「やせ願望」の精神病理
水島 広子
副題は、「摂食障害からのメッセージ」。
特集のテーマで取材しながら、とある書店で見つけた書。
「(特に女性は)やせているのが、美しい」という価値観は比較的最近のものである。
データでも男は中高年で肥満が目立ち、女は特に若い層でやせているのが目立つ。
1998年の国民栄養調査でも、20代と30代の女性はやせ続けていることが示されている。
また、女性では70代を除くすべての年代で2人に1人は「自分のことを太っている」と思っているそうだ。
この本は、副題が示す通り「摂食障害」がテーマになっている。
著者は、まだ日本には専門的な医療機関が少ないこともあり、「不治の病」という印象があるが、摂食障害は治ると言う。
スポーツの世界でも摂食障害は問題になりつつある。
直接スポーツ選手の問題を扱っているわけではないが、摂食障害とは何か、本人はどうすればよいのか、周囲の人はどう対応すればよいのかがわかりやすく症例とともに紹介されている。
水島広子著 新書判 250頁 2001年4月27日刊 660円+税
(月刊スポーツメディスン編集部)
出版元:PHP研究所
(掲載日:2001-11-25)
タグ:摂食障害 女性
カテゴリ 食
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「やせ願望」の精神病理
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スポーツドクター
松樹 剛史
この本は、主人公夏樹を中心にいろいろなアスリートの心情が描かれている。スポーツに関わる人のバイブルといってもいいと思う。各章、各章に非常に心に残るセリフが多い。
第一章はACLを損傷してしまった夏樹が高校最後の大会をやり遂げる、熱いストーリーから始まる。最後の試合を間近に控え、自らの膝への不安を抱えながらもキャプテンとしてチームを支えていこうとする。「一年も休んだら、もうわたしたちの部活は終わってしまっている。そのことに比べたら、一人で膝の不安と闘うことなんて、なんにも怖くなかった」。ドクターから告知をされた直後の夏樹の言葉の多くが重く、共感を覚えた。
第二章は、野球肘の少年とその両親のストーリー。自分の夢を子どもに叶えさせたいと強く願うがため、子どもをみることを二の次に、自分の考えを押しつける。子どもを大人の小型にしたものとして扱ってしまう。
第三章は、摂食障害の女性水泳選手のストーリー。大切な人の期待に応えたい。そのためにはトレーニングで身体を鍛えていかなければならないが、女性としてみてほしいから筋骨隆々にはなりたくない。女性ならではの葛藤、切ない恋のストーリーである。この2つの章ではとくに、選手を取り巻く家族やコーチとの関わり方が、ドクターの会話方法から勉強になった。
第四章は、女性水泳選手のドーピングのストーリー。ドーピングを禁止すべきとする立場と、相対する承認すべきとする立場の意見が述べられている。また、ドーピングの病態・生理学的な内容から、検査法まで載っている。体験談も含んでおり非常にリアルである。「ルールを定めているからとか、練習をしているからとか、そういうことではありません。ドーピングをしたことで泣いている人がいる。だから私はそれを悪と断ずることができます」と言い切った看護師のセリフは簡潔かつ壮快。とくにこの章は熱く響いた。
人を動かすには人の立場に身を置くことが大切である。スポーツに関係する職業の方は、過去に選手であったが多く、その経験をもって選手、スポーツ、広くは社会に貢献しようとする方が多いと思う。しかし、月日を重ねると共に選手時代の気持ちが薄れ、指導者や評論家としての立場からの視点のみで働いてしまっていないだろうか。この本は自分の選手時代を思い出し、初心に帰るきっかけとなると思う。
(服部 紗都子)
出版元:集英社
(掲載日:2012-02-15)
タグ:傷害 摂食障害 バスケットボール 水泳 野球 ドーピング
カテゴリ フィクション
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コンビニ・外食大活用 食べて勝つスポーツ栄養の基礎知識
齊藤 愼一
栄養サポートが得られにくい、大学スポーツ選手や社会人になりたてのスポーツ選手を念頭に書かれたスポーツ栄養の本。
コンビニや外食での食事選び、自炊開始のコツ、スポーツ栄養学の活用など、豊富なイラストで紹介。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:講談社
(掲載日:2002-07-10)
タグ:スポーツ栄養学 食事
カテゴリ 食
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強くなるためのサッカーフィジカルトレーニング Q&A100
菅野 淳 星川 佳広
成長段階に応じた練習法、トレーニング法、コンディショニング、食事まで、100の疑問について日本代表コーチがわかりやすく解答。
ジュニア選手、ユース、指導者、父兄にもお勧めの一冊。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:スキージャーナル
(掲載日:2012-10-09)
タグ:フィジカル コンディショニング トレーニング 食 サッカー
カテゴリ トレーニング
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カンタンだから続けられる! 内臓脂肪ダイエット
岡部 正
副題は「生活習慣病を予防する!」。表題ではダイエットという言葉が使われているが、この本の主旨は生活習慣の改善。「こうすれば痩せる」と主張する多くのダイエット本とは異なり、「こうすれば、結果として痩せる」という視点で、生活習慣病を引き起こす内臓脂肪がつく原因を挙げ、その解決法を説いている。肥満・糖尿病専門医、岡部クリニック院長の岡部正氏が監修している。
第3章「内臓脂肪を減らす食習慣アドバイス」では、食習慣、仕事別に内臓脂肪が溜まる要因を説明し、何をすべきかアドバイスしている。この章で示された6つの食習慣と5つの仕事のタイプは、肥満に悩む人、あるいは肥満ではないと信じている人でも1つは当てはまるものがあるはずである。「かくれ肥満度チェック」の項目もあるので、こちらも参考にするとよいだろう。
本書では、「体重ではなく脂肪を落とす」「無理をして痩せようとしない」という2点が繰り返し強調され、簡単にできるストレッチやトレーニング方法、内臓脂肪がつきやすいメニュー&つきにくいメニューなど、運動・栄養についても言及している。
付録として、記録可能な食事日記・体重グラフ、全国版肥満外来・糖尿病外来・成人病予防外来のある病院リストもついており、各々の肥満状況に合わせて対策を練ることができる。痩せようと考えている人の背中を一押ししてくれる本。
(長谷川 智憲)
出版元:昭文社
(掲載日:2012-10-09)
タグ:食事 生活習慣病
カテゴリ 食
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うおつか流 台所リハビリ術
