スポーツ障害予防のための最新トレーニング
福林 徹 今井 純子
本書は、今までのアメリカ流のスポーツトレーニングやスポーツリハビリテーションとは異なり、バランスや人と人とのコンタクトを重要視するドイツ的な障害予防のためのトレーニング本である。ドイツのリハビリテーショントレーニングと聞くとアウフバウトレーニングを思い浮かべるが、アウフバウトレーニングを行うにあたり本書を理解しておくと、より深く処方・実践できると思う。
内容は大きく2部構成されていて、前半は解剖・予防措置・リハビリなどの理論的内容と、後半は多数の写真と図表を用いて運動指導者にもわかりやすく解説した実践内容となっている。障害の頻度に応じ、重点を下肢・体幹においているが、上肢・その他にも応用ができるものである。
前半では基礎解剖や予防措置、主な障害と問題を説明しているが、わかりやすいように逐一実際の例も掲載されていてイメージしやすい。実践の手引きとして障害後の総合的トレーニングプランとして段階を踏んだプロトコルも掲載されており、後半の実践編から目的のトレーニングをピックアップできる。
後半は実践編となり、トレーニングとストレッチが写真と図表を用いて説明されている。目的が明確に示されており、また一つ一つの動きについて繊細で指先までに注意が払われているところはドイツらしい感じがする。特殊な手技や高価な器具を使う必要がなく、どんな現場でも行えるものとなっており、障害予防やリハビリに携わる方は一読されることを勧める。
(安本 啓剛)
出版元:文光堂
(掲載日:2011-12-13)
タグ:トレーニング 傷害予防 リハビリテーション スポーツ医学
カテゴリ トレーニング
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スポーツ障害予防のための最新トレーニング
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知っておきたいスポーツ傷害の医学
シルヴィア ラックマン 石河 利寛
本書はイギリスのスポーツ障害研究所で9年間、6000人もの患者を診てきた筆者の経験を持って執筆されたものである。
第1部では、骨や筋、靱帯や神経の機能解剖や創傷治癒の過程に始まり、そのような過程に対する理学療法や薬物の適応方法について説明してある。さらに、各組織(皮膚・筋・骨など)に対する一般的な処置方法が載っている。ところどころにボールペンで書いたような図が出てきて分かりやすい。
第2部では、診断や検査の方法から始まり、足から頭までの障害について部位別に皮膚・筋・腱・靱帯・滑液包・関節・骨・神経の順で述べてある。これを読んでいたとき、目の前で応援していた選手が鼻を骨折した。本書では「患者に腫脹が起こる前に耳鼻咽喉科医を訪れると鼻骨折を直ちに処置することができます。…遅れて骨が定着し始めると、処置が困難になったり、処置不能となります」とある。おかげで何科に行くべきなのか、どのような救急対応が必要で選手にどう説明するべきなのか判断することができた。
スポーツを行っていると、どうしても避けられない外傷・障害はあるだろう。しかし、ある程度減らすことはできると思う。そのためには選手、そしてコーチ・医師・トレーナー・理学療法士を含めたスポーツに関わる我々が、根拠に基づいた医療(Evidence-based medicine、EBM)を理解し、適応できるかが、ことを大事に至らせないために大切である。本書はそのような外傷や障害を予防し、また適切な治療を行うための根拠がわかりやすく解説してある。自分の身体を理解し、スポーツをより多くの人に長く楽しんでほしいという筆者の思い、この本とともに広めたい。
(服部 紗都子)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2012-01-18)
タグ:スポーツ医学 傷害予防 理学療法
カテゴリ スポーツ医学
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図解 最先端テーピング術
岩崎 由純
表紙を見たときは、タイトル通り確かに今までにないテーピングだと思った。
ただ内容的には、この手の伸縮性のあるテーピングの書籍と基本内容は同じように感じた。筋肉の走行に沿ってテーピングし、筋肉を支持、補強、姿勢・動作矯正、疼痛抑制作用などを目的にテープを貼る。
表紙でみた背部に貼った巨大なテーピングは著者が開発した150㎜幅のもので、この超幅広のものは見たことがない。体幹などの大きな筋肉に対して有効のようだ。
私の勉強不足か最先端という言葉には疑問が残るが、内容的にはとてもわかりやすいものである。なるべくシンプルに貼れるようになっていて、オールカラーでほぼすべての写真に解説つきである。初心者には知っていると役に立つ豆知識などが点在していて伸縮性テープの他書籍と比べても良書と思う。
シンプルで誰でもできるようになっているのでテーピングは苦手という方もこれを読んでケガの予防、パフォーマンスアップにつなげてみては。
