スポーツ子育て論 わが子の潜在力を開花させる
遠山 健太
著者は全日本フリースタイルスキーのモーグルチームにトレーナーとして強化を担当している。日本におけるトップ選手の育成やスポーツそのもののあり方をふまえて、子どもが育っていく環境をどのようにすべきかを示している。教育という観点、子どもを持つ父親としての観点も含まれている。
本書のメッセージは、最初から型にはめるのではなく、子どもと一緒に遊び、いろいろな動きをさせること。これが子どもの潜在的に持っているものを開花させるために重要であるというもの。話題は多岐に渡るが、指導者や親の立場で、判断に迷ったときに視点を提供してくれるだろう。トレーナーがどのような仕事をしているかについて、あるいは地域おこしという視点でスポーツと関連づけている部分もあって興味深い。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:アスキ-・メディアワ-クス
(掲載日:2012-10-10)
タグ:教育 ジュニア 成長 子育て
カテゴリ 指導
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東大フカシロ式 賢い脳をつくるスポーツ子育て術
深代 千之
子どもがスポーツを通じて得られる「脳力」をわかりやすくまとめた。まず1章では身体の基礎「脳」力を引き出すワークとして、おしり歩きやバランス崩しなどを紹介している。バイオメカニクスの第一人者である著者ならではの内容だ。2章以降のメンタルやコミュニケーションの「脳」力についても、スポーツ科学に基づいた簡潔な解説がなされている。
保護者向けに書かれてはいるが、子どもが悩んでいるときの対応を始め、口だけでなく一緒に努力・克服していく重要さは子どもとスポーツに関わる大人全てに共通する。気づきの多い一冊と言える。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:誠文堂新光社
(掲載日:2013-10-10)
タグ:子育て 発育発達 教育
カテゴリ 運動実践
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自分で考えて決められる賢い子供 究極の育て方
サカイク
本書の著者「サカイク」は、「サッカーと教育」をテーマにしたジュニアサッカーの保護者向けメディアです。2010年12月に創刊され、「自分で考えるサッカーを子供たちに」をスローガンに、ウェブサイトやフリーマガジンでの情報発信のほか、子供たちやその親と直に触れ合う合宿形式のキャンプの開催といった活動を行なっています。
本書の中心になっているのが「ライフスキル」という能力で、WHO(世界保健機関)が各国の学校の教育過程への導入を提案している考え方です(本文より)。このライフスキルとして定義されている能力の中から、子供たちがこれからの「不確実な時代」を生き抜くことに寄与する5つの力を、サッカーを通じて身につけることが本書のテーマとなっています。その5つの力とは「考える力」「チャレンジする力」「コミュニケーション力」「リーダーシップ力」「感謝する力」です。
それぞれの力をサッカーの中や、あるいはフィールドを離れた場所での子供と親との関わりの中でどのように身につけていくのか、そのプロセスやプログラムは本書に詳しく書かれています。サッカーに限らず、スポーツをしている子供に対する向き合い方に悩む親にとって、きっと参考になることでしょう。
ラグビーワールドカップ、そして東京オリンピック、パラリンピックと続く今、スポーツの持つ力に対する注目はかつてないほど高まっています。しかし同時に、指導者のパワハラや体罰などの負の面がこれだけクローズアップされている時代もなかったのではないでしょうか。そんな時代に、子供がスポーツに取り組むことの意義を明快に述べた本書が発行されたことは、大きな意味があります。
しかし一つご注意を。「おわりに」の項にも書かれていますが、本書を読んで「サッカーは教育にいいらしいから習わせてみよう」と考えてしまうことも誤りだということです。サッカーはあくまでも子供たち自身が楽しんで取り組むものであり、そこにこそ自発的な学びが生まれること、それを忘れないようにしたいものです。
(橘 肇)
出版元:KADOKAWA
(掲載日:2019-11-12)
タグ:ライフスキル サッカー 子育て
カテゴリ 指導
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