運動とスポーツの生理学
北川 薫
体育・スポーツ・健康科学テキストブックシリーズと題されたその第1巻。
この分野では著名な市村氏という編集者が自ら興した出版社の最初の書でもある。本文は97頁で、比較的「薄い」本であるが、この薄さが逆によい。
運動生理学の本は「3頁読むうちに眠くなる」と言った人がいるが、大事な分野を面白く、要点をわかりやすく解説する本は稀であるのも事実。
運動生理学と解剖・機能解剖は不可欠であるのに、入門者用の好書が少ない。その意味で、この本はコンパクトに基礎がまとめられていて好感が寄せられる。どんな本も読まれなければ意味がない。少しずつでも、また必要に応じて読むため、そばに置いておきたい本である。
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:市村出版
(掲載日:2001-11-24)
タグ:運動生理学 入門
カテゴリ 運動生理学
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動作の意味論 歩きながら考える
長崎 浩
動作に関わる本である。しかし、普通の運動生理学や医学の本というより、哲学的な視点から人間の動作を理解するための本という感じである。正直に言うと、内容や文章で用いられている語句は難しい。私見ではあるが、自分が身体を動かすときにはこんなことを考えて動く必要はないideaばかりなので、アスリート自身が読むような本ではない。どちらかというと、身体運動を研究したり分析したりする必要のある、運動指導者や医療関係者が読むための書籍である。
具体的には、神経系と運動器系がどのように人間の運動・動作・行動を成しているのかについて、エビデンスを用いたり、過去の著名な研究者の文献などを引用しながら広く書かれている。ただ、初めに言ったとおり、哲学的な内容になっているため、普通の身体に関する本として読むと理解に苦しむ部分がある。運動生理学や医学的な知識を得るためではなく、もっと根本の「動作とは何か」という部分で見識を広めるために読むとよいと思われる。
個人としては、第7章の「脳は筋肉のことなど知らない」と第8章の「日常動作が壊れるとき」が興味を引いた。普段、医学的知識を得ることが常の私にとって、「中枢神経系が筋肉のことを知らない」という観点は非常に独特であったし、8章に登場するブルンストロームやボバースの評価と治療についての内容はとても勉強になった。
時間を見つけ、何度も何度も読んで理解を深めるのもよし、自分の興味のある章のみを読むのもよしの作品となっている。
(宮崎 喬平)
出版元:雲母書房
(掲載日:2011-12-13)
タグ:運動 哲学 運動生理学
カテゴリ 人生
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筋肉メカニクスとトレーニング技術
エバレット アーバーグ 加藤 清忠 岡田 純一 長谷川 伸 渡辺 英次 寺田 佳代
本書はタイトルの通り、普通のトレーニングのみが書かれている本ではなく、解剖学的構造と関節の動き、効果的なエクササイズ選択法、適切なトレーニング技術、プログラムデザインなどが記載されており、トレーニングを始める前にできれば知っておきたい知識が書かれている。
今までのトレーニング本とは一味違い、コアについての解剖や説明があり、メインのトレーニングに関してもすべての種目でスタビライゼーションと呼吸法についての表記がある。トレーニング時の図に関しても筋肉が透けて見えるような図でリアリティがあり、どの部分を使っているのかが非常にイメージがしやすい。
全体を通して専門的な言葉が多いが、トレーニング従事者には問題なく理解できるであろう。トレーニーにとっては少し難しいが、読めば身体についての理解が深まり、より効果的なトレーニングができること間違いなしである。
(三嶽 大輔)
出版元:西村書店
(掲載日:2012-01-18)
タグ:アスレティックトレーニング 筋 運動生理学
カテゴリ アスレティックトレーニング
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運動の生理学 新版
P.V.カルポビッチ W.E.シニング 石河 利寛
この書は、運動生理学の分野では権威があり、最初に訳本が出されてから17年が過ぎているが、1976年に新版として、内容が新しくなった。
記述も膨大で、索引も参考文献も完備されていて、運動生理学を学ぼうとする人には使いやすい。ただし、この書を読むには、カルポビッチ、シニング両博士の序文にもあるとおり、基礎生理学の知識があったほうがよい。体育を専攻する学生だけでなく、トレーニングを考える人すべてに、一度は目を通し、疑問が生じたときの参考書として使っていただきたい書である。
P.V.カルポビッチ、W.E.シニング共著、石河利寛訳
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ベ-スボ-ル・マガジン社
(掲載日:1979-10-10)
タグ:運動生理学
カテゴリ スポーツ医科学
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勝ちにいくスポーツ生理学 運動生理学の基礎からトレーニングの落とし穴までを解説
根本 勇
スポーツ生理学に似た言葉に運動生理学がある。どうして「勝ちにいく運動生理学」にしなかったのか? と疑問を抱きたくなるが、それは読むと納得できる。スポーツ現場から沸き立つ疑問をわかりやすく解説しているところは、題名の如く実践的で、選手にも十分読みこなせる内容となっている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:山海堂
(掲載日:2000-01-10)
タグ:運動生理学
カテゴリ スポーツ医科学
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健康・体力のための運動生理学
石河 利寛
著者は、日本の運動生理学の大家である石河氏。この分野は、20世紀前半から半ばにかけスポーツ活動に科学的根拠を与えるものとして重要性をもたらしてきたが、後半には主に運動が健康維持・増進に及ぼす論理的背景を示してきた。この両面について、幅広い視野に立ちながら豊富な資料をもって解説した本である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:杏林書院
(掲載日:2000-07-10)
タグ:運動生理学 健康
カテゴリ スポーツ医科学
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高所 運動生理学的基礎と応用
宮村 実晴
外国では、高所に関する研究史を始め、医学的、運動生理学的見地から低酸素(高所)とヒトの適応を論じた書物は数多くあるが、日本では非常に少ないと編著者は冒頭で語っている。これに対し、様々な研究分野に協力を仰ぎ、我が国の高所トレーニングや高所科学に関する最新の情報をまとめたのがこの本。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ナップ
(掲載日:2000-12-10)
タグ:高所 運動生理学
カテゴリ スポーツ医科学
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乳酸を活かしたスポーツトレーニング
八田 秀雄
疲労物質として語られることの多かった乳酸を、「糖からできたものだからエネルギー源として使える」「勝負のカギである」という点から科学した本。初心者がつまずきそうな運動生理学の“難所”をうまくフォローしているため、読破したときには、きっとトレーニングに活かしてみたくなる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:講談社
(掲載日:2001-05-10)
タグ:乳酸 運動生理学
カテゴリ スポーツ科学
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