格闘筋進化論
澤木 一貴
本書で紹介されるのは、複合関節運動であり、競技に活用できる効率的な動きである。コアを基本とし、ファンクショナルトレーニングやプライオメトリックトレーニングへと発展させていく。
アンバランスに耐えながらのデッドリフト、回転しながらピラーを崩さない、というように、各エクササイズの狙いや意識すべきポイントが最初に出ていて、その下に具体的な種目名が表示されるという形で統一されているのが特徴。写真を多く使って、よい例や悪い例、バリエーション例が示されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2012-10-10)
タグ:格闘技 トレーニング
カテゴリ トレーニング
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日本人が知らない体幹の使い方
山田 英司 チャモアペット・ハーパラン
本書はムエタイの身体の使い方から技の説明をしたものである。ムエタイ9冠王のチャモアペット・ハーパラン氏をモデルとした写真、DVDで動きの解説も見て理解できる内容である。最近の若い世代で日本人とタイ人では体型の違いによるということはなくなってきており、身体の使い方が文化によって異なることがムエタイを習得させにくくしているようだ。
我々日本人のほとんどの武術において、丹田を落とし下半身を安定させることが要とされているが、ムエタイは高い胸部に重心を置いて動作を行う。また日本の武術では上半身の脱力を重要視するのに対し、ムエタイでは構えから両肩を上げ、胸を丸め、上半身は極度の緊張を保ち、下半身はインパクトの瞬間以外は脱力する。日本の武術とあらゆる点で正反対なところが面白い。
ムエタイはとてもシンプルなところにも驚く。日本人はコンビネーションやフェイントテクニックなど豊富にもっていてもなかなかかなわないようだ。ムエタイは反応の格闘技といい、自分で身体をコントロールする、主にカウンターを狙う、蹴れる場所を蹴る、受け技の数を絞る、バランスを保つ…これが原理である。
体幹の使い方として、丹田中心の動作を胸部に重心を置くことを受け入れ、バランスが取れる身体になるとよさそうだ。伸長力・捻縮力という著者の言葉は、スポーツ全般で使われている身体動作のような気もする。ムエタイをやり始めたが身体の使い方が理解できない方や、それ以外でも武術の上達を考えている方に役立ちそうだ。
(安本 啓剛)
出版元:東邦出版
(掲載日:2013-01-30)
タグ:体幹 格闘技
カテゴリ トレーニング
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ジュニア格闘技・武道「安心安全」強化書
二重作 拓也
ドクターでカラテの段位も持つ著者。自身も8歳からカラテを続け、指導にも当たる中で、またドクターとして親として子どもと接する中で見えてきた、ジュニア世代が安全に健やかに強くなるためのポイントをまとめた一冊だ。前半は11歳、12〜14歳、15〜18歳と年代ごとの発達系統に合わせた武道のトレーニングを紹介。後半では、脳震盪や心臓震盪の予防について言及している。そして締めくくりに「一流アスリートに導く10の視点」として、保護者、そして指導者の心構えについても触れている。武道に限らずさまざまなスポーツの現場、指導の現場に応用できるものだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:東邦出版
(掲載日:2013-03-10)
タグ:子ども 格闘技
カテゴリ スポーツ医科学
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最強パンチ理論 身体運用編
三宅 満
本書は大きくわけると三部構成になっている。はじめに、基本理論編として、身体を動かす際に生じる重心移動、地面反力、反射といった、物理的な動きについてパンチ動作を例に述べられている。次に、格闘技の動きを、構え、ステップ、パンチ動作、ディフェンスといった動作で区分して、身体の動かし方という視点で解説されている。身体の動かし方とは、関節の動かし方のことである。動きの中で関節をうまく動かすためには、重心移動や反射を有効に使うことが大切である。腕を動かすための下半身の動きといった、1つの動作を身体全体からどのように使えばよいかといった視点で書かれている。最後に、トレーニング編として、よく行われているストレッチングや筋力トレーニングを格闘技につなげるための考え方が述べられている。
著者である三宅満氏は、現役ボクサーとして活躍した後、柔道整復師、NSCAパーソナルトレーナーといった資格を取得している。そのバックボーンを活かして、これまで経験的に伝えられてきた格闘技の動きを、解剖学やスポーツバイオメカニクスといった視点での理解を深め、書かれている。最近、さまざまなスポーツ種目において出版されている、競技動作を身体の動きから考えた動きづくりの本と同様である。今まで伝えられてきた業界内やジム内の常識が、身体動作の視点でみたときに、理にかなった動きなのかどうかを考えている本である。
(服部 哲也)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2013-04-02)
タグ:格闘技 パンチ
カテゴリ 身体
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最強パンチ理論 身体運用編