魚柄 仁之助
うおつかファンのひとりである。『台所リストラ術』から、今度は『台所リハビリ術』である。副題は「脳をみるみる活性化させる生活改善講座」。ふと、これは言いすぎかと思うが、改めて考えるとこれでよいことがわかる。
この本にも書かれているが、まだ何とか自分で食べることができる人にチューブをつけると、とたんに目から生気が失われるとか。自分で食べる、はたまた自分が食べるものは自分でつくることの大切さを忘れていることが多いのではないか。いつも誰かがつくってくれるものを食べるのは「恵まれている」ことかもしれないが、生きるという意味でははなはだ頼りない。
魚柄さんは、料理をつくっている人、たとえば飲み屋のおやじさんやおかみさんは、歳をとっても元気なことを発見し、料理がリハビリになることに思い至る。軽い筋力トレーニングでもあるし、ストレッチでもあるし、何より段取りが料理のできを決めるので、頭(脳)を働かせることになる。
魚柄さんは『ひと月9000円の快適食生活』という本で有名になったが、今は7000円でできるそうだ。でもカツオ節はちゃんと自分で削って使う。新しくて、うまくて、安くて、からだにもよい。そういう料理である。また、包丁を自分で研ぐことも挙げ「こういった手の感触や勘ってボケないためのリハビリなんスね」と言う。健康も長生きもみんな基本はここにあるだろう。
2005年5月9日
(清家 輝文)
出版元:飛鳥新社
(掲載日:2012-10-09)
タグ:リハビリテーション 食 料理
カテゴリ 食
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うおつか流 台所リハビリ術
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ダイエット&フィットネスの基礎知識
杉浦 克己
著者は杉浦克己氏。明治製菓入社後、東京大学大学院でスポーツ栄養学の博士号を取得。2002年日韓ワールドカップサッカー日本代表の栄養アドバイザーを経て、2006年から立教大学で「ダイエットフィットネス」の講義を受け持っている。同講義の定員は24名にもかかわらず、毎回4倍以上の応募があるほどの人気だそうで、この4コマ100名ほど受け持った結果をまとめたものが本書である。
内容は基本的な運動と栄養バランスの考え方をわかりやすく説明。多くの女性がこれまで関心のなかった筋力トレーニングの重要性を挙げながら、そのメカニズムと、具体的にどのように運動をすればいいのか、コアストレッチウォーキング&筋トレ・ストレッチを中心に絵や図で解説している。またトップアスリートの減量法では吉田秀彦選手(柔道)や、長谷川穂積選手(ボクシング)を例に挙げ、運動・食事・サプリメントという観点で「正しい基本知識」をまとめている。
2007年5月25日刊
(三橋 智広)
出版元:ハートフィールド・アソシエイツ
(掲載日:2012-10-12)
タグ:ダイエット 食事 運動
カテゴリ 食
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コンディショニングのスポーツ栄養学
樋口 満
2001年の初版から、2007年になり新版となって登場した体育・スポーツ・健康科学テキストブック。
本書は出版当初から大学、専門学校などでテキストとして採用されてきた。だが近年の健康の保持増進、生活習慣病予防という観点から、栄養の専門家向けに『日本人の食事摂取基準2005年版』(厚生労働省)が策定。スポーツ選手の領域においても、その栄養に関するコンセンサスが見直され、こうした状況の急速な変化と背景が、新しくバージョンアップするに至った経緯という。
初版に目を通していない方のために内容を紹介させていただくと、「スポーツ選手の食事摂取の基本」、「トレーニングとエネルギー消費量」、スポーツ選手の身体組織と貯蔵エネルギー」、「エネルギー補給」、「からだづくりとたんぱく質摂取」、「骨づくりとカルシウム摂取」、「貧血予防と鉄・たんぱく質摂取」、「コンディション維持とビタミン摂取」、「水分補給」、「サプリメントとエルゴジェニックエイド」、「試合前後の食事」、「トレーニング期の食事管理」、「スポーツ選手の栄養教育」等など。これらを章ごとに紹介しており、お腹いっぱいの内容になっている。食べすぎはよくないが、是非読みつぶして欲しい一冊。
2007年10月8日刊
(三橋 智広)
出版元:市村出版
(掲載日:2012-10-12)
タグ:スポーツ栄養学 食事
カテゴリ 食
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中高生のお母さんを応援するにじ色式部活レシピ
アテーナプロジェクト 坂元美子
これからの季節「あれ? 夏バテかな」と感じるアスリートも少なくないはず。とくに育ち盛りの子どもたちの食事管理に保護者は少しでも気をつけていきたい。
本書の副題は「中高生のお母さんを応援する」。本書のキーワードは虹色式理論。この理論は食事のカラーを赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と色を揃えることによって、バランスよく栄養を摂取しようというもの。そんなに深い理由ではないが、実際に毎日献立するのは一苦労なのが現実である。
そこで本書はオールカラーでこれらの朝・昼・晩の献立を紹介。1メニューにつき、見開きで左頁に食事写真、右頁に調理方法を記載している。また試合前や、疲労回復、エネルギーが必要なとき、おやつのときの献立、そして運動と食事に関してのQ&Aもとても役立つ内容。きっと料理するほうも楽しくなるだろう。
今思えば部活をしていた学生時代、こんな本があったら親に「これ見てお料理作ってね」と、その負担も軽くなっただろうに。
2008年5月24日刊
(三橋 智広)
出版元:西日本出版社
(掲載日:2012-10-13)
タグ:献立 レシピ 食事
カテゴリ 食
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10代スポーツ選手の栄養と食事
川端 理香
サプリメントに頼らず、栄養摂取はすべて食事からというコンセプトで書かれている。単品で料理を紹介しているため、組み合わせにより食事の幅も広がる。ただどのように選択するかは、競技特性やトレーニング状況を考えなければならない。
本書でも栄養士の立場で、競技特性を区分しているが、異なる立場で見れば、また違う区分になるかもしれない。食事摂取のタイミングなど現場ですぐに活用できる部分もあるが、試合前に確保が難しい料理もある。もう少し現実的な料理を紹介してもらいたかった。
(澤野 博)
出版元:大泉書店
(掲載日:2012-10-13)
タグ:食事 スポーツ栄養
カテゴリ 食
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金メダルレストラン
花原 勉
著者のレスリングとの関わりや、食事に関することを中心に、理論ではなく、著者の視点に立った感覚で記載されている。
競技者はこのような感覚を重視するが、指導者はそれだけではなく、根拠に基づいたものが必要になる。それを忘れて感覚だけに頼ってしまっては、継続的に競技者を育成することは難しい。
