生活習慣病を防ぐ七つの秘訣
田上 幹樹
生活習慣病の予防・改善は簡単である。生活習慣を改めればよい。では、なぜ問題になるか。生活習慣を改めるのはとても困難だから。
たいていの人は、何がからだに悪いかだいたいわかっている。食べすぎ、運動不足、喫煙、度の過ぎた飲酒、睡眠不足などなど。生活習慣病は自覚症状がないまま進行するので、気がついたときは「大変!」な状態で、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病という「死の四重奏」が代表例である。だが、多くの人は「よい習慣」も実は知っている。その逆だからである。
この本は、その「わかっちゃいるけどやめられない」状態からどう抜け出すかを、脅すでもなく、諭すでもなく、多くの症例と、著者の病院でとったアンケートの結果を示しつつ、「あ、みんなそうなのか、そうすればいいのか」とすんなりわからせてくれる。そこがすごい。
本書によれば、1975年から25年を経た現在、牛肉の輸入量は10倍、豚肉が4倍強、鶏肉は20倍になっている。また、高血圧患者3000万人、うち治療を受けているのは750万人(25%)、同様に糖尿病は1400万人に対して218万人(約15%)、高脂血症患者2700万人に対して500万人(約20%)とのこと。
もちろん運動についての章もあるが、この本1冊を読むと相当勉強になる。700円では安い買物です。
新書判 222頁 2001年9月20日刊 700 円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:筑摩書房
(掲載日:2012-10-03)
タグ:生活習慣病
カテゴリ 医学
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人生改造 生活習慣病を防ぐ本
日野原 重明
著者は、今話題の人、『生き方上手』という本を著した聖路加国際病院理事長である。
この本を読んで初めて知ったが、「生活習慣病」という言葉について、著者は四半世紀も前に、「大人の慢性に経過する疾患」をそう呼ぶべきだと主張してきたという。「その理由は、大人の慢性病の多くは若い時からの生活習慣の誤りによってつくられるということを、健康である人にも理解してもらい、生活習慣病をどのように予防し、健康に対しどう責任を持つのかを、社会一般の人々に認識してもらいたかったからです」
従って、本書で述べられていることは、医学的なことばかりではない。「私の習慣論では、友達の持ち方、医師の選択の仕方も習慣によるものであり、良き選択習慣をつけることによって人生はさらに豊かになると思っています」と記されているように、食べる習慣、睡眠の習慣、運動の習慣のほか、考える習慣や医師の問診の受け方なども含まれている。
「人生のすべては、努力して体得した習慣の産物だと思います」と言い、「自分をデザインする」というキーフレーズも登場する。すぐに読めるし、何度でも読める本である。
(清家 輝文)
出版元:幻冬舎
(掲載日:2003-03-15)
タグ:生活習慣病
カテゴリ 医学
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カンタンだから続けられる! 内臓脂肪ダイエット
岡部 正
副題は「生活習慣病を予防する!」。表題ではダイエットという言葉が使われているが、この本の主旨は生活習慣の改善。「こうすれば痩せる」と主張する多くのダイエット本とは異なり、「こうすれば、結果として痩せる」という視点で、生活習慣病を引き起こす内臓脂肪がつく原因を挙げ、その解決法を説いている。肥満・糖尿病専門医、岡部クリニック院長の岡部正氏が監修している。
第3章「内臓脂肪を減らす食習慣アドバイス」では、食習慣、仕事別に内臓脂肪が溜まる要因を説明し、何をすべきかアドバイスしている。この章で示された6つの食習慣と5つの仕事のタイプは、肥満に悩む人、あるいは肥満ではないと信じている人でも1つは当てはまるものがあるはずである。「かくれ肥満度チェック」の項目もあるので、こちらも参考にするとよいだろう。
本書では、「体重ではなく脂肪を落とす」「無理をして痩せようとしない」という2点が繰り返し強調され、簡単にできるストレッチやトレーニング方法、内臓脂肪がつきやすいメニュー&つきにくいメニューなど、運動・栄養についても言及している。
付録として、記録可能な食事日記・体重グラフ、全国版肥満外来・糖尿病外来・成人病予防外来のある病院リストもついており、各々の肥満状況に合わせて対策を練ることができる。痩せようと考えている人の背中を一押ししてくれる本。
(長谷川 智憲)
出版元:昭文社
(掲載日:2012-10-09)
タグ:食事 生活習慣病
カテゴリ 食
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健康・運動の科学 介護と生活習慣病予防のための運動処方
田口 貞善 小野寺 孝一 山崎 先也 村田 伸 中澤 公孝
サブタイトルにある介護の部分では、我が国が取り組んでいる介護予防の事業についてもわかりやすく詳しく記載されている。私はこの事業にも関わっていたが、運動指導を生業とする方にとっても、今後この事業が身近に感じられる領域であることは間違いないと言っても過言ではないだろう。
また実践的な視点からでは、著者らが研究結果から効果的な運動を紹介されている。私にとっては目新しい運動が数多く、またわかりやすく記載されており、新たな引き出しが増えて勉強になった部分である。
(河田 大輔)
出版元:講談社
(掲載日:2014-04-16)
タグ:運動処方 生活習慣病 健康科学
カテゴリ トレーニング
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運動しても自己流が一番危ない 正しい「抗ロコモ」習慣のすすめ
曽我 武史
ロコモティブシンドロームの予防ということで運動指導をしているトレーナーは数多くいる。しかし、それ以上にロコモティブシンドロームや、その予備軍となる方は多いであろう。そうなると運動指導者と巡り会えずに自己流でのトレーニングとなる方は少なくない。自分1人で運動をすることが悪いのではなく、やみくもに身体を動かしているだけで筋肉を機能的に使えておらず、筋力が低下していく「運動をしている“つもり”」が危険だということだ。
本書ではその“つもり”がないように、運動のコツをわかりやすく3つ紹介してくれる。また、ロコモ予備軍のチェック法からトレーニングまで簡潔に書き記されている。運動を推奨する書籍であれば、筋トレのバリエーションを豊富に取り上げそうだが、本書は違う。シンプルなトレーニングを効果的に取り組むことを伝えようとしていることがわかる。同時に日常生活にも目を向け、何に注意するかも理解できる。
一方、トレーナーとして拝読した私にとっては、初心を思い出させて頂いた一冊となった。本書に書かれている内容はトレーナーがクライアントに伝える基礎の部分であった。
トレーナーが一読してクライアントに伝えてもよし。運動をしよう、している人が読んでもよし。本書が読まれ、日本の健康寿命が伸びる1つのきっかけとなってほしい。
(橋本 紘希)
出版元:講談社
(掲載日:2014-10-15)
タグ:トレーニング 生活習慣 運動指導 ロコモティブシンドローム
カテゴリ 運動実践
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