スポーツから気づく大切なこと。
中山 和義
どんな人でも言われたことがある「スポーツをしているといいことがあるよ」という言葉。今までスポーツをしていて自分の感覚としていいということはわかってはいるけど、うまく答えられないというのは多くの人が抱える悩みである。読み進めていくうえでポイントとなるのは、気づきと自信である。
本書は、「スポーツバカは本当か?」や「自信がつく」など、わかりやすいタイトルに対して答える形で構成され、野球のイチロー選手やスケートの清水選手が、どのように努力したかを例にとり、丁寧な言葉で解説している。
著者はメンタルトレーニングに関する講習を受講し、テニスに関わるさまざまなことを行っている。「すべてのテニスプレイヤーを全力で応援します」をモットーに活動をされているそうで、文中からもその熱意が伝わってくる。用具に関することから、練習場所、マッチプログラムの作成にいたるまで、ありとあらゆることを実行しているところがすばらしい。これらはすべて、気づきから行動が生まれていると思う。
もう1つ重要になるのは自信である。スポーツは生きていくうえでの自信を与えてくれる。なぜ自信につながるかと言えば、スポーツ=運動+ゲームという要素で構成されるからである。ゲームには必ず勝ち負けがあり、人間は誰でも勝ちたいと思う。負ければ悔しいし、負けないためには気づきのセンサーを活性化させなければならない。気づきを実行に移してみることで、勝てる可能性が高まる。勝ちという結果が得られたときには、自分の中に自信という結果が残る。
自信をテニスという媒体を通じた活動によってさまざまな人に還元し、共感を生み、進化させていく。そんな当たり前でなかなかできないことをしっかりと実現されているのがすばらしい。 先行きが不透明な現代において、発揮するポイントが適切でない自信を持つ人々が多い中で、挑戦する自信や恥をかく自信などは、遠い過去のものになってきているような気がするが、そんな自信の大切さを再確認し、気づくことができる本であると思う。
(金子 大)
出版元:実業之日本社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:メンタルトレーニング スポーツの捉え方
カテゴリ メンタル
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No.1メンタルトレーニング 本番で最高の力を発揮する最強の自分をつくる
西田 文郎
「人間には無限の可能性がある。メンタルトレーニングは、自分の心をコントロールできるようになることで、その可能性を引き出すことに貢献するものである」本書の根幹を要約すると、こういうことであろう。メンタルトレーニングに関連する書籍の王道を進むものであるように感じる。
しかし、読み進めていくと、「いかに自分の心をコントロールするか」ということに関して、小手先のテクニックに終始するのではなく、より人間の本質的な部分にアプローチしていることを感じる。(1)感情、(2)イメージ、(3)思考という3つの側面に対して、わかりやすく、丁寧に論理を積み重ねているのである。
本書の流れは、「優秀なアスリートの条件」から始まる。理想的な姿、あるいは基準を設定し、読者に自分自身とのギャップを理解することを促しているのであろう。そして、そのギャップを埋めるために、人間の脳に対して、先述の3つの側面からアプローチしている。これは、「アスリートとしての在り方」「人間としての在り方」を高めようとしているように感じるのである。
本書を読み終えたとき、「競技選手の存在」について、改めて考えてみた。競技選手が不安を感じることは驚くことではないし、指導者や選手に関わる全ての人たちは、もっと競技選手について理解してあげることができるのではないかと感じるのである。本書は、実在する選手やチームの具体例なども豊富で、取り組みの様子もイメージしやすい内容である。具体的な取り組みだけに終始せず、本質的な部分も教えてくれるものであることを実感した。
(南川 哲人)
出版元:現代書林
(掲載日:2010-11-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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メンタル・タフネス
ジム・E. レーヤー 小林 信也
インターネットでメンタルトレーニングの本を検索してみると400冊を超える本がヒットする。これを見れば心の重要性に誰もが気づき、関心があることは疑いがない。本書は、1987年に初版本が発行され、メンタルトレーニングに関する草分け的書物である。当時、高校三年生であった私は、夏の甲子園予選を前に監督からこの本を読むことを勧められ、手にとった思い出深い本である。
著者であるジム・レーヤーは、テニスプレーヤーとしてナショナルランキング入りの経験を持つ、スポーツ心理学の権威である。テニスのトッププレーヤーであるナブラチロワ、サバチーニなどを指導して大きな成功をもたらしている。また、スピードスケートのダン・ジャンセンを1994年のリレハンメルオリンピックで金メダル獲得に導いている。
メンタルタフネスとは、出来事に対するセルフ・コントロールの技術である。具体的には一流選手が身につけている「正しい態度を身につける」「正しい思考習慣を身につける」ことである。メンタルタフネスは技術なのでトレーニングすることで獲得することができるというのがジム・レーヤーの主張であり、今日のメンタルトレーニングにもつながっていく。ジム・レーヤーは、“スポーツは心理状態を映す鏡だ”と捉えている。心理状態をコントロールする技術を身につけることが最高のプレーを引き出し、それがスポーツするうえでもっとも重要なことであると述べている。自分自身のコントロールだけは自分で完璧にコントロールできる。その技術を身につけることで、つねに理想的な心理状態でプレーすることが可能になる。その技術がメンタルタフネスである。
前半部分でメンタルタフネスの構造について分析している。理想的な心理状態を得るためには心理面を12の項目に分けている。12の項目について丁寧に説明され、その中には、従来の理解とは正反対の内容も含まれている。たとえば、物事をポジティブに捉えることの重要性がよく言われるが、ロー・ポジティブ・エネルギーよりもハイ・ネガティブ・エネルギーのほうがよい結果を出せる心理状態であるといったことなどである。