スポーツ科学が現在ほど発達していない時期に、競技者が勝利を手にするために競技外でどのようなことに取り組んでいたのかがわかる、ある意味貴重な文献である。
(澤野 博)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2012-10-14)
タグ:食事 レスリング
カテゴリ 食
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金メダルレストラン
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アスリートのための食トレ 栄養の基本と食事計画
海老 久美子
アスリートの栄養について、わかりやすく現実的な提案をしてくれるのが本書である。減量・増量、間食、ケガをしたときなど、アスリートが実際に遭遇するような場面が描かれ、それに対して食事の専門家の立場から妥当な選択肢を示していく。
アドバイスの内容は食事のみに留まらず、生活習慣にも及んでいる。食事というのが、生活習慣の根幹をなすものであり、選手の心身をつくっていくうえでいかに重要であるかがわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:池田書店
(掲載日:2010-10-10)
タグ:食事
カテゴリ 食
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勝負食 トップアスリートに学ぶ本番に強い賢い食べ方
石川 三知
プロのアスリートを食事で支える石川さん。石川さんの栄養アドバイスでメダルを手にしたオリンピック選手も数多い。
その石川さんがアスリートをサポートする中で得た経験をもとに、私たちにも簡単にできる賢い栄養バランスの取り方や食べ合わせを栄養学の説明とともに紹介している。
いざというときの目的別勝負食の摂取方法はもちろん、サプリメントの取り方についても書かれている。身体は食べ物によってつくられていることがとてもよくわかる一冊になっている。
(戸谷 舞)
出版元:講談社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:食事 栄養
カテゴリ 食
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アスリートのための食トレ 栄養の基本と食事計画
海老 久美子
スポーツを行うアスリートにとって練習、補給、休養の3つはどれが欠けてもいけないものである。本書は「食べ物の力で強くなる!」をテーマに、食べることと食べ物に含まれている栄養素だけではなく、食べものの姿や色を見たときの楽しさや調理しているときの音やにおいなど、それらをすべて含み、食べ物の力として紹介している。
本書はスポーツの年間計画に合わせたピリオダイゼーションで食事トレーニングを「座学期」「準備期」「試合期」「オフ期」の4つにわけている。そして、その食トレで使用する代表的な100種の食べ物のプロフィールとそれらを使用した家庭料理のレシピが載っている。
「座学期」では基礎的な栄養学から給食と家庭食のよい関係の築き方、コンビニやファーストフードの上手な利用法が書いてあり実践的で勉強になる。冒頭にある食生活チェックリストはアスリート用だけでなく、保護者・指導者用のチェックリストと両方の視点からチェックできるので実用性がある。
「準備期」では大会に向けて食トレを通して心の準備や体調管理、食からのケガへのアプローチ、上手な減量、増量のコツから海外遠征まであらゆる状況に対応した内容にまとまっており勉強になる。
「試合期」では試合前、当日の朝、試合後の食トレが書かれている。1点気になったのは持久系の内容は載っていたがそれ以外が載っていなかったのが残念と感じた。
「オフ期」ではオフ期の体重増加の注意事項だけではなく、お菓子やジュースとの上手な付き合い方や引退から進学までの引退後の食トレが載っており、とくに保護者にとっては勉強になる内容にまとまっている。
全体的に幅広い年齢のアスリートや指導者、保護者に向けられて作られたと書籍だと感じ、多くの人に読んで実行してほしい。しかし、幅広い読者層を狙ってしまったことですべての読者がこの一冊で食トレを理解し実行できるかは疑問が残る。ジュニアに向けた内容が多く載っていたが、そのジュニアの食事をつくるのは保護者であり、必ずしも保護者がスポーツに関わっていたとは限らないので、ピリオダイゼーションの一言では難しいのではないかと感じる。簡単にでも何かしらの競技の年間スケジュール例を挙げて記載してほしかった。
レシピでは逆に一人暮らしのアスリートや指導者には難しかったのではないかと思う。単品の料理が多く載っているのはありがたいが、実際にどのようにその単品料理を組み合わせるのがよいのかがわからない。文字では説明されていたが、写真でも1食での組み合わせはもちろんだが、3食での組み合わせ、希望を言わせていただくならピリオダイゼーションに分けた組み合わせが載っているとよりわかりやすかったのではないかと感じた。
(長谷川 大輔)
出版元:池田書店
(掲載日:2012-10-16)
タグ:食事 レシピ
カテゴリ 食
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頭で食べて強くなる
殖田 友子
教員向けの雑誌「体育科教育」に掲載された著者のコラムをまとめたものである。
一般的なスポーツ栄養の書籍では「勝つための食事」として色々な料理が掲載されがちだが、コラムをまとめたものであるため、本書においてはそういったものは巻末に資料として数例あるのみである。それゆえに栄養を考えるときの根本が、行間から読み取れる。
この中で学校内も含め、さまざまな分野での協力体制の提案もされているが、未だに変わっていないのが、日本の残念な現状だろう。はたしてそれができない問題点はどこにあるのか。
(澤野 博)
出版元:大修館書店
(掲載日:2012-10-16)
タグ:食事 スポーツ栄養
カテゴリ 食
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頭で食べて強くなる
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早稲田大学競走部のおいしい寮めし
福本 健一 礒 繁雄
人が生きていく上で、“食”は欠かせない要素である。近年サプリメントが多用されている中、出来れば毎日の食事から必要な栄養素を補いたいものである。しかも、その食事がおいしければ言うことはない。
これは誰にでも言えることだが、とくにアスリートとなるとその重要性はさらに増し、毎日の食事はトレーニングと同じくらい、いやそれ以上に大切な身体づくりの基盤となってくる。食事1つで競技成績が左右されるといっても過言ではない。しかし、摂取カロリーや競技特性そしてとくに試合前など、アスリートの食事はとにかく気を使う点が多い。そこに“味”までこだわるなんて、そんなことが可能なのだろうか…?