(安本 啓剛)
出版元:東邦出版
(掲載日:2012-02-07)
タグ:テーピング 傷害予防
カテゴリ アスレティックトレーニング
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すぐ役に立つ介護予防フィットネス ロコモティブシンドロームに対応したQOL向上運動・実践ガイド
石井 千惠 竹尾 吉枝 小谷 さおり 芝崎 美幸
主に高齢者を対象とした、椅子を使ったり唱歌に合わせたエクササイズがまとめられている。介護現場ですぐ実践できるのはもちろん、スポーツ指導者にとっても学ぶ点は多い。たとえば動機づけの仕方や、筋力や柔軟性に応じたエクササイズのマッピングなど、普段はアスリートを対象とすることが多い立場の人が、もし高齢者を対象とする際には心強い参考書と言える。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:誠文堂新光社
(掲載日:2012-10-10)
タグ:ロコモティブシンドローム 介護予防 高齢者
カテゴリ トレーニング
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武藤教授の転ばぬ教室 寝たきりにならないために
武藤 芳照
「お年寄りは、転ぶと骨折、それっきり寝たきり」というストーリーが一般に広く流布している。実際、そういう例も確かに見聞き、あるいは身近に経験する。
だが、著者は言う。「老人の骨折が治らないのではなく、『治らない』という思いが、治らないような方法を選択しているのです」。
老人でも手術など、きちんと対応すれば、骨折は治る。「手術はかわいそう」と、結局「治らない」方法をとり、それが寝たきりにつながっていく。
そのきっかけが転倒。では、人が転ぶとはどういうことか、どういう人が転びやすいのか、転ばないためにはどうすればよいか、転んでも起きればいい、これがこの本の主旨である。転倒予防教室を実践してきた著者らが、「暮しの手帖」の世界で、わかりやすく、それを語る。スポーツ医学は人をハッピーにするものである。
「人が転ぶ」という事実に目を向け、転ばない教室にまで育て上げた。
本誌の主旨でもあるが、社会に貢献できるスポーツ医学がここにもある。だが、そうなると「スポーツ医学」という言い方もそろそろ変えたほうがよいのか、そういうものがスポーツ医学だと認知されるか、どちらか。
いずれにせよ、「転ぶ」「転ばぬ」とスポーツ医学は大いに関係がある。
A5判 192頁 2001年6月21日刊 1619円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:暮しの手帖社
(掲載日:2002-10-03)
タグ:転倒予防 スポーツ医学
カテゴリ 運動実践
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高齢者の転倒とその対策
眞野 行生
やや刊行年度が古いが、前号(月刊スポーツメディスン34号)で若干引用しただけなので、改めて紹介しておきたい。
著者は北海道大学医学部リハビリテーション医学講座の教授で、従ってリハビリテーションの立場から転倒についてまとめられている。高齢者の転倒と特徴、高齢者の転倒と骨折、高齢者の転倒への対策、障害(疾患)別にみる転倒とその対策の4章に、「高齢者の転倒とその対策」に関する基礎研究という付章が加えられている。
編者は、転倒の要因として、1)高齢に伴う立位能、歩行能の低下、2)各種疾患に伴う立位能、歩行能の低下、 3)廃用性症候群を引き起こす状態におかれた場合、4)転倒しやすい環境による影響などを挙げている。
前号を読まれた方にはおわかりだろうが、これら要因およびその表現に編者の立場や視点がよく表れている。編者を含め33人による執筆で、整形外科、内科、リハビリテーション医学、神経内科、看護学、理学療法学など各方面からの記述で構成されている。高齢者の転倒について知るのに欠かせない1冊である。
B5判 274頁 1999年12月15日刊 5600円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:医歯薬出版
(掲載日:2001-11-15)
タグ:高齢者 転倒予防
カテゴリ 医学
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高齢者の転倒とその対策
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高齢者の転倒
レイン ティディクサー 林 泰史
副題は「病院や施設での予防と看護・介護」。この副題が本書の特徴をずばり表現している。
月刊スポーツメディスン34号の特集でも示した通り、各方面で転倒予防教室が展開されている。監訳者は、介護予防、老人保健事業では健康教育と機能訓練項目として組み込まれているが、残されているのは病院にいる約63万人の高齢患者、介護施設にいる約63万人の虚弱高齢入所者から要介護高齢入所者に対する転倒予防策だと言う。また、多くの病院での事故の3割以上が転倒で占められるのではないかと言う。