後半部分でメンタルタフネス(セルフ・コントロール法)を獲得するためのトレーニング方法が実施する時間や期間なども含め詳細に書かれている。評価用紙やその他の記入用紙もあるので、それらを用いながら実践していくことも可能である。トレーニング方法は、現在、行われているメンタルトレーニングの方法がほぼすべて網羅されている。これらが段階的に書かれている。また、特筆すべき内容は、チームの理想的心理状態についての著述があり、チームワークを高めるポイントなども書かれている。チームの心理状態について書かれている本はとても少ないので貴重である。
長期目標、中期目標、短期目標の設定や呼吸法など私も行ったことが幾度とあるが、いかに段階を省いて、適当に行っていたのか理解できる。継続している期間もジム・レーヤーが指定した期間に比べ、とても短い期間で次に進んでいた。また、本書を読み終えることでメンタルトレーニング全体を俯瞰することもできる。メンタルトレーニング、心に興味がある人には、スポーツ選手や指導者だけでなくビジネスマンなども心理面を学ぶうえでよい本である。
(服部 哲也)
出版元:阪急コミュニケーションズ
(掲載日:2012-10-16)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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バスケットボールのメンタルトレーニング
ジェイ マイクス
バスケットボールのメンタルトレーニングという非常に興味深い内容である。
バスケットボールを行ったことがある者なら、誰もが体験しているであろう場面や動作が登場する。それらの場面でのプレーをよりよいものにしていくメンタルトレーニング法もあり、痒いところに手が届く内容となっている。それ以外にもさまざまな局面で役立つ心理的なテクニックなどや、ドリルもたくさん紹介されている。さらに本書は自身の内面の気づきを高めることについても重きを置いている。その内容は視野、音、触感、心の映像、内面の声、身体の気づきといったものである。内部感覚が高まることによりプレーもよくなっていく。
各章ごとの論じた内容を題材にした問題が章末に登場するので、すぐに復習できるところもよい。読み進めていくのに非常に時間がかかるが、そのぶん理解も深くなることであろう。プレーヤーはもちろん、指導者にもぜひとも目を通していただきたい。この気づきというのはバスケットボールだけではなく、他のスポーツ、日常生活などのさまざまな場面でよい結果をもたらしてくれるであろう。
(三嶽 大輔)
出版元:大修館書店
(掲載日:2012-10-30)
タグ:メンタルトレーニング バスケットボール
カテゴリ メンタル
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変身力 できるビジネスマンに変わる
高畑 好秀
自分の力が最大限発揮できるような軸を持って世界を生き抜いていくために、絶頂期に変身すべきと高畑氏は語る。なりたい自分に変えていく力のことを変身力とよび、それを身につけるためには、信じる、捨てる、融合する、楽しむ、ブレーンをつくる、といった5つが必要だそうだ。変わるための具体的方策と心のもち方について、多くの成功例やスポーツ選手の変身を取り上げている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:長崎出版
(掲載日:2007-08-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ 指導
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バレーボールのメンタルマネジメント 精神的に強いチーム・選手になるために
遠藤 俊郎
本誌および『Coaching and Playing Volleyball』誌での連載を再構成してまとまった著書。
著者によると、メンタルトレーニングとは「競技力向上に劇的に作用する特効薬というよりも、好不調の波を高値安定に調整する、心身の調子を整えるサプリメント」なのだそうだ。練習日誌に自己分析のためのチェック項目を設けることを提案するなど、具体的なエピソードを交えながら、どうすればよいのかについて書かれている。メンタルトレーニングは決まりきったメニューを行うのではなく、状況に応じて自在に変化させ得るものだと認識が新たになる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:大修館書店
(掲載日:2007-12-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ 指導
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勝負を決する! スポーツ心理の法則
高畑 好秀
スポーツパフォーマンスを支える「心技体」のうち、「心」は目に見えないために鍛えにくいと言える。そこで多数のアスリートを指導してきた著者は、試合や練習のどの場面でとくに意識すべきかという切り口から、メンタルトレーニングを「イメージトレーニング」「リラックス法」「ストレス対策」など18の要素に分類した。それぞれについて、理論編・実践編・セルフチェックシートの3ステップで解説している。
このステップを踏むことによって「自分なりの成功の方程式」が確立される、つまりどんな場面でもセルフコントロールが可能になるという仕組みだ。指導者やチームメイトとのコミュニケーションにもふれられているが、根底には「選手の中にもう1人のメンタルトレーナーを育てる」という著者のモットーが全編にわたって息づいており、自分の「心」を鍛えることができるのは最終的に自分しかいないのだとわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:体育とスポーツ出版社
(掲載日:2012-03-10)
タグ:スポーツ心理 メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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メンタル強化バイブル
高畑 好秀