この本に紹介されている料理は、ただの“栄養満点メニュー”ではない。実際に、食べ盛り・伸び盛りの早稲田大学競走部の男子学生たちがその味・ボリュームともに満足し、しっかりと競技成績にもつなげている、まさに栄養と味と実績が三位一体となった“アスリート育成メニュー”なのだ。また、この本に載っているメニューたちは、親元を離れ競技に打ち込んでいる学生たちの心のよりどころにもなっている。そんな温かく、“誰か”のためにつくられているメニューをみていると、「食は楽しむものである」という“食”の根源が思い起こされる。
(藤井 歩)
出版元:主婦の友社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:食 献立 寮
カテゴリ 食
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早稲田大学競走部のおいしい寮めし
福本 健一 礒 繁雄
You are what you eat(あなたは、あなたが食べるものでできている)。
この本の中の言葉だが、まさにその通りである。速く走り、高く飛び、遠くへ投げるためには、それに見合った身体が必要であるのは当然のことであるが、その人の活動量に必要なエネルギーの供給、それだけではなく快適な身体を維持し、疲労を残さない、そして何よりも心に栄養を与える、それが食の役割である。
早稲田大学競走部の寮監として食事の面で選手をサポートしている管理栄養士の福本健一さんは、アスリートと一般の方の食事は基本的には同じで、プラスアルファとしてエネルギー代謝や体調管理、ストレスや貧血対策などの選手が抱える身体の問題を意識して、食べる量やタイミング、質などを選手の状態に合わせて変えていくことが必要といい、強い心と身体をつくるごはんを目指している。
本書には栄養素と食品、必要なエネルギー量や栄養バランスだけではなく、実際に寮で選手が食べているメニューがたくさん紹介されている。見ていると本当に美味しそうだ。選手が「とにかく美味しい」「ご飯の時間が好き」と言っていることでもわかるように、競技のために「食べなくてはいけない」のではなく、自然に「食べたい!」と思う寮めしを理想にしている、と福本さんは言う。身体は資本。ぜひ参考にしてもらいたい本である。
(大槻 清馨)
出版元:主婦の友社
(掲載日:2012-10-16)
タグ:食事 献立 寮
カテゴリ 食
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カリフォルニアダイエット&エクササイズ
Peter Wood 萱沼 文子 井上 和子
アメリカでも日本でもダイエット・ブックは文字通り山ほどあり、その山は積み重ねられていく一方。それだけ、逆に効果的なものがないともいえる。美しく痩せることを望み、多くの女性がこの種の本を求めていく。だが、どんな魅力的なキャッチ・フレーズを掲げようとも、本誌としては運動しないで食事だけの工夫で痩せることを、真に健康を求めるものとは認めがたい。それは、小社刊『フィット or ファット』の読者なら容易に納得できるところだろう。
本書の“標語”はPlay more, eat more, weigh less! である。つまり、今以上に運動し、今より食べて、かつ体重は軽く、スリムにということだ。積極的な真の健康を求める人にとっては、この標語がすんなり理解できるのではないだろうか。食べすぎると肥満する、運動しないから肥る、はたまたその逆。いろいろなことがいわれるが、ではアスリートはどうか。運動は人一倍し、食べるのも人一倍。それでいてスリムではないか。
本書は、運動と食事の両面から新しいウェイ・オブ・ライフを提唱する本ともいえる。「フィットネス概論」といった趣きがあるのも、この本の正しい方向を示すところである。平易に書かれているが、追跡調査をもとにした科学的な内容で、洒脱なイラストとともに楽しく読み進める。肥満について、運動について、栄養について、そして実際のダイエット・プログラムについて、ぜひとも本書で学び、かつ実践していただきたい。アスリートにとっても、食事への関心は年々高まっている。食事とは何なのか。すでに運動している人がこの問題に目を向けることが、意義深いのはいうまでもない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ソニー企業
(掲載日:1984-08-10)
タグ:フィットネス ダイエット 食事
カテゴリ 運動実践
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筋肉まるわかりバイブル
石井 直方
筋肉の基礎知識、トレーニング(初級と中・上級)、栄養、食事、雑学の分野で網羅し、100のQ&A方式、1ページに1項目で解説。筋肉について、それをどのようにトレーニングするかについて、また何が必要なのかについてわかりやすい言葉で説明されている。内容を踏まえて描かれたイラストが、ユーモアにあふれている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2007-10-10)
タグ:筋肉 トレーニング 栄養 食事
カテゴリ スポーツ医科学
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筋肉まるわかりバイブル
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スポーツの栄養・食事学
鈴木 正成
かつての横綱北の湖は、小学校6年生のとき相撲界で人生を送る決心をしたとき「たくさん食べて昼寝をすることが大切」だと考えたそうだ。「睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になるので、からだづくりは寝ている間に活発になります。したがってより大量の筋肉をつけるには、寝る前の食事でしっかり肉や魚、チーズ、卵などを食べることが大切であり、その後に深い睡眠を充分にとることが必要なのです。少年北の湖は、この重要なサイエンスを心眼をもって読み取っていたことになります」。これは今回紹介する本の序からの引用だが、本文中ではさらに詳しく次のように記されている。
