FIGHTING FIT
Adrian Weale
本書は英国陸軍特殊部隊(Special Air Service)で採用されているトレーニングを紹介したものである。タイトルこそ“FIGHTING FIT”となっているが、決して戦場で勝つためのトレーニングばかりを取り上げているのではなく、自分の身体を知ること、健康的な食事、ケガの手当てなど、内容は多岐にわたる。
前半部で以上のことを踏まえた上で、後半部では戦場を想定した実戦訓練(山岳地帯、森林、夜間の行動、野宿、携行品など)について書かれている。後半の戦場のサバイバル術は我々の日常生活になじみが薄いかもしれないが、前半部で取り上げているフィットネスの基礎知識、食事について、トレーニング計画など、自分をよく知り、よりよい習慣を身につけることで、体質改善を目指すうえでは大いに参考になるだろう。
とくにアルコールと喫煙が及ぼす悪影響については非常にわかりやすく書かれている。「軍隊式だから」と身構えることなく、生活の一部として取り入れてほしい。
(西澤 隆)
出版元:Chapmans Publishers
(掲載日:2013-09-20)
タグ:サバイバル 軍隊式フィットネス トレーニング
カテゴリ トレーニング
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サバイバルマインド
Megan Hine 田畑 あや子
筆者のミーガン・ハインは女性サバイバー。正直私の興味から言うとサバイバーという職業はかなり縁遠く、あまり関心がありませんでした。逆に自ら好んで生死の淵に向かう人が何を考えているのか、少し興味があるくらいでこの本に出合いました。
サバイバルには屈強な肉体よりも精神力の方が重要だと言い切ります。そして本書はサバイバルに必要な精神を筆者の経験談とともに書かれていますので、とても説得力があります。
まったく関心も知識もない世界のお話だけに新鮮に感じずにはいられません。避妊具のコンドームを手袋として使ったり、止血帯や投石器としての使い道や、可燃性の高さから濡れた場所で火を起こすのに使うなど、普通ではできない発想には舌を巻きました。
16の項目に分けてサバイバルというものを解説していますが、これら一つ一つの要素は私にとって縁遠いものではありませんでした。むしろ彼女が必要とするサバイバルマインドは、普通の社会で暮らす我々の社会生活や仕事において必要な要素とまったく変わらないものだと確信しました。ただサバイバルの性格上、失敗が命の危機に直面するから印象深く感じるのだと思いますが、ここで書かれたサバイバルに必要な多くの要素はそっくりそのまますべての人に当てはまるものでした。
私がもっとも共感したのは、「直観」というものが多くの経験の蓄積が無意識のうちに下した判断であるとされ、経験の重要性を認めたうえで、過去の経験だけに頼っていると経験則の罠にはまるとも言われます。筆者の経験との距離感、そして経験にとらわれない自由な発想、これらのバランスがすごくいい方だと感じました。それが生き残る秘訣なのかもしれません。
命に関わる危機に直面すれば人はパニックに陥ります。しかし命がかかっているからこそ冷静に決断しなければなりません。そういう局面で決断の手順を持っておられるところには恐れ入りました。しかも7段階にわけてより正しい判断をするという、冷静さと恐怖をコントロールする力に筆者の凄みを感じてしまいます。
アクション映画さながらのお話に驚嘆しながら読んでいるうちに、私たちの生活にも必要なエッセンスに気づかされていきます。それが実践できれば危機対処に強くなれそうな気がします。ハラハラドキドキしながら読んで人生訓が得られる本って珍しいです。
(辻田 浩志)
出版元:エイアンドエフ
(掲載日:2019-07-27)
タグ:サバイバル
カテゴリ 人生
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この方法で生きのびろ!
Joshua Piven David Borgenicht 倉骨 彰
「呼吸が止まってしまったとき」「大地震に遭遇したとき」「山で遭難したとき」「脚を骨折したとき」……。絶体絶命そのときどうすればいいのか、というテーマに答える40のサバイバル術を紹介。一風変わった本だが、突発事態にどう対処するかというスポーツにも通じるヒントがそこかしこに。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:草思社
(掲載日:2000-11-10)
タグ:サバイバル
カテゴリ その他
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