表現しておりました。

 自分がやっていることを信じるというのは、簡単なようで難しいことなんですね。トップクラスの試合での出来事というのが、その難しさを物語っていますね。私のサポートチームにも、格上のチームと試合をする際にも、自分たちの方針を揺るがさずに試合を運べるようになってもらいたいものです。

 本書の中では心に響く表現がサラッと書かれていて、それがまた面白かったです。「試合で頑張らない人はいないので、それは試合で頑張らなかったのではなく、試合までの準備を頑張っていなかった」という表現には、深く納得しました。参考になるポイントが多々ありましたが、指導で使う声のトーンの使い分けが、実践する上で一番わかりやすかったです。これは心がけていきます。「戦略的な思考は、ゆとりのある自由な空気感から生まれる」という柏井氏の言葉通り、選手の能力を存分に引き出そうとする指導スタイルから、素敵な刺激をいただくことができました。
(塩多 雅矢)

出版元:大修館書店

(掲載日:2017-04-06)

タグ:テニス 戦略 
カテゴリ 指導
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夢を喜びに変える 自超力
松田 丈志 久世 由美子

 このような成功の物語を読んで思うのは、同じような努力を積み重ねたにもかかわらずここにたどり着けなかった者たちのこと。たぶん、いるはず。
 チャンピオンスポーツの無慈悲な部分であるのだが、チャンピオンになれるのは基本ひとり。それ以外の者たちとチャンピオンの差は、誰かが勝って、誰かが負けてみないとわからない。そして負けた者たちの物語が分からないので、結局のところ、差は分からないまま。なので、成功の秘訣として役に立てようとして読むのではなく、成功物語エンタテイメントとして読むくらいがちょうど良いのではないかと思う。
 スポーツの成功に向けた取り組みは、実生活に活かせる部分が多くあるのだが、それがそのまま生かせるかというと疑問符が付く。スポーツは、やることが決まっている、結果を出すべき大会も決まっている。実生活は、やることは無数にあり、生活における結果ってなんだろう?
 水泳という種目では、泳法が決められ、泳ぐ方向が決められ、一斉にスタートし、順位がつけられ…と、いろんな制限によりやることが決められていく。生活をプールの中に無理やり当てはめるならば、どの方向に泳ごうが、ボールを投げようが、何m潜ろうが自由な状態だ。そんな状況で順位や成功はどのようにして決まるのだろう。
 彼らがやっていることは、やれることを、とことんやっているということである。やれないことには目もくれず。そのことから得られる実生活に活かせる学びとしては、「制限をかける」とか「限定する」とか、流行の言葉でいえば「選択と集中」ということになるのではないかと思う。
 そしてそれを一言に昇華させると「本気」になるのではないかと思う。
 目標を掲げ、本気になって取り組んできた二人の物語は、心を奮い立たせてくれます。
 目標があっても一歩踏み出せていない人は是非ご一読を。

(永田 将行)

出版元:ディスカヴァー・トゥエンティワン

(掲載日:2018-04-28)

タグ:水泳 コーチング 
カテゴリ 指導
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メタボ&ロコモ予防講座 メタボとロコモの意外な関係
増子 佳世 水上 由紀 坂手 誠治

 中年と呼ばれるようになると身体の変化が気になり始めました。一日の疲れが一晩では取れなくなり、ちょっと走れば息が切れ、それがなかなかおさまらない。若い頃との変化に気づくようになれば立派な中年の出来上がり。
 それでも「まだまだこれから」とばかりに頑張る私たちに、近年いろいろな言葉が投げかけられるようになりました。「メタボ」「ロコモ」なんて言葉は20年前は誰も言わなかったはずです。最近では「サルコペニア」という言葉まで耳にするようになり、中高年を取り巻く環境は少しずつ変わってきました。
 これらの言葉が私たち中高年を対象としていることはなんとなく理解しています。お腹に脂肪がつけば「メタボ」だといわれますので漠然と肥満を指し示すことくらいはわかってはいますが、あれだけ頻繁に飛び交う言葉の割に、その定義やメタボだったらどうなるのかについての具体的な知識はありません。知らないというものは気楽なもので、メタボやロコモといわれてもどこ吹く風。他人事のように感じていたのも事実です。
 本書はメタボやロコモを正しく理解し、予防・解消の具体的な方法論を提供してくれる中高年の味方とも言える本です。
「メタボだったら」「ロコモだったら」具体的にどういう問題が発生し、どういう病気になってしまうのか。まずそこからスタートします。だんだん読んでいるうちに身につまされて、このままではいけないと素直に反省してしまいました。
 具体的な内容には触れませんが、メタボもロコモもサルコペニアもいろんなところでつながりがあり、定義や視点は違うもののそれぞれの関係性において密接に関わっていることがよくわかります。
 素直に今までの自分を反省したら、救いの手を差し伸べるかのように対策について詳しく書かれています。その要素は2つ。食事と運動です。
 まず食事に関してはこんなことが書かれています。「宣伝費のかかっている広告やネットの口コミで『身体にいい』と言われているような食品やサプリメントを高いお金を払って食べ続けるよりも、まずは自分の料理の選択や量、食べ方など、食事全体を改善することが必要です。」
 これは実に重い言葉です。裏を返せば何か都合のいい単品の食品では問題解決につながらないことを示唆します。昨今商業主義の情報に惑わされる人が少なくない中、もう一度食生活全般を見直そうということです。しかも安易なダイエットに対しても警鐘を鳴らされては戸惑う方も少なくないかもしれません。またここで私がダイジェスト的な方法論を紹介するのさえはばかられるほど、食事は広範囲に影響を及ぼし、やり方を間違えるとメタボの改善がロコモの進行につながるケースもあるというから、「総論」で書かれていたメタボとロコモの関係性が、ここでひとつの鍵となってくるのです。
 運動に関してもやみくもにすればいいというものでもなさそうです。2013年に厚生労働省が身体活動量の基準を出していますが、そういったものをもう一度見直してみるのもよさそうです。また筆者たちの研究による、きめ細かな運動についての提言もご覧いただきたいです。
 10年後20年後にメタボから現実に病気を患ったり、ロコモになって痛くて歩けなくなるかもしれません。それを避けるための処方箋だと考えて本書をお読みいただければ、ほろ苦さも納得がいくことでしょう。
 本書は真面目に読めば難しい話も多く、嫌気をさす方もいらっしゃるでしょう。「良薬は口に苦し」といいますが、良本も口に苦しということなのでしょうか? その代わり30年後に笑って暮らせるようにしたいと思います。