三宅 満
私の中でいろいろな講習会などでいつも考え立ち止まるのは、対人競技でもその動作やトレーニングはつながっているのだろうかということだ。その点でこの本は私の中のモヤモヤ感を晴らしてくれるものになった。
ましてや格闘技は接近して接触プラスダメージを与えるという種目であるがゆえに「無駄な動作を省く」、なおかつ「地面反力を使う」など理論的にも細かく説明している点で非常にわかりやすい。
さらにストレッチなども姿勢のポイントは丁寧に書かれており、ストレッチポールを使ってのエクササイズも記載されている点は著者の興味の幅広さを知ることができる。対人競技で身体運用のポイントが整理しにくい方はぜひご覧いただきたい。
(河田 大輔)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2013-09-03)
タグ:格闘技 パンチ
カテゴリ 指導
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幻の大山道場の組手 かつて地上最強の空手は実在した
渡邊 一久 フルコム
本書は空手の話と写真つきの組手の説明、対談から構成されている。
著者の空手人生は現在のようなスポーツとして認められている空手の内容ではなく、いわばクレイジーなものであり、精神論というより生きるか死ぬかの戦いを行った武勇伝が数多く記されている。
現在の極真空手の創始者である大山倍達総裁が大山道場で指導していた時代に著者が入門してから指導員になるまで、また大山氏が亡くなったあとその技術を伝承空手として継承していく話。護身術としても行き過ぎている気がして、なかなか平和な現代社会では素直に受け止められないような喧嘩っぽい内容である。
組手の技術は写真が載っていて、身体で覚えさせられたものを何とか後世に伝えようとする著者の気持ちが伝わる。解説つきだがなかなか難しい、道場に通わず本書を読んで実践してみてできたらいいが、本当に実践した場合、危険な内容に思える…。
伝承技術が廃れ、時代の変化と共に時代に合ったものが認められる中、この危険な「けんか空手」を伝えていくことのよさは私にはわからないが、こういう伝承技術があったと知ってもらうことは大切だと思う。
(安本 啓剛)
出版元:東邦出版
(掲載日:2013-11-15)
タグ:空手 格闘技
カテゴリ 指導
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格闘技「奥義」の科学
吉福 康郎
私は今、ボクサーのトレーニング指導をさせてもらっています。「いかに効率よく相手にダメージを与えられるか?」ボクシングという複雑な競技特性を踏まえ、身体づくりを行っています。
「思いっきり殴ればいいやん!」以前、言われたことがあります。相手が止まっていて、反撃してこないのであれば可能でしょう。しかし、現実は相手も攻撃をしてきますし、こちからの攻撃に対して防御をしてきます。当然こちらも相手の攻撃に対し、防御をしないといけません。まさに攻防一体です。
本書はボクシングだけでなく、格闘技の要素、殴る、蹴る、投げる、受けなど幅広い要素を科学的な目でみた内容が書かれています。派手なデモンストレーションの裏ワザ的なことも…。バイオメカニクスの部分と合わせて書かれていますので、より効率的な動きづくりを考えていく上で内容の濃い一冊になっています。
(大洞 裕和)
出版元:講談社
(掲載日:2014-03-18)
タグ:格闘技 バイオメカニクス
カテゴリ 運動実践
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ジュニア格闘技・武道「安心安全」強化書
二重作 拓也
格闘技のみならず、スポーツの指導において最優先されるべき「安全」。とくにジュニア世代の指導は「身体」「心」ともに変化が大きく、また早く、大人が予測しないようなケガや事故が起こってきます。とくに、格闘技の特性である相手にダメージを与えるということを考えればなおさら危険度は高くなってきます。
では、どうすれば「安全」に思いっきり格闘技を楽しめるようにしてあげられるのか? それには、まずそれぞれの年代における身体の特徴を理解できているかということ。また、格闘技の基本となる動きとトレーニング方法を知って、伝えられるということ。そして、もしケガしてしまったとき、素早く対応することができるかということです。
本書は格闘技に深く関わっておられるスポーツドクターの目線からジュニア世代の特徴、基本動作とトレーニング方法、いざというときの対応方法が書かれています。私自身もいろいろな種目の子ども(ジュニア世代)と関わらせてもらっていますが、基本、基礎と言われるものがおろそかにされている印象が強くあります。より安全で、もっともっと格闘技、スポーツを楽しめるようにサポートをしてくれる1冊です。
(大洞 裕和)
出版元:東邦出版
(掲載日:2014-05-12)
タグ:格闘技 スポーツセーフティ
カテゴリ トレーニング
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テコンドーに関してはこの本が最高峰
黄 秀一 フル・コム
テコンドーに関しての書物を他に読んだことがないのでタイトルの“この本が最高峰”というところはわからないが、構えから基本の蹴り、ステップワークなどすべて写真つきの説明があり、さらにDVDまでついているので知らない人でも見て習得できる内容である。
