その症状は天気のせいかもしれません 医師が教える気象病予防
福永 篤志
神経外科の専門医で気象予報士でもある著者が、科学的根拠にもとづいて天気と生体の関係について解説する。気象病、もしくは季節病の歴史は浅くないが、きちんと取り上げられることはなかなかなかった。第1部で気象用語を改めてさらい、第2部では日本人の死因上位に上げられる脳卒中と心臓病に着目。そして第3部にて、スポーツパフォーマンスも左右する腰痛や頭痛、インフルエンザなどの疾患・症状に気候がどのように影響するかを説く。
天気予報をヒントに対策すれば、悩みが改善されるかもしれない。もちろん運動時だけでなく、日常生活をより健やかにするためにも活用したい。また、巻末には忙しい医師の著者が難関の気象予報士試験をどのように突破したかの勉強法も紹介されており、参考になる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:医道の日本社
(掲載日:2016-01-10)
タグ:天気 気候 隊長 気象病
カテゴリ 身体
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天気痛を治せば頭痛、めまい、ストレスがなくなる
佐藤 純
天気の変化で痛みや気分障害が起こる病気を「天気痛」として、さまざまな対処法を紹介している。
古来より天気と人のからだの関連は指摘されてきた。東洋医学の古典にも記述があるし、この本によれば、ギリシャ時代にもあったとのことなので、洋の東西を問わず、昔から知られていた現象なのだろう。
天気が悪くなるとき、低気圧への変動がストレッサーとなって、交感神経が過剰反応するために起きてくる頭痛、めまい、古傷の痛みなどが天気痛の典型例だが、人によって症状は異なる。また、高気圧に変動する場合に症状が出る人もいるということなので、気圧の変動による自律神経の乱れというのが、本書でいう「天気痛」の病態だ。面白いのは、低気圧に変動するときに「躁状態」にスイッチが入る人もいるというところ。台風や時化などを見に行きたがる人はそちらのタイプらしいが、どうだろう。
天気は変えようがないが、できることはたくさんある。まず、自分の症状がどんなときに出るのかを把握するだけで、大きくストレスが軽減する。本書では「痛み日記」をつけたり、「頭痛〜る」というアプリを使った方法が紹介されている。他に、症状が出やすいタイミングで、漢方や酔い止め薬を服用したり、ツボ(手首にある内関、耳周りの完骨、頭竅陰、翳風、足の人差し指にある厲兌)を刺激する。刺激する方法は、爪楊枝の頭を使ったり、ホットのペットボトルに熱湯を入れ、熱さを感じるまで当てるなど。
あとは、頚部の筋緊張を軽減させるためにストレッチや、テニスボールを使った筋膜リリース、抵抗運動を使ったマッスルエナジーテクニックなど、普段、頸肩部への施術で行うようなことが紹介されている。痛みを記録し、自覚を促す点なども含め、切り口が違うだけで、痛みに対する手当てとしてやっていることは同じなのかもしれないと感じた。
(塩﨑 由規)
出版元:扶桑社
(掲載日:2022-05-12)
タグ:痛み 天気
カテゴリ その他
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