本書は、そのために書かれたティディクサーの名著を日本語として読みやすく理解しやすく翻訳したものとのこと。
確かにその通りで、本文は適所にイラストがあり、文章も平易に書かれている。また、付録として、「行為・状況別動作遂行能力検査」「歩行補助具の高さ設定法」「歩行補助具の使用法」「転倒・骨折防止」「ケーススタディ」などがあり、とても実践的な内容になっている。
B5判 174頁 2001年12月7日刊 3000円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:メディカル出版
(掲載日:2002-01-15)
タグ:転倒予防
カテゴリ 医学
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高齢者の転倒
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転倒予防教室 第2版
武藤 芳照
副題は「転倒予防への医学的対応」。東京厚生年金病院で開催されている転倒予防教室の5年間の集大成である。初版は1999年。丸3年で第2版が出た。
転倒についての定義、骨粗鬆症との関連など、転倒の原因や特徴、医学・科学的側面を述べ、転倒によって生じる医療経済面での影響を調査。そのうえで、転倒予防に向けてどのようなアプローチをつみ重ねてきたのか、転倒予防教室における実際の活動の中で得られた、貴重な具体的事例に沿った形で述べられている。
いかにして事故の危険を回避しながら、最大の効果を生み出していくかについて、数々の失敗例が挙げられているのを読むと、スタッフの試行錯誤してきた様子がよくわかる。また、転倒予防教室という場を、よりよいものに育てていこうとするには、内科医、整形外科医のみならず、 運動指導士や看護師、理学療法士など、多岐にわたる専門家の多角的なサポートが必要不可欠であったことも読み取れる。
これを反映して、本書も医師のみならず、看護師、理学療法士、健康運動指導士、教育関係者、事務関係者など幅広く、実に約40人の執筆・執筆協力者の手によってまとめられている。
この教室については、月刊スポーツメディスン34号で紹介したので、そちらも参照していただきたいが、スポーツ医療が高齢社会に大きく貢献できる分野としてこの転倒予防が挙げられる。ますます、この分野の研究や実践は盛んになるだろうが、転倒予防教室の最終的な目標は転倒予防を越えたところにあると思わざるを得ない。
(清家 輝文)
出版元:日本医事新報社
(掲載日:2003-03-15)
タグ:転倒予防
カテゴリ 医学
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寝たきりにならないための転倒骨折予防術
林 泰史
月刊スポーツメディスン69号の特集『骨を鍛える』に登場いただいた東京都老人医療センターの林院長が監修した本。第1章「転ばぬ先の知識と生活」では骨折危険度チェックシートを始め転倒の要因と予防法を、第2章「骨もからだも元気になる食生活」では骨を強くする食材やレシピを、第3章「骨折予防ワーク」では誰でも簡単にできる骨を鍛えるためのエクササイズがそれぞれ解説されている。
高齢者の骨粗鬆症は増え続け、寝たきりになる原因として70歳以上で3位、90歳以上の女性では1位が骨折となっている。林院長は「生涯骨元気のススメ」の項にて、「『骨抜き』では命が成り立たない」と述べ、骨を丈夫にするポイントとして(1)不摂生をしないでよく歩く、(2)乳製品、小魚、大豆加工品と野菜をよく摂る、(3)日光にほどよく当たるの3点を挙げる。骨折→動けない→気力が失せる→寝たきりの悪循環にならないよう、骨を意識した食事・運動を取り入れていきたいものだ。
2005年7月1日刊
(長谷川 智憲)
出版元:家の光協会
(掲載日:2012-10-10)
タグ:高齢者 転倒予防
カテゴリ スポーツ医科学
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寝たきりにならないための転倒骨折予防術
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中高年・疾病予防のための運動の実際
愛知医科大学運動療育センター 丹波 滋郎 野口 昌良
本書では循環器系、代謝系、運動器系の各疾患で代表的なものの病態生理とそれに基づく運動処方が紹介されている。運動器系については整形外科的なものと加齢によるものと項目を別にして紹介されている。
中高年とタイトルにあるが、小児科や産婦人科に関する内容も盛り込まれている。とくに医学的見地に基づく妊婦の運動に関する記述は、目にする機会も少ないため、非常に興味深い。
疾患治療のための運動処方だけではなく、一般的な運動処方においても、人体の基本的な機能を把握することは非常に大切なことになる。