(辻田 浩志)

出版元:大学教育出版

(掲載日:2018-06-12)

タグ:ロコモ メタボ 
カテゴリ 運動指導
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著者
Mel Boring American Medical Association C.B. Mordan 島沢 優子Adrian WealeAlan GoldbergAndrew BielAviva L.E. Smith UenoBoris I.PrilutskyBrad Alan LewisCarl PetersenCarole B. LewisCarole B.LewisCaroline Corning CreagerChad StarkeyChampagne,DelightCharland,JeffChartrand,JudyChris JarmeyDanish,StevenDavid A. WinterDavid EpsteinDavid GrandDavies,George J.Digby, MarenaDonald A. ChuDonald T KirkendallElizabeth Best-MartiniEllenbecker,Todd S.G. Gregory HaffG.D.ReinholtzGray CookGregory D. MyerH・ミンツバーグIñigo MujikaJ.G.P.WilliamsJ.W.SchraderJacqui Greene HaasJari YlinenJeanne Marie LaskasJeff CharlandJeff RyanJonathan PrinceJ・ウィルモアKahleKarim KhanKim A. Botenhagen-DiGenovaKim A.Botenhagen-DiGenovaL.P.マトヴェーエフLawrence M.ElsonLeonhardtLeslie DendyM.J.SmahaMarilyn MoffatMark VerstegenMattyMcAtee,Robert E.Michael J. 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書評者
三嶽 大輔(9)
三橋 智広(48)
上村 聡(4)
久保田 和稔(8)
久米 秀作(29)
今中 祐子(1)
伊藤 謙治(14)
佐々木 愛(4)
加藤 亜梨紗(1)
勝原 竜太(1)
北村 美夏(1)
南川 哲人(10)
吉田 康行(1)
坂口 丈史(2)
塩多 雅矢(2)
大内 春奈(1)
大塚 健吾(9)
大槻 清馨(12)
大洞 裕和(22)
太田 徹(1)
安本 啓剛(17)
安澤 佳樹(4)
宮崎 喬平(12)
尾原 陽介(28)
山下 大地(3)
山村 聡(6)
山根 太治(57)
山際 政弘(3)
岡田 真理(1)
島原 隼人(1)
平山 美由紀(9)
平松 勇輝(5)
弘田 雄士(4)
戸谷 舞(3)
打谷 昌紀(2)
月刊スポーツメディスン編集部(49)
月刊トレーニング・ジャーナル編集部(452)
服部 哲也(9)
服部 紗都子(11)
村田 祐樹(4)
松本 圭祐(3)
板井 美浩(32)
梅澤 恵利子(1)
森下 茂(23)
椙村 蓮理(1)
榎波 亮兵(3)
橋本 紘希(18)
正木 瞳(1)
比佐 仁(1)
水浜 雅浩(8)
水田 陽(6)
永田 将行(3)
池田 健一(5)
河田 大輔(16)
河野 涼子(2)
泉 重樹(3)
浦中 宏典(7)
清家 輝文(71)
清水 歩(6)
清水 美奈(2)
渡邉 秀幹(6)
渡邊 秀幹(1)
澤野 博(32)
田口 久美子(18)
石郷岡 真巳(8)
磯谷 貴之(12)
笠原 遼平(2)
脇坂 浩司(3)
藤井 歩(18)
藤田 のぞみ(4)
西澤 隆(7)
越田 専太郎(2)
辻本 和広(4)
辻田 浩志(38)
酒井 崇宏(1)
金子 大(9)
鈴木 健大(6)
長谷川 大輔(3)
長谷川 智憲(40)
阿部 拓馬(1)
青島 大輔(1)
青木 美帆(1)
鳥居 義史(6)