からだのメソッド
矢田部 英正
元体操選手で、椅子やカトラリーも製作、からだと動き、からだと道具の関係について詳しい。茶道も嗜み、服飾にも通じる。大学で立ち方や歩き方など、立居振舞いの授業も担当している著者。その幅広い活動から、「からだのメソッド」というわかりやすい本が生まれた。
全体は、立ち方の基礎、歩き方の基礎、坐り方の基礎、食作法の基礎、呼吸法の基礎と基礎編が5つ続き、大学での実習レポート、そして最後に身体と運動の論理でまとめられている。
本書を読み終えての一番の感想は、「優れて実践的」ということである。「姿勢をよくする」と言われると、多くの人はできればそうしたいと思う。では、どうすればよいか。たとえば、背骨の上に頭を乗せようとする。それだけで姿勢は変わる。
「成るはよし、為そうとするは悪し」。著者は、日本の禅での表現を紹介しているが、そのあと「からだの扱い」について、「意識して姿勢を整えようとするのではなく、「おのずから整う」心持ちが大事だということです」と記している。 以上は、本書で述べられている「メソッド」のほんの一端でしかない。やさしく書かれているが、その実践と追求のため、長く愛読書になると思う。
2009年5月26日刊
(清家 輝文)
出版元:バジリコ
(掲載日:2012-10-13)
タグ:立ち方 歩き方 呼吸
カテゴリ 身体
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