「筋肉たんぱく質や骨づくりは、成長ホルモンによって促進されます。多くのホルモンの分泌には日内リズムがあり、睡眠機に分泌が高まります。とくにノンレム(non-REM)睡眠期に分泌が高く、レム睡眠期には低下してしまいます。(中略)ノンレム睡眠期には体温が一日中で最も低下し、全身の細胞のエネルギー代謝の低下や筋肉の動きがみられなくなります。このような生理条件下にあってはエネルギー(アデノシン三リン酸、ATP)消費が少ないので、筋肉細胞中にATPが大量にプールされます。この豊富なATPが筋肉たんぱく質づくりにまわるのです。(中略)ノンレム睡眠は眠りに入って1時間後ぐらいから約3時間続きます。また、午前中の眠りではノンレム睡眠に入りにくく、昼寝(午睡)では比較的入りやすいのです」(P88〜91)
著者は、ホウレン草をひと缶食べただけで宿敵ブルートを一発でブッ飛ばす「ポパイのホウレン草」のような食べ物、飲み物が発見された記録は見当たらないとしながらも、上記北の湖の例を引き、「このように、素質とサイエンスが融合し適合したとき、食べ物は数年から十数年の年月をかけて、『ポパイのホウレン草』になれるのです」(序より)と述べている。
確かに、「ポパイのホウレン草」はスポーツ選手にとって魅力のある食べ物である。現在のスポーツ栄養学流行りのなかに、そういった特効薬的食事内容を求める風潮がなきにしもあらずであろう。そういった風潮の1つの現れがドーピングとみることもできる。
しかし、真のスポーツ栄養学とは、スポーツ選手にとって、栄養・食事面から激しい運動を支える適切な知識を提供し、さらには各競技、各種目に応じ、また各個人に合わせた有効、安全な指針、アドバイスを提供できるものでなくてはならない。トレーニングの成果を最大限にし、パフォーマンスを最高度にするために、栄養・食事面でのマイナス要素を除き、マシーンとしての身体の機能を最大限発揮する助けとなるスポーツ栄養学は、高度なスポーツ選手に求められるものであり、注目を浴びるところだが、そればかりに気を取られていてはならない。
そこで、私たちはそもそも栄養学とは何なのかを、ひとりの個人に立ち返って思わざるを得ない。“学”とつくからには学問の一分野であることは疑いない。しかし、では、学問とは一体何なのか。何のために、窮極何を目指して存在するものなのか。科学が進歩し、ICとかエレクトロニクスとか、ハイ・テクノロジーとか、なんとかかんとか、私たちの周囲には、専門家以外には得体の知れぬものが蠢いている。だが、そのどれも携わっているのは、誰あろう、みな人であり、人間なのである。高度な知的トレーニング、知的集積、展開がもたらす所産、それは凡人の手が届くところではないが、それがもたらすものは、凡人である私たちの身の上に関わるものなのである。ならば、私たちは、スポーツと栄養、スポーツ栄養学の地平で、根本何を求めるべきか、何を知りたいのか。
「本書には、運動と栄養について基礎的な理論が解説され、同時に具体的な食生活のあり方が説明されています。また、健康を目指す人々のスポーツライフのあり方とその結果についても述べられています。そして、チャンピオンたちが、どのような食生活をしながら、からだと体力をつくってチャンピオンの座を獲得しそれを維持しているのか、その科学的な背景についても解説されています。(中略)人間の食生活には、過去の食料不足時代にあった『生きるために食べる』食生活と、飽食時代にみられる『食べるために生きる』現代人の食生活の二つがあります。このことに加えて、人間の食生活には『文化を創造するために食べる』食生活もあることを、広く認識してもらうことに本書が役立つとすれば、それは望外の喜びです」(序より)
何をどう食べるか、それはまず命の問題である。次に健康の問題である。そしてさらに文化の問題である。スポーツは文化の1つである。こういった考え方のなかにスポーツ栄養学なるものが位置づけられてこそ、健全なのではないだろうか。「ポパイのホウレン草はありやなしや」、本書をじっくり読んで考えていただきたい。
主な目次
I章 アスリートのための栄養をデザインする
A. からだづくりの栄養学
B. スタミナづくりの栄養学
C. 疲労とその予防・回復の栄養学
D. ウエイトコントロールの栄養学
E. ビタミンのゆとりの栄養学
F. 発汗と水分・ミネラルの補給
G. 環境と運動能力
H. 敗者にサイエンスを発見する謙虚さ
II章 アスリートのための食生活をデザインする
A. 食生活の概念とスポーツ
B. からだづくりの食事学
C. スタミナをつける食事学
D. し好飲料とスポーツ
E. ウエイトコントロールの食事学
III章 合宿期と試合時の食事学
A. 合宿練習期の食べ方
B. 試合時の食べ方
IV章 ヘルス・アスリートの健康学
A. リハビリテーションでスポーツを開始するのが決め手
B. 体操、即歩、ジョギングの効用
C. ウエイトコントロールは安全性を第一に
D. アルコールと健康
E. ウルトラマラソン中の水分の過剰摂取の害
F. 生涯にわたるスポーツの生活化
終章 人生を豊かにするスポーツ
A. 文化とスポーツ
(清家 輝文)
出版元:同文書院
(掲載日:1986-07-10)
タグ:スポーツ栄養学 スポーツ食事学
カテゴリ 食
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スポーツの栄養・食事学
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明日から朝食をやめなさい
小山内 博 片岡 幸雄 生山 匡
昔、江戸時代は1日2食だったとはよくいわれることである。1日3食になった歴史は極めて浅いというわけだ。狩猟時代のことを考えると、朝起きたとき食べ物があること自体おかしなことだった。
1日2食でもよいのではないか、いや1日2食のほうがからだによいのだと、朝食抜き、すきっ腹トレーニングを提唱するのが『明日から朝食をやめなさい』(小山内博、片岡幸雄、生山匡共著、主婦と生活社)だ。
著者らは、朝食抜きだから貧血になる、朝食抜きだから太る、朝食抜きだから朝礼で倒れる、といった一般常識を根拠なしとし、むしろ朝食を抜いて、その時間エアロビックな運動をするほうが健康になるという。
