スポーツを「読む」
重松 清
 本書は、39人のライターと彼らの著書をそれぞれの特徴をもって解説しています。
 中でも印象に残ったのは、パソコンを知らない海老沢泰久氏が書いたというNECのパソコンの「マニュアル」。「マニュアルというのは、その機械をよく知っている人が書くから、読み手にわかりづらい。知っている人間は、知らない人間がいるということを忘れがちで、それに気づいたとしても、知らない人間が何を知らないのかがわからないのである」――当然です。そして彼のライティングから、「事実をしっかり伝えていれば読後にはおのずと事実を超えるものがたちのぼる。しかし、あくまでも読者一人ひとりの胸に宿るべきもので、書き手が押しつけるものではない」。
 当たり前のことですが、同じものに触れても人によって感じ方が異なれば、伝え方も異なる。この本からは、ただ単にライターの表現方法や、ちょっとしたスポーツの奥深さを知り得るだけではなく、もし伝える側(たとえばライターに限らず指導者のような立場であっても)だとしたら…勉強になりました。
(大槻 清馨)
出版元:集英社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:書籍紹介 
カテゴリ エッセイ
	
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