患者指導のための水と健康ハンドブック 科学的な飲水から水中運動まで
武藤 芳照 水と健康医学研究会
日常生活の中でも密接な関係にある、水と身体を関連づけて述べた本である。
私がとくに有益だと感じた部分は、MRIの画像種類の違い、水と脳梗塞や心筋梗塞との関連、ミネラルウォーターの区別などである。Q&A方式での内容となっているため理解もしやすいことが読みやすさにつながっている。
様々なドクターが執筆されているので文面もバラエティに富み、そういう部分でも楽しめた。トレーナーの方々でも水に関わる業務があるのなら、読んでおいて損はない。
(河田 大輔)
出版元:日本医事新報社
(掲載日:2013-01-28)
タグ:水分補給 熱中症
カテゴリ スポーツ医科学
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40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか 体温の科学から学ぶ猛暑のサバイバル術
永島 計
「体温ってなんですか?」と聞かれて、あなたは自信を持って答えることができるだろうか?
スポーツ選手の脱水によるパフォーマンス低下から、高齢者に起こる室内での熱中症まで、暑熱環境が人体に与える環境は大きい。この暑さへの対抗策はなにがあるだろうか。本書の結論を先に申し上げると、対抗策は水分補給が最も有効かつ効率的である。
なんだ当たり前じゃないか、と思われるだろう。しかし、この当たり前がきっちりとできていないことは、毎年の熱中症のニュースを見れば明らかであろう(熱中症による救急搬送は2019年8月だけで3万6千人である)。水を飲む、という行為は至極簡単なはずなのに。つまり、重要なのはなぜ適切な水分補給ができていないか、どうすればできるようになるかである。
本書はこの結論に至るまでに、体温とは何か、気温はどのように体温に影響を与えるか、身体に備わっている温度センサーには何があるか、それが正常に機能しなくなるのはどんなときか、またもちろん水分補給以外の体温を下げる手段についても解説している。
非常に興味深かったのは、脱水と体温上昇により、人は「寒く感じる」ということだ。暑さによる影響を受け始めたタイミングで、人体に備わっている温度センサーは容易に狂い始める。余談だがこれは寒冷環境でも同じようで、人は低温環境に一定時間さらされると「暑く感じ」、「服を脱ぎ始める」という矛盾した行動をとるという研究がある。雪山で遭難し凍死した人の遺体は、裸に近い服装で発見されることが多いそうだ。
話を戻して、水を飲む、という簡単な行為でも、個人レベルでのコントロールは難しい。トレーナーや指導者側による管理が必須だ。
コロナウイルスによる自粛もピークは過ぎ、徐々に日常へ戻ろうとしている。スポーツ活動も再開していこうという中、安全なスポーツ活動再開のために暑さ対策について本書で学んでいただけたらと思う。
(川浪 洋平)
出版元:化学同人
(掲載日:2020-05-23)
タグ:体温 熱中症
カテゴリ スポーツ医科学
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高温環境とスポーツ・運動 熱中症の発生と予防対策
森本 武利 中井 誠一 寄本 明 芳田 哲也
熱中症に関する研究成果がコンパクトにまとめられている一冊。高温環境と生体機能、運動衛生に関して、生理学的な見地から解説が加えられ、熱中症に関しては歴史および分類から予防対策まで述べられている。どういった条件下で熱中症が起こるか、また多種目にわたるスポーツにおける研究もレビューされ、豊富なグラフ・図表とともに理解を深めることができる。
高温環境下での運動時に起こる脱水によって体温調節や運動能力にどのような影響があるかを検討したり、ユニフォームや防具による体温上昇がどの程度あるかについてまとめられており、興味深い。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:篠原出版新社
(掲載日:2008-10-10)
タグ:暑熱環境 熱中症
カテゴリ スポーツ医科学
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