「私たちの考えによれば、朝食を抜く生活こそ、運動量を増やし、食事量を減らせる絶好のチャンスなのである。批判されなければならないのは、朝食を抜くそのことではなく、そのチャンスを運動量を増やすことに生かさず、かえって一回の食事量を増やし、肥満への道をつくり、さまざまな成人病を引き起こす方向へやすやすと流されていっていることなのだ」(P31〜32)
ちょっと異色の健康ブック。食事と栄養、運動と肥満などに関心のある方は読んでみてはいかが。具体的な体験談も収録されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:主婦と生活社
(掲載日:1986-11-10)
タグ:栄養 食事
カテゴリ 食
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明日から朝食をやめなさい
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ダイエットは運動1割、食事9割
森 拓郎
同タイトルの電子版から大幅加筆と修正を加えた改訂版として、紙での書籍発行となったものだ。彼の前作の電子書籍「お腹を凹ませたい? だったら腹筋運動なんかやめちまえ」同様、今回も「ダイエットは運動1割、食事9割」と運動指導者らしからぬタイトルに目を奪われるが、前作を読んでいる者としては期待感が非常に大きかった。
森氏本人は運動指導者にもかかわらず、折に触れて自分が運動嫌いであることを言っている。そんな性格ゆえに痩せようと奮起してフィットネスクラブに通いだした人や、成果が出ていない人に共通する勘違いやムダに目がいくようだ。医療従事者の私からみても、日本の医療費削減につながるくらい彼の指摘は正しいものに思え、またその言い分も至ってシンプルで、非常に受け入れやすいものなのだ。それが随所に見られる。
本書での読者に対する投げかけは「運動すればやせると思っていませんか?」というもの。
第1章では、「運動だけでは痩せられません」とし、痩せるためにする運動で無駄に食欲が増してしまう事実や、代謝を上げても体重は減らないこと、楽しく続けられない運動はストレスの元になるだけ、と今やっている努力にどれほどムダが多いかを説き、第2章では、そもそも太った原因はどんなことが生活であったのか、意外に一般の方が知らない、陥りやすい食の負のスパイラルについて、幅広い食事にまつわる知識とデータを用いて話を進めており、このあたりになるとかなり身近な話でどんどんと読むスピードがあがっていく。
そして3章ではその負のスパイラルから抜け出す食事の鍵となるものを栄養学の側面だけでなく、ライフスタイルも交えて紹介しているが、これが不思議と「私にもできるなぁ」という思いにさせられるものなのだ。
4章にして初めて運動指導者らしい記述が登場してくるが、あくまで、運動は増やすものではなく、そもそもの太る原因をやめることだと。また頑張る人ほどリバウンドもし、そのリバウンドでさえ実は考え方、メンタルに由来するものであると説いている。結局は、ダイエットとは痩せることでも食事制限をすることでもなく、継続的に続けていける食事との正しい付き合い方、食生活の改善こそがダイエット(食事療法)なのだと結論づけている。
本書が良書だと思われるのは、実際に運動指導をされている方たち、また私のように医療現場で日々患者さんに身体のことで相談される立場の者たちが、ダイエットを希望される方や健康になりたいと思っている方たちに対して日々伝えてきていること、伝えたい事実が無駄なくスリムにこの一冊にまとまっているところだ。実際、1時間にわたってこんこんと説明することや、毎回説明しても理解されないことが、「これ読んでおいて」と本書を手渡せば解決しそうなのだ。実際、この書評を書き始めた頃に増刷が決定したとのアナウンスがされていた。
(藤田 のぞみ)
出版元:ディスカヴァー・トゥエンティワン
(掲載日:2014-04-04)
タグ:ダイエット 食事
カテゴリ 食
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なりたいカラダになる食材のルール トータル・ワークアウト式ダイエット
池澤 智
トータル・ワークアウトでは、ジム入会者に「食事の仕方」の話をまずするという。それを体系的にまとめたのが本書だ。
食材・レシピの選び方、食べる量・間隔、そして日常的なエクササイズとの併用という3つのルールに則って、「なりたいカラダ」別に3種類のダイエット法(食べ方)を紹介している。食材の選び方に多くのページを割いているのは、とくに女性の場合「○○は美容にいい」といった健康知識が豊富で、それをもとにアレンジを加えてしまいがちなことを考慮した結果だ。
主に一般女性向けの内容ではあるが、食材の基本情報やレシピなどは、チームやアスリート、ジュニア世代への食事指導の際に大いに参考になるだろう。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:実業之日本社
(掲載日:2012-05-10)
タグ:食事 ダイエット
カテゴリ 食
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アスリート食堂 筋力向上のための一週間献立集 体づくりと試合に向けて
吉谷 佳代 小清水 孝子
研究成果に基づいて栄養素を配分したメニューであるのはもちろんだが、本書はさらに「食べてもらえる」ことに焦点を絞っている。
週末に試合のある一週間を想定して紹介されていくメニューは、どれも食欲を誘うもので、かつ朝食・昼食の調理時間は10分程度に抑えられており、取り入れやすい。
自炊するアスリートや選手の家族に勧めるのにちょうどよい1冊だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:文光堂
(掲載日:2012-06-10)
タグ:食事 献立
カテゴリ 食
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食と健康のホントがみえる栄養学 健康検定協会推奨 知りたいトピックから学べる実践参考書
古畑 公 木村 康一 岡村 博貴 望月 理恵子
