スポーツ計時 1000分の1秒物語
森 彰英
著者はフリージャーナリスト。スポーツ計時一つに、ここまでの物語があるとは正直驚いた。本書は「陸上競技と計時機器の歴史」「ストップウォッチの開発」「アルペンスキーの時間との戦い」「現代の計時システムをサポートする裏方」などについて書かれているが、アスリートの記録とともに計時機器が進化してきたというよりも、計時システムの進化がアスリートの記録に影響し、進化させてきたという視点でそれらを紹介している。
また、計時システム以外のシューズや水着、スキー板といったアイテムがアスリートの記録を支えている事実や、競泳を変えた最先端のスポーツ科学についても書かれている。
もちろん記録を樹立するアスリート自身の努力が最も賞賛されるべきであるが、それらに裏方が存在しサポートしていることも忘れてはいけないと思う。とくにコーチやトレーナーは計時システムをしっかりと理解することで、よりアスリートのパフォーマンス(記録)に反映される指導ができるだろうし、医療関係者はアイテムがどのように記録に影響を与えるかを知ることで、アスリートを記録的にも医療的にもサポートすることができるはずである。
(宮崎 喬平)
出版元:講談社
(掲載日:2012-01-18)
タグ:記録 用具 サポート ノンフィクション
カテゴリ 人生
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スポーツの記録 陸上水泳男女72種目
前田 新生
“スポーツは筋書きのないドラマ”とはよくいわれることだが、そのドラマを構成する大きな要素が、“記録”だということができるだろう。もっといえば、過去から現在までのスポーツの記録の流れをみていくことは、それ自体で1つの歴史ドラマとなっているともいえるだろう。
本書はしかも単に記録を集めるだけではなく、各競技の簡単な歴史も解説してあり、記録にまつわるエピソードも多く紹介されている。また、そうした記録をもとにして、各種のデータも提供して興味深い。たとえば、走り高跳びのところでは、“原始フォーム時代”“はさみ跳び時代”“ロール・オーバー時代”“ベリー・ロール時代”“背面跳び時代”とフォームの歴史が説明され、さらに選手が頭上何cmを跳んでいたかの歴史も述べてあり、非常に面白い。投てきでは、体重1kg当たりどれだけ投げているかといったデータもある。
スポーツはまず自分でやる楽しさ、そして実際の競技を観る楽しさが第一だろうが、本書のような記録の面からスポーツをみていくことも、その楽しみをさらに深いものにしてくれることだろう。
ジュニア新書として子ども向けに書かれたものだが、大人が読んでも十分に楽しく、資料としても役立つ書である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:岩波書店
(掲載日:1983-10-10)
タグ:記録
カテゴリ その他
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スポーツ・イヤーブック ウィナーズ2000
冒頭、ウィナーズ編集長は「どんな本かと問われれば、『暇をつぶすための本』とあえて答えたい」と控えめに述べているが、スポーツ版「現代用語の基礎知識」「知恵蔵」、もっと言えばスポーツ界のアーカイブスは、スポーツ・インフォマニアたちの必需品だ。ところで、2001年には『ウィナーズ2001』が出るそうだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:新潮社
(掲載日:2000-07-10)
タグ:記録
カテゴリ その他
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