そのうえで疾患治療の運動処方は、疾患の病態をきちんと理解しなければ、症状を悪化を引き起こしかねない。表面的な理解だけではなく、人体に対してさまざまな角度での深い理解が必要となってくる。
もちろん疾病からの回復を目指すことも大切だが、疾病を予防することも大切だ。しかし生活習慣病予防は明確な目的を設定しにくいため、疾患にかかりたいと思っている人はいないにもかかわらず、継続することが難しい。
いかに継続させるか、それは指導する側の知識や技量に大きく関わってくるのではないだろうか。
(澤野 博)
出版元:全日本病院出版会
(掲載日:2012-10-12)
タグ:高齢者 中高年 疾病予防
カテゴリ トレーニング
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中高年・疾病予防のための運動の実際
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高齢者の転倒 病院や施設での予防と看護・介護
Rein Tideiksaar 林 泰史
「転倒が高齢者の幸せを奪う病気の中心的なものの一つである」。高齢者のなかには、転倒によって人生(生活)の質の低下を余儀なくされている人が多くいます。現在、病院や介護施設だけでなく地域社会においても多くの転倒予防対策が講じられています。本書はRein Tideiksaarによる『Falls in Older Persons Prevention & Management』を日本の各施設が転倒予防対策を行う上での参考図書にと訳されたものです。
第1章では、転倒の影響について、転倒した本人に関すること、その家族からの視点、施設側からの視点に分けて述べられています。家族がどのように感じているのかという部分について書いているものは少なく、とても参考になりました。また施設のスタッフがどのように感じているのかと点については共感できる部分が多くありました。
第2章では転倒の原因と危険性について内的要因と外的要因に分け、詳しく説明されています。そのため、リハビリテーションを学ぶ学生にとっても転倒ということを知る上で参考になると思います。
第3章、第4章では臨床現場での評価や予防策について、転倒歴の記録内容(SPLATT)や行為・状況別動作遂行能力検査(POEMS)などを例にあげながら述べられています。第5章では環境整備について多くのイラストとともに紹介されています。
本書は日々の臨床と照らし合わせながら読むことができるため、新たな気づきを与えてくれる一冊だと思います。
(山際 政弘)
出版元:メディカ出版
(掲載日:2012-10-16)
タグ:転倒予防
カテゴリ 指導
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高齢者の転倒 病院や施設での予防と看護・介護
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高齢者の転倒とその対策
真野 行生
高齢者の転倒防止が重要視される要因として、さまざまな臨床的課題に発展する可能性が高いことが挙げられる。転倒それ自体で大きな障害を起こさなかったとしても、リスクが大きく広がってしまう。
本書では転倒が起こる原因、対策、復帰までの運動訓練などさまざまな角度から高齢者の転倒について記述されている。
筆者は「活発な生活をしていると転倒する確率は高く、逆に不活発な生活をしていると転倒する確率は少ない。しかし目標は活発にしていても転倒する確率の少ない生活である」と唱える。
転倒が起こらないように環境設備を整えるバリアフリーも1つの手段だが、自分自身を転倒から守るセルフコンディショニングを普段からしておくこともバリアフリーと言えると思う。
高齢者の指導に関わる方だけでなく、若い世代の方に読んでもらえたら「今自分がやれること」のヒントが見つかるかもしれない。
(磯谷 貴之)
出版元:医歯薬出版
(掲載日:2012-10-16)
タグ:転倒予防 高齢者
カテゴリ スポーツ医科学
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転倒予防教室 転倒予防への医学的対応
武藤 芳照
人は必ず年を取ります。年をとればとるほど、身体は衰えていくものです。健康のために身体を動かしてい人は多いと思います。
「いつまでも元気な身体でいたい」誰しもが思い、願っていることです。
本書は「いつまでも…」というクライアントのニーズに応えるために実際の運動指導だけでなく、転倒のメカニズムや身体の特徴、評価方法やチェック表など多く載せられています。また、多くのデータとともに転倒予防教室での指導の流れやシステムなども紹介されており、より現場で使える一冊です。
(大洞 裕和)
出版元:日本医事新報社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:転倒予防
カテゴリ スポーツ医科学