正しい知識をもとに望ましい生活習慣を身につけることさえできれば、健康やパフォーマンスアップにぐっと近づく。だが、食や身体に関してはさまざまな情報が溢れ、どれを信じてよいのかわからない。そこで本書によって、科学的根拠を理解するとともに「健康力」を身につけようというわけだ。
〇╳形式でトピックがわかりやすく解説され、冷え性や腰痛など症状から索引をたどることもできる。栄養について1から説明していく形ではなく、日々の生活から食を振り返ることのできる形式となっている。選手や患者を24時間見張ることはできないが、本書によって自主性を育てることはできるかもしれない。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:誠文堂新光社
(掲載日:2012-07-10)
タグ:栄養 食事
カテゴリ 食
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35歳からのカラダルールBOOK
谷本 道哉
運動、食事、生活習慣の3つのカテゴリーに分け、Q&A方式で身体に関する正しい知識を紹介していく。35歳からの、と銘打っているのは身体に変化が起きそれを自覚しやすい時期なのに加えて、無理のない方法に着目してほしいというのもあるだろう。
運動編では「10回オールアウト」や、長時間のデスクワーク中30分に一度は立ち上がるか、クッションを使う、といったことが勧められている。
回答役の谷本氏も、若い頃の重さにこだわった筋トレを反省しているという。だが、無理のない新しいルールを実戦すればこれからを健やかに過ごせることがわかる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ベースボール・マガジン社
(掲載日:2016-04-10)
タグ:トレーニング 食事
カテゴリ トレーニング
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もうダイエットはやめよう! ボディウェイト・コントロール 健康のための体重調節
西端 泉
本書は「こうやって痩せましょう」というダイエット本ではない。さらには文中において、本来「食事」を意味する「ダイエット」という言葉を、「減量」という意味で使わないようにしている。栄養士である著者の、体重管理に関する誤解が広まらないようにという願いが込められている。
前半では、減量が必要なのは肥満かつ関連した疾患や障害がある(発生の恐れのある)人のみと説く。無理な減量や痩せ過ぎのリスクも、豊富な図表とともにきっちり記載されている。そして後半では、身体活動量を増加させることによる肥満解消の方法を紹介する。
トレーニングの場に、「痩せたい」とやってくる人は少なくない。彼らに対して専門家がどのような説明・対応が望ましいかがひしひしと伝わってくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:ラウンドフラット
(掲載日:2015-04-10)
タグ:体重管理 減量 食
カテゴリ 指導
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カラダにいい!がカラダを壊す
亀田 圭一
食べ物やトレーニング法など、「カラダにいい」という情報が溢れかえっている現代。これが思考停止ワードになってしまっている人に向け、身体の何に、どのようにいいのか? いいと言える理由は? と再考を促していく。すると根拠の乏しい思い込みが多いことに気づかされる。
自分の現状を正確に把握して、自然に過ごす。本当に「カラダ」にいいことはシンプルだ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:日本経済新聞出版社
(掲載日:2015-12-10)
タグ:トレーニング 食
カテゴリ 運動実践
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細マッチョ肉体改造法
古家 政吉
紹介されるワーク(トレーニングメニュー)は6つ、それもクランチやスクワットなどシンプルなものだ。古家氏はそれを継続すること、最適な強度で行うことこそ重要だと説く。とは言えわかっていてもなかなか始められない、続けられないものだが、本書は古屋氏自身をはじめ「トレーニングによって体型が変わると人生がどう変わるか」が何例も書かれており、読者を動かす力がある。「週1回10分」という無理のない量から取り組んでいき、体型に変化が見え始める頃には、トレーニング効果をより高めるべく食事などの生活習慣を考え直す「細マッチョ脳」も働き出すという。そうなれば理想の体型に向かって、継続することが楽しくなる。
シンプルで易しいメソッドに、実はトレーニングの醍醐味が凝縮されていることがわかる一冊だ。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:講談社
(掲載日:2012-03-10)
タグ:トレーニング 食
カテゴリ トレーニング
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健康管理する人が必ず知っておきたい栄養学の○と×
古畑 公 木村 康一 岡村 博貴 望月 理恵子
2011年に発行された『食と健康のホントが見える栄養学』の増補改訂版にあたり、日本食品標準成分表2015年版(七訂)にも対応している。巻末に○×練習問題もあるが、基本的には栄養学の基礎や食材、食の迷信などをトピックとして取り上げ、科学的根拠に基づいた正しい情報を解説する。
さらに後半では、花粉症や口内炎といった健康レベルを下げてしまう症状に対して、栄養学の観点からどんなアプローチができるかも紹介。
気になるトピックや症状を扱ったものから読み始めることができ、図表やイラストもわかりやすく、内容が頭にすんなりと入ってくる。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:誠文堂新光社
(掲載日:2016-07-10)
タグ:栄養学 食事
カテゴリ 食
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若返りホルモンダイエット
