養生の実技
五木 寛之
作家として言わずと知れた五木寛之氏が50年間行ってきた身体養生の方法を綴った本である。
病気はなおらない、そして自らの感覚が大事であると考える五木氏。自分が身体によいと思うことを行い、よくないと思えば一般的な治療法であっても行わない。身体にメスを入れるなんてとんでもない話なのである。
身体の症状は何らかのサインなのだ。身体に症状がでるのには生理的、物理的な原因と同時に心理的な原因が影響していると考えられている。身体はサインを出して変調を知らせてくれているのである。何らかのサインを感じたら、それを叩きのめす(治療)のではなく、身体と向き合い生活習慣やストレスなどを考え直したり、うまく対応する(養生)ことが必要なのではないかということである。
現代の生活でストレスを避けることは難しい。自らの身体とそして身体がさらされている環境とうまくつきあいながら生き方を見つけて実践していくことが大切なのだという印象が強く残った一冊であった。
(大槻 清馨)
出版元:角川書店
(掲載日:2012-01-18)
タグ:身体養生
カテゴリ 人生
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