ATACK NET ブックレビュー
トレーニングやリハビリテーションなど、スポーツ医科学と関連した書評を掲載しています。
テーピング療法最前線
医道の日本社編集部
1970年代にアメリカから日本に渡ってきたアスレティックテーピングは、故・山本“KID”徳郁の父、山本郁榮(やまもといくえい)氏がアメリカで学び日本に持ち込んだとされている(山本郁榮、野田哲由 、平沼憲治『スポーツ外傷障害からみたテーピングの実技と理論』)。
今や医療・スポーツ現場に広く普及したテーピング。テーピングの巻き方を解説した書籍も多く出版され、高校生や部活のマネージャーでも巻き方を知っている。我々「専門家」に求められるテーピングの技術はより高度になっていると言えよう。
本書『テーピング療法最前線』ではスポーツ、臨床現場で使われているテーピングの種類や、はさみなどテーピングを扱うためのツールなど基本事項から、キネシオテーピング、スパイラルテーピングなどのより専門的な技術まで詳しく解説されている。また、オーストラリアなど、海外のセラピストによる症例への応用や、徒手療法、鍼灸、物理療法との組み合わせについての章もあり、異なる文化の視点からのテーピング技術を学ぶこともできる。
テーピングは関節の安定化だけでなく、皮膚の柔軟性の向上、神経系を刺激して運動パフォーマンスの向上と治癒の促進まで多様な応用がなされている。
あなたが治療家でもトレーナーでも、「専門家」として現場に立つのであれば、ぜひ読んでいただきたい。
(川浪 洋平)
カテゴリ:アスレティックトレーニング
タグ:テーピング
出版元:医道の日本社
掲載日:2024-04-19