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転倒予防教室 転倒予防への医学的対応
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寝たきりにならないための転倒骨折予防術
林 泰史
「骨抜き」では命が成り立たない。
それなのに、今、小学生は簡単に骨折してしまい、高齢者の骨粗鬆症も増え続けて、70歳以上の方が寝たきりになる原因の3位を「骨折」が占め、90歳以上の女性では脳卒中より多く1位になっている。骨折→動けない→気力が失せる→寝たきり、は一直線。骨はまめに動いていないとすぐ衰えてしまうが、都会より農村の高齢者のほうが、骨が弱くなっていることも気になる。骨を丈夫にする方法はとてもシンプルで、①不摂生をしないで良く歩く、②乳製品、小魚、大豆加工品と野菜をよく摂る、③日光にほどよく当たる、この3つのポイントを守ると骨密度が上がり寝たきりを防げる。これは生活習慣病を予防する生活と共通している。
第1章で骨に関する知識と生活習慣で気をつけることを分かりやすく記載されている。この第1章を読み実践するだけでも十分骨折を防ぐことができると思う。第2章では骨を強くする食に関する内容。牛乳・小魚だけでカルシウムを補っている人も多いと思うが、骨を強くする食材・食べ方にはいろいろあり、簡単でもっと気楽にカルシウムを補えることに感動するだろう。第3章では骨折予防のワーク。基本的な運動やストレッチングだが、やるのとやらないのではやはり骨には大きな影響があると思う。
これからはもっと予防が大切な時代になってくると思うので、日頃の生活習慣を見直すうえで何をすればいいかわからない人にはこの書籍はお勧めである。
(安本 啓剛)
出版元:家の光協会
(掲載日:2012-10-26)
タグ:転倒予防
カテゴリ スポーツ医科学
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野球肩・ひじ・腰を治す 野球の障害でもう泣かない! 自分でできる治し方+予防法
石橋 秀幸 大西 祥平
元プロ野球トレーニングコーチと、スポーツドクターによる共著。タイトルにあるように、野球におけるさまざまな障害を予防するために書かれている。最初に投球のメカニズムを解説し、身体の各部位に起こりがちな障害に対して、フローチャート形式でアドバイス。そして、可動域のチェックやストレッチング、トレーニングの方法について写真を多く使った説明が行われる。ケガを克服した選手の体験談、指導者のあるべき姿勢についても紹介し、野球に対していかに前向きに取り組むことが大切かについてまとめている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:西東社
(掲載日:2008-01-10)
タグ:野球 トレーニング 予防
カテゴリ スポーツ医科学
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選手の膝をケガから守る チームで取り組む傷害予防トレーニング
大見 頼一
本書は『月刊トレーニング・ジャーナル』2012年9月号~2013年10月号に「膝の傷害予防トレーニング」として連載されたものを加筆・修正し、再編集したものである。編著者である大見先生は前十字靭帯(ACL)損傷予防トレーニングの先駆けである日本鋼管病院の栗山節郎先生の元で働いている理学療法士であり、現在は日本鋼管病院のスタッフだけでなく活動に賛同する有志で結成したスポーツ傷害予防チームを組んで神奈川県の高校バスケットボールチームを中心に活動している。
本の内容は、膝の解剖、ACLの詳細、予防プログラム、プログラムを指導する上でのポイント、職場の違うスタッフがチームを組んで行う際のメリットとデメリットについて記載されている。
ACL損傷プログラムを状況やレベルに応じて段階的に分けており、現場で実施しやすい内容になっているのがこの本の魅力的な点である。また、ACL損傷プログラムを状況やレベルに応じて段階的に分けており、とても分かりやすいため、誰もが見てすぐに実施できるのが魅力とも言える。ACL損傷が起こりやすいバスケットボール、ハンドボールなどの競技にとっては常備本として活用することができるのではないだろうか。
ACLだけでなく外傷で最も多いと言われている足関節靭帯損傷についての傷害予防トレーニングも記載しており、こちらも現場で導入しやすい内容になっている。現場で指導しているトレーナーや理学療法士にとってみてもこの予防トレーニングは、スポーツ傷害予防チームが自分たちで実施してきたものを効果があるか検証しているため、取り入れやすいのではないだろうか。
最後には競技現場でトレーナーとして介入する際に出てくる問題点や、ACL損傷予防プログラムを現場にどう落とし込んでいったかといった情報も記載しているため、同様な悩みや問題点を抱えている方々にこの本を読んでウォーミングアップやコンディションニングのツールとして導入していただければよいと思う。