テコンドーの魅力はダイナミックでスピーディー、ときにはアクロバティックで華麗な蹴り技で戦うイメージだが、やはりしっかりとした基礎があってそれをしっかり習得できれば動作を積み上げていくことで高いレベルのテコンドーができることがわかる。どんな華麗な技でもしっかりとした軸が必要で、強い蹴りにはテコンドーの基礎“反動力”を使用し、細かいステップワークを組み合わせることでいろいろな戦略を立てられる。また、マッソギという組手から勝利のセオリーまで戦い方をイメージできるところまで記載されているので確かにこの1冊を読み、実践できればテコンドーになりそうだ。
テコンドーの技には柔軟性が必要そうだが、しっかりテコンドーストレッチのことも書いてあり、本書を読み独学でテコンドーをやる人への配慮もうかがえる。最後に14ページにわたる全国のテコンドー道場の連絡先も記載されているので、本書を読みテコンドーをしたくなったときのフォローも万全だ。
(安本 啓剛)
出版元:東邦出版
(掲載日:2014-09-08)
タグ:格闘技 テコンドー
カテゴリ 運動実践
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最強パンチ理論 身体運用編
三宅 満
強いパンチを効率よく打つにはどう身体を使えばよいかを、バイオメカニクスをはじめとしたスポーツ科学にもとづいて解説している。どのスポーツにも共通する、パワーポジションなどの基本を、格闘技の動きにも取り入れようというものだ。元ボクサーの著者がモデルとなった写真も豊富に用いられており、身体運用、格闘技のわかりやすい入門書となっている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:スタジオタッククリエイティブ
(掲載日:2012-05-10)
タグ:格闘技
カテゴリ 運動実践
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2ギア理論 強い人の『身体操作』の秘密
湊谷 秀文
空手の正道会館師範である湊谷氏が、打撃格闘技における身体操作のコツを「M式打撃術」としてまとめた。その中核となるのが「2ギア理論」で、2つの歯車(ギア)がショルダー、ヒップ、両サイド、そして身体の中心をクロスするように存在するとイメージして、パンチやキック、さらにはスポーツ全般の動きを行うというものだ。
この理論はスポーツ力学とは関係がないと著者自身も断りを入れており、まさに独自の指導法と言えるが、効率的な動きを「イメージ」を使って伝える際の、1つの参考になるのではないだろうか。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:東邦出版
(掲載日:2012-06-10)
タグ:格闘技
カテゴリ 運動実践
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新格闘教書 クロスオーバー・トレーニング 王者10人から学ぶ理論と実践
小山 郁
自らも格闘家であるスポーツドクターの小山郁氏の著書。空手、柔道、テコンドー、レスリング、ボクシング……と、その道の“王者”10人に学んだ理論と実践。専門格闘技だけでなく、他からもトレーニングを吸収していこうとするクロスオーバートレーニングの発想を、著者はこの中で強調している。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:三天書房
(掲載日:2000-12-10)
タグ:トレーニング 格闘技
カテゴリ トレーニング
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アスリートファイター読本 新世紀格闘技BOOK
坂詰 真二
シュートボクシングのトレーナーでもある著者が、すべての打撃系格闘技に使えるトレーニングやコンディショニングを「体調面」「体力面」「技術面」「心理面」に整理し、読本としてまとめた。また、技術面がある第3章を映像化したビデオ「アスリートファイター」もある。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:福昌堂
(掲載日:2001-05-10)
タグ:格闘技
カテゴリ トレーニング
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Dr. Fの格闘技医学
二重作 拓也
自らも空手や柔道を経験し、多くの格闘技選手をみてきた著者が、格闘技ならではの運動学、KOの仕組みを医学的側面から解説した。さらに選手生命を守るべく、格闘技選手に多いケガや慢性障害を取り上げ、予防についてもまとめた。「格闘技」は人を倒すもの、「医学」は人を治すものという正反対のイメージがあるが、どちらも人を知り人を強くするためのものだと著書は言う。それがケガで阻まれないように、またケガこそが強さの証明という風潮を覆すべく、取り組みは続く。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:秀和システム
(掲載日:2017-01-10)
タグ:格闘技
カテゴリ スポーツ医学
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