この本の特徴は、各競技のトップ選手20人が勝つために練り上げた方法論を探り、得られたヒントを紹介していくというところにあるが、その豊富な事例から自分に適した情報を抽出し、アレンジすることも可能である。メンタルトレーニングの方法が、十人十色であることを強調する著者らしい仕立てだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:池田書店
(掲載日:2000-02-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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MT法でなりたい自分になれる
小林 充
「MT」はメンタルトレーニングの頭文字を表す。著者によるその位置づけは、潜在意識にあるマイナスイメージをクリーニングし、代わりにプラスイメージをインプットすることで「なりたい自分になれる」というもの。自分でできるチェック法に“MTテスト”を挙げるが、ゲーム感覚でやると楽しめそう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:成星出版
(掲載日:2000-02-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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野球のメンタルトレーニング
高畑 好秀
小誌連載中の「実録メンタルコンディショニング」を担当する高畑好秀氏が、とくに専門とする野球のメンタルトレーニングについてまとめた本。プロ野球選手などのインタビューから成る第1章、具体的なメンタルトレーニング法が紹介されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:池田書店
(掲載日:2000-08-10)
タグ:野球 メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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図解 ここ一番! 1分間メンタル強化トレーニング
高畑 好秀
プロスポーツ選手やオリンピック選手のメンタルトレーニングの指導をする著者が(1)集中力、(2)イメージ力、(3)リラクゼーション力、この3ステップで手に入れる「最強のメンタル」法を紹介。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:講談社
(掲載日:2004-01-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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メンタル革命
高畑 好秀
新しいことに立ち向かうときに、困難を恐れて闘う前に気持ち(精神)で負けてしまう人は多い。自分の弱さと真正面から向き合うための「こころを鍛える方法」を紹介。有名・著名スポーツ選手30人の実践例を収録。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:河出書房新社
(掲載日:2004-05-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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スポーツメンタル43の強化法
高畑 好秀
スポーツパフォーマンスに重要な空間認知能力は右脳が司っている。その右脳により刺激を与え「脳力」をアップさせるための、43メンタルトレーニングプログラムをわかりやすく紹介。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:池田書店
(掲載日:2004-07-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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スポーツ選手よ 強くなるには「哲学」を持て! 折れないこころをつくるメンタルトレーニング
杉浦 健
強い選手や精神的に安定した選手は自分なりの「哲学」を持っている。自分の目指すべき「哲学」を見いだし、折れない心をつくるための問いと答えのヒントを導く書。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:山海堂
(掲載日:2006-01-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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根性を科学する
高畑 好秀
従来の根性論を否定するところからスタートしたメンタルトレーニング。しかし「根性」は本当に不必要なのか。問題点を洗い出し、「根性」の本質をメンタルトレーナーの著者がひも解いていく。
(月刊トレーニング・ジャーナル)
出版元:アスペクト
(掲載日:2006-03-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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打たれ強い自分をつくる方法 3分間メンタル・コーチ
高畑 好秀
メンタルトレーナーとして、数多くの選手と対話してきた著者が、パフォーマンスを最大限発揮するための心のあり方についてまとめている。各章ごとにポイントとなる考え方があげられ頭に入りやすい。たとえば第1章では、思考によって方向が決まり、イメージはそこに向かうパワー。思考×イメージの掛け算でパフォーマンスが決まる、とある。いわゆる「ビジネス本」でもあり、仕事の話もあるが、基本はスポーツ現場での問題を扱っており、ヒントになるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:中経出版
(掲載日:2008-07-10)
タグ:メンタルトレーニング
カテゴリ メンタル
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