(鈴木 健大)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2014-12-03)
タグ:予防 トレーニング ACL損傷
カテゴリ トレーニング
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すぐ役に立つ 脳と心の介護予防フィットネス
石井 千惠 小関 潤子 松浦 亜紀子 梅田 陽子
老いと死はいつかは受け入れなければなりません。それを知らぬ人はいないはずなのに、具体的に考えたり対策を立てている人ってごく少数のように見受けます。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といいますが、喉元に来る前にも熱さを認識していない人が多いのも事実。結局、自分がその事態に直面しないと意識できないというのが一般的なのでしょう。私も認知症になった母親の介護を初めて6年になりますが、本人はもとより家族の負担も少なくないのは承知しています。老いと死から逃れられないのは仕方のないこととしても、それに抗うことをあきらめてしまうのは別問題。どう抗ってもダメなケースもありますが、予防することで老化による問題を少しでも軽度にとどめられる場合もあるはずです。介護度がひとつ上がるだけでも本人や家族の負担は大きく変わります。
ある介護のセミナーを受けたとき、私が後期高齢者になる20年後には認知症の方が爆発的に増えるという予測を聞きました。本書にも同じ指摘がありますが、そのときの介護制度が決して見通しのいいものではないことは予感しています。
本書は介護予防の在り方をわかりやすく解説したものです。広がりつつある介護予防が現在どのような形で現場で行われているかの紹介から始まります。抽象的な話ではなく、実際に行われているそれぞれの現場の様子や体験談がいくつも紹介されていますので、正確に雰囲気が伝わってきます。認知症と老齢期のうつにテーマを絞っていますが、認知症やうつの知識についてもきちんと説明されています。
本編はやはりエクササイズ。目的別にプログラムが整理され、どういう目的でそれぞれの運動をするかきめの細かい解説が記されています。認知機能向上エクササイズ「e-エクササイズ」は必見。こういうところまで研究されているのかと驚きました。
その他にも介護に携わる方にとって必要な知識が満載。介護制度というのは予算の都合で頻繁に制度が変わります。将来的に介護予防にシフトされるとき本書の知識は役に立つでしょう。
基本的に介護職に従事されている方を対象に書かれたものだとお見受けしますが、願わくば介護職に就く方だけではなく、近い将来身近な問題になるであろう私たち50代や60代の人にも読んでいただきたいです。介護される立場になって慌てるよりも、先に手立てをしておきたいという方にも役立つ本だと思います。
(辻田 浩志)
出版元:誠文堂新光社
(掲載日:2016-05-12)
タグ:介護予防
カテゴリ 運動実践
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ケガをさせないエクササイズの科学 トレーニングから運動療法まで
西薗 秀嗣 加賀谷 善教
競技力の向上、もしくは健康な毎日を送るうえでトレーニングやエクササイズは欠かせない。トレーニング指導者には、運動を継続させるだけでなく、ケガをさせないという役割もある。
前半の基礎編では、トレーニングにもリハビリテーションにも共通する理論が網羅されている。後半の応用編では、負荷量を調節すればさまざまな対象に行えるエクササイズと科学的根拠を紹介。
もちろん現場で起こることは理論通りではないが、立ち返るべきベースとなってくれる一冊だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:大修館書店
(掲載日:2015-06-10)
タグ:障害予防 トレーニング リハビリテーション
カテゴリ スポーツ医科学
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すぐ役に立つ脳と心の介護予防フィットネス
石井 千惠 梅田 陽子 小関 潤子 松浦 亜紀子
運動器をメインに扱った前作に続き、脳と心にフォーカスした第2弾。まず1章で各地の介護予防教室、運動教室の現場を紹介。貴重なフィードバックである参加者の声も掲載されている。そして2章で認知症および高齢者のうつについてわかりやすく理論を整理したあと、3章にて具体的なエクササイズを写真つきで解説。
タイトルにある通り、明日からでも指導に取り入れられそうな内容であるとともに、これから中高年の方々と向き合う場合にも、どうプログラムを進めたらよいかイメージしやすいのではないだろうか。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:誠文堂新光社
(掲載日:2015-07-10)
タグ:介護予防
カテゴリ 運動実践
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寺門先生に学ぶ介護予防マニュアル
