関節痛
順天堂大学医学部
順天堂のやさしい医学(全12冊)の第9巻となる本書は、順天堂大学が開催している「都民公開講座」の内容に新しい研究等を加えてまとめたものである。
副題は『つきあい方と治療法』。黒澤尚氏(順天堂大学医学部整形外科学教授)の「膝の痛みとつき合う」、橋本博史氏(順天堂越谷病院院長)の「関節リウマチとつき合う」、星野雄一氏(自治医科大学整形外科学教授)の「腰痛とつき合う」、武藤芳照氏(東京大学大学院教育学研究科教授、東京厚生年金病院整形外科客員部長)の「関節痛と水中運動」とともに、公開講座で行われた質疑応答が収められている。
4氏が共通して指摘しているのは、日常生活に適度な運動を取り入れることによって関節痛を軽減、改善できるということで、具体的な運動方法も示されている。運動により痛みが悪化することも考えられるが、いつ、どんな運動を行えばよいかについても本書では随所に解説している。関節痛とうまくつき合い、かつ健康的な生活を送るうえで参考にしてほしい一冊である。
2005年6月5日刊
(長谷川 智憲)
出版元:学生社
(掲載日:2012-10-10)
タグ:関節痛 トレーニング 水中運動
カテゴリ スポーツ医科学
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関節痛
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変形性膝関節症の運動・生活ガイド 第3版
杉岡 洋一 黒澤 尚 武藤 芳照 伊藤 晴夫
副題は『運動療法と日常生活動作の手引き』。第3版には黒澤尚・順天堂大学教授が編者に加わり、97年に出版された第1版、99年に出版された第2版の内容を骨格としながら、最新の研究成果で得られた科学的根拠に基づく運動療法プログラムや健康情報への対応の仕方などをQ&A形式で解説している。
「日常生活の中で治していけますか」という問いについては、関節軟骨が磨り減っていくという原因を直接治す根本的治療法がまだないこと、変形性膝関節症が高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の1つであることに触れ、「自分でやれることは自分でやっていく」という心構えが必要であるとしている。そのやれること、注意点を示しているのが本書であり、痛みの出ない階段昇降や杖の選び方・使い方、日常様式の工夫など日常生活にすぐに活かせる事柄も取り上げている。
変形性膝関節症は適切な運動によって改善や進行を予防することにもつながるが、それぞれの人に適した方法で運動を行わなければ逆に症状を悪化させることにもなる。やれることをやる前に、まず本書を一読しておくとよいだろう。
杉岡洋一監修、黒澤尚、武藤芳照、伊藤晴夫編集
2005年11月1日刊
(長谷川 智憲)
出版元:日本医事新報社
(掲載日:2012-10-10)
タグ:変形性膝関節症
カテゴリ 医学
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変形性股関節症は自分の骨で治そう! 人工関節をえらぶ前によむ本
井上 明生 大川 孝浩 永井 良治
昨今、中高齢者による運動・スポーツへの愛好家が増えている。いつまでも若く元気でいたいという思いから、ウォーキングなどの軽い運動のみならず、山歩きといった本格的なスポーツまで楽しんでいる方も多い。しかし、その一方で、運動やスポーツをやりたくても膝や腰や股関節が痛くて歩くことも困難という人もいる。
本書は、変形性股関節症という股関節の痛みに悩んでいる方たちに向けて書かれている。医学技術が飛躍し、20世紀後半には「世紀の手術」と言われるくらい股関節疾患の患者さんたちに人工股関節置換術は恩恵をもたらしたと著者は言う。しかし、本書では人工股関節置換術をすすめているわけではない。著者の信念の1つは「移植医療は医療の敗北」だと言う。いかにして股関節における移植医療、すなわち人工股関節置換術を避けるかに焦点を置き、代わりに「キアリ骨盤骨切り術」という方法を紹介している。この手術の適応、治療成績、限界など、患者の立場にたって、大きな文字で書かれている。最終的には患者の判断によるものだが、移植医療以外の対応を知っておくことは大事なことではないだろうか。
2008年12月5日刊
(田口 久美子)
出版元:メディカ出版
(掲載日:2012-10-13)
タグ:変形性股関節症
カテゴリ スポーツ医科学
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やさしい変形性膝関節症の自己管理
鳥巣 岳彦
私が勤務する治療院には、膝の痛みを抱える高齢者が多く通院されている。そのほとんどが、「変形性膝関節症」と診断され、手術をするべきか悩んでいる方も多い。
本書は、実際に多くの方が悩んでいる変形性膝関節症について、発症のメカニズムから対処法まで、一般の方や高齢者の方にもわかりやすく書かれている。カラーのイラストを多く使い、文章は簡潔にわかりやすく、難しい専門用語は使われていないなど、一般の方にも読みやすい読者思いの書籍である。
変形性膝関節症に対するアプローチとして膝周辺の筋力強化があり、私も患者さんに膝周囲の運動を指導しているが、その重要性や有効性をなかなか伝えきれないのが悩みであった。そのため、自宅での継続した運動が行えず、運動の成果も表れにくかったのだが、患者さんに本書を読んでもらった上で話をすると運動に対する理解が変わり、積極的に運動に取り組んでもらえる方が増えた。
一般の方への変形性膝関節症に対する理解や、運動の必要性を説くには適した書籍だと思う。
医療費の節約や、介護予防が積極的に謳われている昨今。本書のような書籍とわれわれ専門家の説明で、予防の必要性を理解させて取り組んでもらうことが、これからの高齢社会での重要な役割になる。1人でも多くの方に理解してもらえるように、本書を活用したい。
(山村 聡)
出版元:医薬ジャ-ナル社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:変形性膝関節症 運動療法
カテゴリ 医学
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実践 反復性肩関節脱臼――鏡視下バンカート法のABC
菅谷 啓之