石井 直方
成長ホルモンなど若返り効果があると言われるホルモンの分泌を促す運動を「若返りホルモン体操」と名づけ、その方法をイラストで解説。さらに正しい食習慣を促す「若返りホルモン・ダイエット」も紹介。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:講談社
(掲載日:2004-03-10)
タグ:食 ダイエット 体操
カテゴリ 運動実践
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10代スポーツ選手の栄養と食事
川端 理香
スポーツ栄養について、わかりやすく解説した本。基本に始まり、競技別のレシピ、目的別のレシピが豊富な料理写真とともに紹介されている。食事のアレンジ術として、試合前後、オフシーズン、間食など状況に応じたアドバイスなどがまとめられている。
栄養や食事に対する考え方、食材の選び方、食べ方を身につけるうえで有用。巻末には食材別インデックスがついているので、自分で用意したり、子どもにつくるときに便利である。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:大泉書店
(掲載日:2009-10-10)
タグ:食事 スポーツ栄養
カテゴリ 食
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早稲田大学競走部のおいしい寮めし
福本 健一 礒 繁雄
「くじけない心と身体をつくる」「食べて走れ」と表紙に文字が並んでいるように、早稲田大学競走部の寮で出されている食事「寮めし」を、レシピを中心に、600kcalを目安とした盛り付け例とともに紹介している。選手や指導者からのコメントが楽しい。基本となるのは「栄養バランスのよい和食」であり、これに果物と牛乳がつく。一般向けにももちろん応用可能だが、60人分の食材の分量や調理のコツも掲載されている。
(月刊トレーニング・ジャーナル編集部)
出版元:主婦の友社
(掲載日:2011-11-10)
タグ:食 献立 寮
カテゴリ 食
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スポーツする人の栄養・食事学
樋口 満
あまり勉強してこなかった疎い分野だったので、新しく知ることが多かった。普段のご飯の食べ方、スポーツドリンクの取り方や、1日のエネルギー摂取量の求め方など、網羅的な情報が一冊にまとまっていて助かる。
・必須アミノ酸のうち、牛肉やサケ、牛乳に多く含まれるロイシンに、バリン、イソロイシンを加えた3つは「分岐鎖アミノ酸(BCAA:Branched Chain Amino Acids)」と呼ばれ、筋肉づくりにとても重要な役割をしている。
・牛乳に含まれる約3.3%のたんぱく質の80%がカゼイン、残りの20%がホエイ(乳清)で、いずれも筋たんぱく質の原材料になる。このホエイには分岐鎖アミノ酸が多く含まれていて吸収もスムーズなことから、練習や試合の後にできるだけ早く牛乳を飲むと筋肉の回復を促してくれる。
・大豆イソフラボンは、大豆胚芽に多く含まれているフラボノイド(色素成分)の一種で、閉経によって激減する女性ホルモンのエストロゲンに似た作用をもち、骨量の減少を抑える働きがある。大豆イソフラボンがもっとも多く含まれる食品はきな粉、ついで豆腐、納豆、煮大豆、味噌、油揚げ、豆乳などがある。
・必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸は共通して心疾患のリスクを低下させるだけでなく、オメガ3は脳の発育にも重要な役割をはたし、認知症の症状改善の期待が高まっている。オメガ3脂肪酸は植物性油、クルミ(α-リノレン酸)、青魚のDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などが含まれ、中性脂肪値を低下させる作用がある。オメガ6脂肪酸(116系脂肪酸)には、植物油やマヨネーズに多く含まれるリノール酸、肉、魚、卵、肝油などに含まれるアラキドン酸、月見草油など特殊な植物油に含まれるγ-リノレン酸などがある。
・国際オリンピック委員会のサプリメントに関する合意声明で、効果が認められているのは「カフェイン」「クレアチン」「硝酸塩」の3つ、カフェインをもっとも含む飲料は、玉露(日本茶)のほか、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶など。クレアチンは、クレアチンリン酸として骨格筋に存在し、瞬発力を高める働きをする。硝酸塩はNO(一酸化窒素)の生成を促し、骨格筋への血流量増大などが見込める。
やせ・月経異常・貧血・骨粗鬆症など、女性特有の問題や、ジュニア、ミドル、シニア世代特有の問題と対処法についても触れられ、競技種目別にもページが割かれている。ほかに、過度な運動のデメリット、たとえば免疫機能が低下し、風邪をひきやすくなる(オリンピックの大会中のアスリートでもっとも多い訴えらしい)、酸化ストレス(活性酸素)によって細胞の働きが低下することで、疲労感につながることなどは興味深かった。スポーツも栄養も「過ぎたるは及ばざるが如し」ということだろうか。
以下の内容がとくに面白いと思った。
・ヨーロッパのサッカー選手を対象に、糖質の摂取量の違いが試合での動きにどのような影響を及ぼしたかを調査した報告(Kirkendall DT, 1993)。試合前に糖質をしっかりとって筋グリコーゲンレベルが高い選手と、糖質をあまりとらずに筋グリコーゲンレベルが低い選手の1試合での移動距離を比較したところ、前者が12km、後者が9.6kmと2.4kmの差が出た。試合中の動き方も、前者の場合、走っている(ジョギング&スプリント)割合が8割、歩いている制合が2割に対して、後者の場合は、双方の割合がほぼ同じという結果が得られた。
栄養素がパフォーマンスに大きく関わっていることが見てとれる。
(塩﨑 由規)
出版元:集英社
(掲載日:2022-05-16)
タグ:スポーツ栄養 食事
カテゴリ スポーツ栄養
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