寺門塾門下生
2011年に亡くなる間際まで介護予防に尽力した寺門敬夫・脳外科医師が経験したこと、それを踏まえて講演などで語った内容をまとめた。マニュアルといっても一般的なものとはまったく異なる。老いとはどういうことかについて、生理学的な説明に加えて現場でのエピソードも添えられているため、リアルに迫ってくる。だが堅過ぎもしない。寺門氏自身が、以前のように技術をふるえないといった老化を味わったからだろう。
高齢者の身体、そして心とどう向き合うか──難しく考えず、ユーモアを持つのがコツだと、優しく語り掛けられるかのようだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:コムネット
(掲載日:2015-08-10)
タグ:介護予防
カテゴリ 指導
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スポーツ現場の傷害調査 ケガの予防につなげるための取り組み
砂川 憲彦
スポーツにケガはつきものです。ケガを恐れたぬるい練習では強くなりません。また、プロスポーツにおいて、ケガを恐れた中途半端なプレーで人を感動させることはできないでしょう。
だからといってケガをする状況を放置しておいてよいはずもありません。
無事これ名馬、との言葉どおり、優秀な選手はケガが少ないと言えます。しかし、ケガの原因を個人の資質のみに求めるのは無理があります。選手が安全に、安心できる環境があってこそ自身の限界に挑めるのであり、スポーツ選手に関わる人々は、そのような環境を常に構築、保持していかなければなりません。個人の感想ですが、選手が安全安心と感じる環境を提供できている現場はケガが少なく、たとえケガをしたとしても治癒が早い印象を持っています。
本書は、選手が安全に、安心を感じるための環境づくりの礎として、自分の関わる場においてどのような傷害がどのように起きているのかを、科学的に把握する方法を解説したものです。 他の解説書と一線を画すのは、著者の取り組みにおける悩みや、試行錯誤が語られており、これから傷害予防に関わろうとする者の心情に沿ったものになっている点であると言えます。
チームで起こっているケガを把握するための第一歩として最良の一冊であると言えます。
(永田 将行)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2018-05-17)
タグ:傷害調査 傷害予防
カテゴリ スポーツ医科学
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スポーツ医学を志す君たちへ
武藤 芳照
武藤氏の著書100冊目は、スポーツ医学に関わる、もしくは興味を持つ若手スタッフや学生へ向けたものとなった。武藤氏の45年にわたるあゆみを交えつつ、スポーツ医学がいかに面白く、また必要であるかを語っている。予防医学の重要性やコンプライアンス、学校スポーツや高齢者とスポーツについてはもちろん、舞台芸術や武道の医学にも頁を割いている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:南江堂
(掲載日:2021-10-10)
タグ:予防 舞台 武道
カテゴリ スポーツ医学
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スポーツ医学を志す君たちへ
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投球障害からの復帰と再受傷予防のために
牛島 詳力
MLBのトレーナーから中学硬式野球チームのコンディショニングコーチ兼アスレティックトレーナーまで務めたATCおよび柔道整復師の著者が、投球障害に限定し、受傷後にどのように復帰させていくか、また再受傷しないためにどのようなことが必要なのかを詳しく解説してある一冊。
鍼灸の臨床ではちょくちょく学生の投球障害をみることがあります。著者が述べているように、チーム所属のトレーナーなどではなく地域の治療家に多くが委ねられていますが、専門の教育がなされていない分、任せられるところがないとのことで、我々臨床家もこのくらいの知識は持ち合わせておくべきかと感じました。
治療法については医学書などに詳しく解説がありますが、復帰するまで各段階での評価や訓練方法、さらには再受傷予防という重要なポイントまでをとくに詳しく書かれているものはなかなか目にすることがありませんでした。地域医療を支えたいと考えている方に、こちらの本をお勧めします。
エクササイズの種類が豊富で、現場に密着した内容なので、さっそく実践していきたいと思いました。
(山口 玲奈)
出版元:ブックハウス・エイチディ
(掲載日:2022-03-17)
タグ:投球 野球 予防
カテゴリ スポーツ医科学
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