之 内視鏡を用いた手術を行うドクター、あるいは術後のリハビリテーションを担当するスタッフ向けの専門書である。治療の歴史、そして基礎として機能解剖や病態、バイオフィードバックに関しての記述、そして診断、治療の方法がまとめられている。
鏡視下手術の方法については、Bankart病変、合併病変、腱板疎部縫合、骨欠損へのブロック移植などが取り上げられている。「私のアプローチ」という見出しがあるが、これは執筆者の経験に基づき、手術の手技や問題点などが盛り込まれたもの。
専門医向けではあるが、反復性肩関節脱臼に対して、これまでどのような経緯で手術の方法が確立されてきたか、また今後も技術の進歩が続いていくということがよくわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2012-10-16)
タグ:肩関節脱臼 手術法
カテゴリ スポーツ医科学
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ROMナビ 増補改訂第2版
青木 主税 根本 悟子 大熊 敦子
自身にいつも言い聞かせていることの1つに、トレーニング指導員などという職業は、乱暴に言ってしまえば「バーベルの担ぎ方を教えるだけの仕事」だということがある。医師のように直接病気やケガを治療することもできなければ、理学療法士のようにリハビリを通じてその人の命や生活により密接にコミットすることもできない。
むしろ、そうした心身を“治す”人たちの世話になる機会を極力減らせるよう、強い身体を“つくる”サポートをさせてもらうのが、我々トレーナーやトレーニングコーチと呼ばれる専門職であるから、ある意味彼らとは対極の存在であるとも言えるだろう。
が、だからこそ我々はそうした人たちともできるだけ「通訳なし」でやり取りせねばならない。たとえば、自分の担当するアスリートの膝を診てもらった理学療法士から「腹臥位での屈曲を測ったら、軟部組織性のエンドフィールによる可動域制限は少しありましたが、まあ問題ないでしょう」と報告を受けた際に、可動域測定の様子やエンドフィールといった単語を知っているかいないかで大きな差があることは言うまでもない。
トレーニングコーチはメディカルスタッフと同じ仕事はできないし、するべきでもない。だが、同じ言葉で同じ目標に向かう必要があるのだ。
ご存知の方も多いだろうが、coachという語の語源は「(目標に導く)馬車」という意味である。装いも新たになった『ROMナビ』は、医療従事者のみならずスポーツの現場に携わる多くのコーチたちにとって、ますます有用な馬車となってくれるだろう。
(伊藤 謙治)
出版元:ラウンドフラット
(掲載日:2013-11-18)
タグ:測定 リハビリテーション 関節可動域
カテゴリ スポーツ医学
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ROMナビ 動画で学ぶ関節可動域測定法
青木 主税 根本 悟子 大熊 敦子
ROMの測定はリハビリを始め医療関連の現場で欠かせないが、どんな対象にも正しく実施する感覚はなかなかつかみにくい。それを190分に渡るDVDで繰り返し学ぼうというものだ。
この第2版では片麻痺患者への測定法が追加収録された。書籍には実施時の留意点やチェックポイントがコンパクトにまとめられており、基本軸・移動軸・参考可動域角度も色分けされている。一目でわかりやすいテキストと言える。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ラウンドフラット
(掲載日:2013-09-10)
タグ:関節可動域 ROM 測定
カテゴリ スポーツ医科学
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骨盤・股関節・鼠径部のスポーツ疾患治療の科学的基礎
福林 徹 蒲田 和芳 永野 康治 山内 弘喜 吉田 昌弘 鈴川 仁人
SPTS(Sportsphysicaltherapyseminarseries)シリーズの第8巻。勉強会の内容をまとめたもので、本書では近年スポーツ疾患として注目される骨盤・股関節・鼠径部にフォーカスを当てている。
グローバルスタンダードを身につけられるよう、執筆時最新の文献をもとに知見がコンパクトに整理されている。
さらに最終章では臨床現場においてどのような評価・治療が行われているかも紹介され、判断の助けとなる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ナップ
(掲載日:2014-02-10)
タグ:骨盤 股関節 鼠径部
カテゴリ スポーツ医科学
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メディカルストレッチング 筋学からみた関節疾患の運動療法
丹羽 滋郎 高柳 富士丸
スポーツ選手と、高齢者や疾患のある人の身体は、一見正反対かもしれない。だが、筋の緊張をゆるめることで可動域が広がるのは同様である。よってスポーツ選手への徒手をより広く応用したものを「メディカルストレッチング」としてまとめたのが本書だ。
2008年の初版から臨床例も追記されている。重要語句が赤文字で記載されており、知識の再整理にも最適だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2014-03-10)
タグ:ストレッチング 関節
カテゴリ ストレッチング
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骨と関節健康カルテ
国分 正一
(日本臨床整形外科医会・発行)
「骨と関節」、言い換えると「手足と背骨」のケガと病気について、一般の人々にもわかりやすいように整理された本である。「家庭の医書の一冊に」と著者が言うように、生活の中で生じるケガから先天性の関節脱臼など広く掲げ、解説している。知識として身につけ、人に教えたくなる内容。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:金原出版
(掲載日:2000-02-10)
タグ:関節
カテゴリ スポーツ医科学
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