子どものメディカルフィットネス レジスタンストレーニングによる体ほぐしの運動
都竹 茂樹 梶岡 多恵子
レジスタンストレーニングが「体ほぐし」?「筋トレ」でしょ? 誰もがそう思うに違いない。私もその一人。
レジスタンストレーニングのポイントは、どれだけ重いウエイトを持ち上げるかではなく、刺激を与えたい筋肉にどれだけ意識を集中できるかという点にある。それが、体への気づきを促し、緊張とリラックスのコントロールを可能にし、深い呼吸は心身のリラックスを導く。そういう風にレジスタンストレーニングをとらえたことはなかったので、なるほどと納得。
ただ、少し疑問に思う点もある。果たして本当に、子供たちがレジスタンストレーニングによって体をほぐせるのか? ということである。紹介されている学習指導案と同じことを、私は指導できるだろうかと考えると、答えは「NO」である。
子どもたちは目に見えるはっきりとしたフィードバックを欲する。重さとか距離とか回数とかタイムとか、そういうものだ。
「どこの筋肉が硬くなってる?」と問いかけても、子供たちのからは「オレ20回やったよ」などという反応が返ってきそうな気がする。
子どもの興味を自分の身体へと向けさせることは、かなり困難だ(少なくとも私にとっては)。
しかし、子供たちにとって後々の大きな財産となるのは、重さでも距離でも回数でもタイムでもなく、あとがきにもあるように「自分の体と対話できる能力」だ。
それを磨くため、私も日々未熟ながらも、手を変え品を変え「気づき」を促しているつもりである。
「レジスタンストレーニングによる体ほぐし」という組み合わせは万人向けではないかもしれないが、思い切って試してみる価値はあると思う。
(尾原 陽介)
出版元:ぎょうせい
(掲載日:2012-10-14)
タグ:子ども フィットネス 体ほぐし トレーニング
カテゴリ 運動実践
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